フランドールの日記   作:Yuupon

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 四日くらい休憩したんで投稿。
 ナナシくん視点です。
 あとなろうで新連載始めました。タイトルは「召喚世界の使い魔」です。
 つってもまだプロローグなんですが……、、、
 



番外編
ナナシの日記1


 

 

 

 ナナシの少年は何を思うのか。

 これはモブから主人公格へ成長する彼視点の日記である。

 

 

 

 五月ニ日

 

 

 寺子屋に転校生が来た。

 どうやら俺のクラスらしい。それでけーね先生に紹介されて、寺子屋に入ってきたのは女の子だった。

 妖怪の女の子だ。凄く珍しい羽根をしてた。枝から綺麗な石が生えててさ。

 ただそいつ挨拶とかに慣れてないみたいで凄いカミカミだった。

 

「は、ははは初めまちゅっ……! あぅ……」

 

(噛んだ……)

(噛んだな……)

 

 顔真っ赤にして下向いてて、うん。あれは破壊力抜群だわ。

 それに凄く可愛い子だった。そんな子がこんなポカやらかすあたり天然の男キラーなのでは無いだろうか。

 皆ウキウキしてたし。

 とはいえ自己紹介失敗した相手側から考えると結構悲惨だけどさ。

 うーん……フォローしてやるか? 席隣だし。

 あっ、ちなみにそいつの名前はフランドール・スカーレットというらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 五月四日

 

 

 スカーレットは意外とメンタルが強いらしい。

 自己紹介であれだけ失敗してよく来たと思うよ、正直。

 授業も普通に受けてた。俺は慧音先生の授業中に寝て頭突きされたけど……凄い痛い。頭が割れそう。

 でもそれを母さんに話すと「そういえばお父さんもよく頭突きされてたわぁ」って言ってた。

 父さんも居眠りしては頭突きされてたらしい。だけど「でも女の子の話題なんてお父さんにそっくりね」って続けてたけどそんなところを親父と一緒にしないで欲しい。

 俺は普通だ。というか転入生の話題しただけでなんだその反応。

 確かに……親父はラッキースケベで、ふと後ろを振り返った時にナイスバディなお姉さんにぶつかって二人して倒れた時とか母さんの周りに黒い気みたいなのが滲み出てたりもしたけどさ。俺はそんな事まるで無いし。

 つか親父もなぁ。母さんも見た目二十代なのに……。

 ついでに母さん曰く全盛期の父さんは無自覚にハーレムを築いてたとか聞かされる息子の身にもなれ。

 前に駆け引きって大変よね、と笑う母さんを見たけど本気で怖かったんだからな!

 

 

 

 

 五月六日

 

 

 クラスの友達(男妖怪)の弾幕ごっこに巻き込まれた。

 死ぬかと思った。割と真面目に。

 鍛えてなかったら死んでたと思う。地面を走り回りながら弾幕避けるとか無理ゲーだからな。

 でも相手がバカで良かった。

 

『お前ってシューティングゲームで言ったら二面のモブみたいな顔してるよな(笑)』

 

 こんな感じに挑発したらなんかハンマー構えて地面に降りてきたからフルボッコにしてやったよ。

 にしても馬鹿だよな。いくら妖怪って言っても体の構造はまんま人間なんだから、ハンマーなんて重いもん振り下ろそうとした瞬間肘抑えられたらヤバいとか思わないもんかね。

 確か振り上げた状態から腕を前に出すために使える筋肉が大円筋のみで、成人男性でも一〇キロしか出せないんだよな。なら妖怪補正あっても精々三〇キロだろ。俺でもパワーで勝てるわ。

 とはいえ……勝たなきゃ死ぬからこっちは割と真面目に馬鹿なままでいてほしいけど。

 

 

 

 

 五月八日

 

 

 今日はスカーレットが休みらしい。

 地底に行くんだと。羨ましい話だ。人間の俺的には本格的に妖怪と事を構えるだけの力が無いからなぁ。

 俺も幻想郷のあちこちに行ってみたいんだよな。力が無いと基本人里の外なんて出れないし不便だぜ。

 そうそう。力といえば、前からずっと霊力の扱い方の練習してるけど上手くいかない。

 というかよく霊力を扱えるよな。俺なんて一回霊力を使おうとしたら身を引き裂かれそうな痛みに襲われるんだぞ?

