ラブダブル!〜女神と運命のガイアメモリ〜   作:壱肆陸

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ダミー・ドーパント
「偽物の記憶」を内包したガイアメモリを、俳優の志島一喜が手の甲に挿入することで生まれるドーパント。対象の姿、人格、記憶、能力をコピーすることができる。ただし、あくまで能力特化のメモリのため、素の戦闘能力は他と比べ低い。また、自分より大きなものになることはできない。

一言コーナー

アラシ「こいつは…海未になりすましてたやつだな」
永斗 「そういえば、風呂とかトイレとかどうしてたんだろ?」
アラシ「やめろ、それ以上考えるんじゃない」
永斗 「被害者も女性が多かった気が…」
アラシ「やめたげて!ダミーのライフはもうゼロだから!」


結構更新が遅れました!スイマセン!
今回からあとがきにクイズを出したいと思います。最後まで見ていただけると嬉しいです!
今回はオリジナルドーパントの登場です!ではどうぞ!

あと、新たにお気に入り登録していただいた
ロマンチスト(笑)さん 希ーさん ありがとうございます!


第8話 Lに運命を/未来を語る少女

4/24 切風探偵事務所

 

「サーキット」

 

「虎」

 

「らくだ」

 

「濁流」

 

「ウスターソース」

 

「スキューバダイビング」

 

「グングニル」

 

「ルージュ」

 

「ゆず」

 

事務所で俺と永斗のしりとり対決が繰り広げられる。

今日は休日でバイトもなし、依頼も来ない。早い話、暇なのだ。

 

バイトを始める前はしょっちゅう対決をしていたが、まだ決着がついたことはない。

ていうか、長くなりすぎて永斗が飽きてしまい、いつも勝負が中断される。

 

今回「考え時間は3秒以内」というルールを加えたがなかなか決着がつかず、かれこれ1時間ほど続けている。

ちなみに、最初に「サーキット」って言ったのが永斗で、次に「虎」って言ったのが俺だ。

 

「図案化」

 

「カシオペア」

 

「握手会」

 

「イスタンブール」

 

「ルックス」

 

「スリジャヤワルダナプラコッテ!」

 

「点字…って、お前いつの間に入ってきたんだ?」

 

振り返るとそこには紫髪のツインテ。生徒副会長だ。

 

「ちょっと前からおったよ。なんか面白そうなことしてるやん」

 

「だからって入ってくんなよ。なんだよ、そのスリジャヤワルダなんとかって」

 

「まあまあ、そんなどうでもいいことは置いといて」

 

「質問に答えろよ…」

 

今回も決着はお預けだな…そろそろ永斗も飽き始めてた頃だし、いいか。

 

「それにしても、本当に探偵してるんやね。それじゃ、ちょっと依頼してみよっかな~」

 

 

「「依頼!?」」

 

 

 

_______________________________

 

 

 

 

電車に乗ること20分弱。ここは…

 

 

「リア充の街、渋谷…」

 

「変な名前付けんな。渋谷に失礼だろ」

 

そう、俺たちがいるのは高層ビルが立ち並ぶthe都会、渋谷。

ここに来るのは2人ともかなり久しぶりだ。

 

「聞いてた通り、リア充の巣窟だね…見てて吐き気してきた…」

 

「じゃあ来なきゃいいだろ!お前がいるから電車賃400円もかかったんだぞ!」

 

「え~、でもノリ的に行く感じだったし…」

 

「お前は変なところで空気読むよな…

って、そんなことしてる場合じゃなかった」

 

俺はスタッグフォンでネットを開き、とあるサイトを表示させる。

 

そのサイトは「音ノ木坂学院生徒掲示板」、学校関係者のみアクセスできるサイトだ。

ここでは主に生徒同士の雑談や、情報交換が行われる。

ちなみに、教員も頻繁にサイトを巡回しているため、いじめなどの心配は少ないらしい。

 

近頃この掲示板に奇妙な書き込みがされている。

それは「未来予知」。とある生徒が、次の日に起こる出来事を書き込んでいるというものだ。

 

さっき調べたところ、的中率は堂々の100%。もはや人間業を超えている。

これについての調査を、俺たちは依頼されたって訳だ。

 

昨日の書き込みによれば、今日の12時30分頃渋谷にて、ひったくり犯が現れるとのことだ。

 

