-追記-
11月22日、楯山アヤノ誕生日、おめでとう!
忘れてたので付け足しときます。
色々と特殊な魔法科高校だが、やはり学校なので部活動は存在する。魔法競技系のクラブもあれば、普通の運動系のクラブもある。プログラムなどの文化系のもある。
運動系のクラブは常に人員を求めている。特に、魔法競技系は。九つある魔法科高校で行われる対抗戦の結果次第で、クラブの予算や生徒個人の評価まで、様々な便宜が図られるからだ。
かくして、この時期に行われる新入部員獲得合戦、通称バカ騒ぎは、普段の比ではないほどの問題が起こり、風紀委員会と生徒会、部活連のメンバーは仕事三昧となる。
「……バカ騒ぎだな、本当に」
達也は、自宅でエネが表示する去年の部活動勧誘週間の際の映像を視聴していた。どうやら、監視カメラの映像らしいが、どうやって取ってきたのだろうか。
『毎年の恒例行事ですねー。一週間の間、デモンストレーション用にCADの携行が許可されますから、あっちこっちで魔法の撃ち合いになってるようです。一応審査はあるらしいですが、見た限りだと事実上フリーパスですね』
「学校が仕事をしていない……」
達也は呆れ顔、エネはなぜか笑顔だった。
『さあ、暴れちゃいましょうご主人!あのいけ好かない一科生共に目にもの見せてやっちゃいましょう!!』
「風紀委員が問題を起こしてどうする」
達也はエネの提案を却下し、隣に写っている画像に目を向ける。
「で、中条先輩がどうかしたのか?」
『いえいえ、なにやら特別な魔法を持っているみたいなんですよ、ご主人みたいに』
「……どういうことだ?」
『彼女だけの魔法がある、ということです。系統外魔法〈梓弓〉。情動干渉系です。相手を無抵抗状態にするのに特化してますねー』
「【個人ではなくエリアに働きかける魔法で、同時に多人数を相手として仕掛けることができる】……これは、第一級制限が課せられる魔法じゃないか?」
『会長さんに聞いてきました。「彼女が独裁者の片棒を担ぐなんて無理だし、無理矢理協力させられても罪悪感でまともに使えないわよ。それに、学校の外では使わせないし」だそうです。正確には、学校内に限ることを条件に、特例で許可を受けているそうです』
「裏技みたいなものか……」
達也は納得した表情でブラウザを閉じた。
「ああ、暇な時で構わないから、【エガリテ】と【ブランシュ】について調べておいてくれるか?」
『わっかりましたぁ!最速で調べてきますよご主人!』
エネが画面外へ出て、そのまま電子の海へと旅立つ。彼女に勝てるハッカーは、片手で数えられるほどしかいないだろう。
達也はパソコンをスリープ状態にし、布団に潜った。明日から始まる一大イベントに向けて。