死神の眷属となった白兎   作:鬼塚虎吉

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お久しぶりです、リアルが忙しすぎて執筆が遅れてしまいました。

申し訳ないです。




凶狼と小人の少女との約束

黄昏の館での酒宴を終えて俺がホームに帰ろうとすると、酒を飲んで顔を赤くさせているフィンがこう言って来る。

 

「ベル、遠征に出発するのは来月の十日だ。それまでに準備を整えておいてくれ。」

 

「分かった、団員達にもそれを伝えておこう。」

 

フィンの言葉に俺はそう言い返した後、ホームにへと戻っていくのであった。

 

 

 

 

 

オラリオの街中をほろ酔い状態で歩いていると、前方からダンジョン帰りの狼人(ウェアウルフ)一人が現れた。

 

「テメェ、なんでこんなところにいやがる。」

 

その狼人は俺の顔を見るなり、牙をむき出しにして威嚇をしてくる。

 

「そいつはご挨拶だな、簡単に言えばお前の所属しているファミリアに用事があった、だ。」

 

狼人はそれを聞くと、ハッとした顔になりこう言ってくる。

 

「遠征の話か…。」

 

「そういうこった、ベート・ローガ。」

 

ベート・ローガと呼ばれた狼人は不機嫌な顔を更に顰めてどこからどう見ても悪人面にしか見えない。

 

しかし、この男ベート・ローガもまた、オラリオ最強ファミリアの一角「ロキ・ファミリア」に籍を置いているlevel5の第一級冒険者、二つ名は【凶狼(ヴァナルガンド)】である。

 

「で、お前ら来るのか?」

 

そう言ってくるベートに対して俺はこう言った。

 

「あぁ、俺達もお前らの遠征に同行させてもらう。」

 

「そうかよぉ、まぁテメェんとこからなら足手纏いになる雑魚がいねぇからマシってモンだ。」

 

俺の言葉を聞いた後、そう悪態をつくベート。

 

俺はそれを見ていて、やれやれという感じながらこう言った。

 

「それじゃあ、俺はホームに戻るとするよ。」

 

「サッサと行きやがれ!」

 

俺がそう言うと叫ぶように言ってくるベートの横を通り過ぎながらホームへと歩いて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームに帰って来ると、一人の小人族(パルゥム)の女の子が傍にやって来る。

 

「ベル様、何処に行っていたんですか!リリは一日中探し回ったんですよ!!」

 

俺にそう言ってくるのは【ハデス・ファミリア】のサポーターの一人であるリリルカ・アーデ。level3。

 

彼女は元々ソーマ・ファミリアだったのだが、ハデスが彼女とソーマ・ファミリアの現状をギルドから知ってブチ切れて戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を仕掛け、勝者となった俺達はまだ幼かった彼女を含めたソーマ・ファミリアの子供たちを要求したのだった。

 

ハデス・ファミリアに入る事を決めたリリ以外のその子供達は孤児院に預けられて幸せに暮らしている。

 

子供達の安全を考えてハデス・ファミリア(うち)のlevel4から下の団員達にローテーションで護衛を務めている。

 

そして、今ではソーマ・ファミリアは酒を生産し販売する商業系ファミリアとして活動をしている。

 

まぁ、一部の団員は監獄行きになったけどな。ザマァ。

 

「悪かったよ、リリ。それで俺に何か用か?」

 

俺がそう言うと、レナがやってきてこう言ってくる。

 

「団長、今日から遠征までの間ダンジョンには足を運ばないって聞いたから買い物に誘おうと思ってたのに居なかったからへそ曲げてるのよ。」

 

そう耳打ちしてくるレナの話を聞いて俺はリリの頭を撫でながらこう言った。

 

「悪かったな、リリ。明日にでも買い物に行こうか。」

 

俺がそう言うとリリは笑顔になってはい、と言ってくる。

 

こうして、俺の休日の一日目が幕を閉じた。

 




今回はロキ・ファミリアからの帰宅途中の光景です。

ベートとリリを登場させることが出来ました。

ソーマ・ファミリアは商業系ファミリアになりました。


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