バイオハザードの世界に来てしまった!   作:試作T‐ウイルス

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すみません、投稿時間の間がものすごく空いてしまいました。私用等様々なことが重なり筆跡することができずにいてしまいました。これから少しずつ投稿していきたいと思います。


Chapter3

 

「さて、この部分に何かはめるような窪みがある……まさか!?これをはめるというのか?(本当は知っているが、ここはこのように言うのが無難だな。だけど、この下にいるのはあの俺が会いたくないランキングの上位に入っているやつなんだよなぁ……仕方がない。俺も男だからな。覚悟を決めてあれを討伐するとしようかな?)」

 

シンは目の前に何やら矢を構えている石碑を見つける。そこには一つだけ何かをはめ込めるようなくぼみが残っている。それに対してシンは四次元ポケットから緑色の三角形の形をした物を取り出しはめてみることにする。

 

ガガガガッ!

 

矢尻のようなものをはめ込んでみると、子供天使のような模様が書かれている石版はゆっくりと上に上がって行き、その場所には下に通じているのだろうと思われる階段が出現するのである。

 

元々、タネを知っているシンはこのような事になるんだと分かっていたが、ジルの方は一体何故このような仕掛けがしてあるのかが理解できていない様子である。

 

「ジル?一応下に何があるのかを確認しに行こう。でなければ、この館から脱出することなどはできないかもしれない(本当に目の前で実際に行われると驚いてしまうものだな。だけど、出来たらこの下には俺は行きたくない。まぁ、行かないと進まないから行くしかないか?)」

 

「そうね。シンの言通りだわ。この館から脱出するにも行かないといけないわね(何故シンは迷いなくこの緑色の三角宝石を入れ込んだの?まさか?この館のことを知っているというのかしら?でも、まだ情報が足りないわね。今は私の胸の中に秘めておくとしましょう)」

 

この時シンは気づいていなかった。

 

ジルがシン自身の何も考えず、ゲームのように行った動作が不信感を与えてしまっていたのである。それから2人は下に続いていく階段を降りていくのである。

 

 

二人が薄暗いロウソクに照らされながら、ゆっくりと階段を下りていく。ハッキリ言ってお化け屋敷のような感じの薄暗さである。そんなもので許されるのなら良いのであるが、下に待ち受けているのはお化けのようなファッションではない。

 

“ノンファッション”

 

つまり現実ということである。ゾンビの進化系とも言える存在のゾンビ―クリムゾンである。他のゾンビとは違い、圧倒的に動きが早いのである。更には凶暴性も増しており噛み付いてきたり、長く尖った爪で引っ掻いたりとしてくるようになる。

 

「中は少し明るくなった程度ね。壁には気味の悪い、悪趣味としか言えないような骸骨が無数に飾られているわね。天井には吸血鬼でも入っていそうな棺桶がぶら下がっているし、そこの壁には鼻がない石像があったり、目がなかったりする石像はいったい何を意味するのかしら?何故このようなものが置いてあるのかしら?」

 

「まぁ、これだけは言えるだろう。この館の主は少し狂ってしまっているということが。もしかしたら、この石像たちに何かをはめ込むのかもしれないな。だけど、あの宙に浮いている柩の鎖は恐らく破壊することができるだろう。少し、やってみるとしよう。ジル、一応警戒をしておいてくれ(さてさて、いよいよ。いやお待ちかねではないが、あのデスマスクを集める為に館内を回るよりかは、さっさとここで大幅に攻略を短縮させるのが良いな)」

 

シンは武器をハンドガン(BERETTA M92FS)からマグナム( IMI デザートイーグル)を取り出し、ゆっくりと薄気味悪い場所に吊るされている棺桶の鎖に狙いを定める。ジルは彼の言われた通り警戒をするためにハンドガン(BERETTAM92FS)からショットガン(ベネリ M1 スーパー90)に変えて何時でも撃てるようにしておく。

 

シンはマグナム( IMI デザートイーグル)を鎖に向けて撃つ

 

バン!バン!バン!バン! ガッシャアアアアン!

