死神の眷属となった白兎   作:鬼塚虎吉

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今回はオリキャラの新人冒険者が出てきます。


鍛錬の一幕

翌朝、目を覚ますと俺は二刀を手にして日課の素振りをしに鍛錬場に向かった。

 

鍛錬場に着くと、そこにはハーデスがいた。

 

「おはよう、ベル。」

 

「おはよう、ハーデス。」

 

俺達は互いに挨拶を交わした後、俺は素振りを始めそれをハーデスが眺めている。

 

すると、鍛錬場の扉が開いた。

 

扉の方に視線を向けると、そこには水色の髪に赤目の小人族(パルゥム)の少年が立っていた。

 

「だ、団長にハーデス様⁉お、おはようございます‼」

 

少年は俺達に驚きながらも挨拶をしてくる。

 

「あぁ、おはよう。」

 

「おはよう、ディレン。」

 

ディレンと呼ばれる少年がオドオドしながらこう言ってくる。

 

「は、初めまして、ベル・クラネル団長。ぼぼ、僕はディレン・ラトーダと言います。えっと、邪魔してしまったのでは…。」

 

自己紹介と共にそう言ってくるディレンに対して俺はこう言った。

 

「よろしくな、ディレン。邪魔なんてしてないよ、この時間は俺以外に来るのはハーデスくらいだったから驚いただけだよ。」

 

俺は素振りを続けながらそう言い、ディレンに対してハーデスがこう言って来る。

 

「ディレン、今ならベルに鍛えて貰えるけどどうする?」

 

「えぇ、団長に⁉」

 

ハーデスのいきなりの言葉に驚きを隠さない。

 

だが、これは俺にとってもいい話だ。

 

最近、ダンジョンに行ってばかりだから団員達との交流が疎かになっていると感じていたからな。

 

「来いよ、ディレン。時間は限られてるが、それでもいいなら鍛えてやるよ。」

 

俺がそう言うと、ディレンは嬉しそうにしながらこう言ってくる。

 

「団長、よろしくお願いします。」

 

「じゃあ、好きに打ち込んで来い。」

 

俺がそう言うと、ディレンは持っていた槍を身構えたまま俺の周囲をグルリと回る。

 

それに対して、俺はの動きに合わせて動き背後を取らせない。

 

すると、ディレンが中々鋭い突きを放ってくるが槍を躱して自分の足をの足に引っ掛けて転ばした。

 

転ばされたディレンは顔面から派手に地面に激突した。

 

「だ、大丈夫か?」

 

俺がそう呼びかけると、ディレンは直ぐに立ち上がってこう言った。

 

「はい、大丈夫です‼」

 

そう言ってくるディレンに対してさっきの攻撃について指摘をする。

 

「相手を観察し攻撃にも躊躇いは無かったけど、足元が留守にするのは良くない。それに今は訓練だったから良かったものの、これがダンジョンならモンスターにやられてる。」

 

俺の言葉にディレンは落ち込んでしまう

 

「そんなに落ち込むな、お前はまだまだこれからなんだ。自信を持てよ。」

 

俺はディレンにそう言いながら二刀を鞘に納めると朝食の時間を知らせる鐘が鳴った。

 

「丁度良いタイミングだな、汗流してから飯食いに行こうぜ。」

 

俺はそう言ってディレンと共にシャワー室に行き、ハーデスは先に食堂に行くのだった。

 

「うふふ、若い芽が育っていくのを見るのは良いわね。」

 

そんなハーデスの一言は俺とディレンの耳に届くことは無かった。


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