今の時間は12時27分。そろそろ現れるはずだが…

 

「ねぇ、アラシ。どうでもいいことなんだけどさ…」

 

「じゃあ、いい」

 

「いやいや、聞いてよ!ふつう聞くでしょ、そういうの」

 

「あーもう!わかったから早く言えよ!」

 

「さっきのスリジャヤワルダナプラコッテって…

スリランカの首都らしいよ」

 

「本当にどうでもいいな…」

 

なんてことをやってるうちに、どこからか悲鳴が聞こえた。

 

「出たか!いくぞ、永斗!!」

 

俺は悲鳴が聞こえた方向へと走っていく。

一方、永斗は…

 

 

「ちょ…無理……死ぬ…」

「お前、マジで使えねぇな!!」

 

てか、まだ100メートルも走ってないぞ!?どんだけ体力無いんだよ!

 

 

使えない永斗は置き去りにし、俺は走り続ける。

すると、全身黒ずくめのバッグを抱えた男に遭遇した。

 

「見つけたぜ!」

 

俺を見て逃げ出すひったくり犯。

 

俺は腕時計型ガシェット”スパイダーショック”からロープを射出。

頭上の看板にロープをひっかけ、ジャンプと同時にロープを縮める。

 

空中に放り出された俺は、別の場所へロープをひっかけ、同じようにロープを縮める。

 

こんな感じで空中を移動していき、俺はひったくり犯の真上に到達。

 

「捕らえた!」

 

俺はひったくり犯にのしかかり、見事確保した。

 

それにしても本当に予知が当たったな…

休み明けたら本格的に調査しねぇと……

 

 

___________________________________

 

 

4/26 学生のみんなが大嫌いな月曜日。

 

 

休みが明け、俺はバイト生活へ。

言ってしまえば、依頼が来ない休日は俺もニートみたいなもんだからな。永斗を笑えない…

 

調査もあるし、ライブまであと1週間を切った。そろそろ本腰を入れないと…

 

「おはよう、アラシ君!」

 

いつもなら、これは穂乃果なんだが、この声は…

 

「副会長か」

 

「え~、穂乃果ちゃんたちみたいに名前で呼んでよ~

ウチは東條希。よろしくね!」

 

案外ノリ軽いなコイツ。

 

「それで、何か分かった?」

 

「いや、予知すげぇってことしか」

 

「そうだと思った。じゃあ今日の昼休憩、その投稿者に会わせてあげるね」

 

そうか、それなら調査も…って…

 

「投稿者、わかってんの?」

 

「うん。書き込みから投稿者を特定できるようになってるんよ」

 

「先に言え!!」

 

 

___________________________________

 

 

仕事に一区切りつけ、昼休憩。

 

俺は希に言われた場所へ、その投稿者に会いに行くところだ。

希は生徒会の活動だか何だかで忙しいらしい。よって俺1人だ。

 

「にしても、すごい視線を感じるな…3年の教室は初めてだからか?」

 

そんな時、希からメールが届いた。

 

 

 

ヤッホー('ω')ノ

 

ただいま生徒会で会議中だよ☆

 

言い忘れとったけど、アラシ君ちょっとした有名人になっとるよ!(^^)!

 

学校新聞をチェケラ!!

 

 

会議中に何やってんだコイツは!

なんて考えてたらキリがないので、かまわずいわれた通り学校新聞を見てみた。

するとそこには…

 

 

渋谷でリアルスパイダーマン現る!

 

昨日、渋谷にてひったくり犯が出現。

そこに現れたのは皆さんご存知、音ノ木坂のイケメン清掃員、切風アラシ(本名)。

彼はロープを巧みに使い、空中を自由に移動しひったくり犯を追跡。

その姿はまさしくスパイダーマン!

 

          (中略)

 

我々新聞部は、今後も謎多き清掃員、切風アラシ(本名)の生態を調査していくつもりだ。こうご期待!