 

4発撃たれた弾は真っ直ぐに鎖に向かって当たっていき、天井に吊るされていた棺桶は地面に叩きつけられ、中身にいた合いたくはない者と対面することになる。まだ、半分眠っている状態だったが直様に起き上がってシンに襲いかかってくる。

 

「何なのこれは!?今までいたゾンビとは桁違いに速い!シン!後ろの扉が閉まっているわ。どうするの!?」

 

「殺すのに厄介だが。ジル手伝え、俺が囮になる近距離時はショットガン、中距離はハンドガンに武器を変えて思いっきりぶち込んでやれ!無論、標的が気味になった時は回避に専念してくれ」

 

「分かったわ!シンも気をつけて!」

 

シンに対してクリムゾンゾンビは思いっきり引っ掻いたりしようとしてくる。そう簡単に彼自身も引っかかれるわけにも行かない。寸前で何とか回避を行いながら、少しの隙ができると持っているマグナム( IMI デザートイーグル)で頭や胴の部分に打ち込んでいく。

 

ジルもシンの指示に従ってハンドガンで胴体部分に打ち込んでいく。

 

バン、バン、バン、バン

 

「くそ、しぶとい野郎だ! さっさと退場し欲しいものだな!(ってか、こんなに耐久力がこのクリムゾンゾンビか? こんなクリムゾンゾンビはさっさと消えて欲しい。まぁこれからは全てのゾンビの頭を必ず潰そう。めんどくさい事はもうゴメンだからな)」

 

「そうね。こんな化物はさっさと死んでほしいものよ!(一体どの様な変化でこのような化物が出来るものなの?こんなの医学的にも証明すること等は出来ないものよね。化物を作った人は一体何を考えていたのかしら?いや、その前にこのような事になってしまっている時点で頭が狂ってしまっている研究者ね)そろそろチェックメイトよ!」

 

「ギャーギャー!」

 

バン、バン、バン

 

シンとジルが棺桶から出てきたクリムゾンゾンビの相手を始めてから5分程の時間が過ぎる。両者とも鋭い爪で攻撃してくる相手の攻撃を上手く避けながら腹部、頭部に攻撃を集中させていく。

 

どうやらクリムゾンゾンビも彼ら二人の猛攻撃には耐久力もなくなってしまっていたのだろう。殺られる最後には最初に見せていたスピードは無かった。それを見たジルはハンドガン(BERETTA M92FS)を高らかに上げ引き金を引く。弾丸は真っ直ぐにクリムゾンゾンビの頭に向かっていき、直撃してゆっくりとその体が横たわる。

 

「中々手強い相手だったな・・・・大丈夫か、ジル?(おいおい、何でこんなにクリムゾンゾンビが強い!?こっちのマグナム(IMIデザートイーグル)の16発消費してしまうのだよ!あと残りこの弾倉で最後か、まぁここから先少しはハンドガン(BERETTA M92FS)で何とか出来るだろう。しかし、本当に改めて思うな。こんなに細かい動きを続けていたというのに全く息切れがしないなんて凄いものだな。さて、ここでの行う事をしませてしまうとしよう)」

 

「・・・・・・ええ、大丈夫よ。シンこそ大丈夫?(シン、凄いわね。殆んど狙われていたというのに全く息切れなんて起こしていないわ。しつこく狙われていたら精神の方が疲れてしまうと言うのに、それが全く彼には起きていないわ。一体彼はどんな戦場に向かっていったと言うの?)」

 

シンはジルの息が整うまで、ここで行う必要な事を行う。

 

俺は台の様な所に置いてあった呪いの書、クリムゾンゾンビが入っていた棺桶の中に入っていたオブジェの入手を行い、更に棺桶の中にスイッチを押して扉を開かせる。

 

(やはり、ここは原作のようにアイテムは配置されているようだな。しかし、先のクリムゾンゾンビの戦闘によってハンドガンの弾を多く消費してしまった。さて、どうしたものか?俺の弾の残弾は・・・)

 

シンはマグナムとハンドガンを最大までリロードを行う。その後弾の入っているポーチの残弾を調べる。中にはハンドガンの弾が150発(10回分)、マグナムの弾6発(1回分)と、渡していないショットガンの弾27発(9回分)なっていた。これを見て少し渋い顔をしてしまうが、ジルに見られないようにすぐさま元の表情をする。

 

「ジル、弾の残弾はどのくらい残っている?」

 

「そうね・・・・・・残り・・・ハンドガンが2回分と、ショットガンが1回分と言ったところね」

 

