オラリオの東に位置するその場所には周囲一帯の建物よりも群を抜いて長大な城に近い館が立っている。
そこは黒一色の館でまるで常闇を思わせるほどである。
中心の一番高い場所には
【ハデス・ファミリア】本拠、冥府の館
【ハデス・ファミリア】は最大派閥の中でも若い部類に入る、若いと言っても上位派閥を諸共しない実力者が数多く所属している。
「ただいま。」
俺がそう言いながらホームの中に入ると、団員達からお帰りなさい、と出迎えられる。
「朝から今まで状況報告を教えてくれ。」
「じゃあ、私からいいかい?」
俺がそう言うと、褐色肌に煽情的な肉体をしている黒髪紫目のアマゾネスがこう言って来る。
彼女の名前はレナ・ルーシェ、【ハデス・ファミリア】の最古参幹部の一人でありlevel5の第一級冒険者。二つ名は【
「どうした、レナ。」
「団長、ロキ・ファミリアから遠征のお誘いがあったんだけど…、どうする?」
俺はそれを聞いて顎に手を当てて考えてからこう言った。
「分かった、その話は俺に任せろ。で、他は?」
レナの用件は俺が片づける事となり、次の報告を聞くことにした。
「団長、俺からもいいっすか?」
そう言って来るのは赤髪赤目の
彼の名前はラウ・ティグレ、【ハデス・ファミリア】の最古参幹部の一人でlevel6の第一級冒険者。二つ名は【
「あぁ、ラウのはどんなの?」
「シュリーム古城跡地への盗賊討伐依頼がギルドから来てるっす。」
「盗賊?」
俺はラウの言葉を聞いて疑問符を浮かべる。
続けて、ラウがこう言って来る。
「はい、何でも日に日に被害が増大しているらしくて討伐してほしいとの事っす。」
「分かった、お前とレナで部隊を編成して討伐に向かってくれ。」
「了解っす。」
「了解、団長。」
盗賊の事はラウたちに任せるとして…。
「他はもう無いか?無ければ俺は部屋に戻るからな。」
最後の確認として団員達に聞くと、誰も何も言わなかったため俺は自室に向かった。
部屋に向かっていると、向こうの方から青紫の髪に桃色の眼をしたゴスロリ少女がやって来る。
「ベル、おかえり。」
そう言って来る少女に俺はこう返した。
「ただいま、ハデス。」
そう、俺の目の前に立っているゴスロリ少女が【ハデス・ファミリア】の主神ハデスだ。
「ベル、今日もダンジョンに潜ってたの?」
「あぁ、武器と防具を新調したかったから。でも、明日からしばらくはホームにいるよ。」
ハデスの言葉に俺はそう返すと、それを聞いたハデスはこう言って来る。
「十分すぎるくらいに休息を取る事、これは主神としての命令。」
「分かってるって、ハデス。」
俺の言葉を聞いたハデスは満足したのか自分の部屋にへと戻っていった。
俺も自分の部屋に戻ると、刀と防具を脱装して食事と入浴を済ませて眠りにつくのだった。
遅れてしまいましたが、「一部独自設定」と言うタグを追加しました。