 

 

 

「マジでか…」

 

だからこんなに視線を感じてたのか…

よく見ると、生徒の中にカメラを持った奴がチラホラみられる。あいつらが新聞部か…

 

ていうか…

 

 

「そんな大事なこと言い忘れんなぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

俺の絶叫は廊下に響き渡り、ますます注目されることになってしまった…

 

後日、「怪奇!廊下で絶叫する清掃員」なる記事が書かれたのはまた別の話である。

 

 

_______________________________________

 

 

 

「やっと着いた…」

 

十数分後、俺はその投稿者がいるという教室にたどり着いた。

教室行くのにこんな苦労するとは…もう少しでカメラがトラウマになるところだった。

 

「いた、アイツか」

 

俺は席に座っている、1人の女子生徒に話しかけた。

 

「お前が予知書き込みの投稿者、斎藤(さいとう)深雪(みゆき)か?」

 

「やっと来たわね。あなたが来ることは予知で分かっていたわ。

そう、私が書き込みの投稿者。そしてあなたはあの女、東條希の回し者。そうでしょう?」

 

「だったら話が速い。お前の予知の方法、そしてその動機を教えろ。

単刀直入に言って、俺はお前をドーパントだと疑ってる」

 

すると斎藤はクスリと笑い、嘲るような態度で話し出した。

 

「私が怪物だって言いたいのね。だったら教えてあげる…

私には未来が見えるの…悲しい未来も、幸福な未来も。

あの女はタロット占いができるようだけど、私とはまるで次元が違う!

未来を見る力こそ、世界を凌駕するのよ!」

 

「何一つ答えになってねぇぞ。さっさと質問に…」

 

俺が斎藤に詰めかけようとした時、授業直前の予鈴が校内に鳴り響いた。

ここまでか…移動に時間とられすぎたな……

 

「また明日聞きに来る。その時は質問に答えてもらうぞ」

 

俺はそう言い残し、教室を後にする。

また視線を気にしながら戻るのか…

 

 

 

 

 

「あなたに、"明日"があったらね…」

 

 

 

 

 

_______________________________________

 

 

 

 

「よいしょっと…」

 

ゴミが詰まった袋を両手に持ち歩くのは、スピリチュアル系生徒副会長、東條希。

 

少々自由な面もあるが、彼女はいたって優秀。

生徒会長の絢瀬絵里と並び、校内では高い支持率を得ている。

 

入学式やら新入生説明会やらで忙しく、放置され続けた生徒会室のゴミを、

まとめて彼女がゴミ捨て場にもっていっているところだ。

 

たまりにたまった大量のゴミに苦戦しながらも、希はゴミ捨て場に到着。

あとは清掃員であるアラシが片づけてくれる。

 

仕事を済ませ、生徒会室に戻ろうとすると

希の足元から、カチカチと妙な音が聞こえてきた。

 

「なんやろか…この音…」

 

希は音の聞こえる地面に顔を近づける。

 

その時、どこからか伸びてきたロープが希の腕を捕らえ、希をその場から引き離した。

 

 

その直後、さっきまで希がいたゴミ捨て場が大爆発。積み上げられたゴミ袋が木っ端みじんに爆散する。

あと少しでも回避が遅れたら、まず命はなかっただろう。

 

「無事か、希!!」

 

「アラシ…君…?」

 

希を爆発から救ったのは、スパイダーショックを腕に装着した切風アラシだった。

 

「理由は知らねぇが、お前の命を狙ってるやつがいる。

大体目星はついてるけどな…

 

 

 

 

いるんだろ?出てこい、斎藤深雪!!」

 

 

アラシに真実を見抜かれ、斎藤が校舎の影から姿を現す。

 

「よくわかったわね。てっきりまだ疑ってる段階だと思ってた」

 

「墓穴を掘ったな!お前は”ドーパント”という言葉を聞いたとき、それが怪物のことだとすぐに分かっていた。

ドーパント=怪物だということを知ってんのは、俺たちと組織、あとは事件関係者とドーパント本人ぐらいだ!!

それに、お前は希のことをよくは思ってない感じだったからな。

試しに後をつけてみたら、案の定犯行に及んだってわけだ。希の来る場所を予知して、そこに爆弾しかけてたってとこか?」

 

アラシの言葉に斎藤は動揺する様子もない。

おそらく、こうなることも予知していたのだろう。

 

「そんな…深雪ちゃん…?」

 

一方、自分の命を狙っているものの正体を知った希は、ショックを隠すことができない。

 

「ん?知り合いか?」

 

「中学のころ、ウチが転校してきたときに一緒のクラスだったんよ。

でも、なんで……?」

 

 

「あなたは私のことをどうも思ってないだろうけど、私はずっとあなたを恨んでいた!