「そうか。これを使え。大丈夫だ、俺はまだ予備弾があるからな(極力無駄弾を無くしていけば、大丈夫だろう。それに途中途中で弾も落ちている。それで何とか凌ぐしかないな)」

 

シンは弾の入っているポーチから、ハンドガンの弾4回分とショットガンの弾全てをジルに渡す。少し、彼女の表情がこんなに渡しても大丈夫なのかというものだったのだが、ポーチを軽く2回ほど叩いてまだ残弾が残っていることを示す。彼女はそれを見て分かってくれたのは、素直に彼の手にある弾を自分のポーチに入れていく。

 

だがしかし、この時シンは忘れてしまっていた。イベントをショートカットしようとしても、元に戻ろうとする世界の修正力があるという事を、この時ばかりは忘れてしまっていた。それを気づくのはまだ、少し先のことである。

 

「さて、ここにはもう用はなさそうだ。ジル、館に戻って休憩出来そうな場所を確保しよう。でなければ、こちらの体力的にも精神的にもきつい(そうは言ってみたが、俺自身ももうキツインダケド。早く、セーブポイントの部屋に行くとしよう。そうすれば、少しだけでも休めるかもしれないな)」

 

「ええ、そうね。外は危険が多いわ。少しでも安全な館の中にいた方が良いわね(流石傭兵ね。全く疲れた表情を見せない。でも、弾を渡す時に少しだけ表情が歪んだわ。恐らく残弾が少なくなってしまっているのね。それを承知で私に渡してくれた。何故ここまで親切にしてくれるのかしら?)」

 

シンとジルの二人は趣味の悪い部屋を後にする。彼女の方は精神的に疲れが見え始めてしまっており、この後の戦いに響いてしまうのではないかと彼は考えた。その為にすぐさまに休憩できる場所へ移動する。彼女には隠せてはいるのだが、内心彼自身も疲れが見えていた。

 

元は高校生に取ってリアルホラーゲームは流石にきついものである。確かにこの世界では傭兵として活躍してきたが、身体と頭が追いついてきていない。その為に気疲れしている。常に全周囲に気を集中して、ゾンビがいないか、銃でヘッドショットを撃ったりとしてしまったためである。

 

 

 

 

それからジンとジルの二人はゲームの世界でセーブポイントのある場所まで行くと、彼は近くにあった椅子に座り、彼女はベッドに腰掛ける。

 

「ジル、先に休んだほうがいい。あまりこういうことには慣れていないだろう?」

 

「でも、貴方も疲れているんじゃ?」

 

「いや、大丈夫だ。少しでも休めるうちに休んでおいてくれ」

 

ったく。この原作キャラとも言える人達は無理をしようとする。まぁ、そのような事は俺がいる場合はさせないぜ?確かに俺も疲れ始めているが目の前にいるジルほどではない。目に見えるほど疲れが見えている。もし、仮にもここで無理をしてしまい、死んでしまったら終わりだ。コンテニューはない。一回限りの命で生き抜かなければならない。

 

「俺はまだ大丈夫だ。それにジルは疲れが見え始めている。30分だけでもいいから寝ておくんだ」

 

「・・・それじゃ、30分だけでも寝るわ」

 

そういうとジルはゆっくりと体をベッドに預け、眠りの世界に旅立っていく。

 

「寝たか・・・・・・さて、今さっき気づいたのだがどういう訳か四次元ポケットの中に通信機が見つける事が出来た。しかし、このような物さっきはなかったはず。まぁ、良い。とりあえず使えるかどうかを確かめてみるか?」

 

ジンはポケットの中から通信機を取り出す。取り出すと使えるかどうかを確かめ、仕えることを確認すると無意識のうちに周波数を合わせていた。

 

「??何故無意識で周波数を合わせる事が出来ている?それに何処に通信をしようとしているんだ?」

 

『・・・・・・・・・こちら民間軍事会社リライト、通信担当の高木沙耶です!隊長無事だったんですか?応答してください!』

 

「ああ。こちらは無事だ。何とか派遣先の部隊に到着したのはいいんだが、少しめんどくさい事に巻き込まれてしまっている。生物災害、バイオハザードに巻き込まれてしまっている(・・・・・・高木沙耶ってあの高木沙耶?ハイスクールオブザデットに出てくるピンクのツインテールで、ツンデレの女性だよね?)」

