死神の眷属となった白兎   作:鬼塚虎吉

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投稿が遅れてしまい申し訳ございませんでした。




ロキ・ファミリア

俺は今、酒場に来ている。

 

理由は今から行くファミリアに関係している。

 

そのファミリアの主神は大の酒好きで飲んだ酒は無いくらいの酒豪ぶりだ。

 

「えっと、このふたつかな。」

 

そう言って俺が手に取ったのは【ソーマ・ファミリア】の神酒(ソーマ)とドワーフの火酒数十本である。

 

多少出費してもこのくらいならば問題は無いくらい稼いでるからな。

 

それを五つほど購入したのち、俺は目的地である【ロキ・ファミリア】の本拠にへと向かった。

 

 

 

 

 

オラリオの北側、そこにはオラリオ最大派閥の一角【ロキ・ファミリア】の本拠、黄昏の館が建っている。

 

「ハデス・ファミリア団長ベル・クラネルだ、遠征の話で来た。」

 

俺は館の入り口に立っている門番にそう言うと、門番の一人が館の中に入っていき報告しに行ったのだろう。

 

すると、館の中から勢い良く走って来る一人のアマゾネス。

 

「ベルー‼」

 

そう言って走って来るのはロキ・ファミリアのlevel5の第一級冒険者で【大切断(アマゾン)】の二つ名を持つティオナ・ヒリュテ。

 

ティオナは一直線に俺のところにやってきて抱き着いてくる。

 

「えへへ、ベルだ~‼」

 

そう言いながら満足そうに笑顔を浮かべるティオナ。

 

「ティオナ、フィンの所まで案内してくれ。」

 

「うん、いいよ!」

 

俺はティオナに案内役を頼み、黄昏の館にへと入っていった。

 

中に入ると、そこにはロキ・ファミリアに所属する団員達の視線が俺に向けられる。

 

「全く、ここは変わらないな。」

 

そう言うと、ティオナがこう言って来る。

 

「そうかもね、他のファミリアの人が来れば何処も同じじゃないかな?」

 

そう言って来るティオナに対して俺は同意をしながら歩いていると向こうの方から金髪金目の少女がやってくる。

 

「あっ、ベルだ。」

 

「よぉ、アイズ。」

 

この金髪金目の少女の名前はアイズ・ヴァレンシュタイン、【剣姫(けんき)】の二つ名を持ち俺に次ぐ最強のヒューマンである。

 

「ベル、今日はどうしたの?」

 

そう言いながらトコトコと近づいてくるアイズに対して俺はこう言った。

 

「今日はフィンと話があってな。」

 

「それって遠征の話?」

 

「ソレ、本当⁉」

 

俺の一言にアイズが遠征の事を口にするとティオナがそれを本当かと言ってきた。

 

「あぁ、俺達はロキ・ファミリアの遠征に参加させてもらう。」

 

俺がそう言った瞬間、ティオナは更に笑顔になりギューッと腕に抱き着いてくる。

 

別に痛くは無いのだが、周囲からの視線を集めているため物凄く居づらい。

 

「ティオナ、早くフィンの所に行かないと。」

 

アイズがそう言うと、ティオナはそうだったと言って俺の手を引っ張りながらフィンの所まで行くのだった。

 

 

 

 

俺はティオナに手を引かれて執務室に着くとティオナ達は買い物に行くと言って別れた。

 

その後、俺は執務室のドアをノックをする。

 

「どうぞ。」

 

中から入室の許可が下り、俺が入っていくとそこにはロキ・ファミリアが誇る三人の首脳陣がいた。

 

「ようこそ【ロキ・ファミリア】へ、【ハデス・ファミリア】団長ベル・クラネル殿。」

 

そう堅苦しい言葉を言って来るのは【ロキ・ファミリア】団長であり【勇者(ブレイバー)】の二つ名を持つ小人族(パルゥム)のフィン・ディムナ。

 

「堅苦しい挨拶はやめてくれ、【ロキ・ファミリア】団長フィン・ディムナ殿。」

 

俺が苦笑いを浮かべながらそう言い返すと、フィンも苦笑いを浮かべる。

 

「ベル、今回の遠征に参加してくれることに感謝するぞ。」

 

そう言って来るのは【ロキ・ファミリア】副団長であり【九魔姫(ナイン・ヘル)】の二つ名を持つ王族(ハイ)エルフのリヴェリア・リヨス・アールヴ。

 

「あぁ、その事なら気にしなくていいさ。俺達も【ファミリア】での到達階層の更新をしたかった所だったからな。今回のお前らの遠征に便乗させてもらおうと思っただけだ。」

 

それを聞いたリヴェリアは薄く笑みを浮かべると、そう言う事かと述べた。

 

「まぁ、とにもかくにもこれで遠征の話は終わったじゃろう。これから酒宴と言うのはどうだ?」

 

遠征の話が終わると見るや酒宴と口にするのは【ロキ・ファミリア】最古参の首脳陣の一人であり【重傑(エルガルム)】の二つ名を持つドワーフのガレス・ランドロック。

 

「丁度良いな、ここに買ってきたドワーフの火酒と神酒(ソーマ)があるから飲もうか。」

 

俺がそう言うと、執務室の扉が勢い良く開かれた。

 

「今、神酒(ソーマ)ってゆうたか⁉どこや、何処にあるんや‼」

 

そう言って入ってきたのは目を血走らせて朱髪糸目の女性が入ってくる。

 

その女性を見た瞬間、フィンはハハッと苦笑いをし、リヴェリアは額に手を当てて溜息を吐く、ガレスは笑っていた。

 

俺の反応はまたか、と言った表情をしているだろう。

 

すると、朱髪の女性が俺に気付きこう言って来る。

 

「お~、ベルやないか。自分、ここで何しとんのや?」

 

そう言って来る女性に対してこう言った。

 

神酒(ソーマ)と言っただけでここに突撃を掛けてくるとは思わなかったですよ、神ロキ。」

 

そう、酒好きの女性は【ロキ・ファミリア】の主神ロキである。

 

「なんや、ベル来とったんか。それよりも、神酒(ソーマ)があるってホンマか?ぐぺぶっ⁉」

 

鬼気迫る顔でそう言って来るロキの頭上に結構きつめの手刀が落ちてきて、女神が上げてはいけない声が上がった。

 

その手刀を放ったのはリヴェリアだった。

 

「なにすんねん、リヴェリア~。」

 

ロキが文句の言いたそうな顔をしながらリヴェリアの方を見る。

 

「ロキ、お前はもう少し落ち着きを持ったらどうだ?」

 

その一方で、リヴェリアは呆れながらそう言った。

 

「だって~、神酒(ソーマ)があったらそうなってまうんや。」

 

リヴェリアの言葉にロキはそういい返す。

 

俺はそれに対して変わっていないと思いながらもこう言った。

 

「構わないよ、リヴェリア。ロキの性根は言っても治らないって事くらい分かっているでしょ。」

 

俺の言葉を聞いてフィンとリヴェリアとガレスの三人は笑い、ロキは口をひくひくとさせていた。

 

まぁ、それはさておき俺達は神酒と火酒を飲みかわすのだった(リヴェリアは果実水)。


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