だから…ここであなたをこの世から消す…」

 

 

《プリディクション!》

 

 

斎藤はメモリを取り出し、ソックスをおろし、右足のふくらはぎにメモリを挿入した。

 

彼女の体が光に包まれ、みるみるうちに姿が変わっていく。

 

光が消えると、そこには占い師のようなローブを纏ったドーパント、プリディクション・ドーパントが姿を現した。

 

 

「逃げろ、希。こっからは俺たちの世界だ」

 

 

《ジョーカー!》

 

 

アラシはドライバーを装着し、ジョーカーメモリを装填。

すぐにサイクロンメモリも転送されてきて、ソレを押し込みドライバーを展開した。

 

「変身!」

 

 

《サイクロンジョーカー!!》

 

 

アラシの中に永斗の意識が転送され、2人は仮面ライダーダブルへと変身した。

 

 

『ちょっと~今カップ麺にお湯入れたばっかなんだけど』

 

「そんなもんばっかり食ってるから、体力つかないんだろうが!」

 

『カップ麵をなめてもらっちゃ困るよ。味はともかく、破格のお手軽さと食べごたえは称賛に値する。

いまやカップ麵はニートの必須アイテムだよ』

 

「テメェはパンの耳でも食ってろよ…まぁいい、続きは事務所だ。

今はとりあえずアイツを倒す!」

 

 

「『さぁ、お前の罪を数えろ!!』」

 

 

ダブルは希を逃がすと、プリディクションへと向かっていき、パンチを繰り出す。

だが、その攻撃が当たる寸前、プリディクションは体をそらし攻撃を回避した。

 

さらに攻撃を続けるが、その攻撃はすべてかわされてしまう。

 

「やっぱり…予知で動きを読んでやがんな?」

『え…なにそれ、無理ゲーじゃん』

 

 

「それで終わり?だったらこっちから行かせてもらうわ」

 

プリディクションは先端に水晶がついた木の棒を出現させ、手に取る。

ソレを掲げると、水晶から放たれた雷撃がダブルに襲い掛かった。

 

「チッ…!」

 

ダブルは雷撃をかわすため、上へジャンプするが…

 

「残念でした」

 

水晶からもう一発雷撃が放たれ、ダブルを直撃した。

 

 

「くっ…やっぱ読まれてる分、行動はこっちが出遅れるな…」

 

『だから無理ゲーだって言ってんじゃん。

無理ゲーには無理ゲーの攻略法があるんだから、ここは僕に任せてよ』

 

永斗はドライバーのメモリを2本とも入れ替える。

 

 

《ルナメタル!!》

 

 

ダブルの右半身が黄色、左半身が銀に変わり、

メタルシャフトで放たれる雷撃をはじいていく。

 

プリディクションは攻撃を放ち続けるが、ダブルの操る伸縮自在のシャフトですべて打ち消されてしまう。

 

「そうか、いくら予知できても攻撃するエネルギーには限りがある。

あっちの攻撃を全部防ぎ続ければ、そのうちスタミナ切れになるってことだな」

 

予知されるんだったら動くだけ体力の無駄。というのが永斗の考えだ。

 

このまま攻防を続けていれば、先にへばるのはプリディクションの方。

実際、プリディクションの攻撃は徐々に威力を失ってきている。

 

 

「よし、このままいけば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那________

 

 

 

 

 

ダブルの横を一閃の風が通り過ぎたかと思うと、

背後の桜の木が一刀両断され、音も立てず倒れた。

 

 

 

「面白そうなことをしているな。私も混ぜてもらおうか」

 

 

その時、凄まじい殺気がダブルを襲った。

 

殺気の方向にいたのはもう一体のドーパント。

剣士のような姿をしていて、見た感じは普通のドーパントと変わらないが、

違うのは、ドーパントに変身する際にメモリを挿入する場所に出現する”生体コネクタ”

これが右腕に大きく刻まれていること。そして、なによりそのただならぬ風格だ。

 

 

「右腕に生体コネクタ…コイツは…」

 

剣士のドーパントはダブルに手を向ける。

すると、その周りに無数の剣が出現し、一斉にダブルへと飛んで行った。

 