 

こんなことは理解ができないのだが・・・それに通信で出ている高木沙耶って奴は一人しか知らないんだけど・・・!?どうやら前の持ち主の記憶によるとその通りだな。容姿、声など全てが一致している。驚きだな。

 

『バイオハザード?・・・隊長、もう少し詳しく教えてくれませんか?』

 

「分かった。噛み砕いて説明する。一見死んでいるような人間が突然立ち上がり襲ってくる。死者が蘇ってから襲ってくるというものだ。よく、映画などで取り扱われるようなものだと思ってくれればいい。それにゾンビだけではなく、動きの速いゾンビなどがいるようだ」

 

『隊長、よく生き残る事が出来ていますね?』

 

「まぁ、普通のゾンビにやられることはないが・・・動きの速いゾンビの方は少し肝を冷やしてしまった。容量さえ掴むことができれば普通に倒す事が出来た。それによりも高木。少しばかり調べてもらいたい人物がいる」

 

『一体誰ですか?隊長が頼むなんて珍しいですね?』

 

憑依前の俺は何でもかんでもひとりで行っていたんですかね?まさかのコミ障って奴を患ってしまっていたんですかね?

 

「すまん。俺も今自分で調べたいのだがそう言った物がない状態だ。さて、話を戻す。アルバート・ウェスカーというラクーン・シティー市警のSTATSだが彼を調べてくれないか?どうも奴から表の人間とは感じられないものを感じ取った。至急調べてもらいたい」

 

『ラクーン・シティー市警STARSのアルバート・ウェスカーですね?今すぐに調べて報告します。10分ほどお待ちください』

 

まぁ、本当は知っているのだが一応確固たる証拠を得るためにはお願いでもしよう。それに通信機が使えるとなるのなら色々と原作介入というものを行うとする。もし、救助に来てくれるブラッドが来てくれないという最悪の状況が出来るかもしれんからな。それをふまえて手を打たせてもらう・・・無論。本音は死にたくないというのが本音だがね。

 

それにしてもやっぱりジルさんは美人やな。寝顔も物凄く可愛い。本当に普通の状況なら間違いなく襲ってしまう。でも、今はそのような事をしている暇はない。それに俺自身が寝ている人を襲うということをしたくはない。先ず人間としてどうだと思ってしまう。よく二次創作など、裏手の漫画や小説でよく設定されるのだが・・・ハッキリ言って外道だと思う。好きな人物となら堂々と思いを伝えてゴールインするべきだ。しかし、これ以上言ってしまうと話の趣旨が変わってしまうから話を変えるとする。

 

この世界に来てからあっと言う間に体感的に2時間ほどが過ぎてしまっている。それも神経をすり減らしながらリアルホラーというものだ。前の世界では一般高校生であった俺にとっては考えられないもの。まぁ、それもバイオハザードという世界で考えたくはないのだがな。本当に前の身体能力では即天国に旅立ってしまっていだだろう。俺はこの世界の俺に感謝をしたい。でなければ、今こうして戦い、生き抜くことができないだろうからな。

 

っと。どうやら通信機が鳴っているようだ。

 

『・・・隊長。確認を行いました。報告を行います。当のアルバート氏は表向きラクーン市警のSTARSメンバーのLDRを勤めていますが、裏ではアンブレラの幹部候補生並びにウイルス研究者として働いているようです』

 

「そうか?やはり、裏の人間だったというわけか?なるほど、だから奴は少し他の奴とは違う雰囲気がまとっていたというわけか?ありがとう。あと、一つお願いしたいことがある」

 

『一体何ですか?』

 

「それはだな―――ということなんだ」

 

『分かりました。その案件を行います』

 

そう言うとジンは通信機を切る。

 

まぁ、最後は念のための布石だ。もしもの時があってしまってはめんどくさい。さらに言うとだ。それは自分自身の|死〈バットエンド〉に繋がる。それを防がなければならない。少しでも手を打っとくのは良い。欲を言えば|生〈グットエンド〉で生き残りたい。

 




少しずつ、物語はオリジナルへと向かっていきます。しかし、作者としても原作感は崩したくはないですが、ほんの少しですので安心してください。
これからまたよろしくお願いします。

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