次章予告:Fate/Boudica Order
第一特異点、『邪竜百年戦争 フランス―――護国の英雄―――』
遂に発見された一つ目の特異点。その物語の舞台となる国は1431年のフランス。当時、百年戦争と呼ばれる歴史に残る争いが起きた国を舞台に、アトラスのマスター。黒鋼研砥と、彼と契約した三人のサーヴァント。そして、カルデアのマスター。狭間暮人と、その一行が人理修復を試みる。
アトラス側のマスターはしっかりと準備を整え、フランスへとレイシフトを開始する。だが、そこで思わぬハプニングと状況に陥る。
「なんで…………なんで、初めからこんなことになってるんだよ!?」
「あはは………こりゃあ、前途多難だなぁ」
『笑って済ませれる範囲を超えているとは思うがね……。まあ、別に問題はあるまい』
「自分は安全なところいるからって、凄い他人事ですね!?」
迫り来るワイバーンの群れ。フランスの大地へと降り立つ伝説の黒龍。一度羽ばたけば木々を吹き飛ばし、その口から放たれる豪華は町を焼き尽くす。英霊を“殺す”側の邪龍と相対するは、名高き龍殺しの英霊達―――――!!
「ふむ。別に、あの龍。切り捨ててしまっても構わぬのでござろう?」
「龍を殺すことしか取り柄の無い俺だが、今回は役に立てそうだ」
「おぉ……! これほどまでに巨大なドラゴンはそうはいません! 是非、記念撮影をッ!」
「………何だか、凄く不安になってきたのだが。これは大丈夫なのか……?」
特異点へのカウンターとして召喚され、黒鋼の前へと姿を晒したジャンヌ・ダルク。しかし、彼女のサーヴァントとしてスペックはあまりにも低く、もう一人のジャンヌ・ダルクがフランスを襲っているという。相反する行動をする二人のジャンヌ。その正体とは――――!!
「え~と………その、不完全な召喚によって現界したので。サーヴァントとしてのスペックは余りにも低いのですが、精一杯頑張ります!」
「………宝具使うとスタンしたような気がしたが……。いや、あれはあくまでゲームだし。こっちでは違うと信じたい………!!」
『同じ時代。特異点という歪な場所に召喚された二人のジャンヌ・ダルクか。実に興味深い………!』
戦いを前に再開するアトラスとカルデアのマスター。しかし、再開した直後。ブーディカの様子が急変する。まさか、カルデアに彼女と馴染み深い人が召喚されていたとは――――――――!!
「ちょ、あの、助けてくださいアーチャー! このままで溺れます!!」
「すまない。私には何ともできないことだ。なに、死ぬわけではないのだ。思いっきり可愛がられて来るといい」
「くっ、私の方が筋力値は高いはずなのに押されるなど! 何が貴女を突き動かしているのです!!」
「そんなの決まってるッ!! 一重に愛だよッ!!」
「何故そこで愛ッ!?」
迫り来る敵からの刺客。吸血鬼に聖女。処刑人に狩人。多種多様な英霊が彼らの前に立ちはだかる――――!!
「今更なんだけどさ。全員バーサーカーって、生前の技術とか諸々を台無しにしてるから勿体ないのでは?」
「宝具の真名解放さえできなくなる者もいるな。まったく、ここまでの愚策を弄する愚か者がいるとは………」
『そもそも、呼び出したサーヴァントに狂化のスキルを付与させるなんて無理をしたせいで、霊基が脆くなってる人もいるんだけど。向こうはそれを理解してるのかな……?』
「うるさいです!! さぁ! 我が旗に集いしサーヴァントどもよ! 眼前に立つ愚か者を滅ぼしなさいッ!!」
「マリー……マリー…!! マリー!!」
「まったく、聖女に狂化なんてさせんじゃないっての!!」
「COOOOOOOOOOOOOLッ!!」
「では、そろそろ汝らの血を啜るとしよう」
「では、私は女性の生き血を頂きましょう。この身は既にサーヴァントだけど、永遠の美を保ちたいという精神は残っているわ」
「Arrrrrrrrrrrrrtherrrrrrrrrrrrrr!!!!!」
「殺す……! 我が前に立つ者全て、この弓で穿ち切ってくれるッ!!」
「フォウフォーーウ!!(特別意訳:まともに狂ってるサーヴァントが三人くらいしかいないよ!)
そして、この場に集う国を護らんとした英雄。互いの信念の下、二人の『護国の戦士』はぶつかり合う――――――――!!
「そうか、余の相手は貴様が務めるか。勝利の女王よ」
「まあね。私と貴方は似たようなところがある。だけど、今の貴方は私たちの敵だ。だから、手加減も容赦もしないよ!」
「ふっ、それでよい。では――――世界に呪われし、我が名を吼え立てようぞッ!!」
Fate/Boudica Order 第一章
第一特異点.『邪竜百年戦争 フランス―――護国の英雄―――』
2017年12月2日より、更新開始――――!!