「くっ……」

 

飛んでくる剣をシャフトで防御するが、あまりに多すぎて防ぎきることができない。

 

さらに剣士のドーパントが手を上に向けると、上空に剣が出現。

空を埋め尽くすほどの剣が、雨のごとく降り注ぐ。

 

 

《ルナトリガー!!》

 

 

ダブルはトリガーにチェンジし、光の銃弾で剣を迎え撃つ。

プリディクションも予知能力を駆使し、降り注ぐ剣をかわしていった。

 

 

「ちょっと!私は仲間じゃないの!?」

 

「貴様を助けに来たつもりはない。邪魔だ」

 

剣士のドーパントの言葉に、最初は怒っている様子のプリディクションだったが、

ここは退いたほうがいいと判断し、その場から姿を消した。

 

 

「これで邪魔はいなくなった。私も少し本気を出そう…」

 

剣士のドーパントの手に1本の剣が形成される。

 

『なるほど、今までのは本来のスタイルじゃなかったってことだね』

 

 

どちらにしろ、飛び道具を使わなくなった今がチャンス。

ダブルはそう思い、マグナムから数発の弾丸を放った。

 

だが、その予想は見事に裏切られることになる。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

不規則な軌道を描きながら迫りくる銃弾を、剣士のドーパントは1本の剣だけで全て斬ってしまった。

 

「マジかよ…!」

 

その瞬間、剣士のドーパントは一気にダブルとの距離を詰める。

その速さは、まばたきと変わらない。まさに光速。

 

ダブルは防御の構えをとるが、もうすでに遅い。

ドーパントの剣撃がダブルを斬りつけた。

 

大きなダメージを受け、その場に膝をつくダブルに、剣士のドーパントは剣を突きつける。

 

「どうした、その程度か?」

 

「……」

 

ダブルは突き付けられた刃を振り払い、いったん距離をとる。

 

 

「ついて来いよ永斗……

 

 

 

久々にガチで行く!!」

 

 

《サイクロンジョーカー!!》

 

 

ダブルは再び姿をサイクロンジョーカーに戻し、精神を研ぎ澄ます。

 

 

ダブルの本気を感じ取ったのか、ドーパントも剣を構える。

そして、風を切る音とともに姿を消し、一瞬のうちにダブルの背後へと回り込み剣を振り上げる。

 

 

「そこだぁっ!!」

 

ドーパントの気配を瞬時に感じ取ったダブルは、後ろに向かって回し蹴りを繰り出した。

 

剣士のドーパントはその攻撃を、咄嗟に剣で防御。

ちなみに、このやり取りの所要時間はわずか1.5秒。

双方ともに人間業を優に超えている。

 

 

「くっ……」

 

強烈な蹴りを喰らい、ドーパントの剣は粉砕され、体は数メートル先に吹っ飛んでいく。

 

蹴りによる勢いが消えると、剣士のドーパントは手元に新しい剣を形成。

上空へと跳びあがり、上から斬撃をダブルへと飛ばす。

 

 

ダブルは凄まじい速さで迫る斬撃をかわし、

サイクロンによる風の力で、ドーパントの方へと跳びあがった。

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「でやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ダブルの技とドーパントの剣がぶつかり合い、空中で激しい戦いが繰り広げられる。

 

そして、ダブルのかかと落としが剣士のドーパントへ直撃。

ドーパントはそのまま地面へと落下していく。

 

体が地面に叩きつけられる瞬間、ドーパントは上空に剣を形成。

それらは一斉にダブルへ襲い掛かりダブルを墜落させた。

 

 

双方が墜落した時の衝撃で、辺りを土煙が覆う。

 

煙を割いて現れたのは、それぞれ剣と拳を構えたダブルとドーパント。

そして……

 

 

 

 

 

剣はダブルの首元で、拳はドーパントの眼前で止まった。

 

 

「貴様、名前を何という」

 

「はぁ?」

 

「侍は認めた相手には名前を聞くものだ」

 

「…よくわからんが、まあいい。

俺はダブル。仮面ライダーダブルだ」

 

「我が名はスラッシュ。組織に仇なすものを斬る、1本の剣だ。

次会う時は、貴様の持つ”C”と”J”のメモリを頂く…」

 

 

剣士のドーパント___スラッシュは剣を収め、跳び去っていった。

 