 それでも毎日やってるけどさ、吐血するし、三回以上やれば命の危険があるし……それに未だ弾幕すら出せたことがない。

 でも、才能が無いのは分かってるんだが、それでも諦められないんだよな。

 幻想郷の全てを見て回るのは俺の夢だし。

 それに一度で良いから異変を解決する側に回りたい。

 弾幕ごっこは女子供の遊びだからさ、なんとか俺が子供のうちに。

 

 

 

 

 

 五月九日

 

 

 寺子屋に遅刻した。

 でもけーね先生、理由は人助けなので許してほしい。未だに頭がジンジンする……。

 ちなみに人助けだけど何のことはない。

 重そうな荷物を持ったお婆さんの代わりに荷物を持って家まで運んだだけだ。そのあとお礼がしたい、というお婆さんに寺子屋があるからと断って急いで行ったけど間に合わなかった。

 ……いや、でもやっぱ自分のせいか。間に合わなかったと言ってもほんのちょっとだからな。もっと全力で走ってりゃ間に合ってたんだし俺が悪いか。

 あと放課後は反省文書いた。

 

 

 

 

 

 五月十日

 

 

 人里に美味しいイタリアンの店があるらしい。

 母さんと行ったらトニオという店主が迎えてくれた。

 ちなみにこの店、メニューが無い。でも絶品で顧客満足度一〇〇%らしい。

 で、食べたけど凄いことになった。

 

「はぅう……美味しいわこれ」

「いや母さんッ!? なんか若返ってるから! なんだこの料理ッ!?」

 

 一口食べた瞬間に二十代くらいだった母さんが十代後半まで若返った。肌艶も髪もその年のそれになってた。

 どんな効能だよ! ちなみに俺も食ったら朝、霊力の訓練で傷付いた体が全快したわ!

 どんな理屈か分からんが凄いなこれ。もしかしてそういう能力者なのか? すっげぇ気になる。今度機会があったら聞いてみよう。

 

 

 

 

 五月十三日

 

 

 特別ゲストが来た。

 名前はブッダとイエスらしい。凄い名前だな、仏教とキリスト教徒に怒られそうな名前だ。

 でも話は聞き入ってしまうくらい上手かったな。

 説法って言葉がしっくりくる。

 まるで本物のブッダとイエスがそこに居るみたいだったな。

 ちなみにブッダさんには個人的に凄い福耳が気になったので触らせてもらった。凄いひんやりしてたわ。

 ……あとイエスさん本当ごめんなさい。教卓の段差でつまづいて転びそうになった時イエスさんの頭に乗ってた葉っぱみたいなの引っ張っちゃってトゲトゲが頭に突き刺さって血が出てた。

 バシャって違い出てビビった。まだ髪が鉄臭いけど俺の事はともかく、血がでたにも関わらずなんか「ヤバい、セコムがくる!?」とか騒いでたのはなんだったんだろう。ともかく直ぐにハンカチで拭わせていただいて止血を施したよ。

 そのあとなんか現れた金髪の人に殺されそうな場面になったけどイエスさんが「驚いて聖痕が開いただけ」とか誤魔化してくれた。

 本当すみません、このご恩は忘れません。

 

 

 

 

 五月十四日

 

 

 昼寝して起きたら布団に違和感があった。

 なんか俺の布団で金髪の妖精の女の子が寝てた。クラウンピースというらしい。

 能力使いまくって疲れてせいか偶々開いてる窓から見えた俺の布団にふらふら〜と入ってきたんだとか。

 まぁそれはともかくだ。

 なんでそんなに疲れてるのか聞いてみたら人里の外の方に案内された。で、行って驚いたよ。

 昨日まで林だった場所に綺麗な道が出来てたんだ。クラウンピースの話によると妖精達とスカーレットがドッキリでやったらしい。

 いや、本当に驚いた。

 すげぇな、って言ったらクラウンピースもえっへんって胸を張ってたよ。

 ……とはいえそれとは別に説教もしたけどな。

 仮にも女の子が男の布団に入り込むんじゃありません。幻想郷の男の中には変態も多いんだからな? それこそ幻想郷の実在の人物を描いたエロ同人が大量にある(女性達には秘密裏に)くらいだからな。

 仮に罪袋の家に紛れ込んだりしたら格好の餌食だ。二度とこんな事するなよと言ったら「あたいがそんなことされるわけないじゃん! べー!」ってあっかんべーをされた。

 ……なんか発言がフラグじみてて心配だ。切実に。

 

 

 

 

 

 

 




 

 こっちは息抜き感覚で書きたいなぁ(願望)


 

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