BLEACH/Excalibur〜約束された勝利の剣〜   作:ザイソン

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前半おふざけ、後半割とマジな話です。



VS セイバー 〜炎の料理人(仮)〜

望月は念願の席官になることができた。元々席官クラスの実力はあった。九十番代の鬼道、二重詠唱。それでも席官になれなかったのは、ただ単に慣れなてないから使ってこなかった。故に誰も実力を知らなかった。それだけだ。

 

十三番隊五席。かなり出世し、恋次に、

 

「ザマァ!」

 

「よし、ならば戦争だ!」

 

という事件が起こった。結果は十一番隊隊長の更木剣八が乱入してきて決着がつかなかった。

 

二人とも必死に逃げました。

 

斬られても倒れない不死身の化物なんて相手にしてられない。

 

望月は最近、新たな力を得るべく、死神として最終目標である、"卍解"の修行を開始することにした。

 

まずは具象化。これができねばならない。通常、具象化に至るまでに十年はかかると言われるが、

 

「オイ、セイバー。最高級の団子食わしてやるから出てこい」

 

「よろしい。ならば出陣です」

 

食べ物で釣ったら出てきてくれた。さすがは腹ペコ王。

 

セイバーを団子屋に連れて行ったら鬼の様に食われて望月の貯金がなくなったのは内緒だ。

 

セイバーが満足した時に卍解の話を切り出した。

 

「なるほど・・・それでわざわざ呼び出した訳ですね」

 

「卍解に必要なのは屈服なんだけど・・・」

 

正直言ってセイバーに勝てるかどうか分からない。エクスカリバーの本体なだけあって剣の扱いは達者で強い。

 

「よろしい。ならば作りなさい」

 

「・・・は?何を?」

 

「美味しい食事を。それが屈服の条件です」

 

そういえば、こいつは腹ペコ王だった。

 

 

 

望月の特技は料理である。理由は簡単。自分が食べるのが好きだから。貯金だってその九割が食費に消えていく。

 

好きな料理は豚の生姜焼き。ご飯と合うのが良い。

 

「駄目です」

 

「なん・・・だと・・・」

 

渾身のできの豚の生姜焼きがアウトになった。

 

「ば、馬鹿な・・・」

 

「あ、でも緑茶は美味しかったです」

 

「そりゃ、俺の家に有るのはわざわざ現世から取り寄せた、"最高傑作玉露 屋敷の茶"。めっちゃ高かった・・・って、なんで勝手に飲んでるんだ⁉︎」

 

"最高傑作玉露 屋敷の茶"。名匠 山下壽一作のお茶で、一キロあたり百十二万円位する美味しいお茶。

 

「いや、食べた後には飲みたくなりますから」

 

「まぁまて。まだ終わりだとは言ってない。この、俺が食べるつもりで昨日から煮込んでいた豚骨スープを使ったラーメンが・・・あれ?無い」

 

「美味しかったですけどまだまだです」

 

いつの間に食べたのか寸胴に入れておいたスープとともに麺が消えている。

 

「セイバー!チクショー!って、その今飲んでる紅茶って・・・この一番上の棚にあった・・・」

 

「いい紅茶ですね」

 

「"フォートナム・メイソン"の紅茶がぁぁぁ!!!!」

 

"フォートナム・メイソン"。イギリス王室御用達の紅茶。もちろん、美味しい。高い。

 

「まだだ、まだ終わらんよ!尸魂界(ソウル・ソサエティ)で最強の"海賊潰しの海賊(バイキング・キル・バイキング)"としてッ!絶対にッ!負けられない!!!!」

 

そう言って望月は立ち上がる。この腹ペコ王の舌を満足させる料理を作る為の戦いへ———!

 

(望月。貴方の料理は美味しい。それは確かです。しかし、真の美味しさとはまた別のところにある。それが気づくことができれば・・・)

 

 

注)ちなみに、これはあくまで、卍解の修行です。

 

 

結果として、セイバーを満足させる料理は作ることができなかった。ひとまずセイバーにはお帰りいただき、望月は新たな料理のレシピを求めて図書館に来ていた。ここには尸魂界(ソウル・ソサエティ)のあらゆる情報が揃っている。

 

「あらかた調べ終わったかな?そろそろ夕刻だから帰るか」

 

望月は借りる本を数冊持って立ち上がると、ふと、尸魂界(ソウル・ソサエティ)で起こった事件ファイルが目に入った。

 

そこには、かつて望月が起こした、"海賊潰し事件"が載っていた。

 

「・・・あの後、あの料理屋出禁になったっけ・・・」

 

興味本位でペラペラ捲っていると、興味深い事件を見つけた。

 

「・・・"虚化事件"?主犯、初代技術開発局局長 浦原喜助、当時大鬼道長 握菱鉄裁らによる非人道的な実験・・・当時五番隊隊長 平子真子らを含む多くの死神が犠牲・・・?」

 

そこには何十年も前に起こった事件の全容が書かれており、何故かそれは望月を深く引きつけた。

 

(ん?でもこの事件おかしく無いか?)

 

違和感その1

何故、握菱鉄裁は禁術を使用したか。

握菱鉄裁は禁術である、"時間停止"と"空間転位"を使用し、罪に問われていた。もしかしたら自身の研究室でじっくり調べたいのもあるかもしれない。

この事件は流魂街近くで起こっていた。が、そもそも実験したいのならば平子信子らを研究室に連れてきたほうが手っ取り早い。流魂街で事を起こす必要はない。つまり、禁術を使う必要がない。

そうなると自分の研究室を持ってないが故に外で行った者がいると考えられる。

 

違和感その2

当時十二番隊副隊長 猿柿ひよ里は虚化研究の事を知らなかったのか。

彼女は十二番隊副隊長。故に当時十二番隊隊長であった浦原喜助の設立した開発局には出入りしていたはず。というか彼女も研究室の室長だった。ならば虚化の研究に携わっていたと考えるのが妥当。しかし猿柿ひよ里も虚化事件の被害者であると資料にはある。なぜ猿柿ひよ里なのか。同じ研究室にいた現十二番隊隊長の涅マユリでもいい。

そうなると猿柿ひよ里と技術開発局自体はシロと考えるのが妥当。

 

(全て浦原喜助の秘密の研究としてしまえば話はそこで終わりなんだけど・・・どうも、キナ臭いな)

 

ここでやめておけばよかったが、望月はこの事件について調べ始めてしまった。

 

当時の事をしる浮竹や享楽、卯ノ花、マユリ、東仙に話を聞き、資料を読み漁った。

 

藍染と市丸にだけ聞かなかった。理由は、望月は藍染が好きではない。なんとなく、胡散臭い。市丸は、普通に不気味というか謎の恐ろしさがある。

 

 

 

尸魂界(ソウル・ソサエティ)、某所。

 

「どうやら数十年前の虚化事件について百目木望月とかいう死神が嗅ぎ回っているようです」

 

東仙要がとある男に望月の事を報告しており、男は胡散臭い笑みを浮かべた。

 

「気にすることはない。どっちみち、証拠はアレで隠してある」

 

「いえ、百目木望月は、ソレすらも掻い潜って証拠を見つけ始めたようで・・・」

 

「いやぁ、その子はやるなぁ。面白い。まさか、"鏡花水月"の完全催眠を破るとは。どないすんの?」

 

「なら、早いうちに始末するしかない。行くよ、二人とも」

 

「了解しました、藍染様」

 

藍染と市丸、東仙は斬魄刀を持ち、夜の尸魂界(ソウル・ソサエティ)に消えていった。




アヴァロンって鏡花水月の催眠を打ち消せる前提でのお話です。

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