 

 

「さすがは組織の幹部といったところか…」

 

『ちょっと…いきなり飛ばしすぎ…』

 

「なんでお前が疲れてんだ?体は俺のだろ?」

 

『いくらなんでもあんなに動いたら疲れるよ…

意識と体は完全に別ってわけじゃないんだし…』

 

そんな時、スタッグフォンがメールの受信を知らせる。

 

「穂乃果からだ…」

 

『なに?これからデート?』

 

「アホか、ファーストライブ近いんだし、その練習だよ」

 

『ふーん…』

 

「お前は何を期待してたんだ?」

 

 

 

__________________________________________

 

 

 

ーアラシsideー

 

 

俺が呼び出されたのは、オタク都市秋葉原。

 

俺は永斗と一緒に3人が来るのを待っている。

 

 

 

 

 ど う し て こ う な っ た

 

 

 

 

ライブの練習するんじゃなかったのか?秋葉原って聞いたら永斗(コイツ)もついてくるっていうし…

そんで肝心の3人はなかなか来ないし……

 

 

「ごめんごめん!遅くなっちゃった!」

 

噂をすれば、穂乃果、海未、ことりの3人が到着したようだ。

 

「で、まずここに集められた理由を教えてもらおうか」

 

「それが……」

 

 

 

事情説明中……

 

 

 

 

「なるほど…海未が緊張して人前で歌えないと……」

 

「人前じゃなければ大丈夫だと思うんです…人前じゃなければ…」

 

それなんか意味あるか?

 

「じゃあ、観客を野菜だと思えばいいんじゃないの?

どっかのアイドルのインタビューで聞いたことあるよ」

 

「永斗君ナイスアイデア!」

 

「野菜…ですか…?」

 

海未はしばらく何かを考えていたが…

 

 

「私に一人で歌えと!?」

 

「なんでそうなるんだよ……」

 

「やっぱダメか~じゃあ習うより慣れよだね!ことりちゃん!!」

 

「うん!」

 

するとことりは、持ってきた紙袋の中から紙の束を取り出した。

 

「このチラシをみんなで配ろう!」

 

「それなら宣伝にもなるし、海未の練習にもなるし、いいかもな

じゃあみんなでやるか!」

 

「え~僕もやるの~」

 

「人がいっぱい……」

 

「つべこべ言わずにさっさと始めろ!!」

 

 

 

 

 

十数分後……

 

 

 

 

「結構配ったな…」

 

俺のチラシはすでに半分まで減っていた。

なんか女の人がよくチラシを取ってくれたな。

反対に男には反応が良くなかったが…一回靴踏まれたし…

 

穂乃果も順調なようだ。

 

ことりは…凄いな。もうほとんどチラシがなくなってる。

 

海未と永斗は……

 

 

「あ…レアなの出たみたいです…」

 

「2000円で買った」

 

 

座り込んでガシャを回していた…

 

 

「「海未ちゃん!?」」

 

「何やってんだお前らぁぁぁぁ!!」

 

 

ライブまであと6日。本当に大丈夫なのか…?

 




今回登場したのは、鳴神@堕天さん考案の「プリディクション・ドーパント」と、
MasterTreeさん考案の「スラッシュ・ドーパント」です!
オリジナルドーパントのアイデア、本当にありがとうございました!!
引き続き募集お待ちしています!!

予告したとおりクイズを出したいと思います!
実はこの作品のサブタイトルの多くは元ネタがあります。それは何でしょうか?

第1話 プロローグは突然に 難易度☆☆・・・どっかで聞いたことあるのでは?
第3話 検索と変身と二人で一人 難易度☆・・・ライダーファンなら一目でわかるはず!
第4話 探偵に向いてる職業 難易度☆☆☆・・・探偵つながりということで…
第7話 届かなかった思いについて 難易度☆☆☆☆・・・私の趣味だ、いいだろう!まあ最近のアニメなんで知ってる人もいるのでは?
第8話 未来を語る少女 難易度MAX!!・・・私の趣味(略)PART2!これわかる人いないと思います。ピンときたあなたは超アニメ博士!!

わかったらメッセージや感想で送ってもらっても構いません。
挑戦者求ム!!

感想、評価、アドバイス等ありましたらお願いします!
次回もお楽しみに!

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