BLEACH外伝 〜千年後、史上最強と称された集団〜 作:二毛目大庄
「事態は火急である」
護廷十三隊の全隊長・副隊長が一番隊隊舎に会し行われる、護廷十三隊最高意思決定機関・護廷十三隊隊首会。
その席上、総隊長である山本
「かねてより意識不明であった七番隊第四席・
襲撃の主犯は八剣聖の1人との事実を聞かされても、隊長達に動揺は無かった。
山本は微動だにせず言葉を続ける。
「現世で斎賀と伊座屋は大型の虚と戦闘、玉輝衛童はその間に姿を消し行方不明。 虚は伊座屋に重症を負わせたのち、斎賀をさらい尸魂界に帰還したまでは確認出来たものの、依然行方不明である。 そこで」
山本の目つきが鋭さを増す。
「各隊隊長諸君らには、斎賀栄八の保護及び玉輝衛童の捕縛を命ずる。 虚に関しては、好きにして貰っても構わん」
総隊長たる山本からの命令。
その眼光に加え、"好きにして貰っても構わん"との言葉に明確な戦闘の意思が汲み取れ、隊長達に思わず緊張が走る。
「質問等無ければこれで—」
山本が隊首会を締めようとしたその時、二番隊隊長・
「まだ隊首会は終えれそうにないのう、総隊長」
「先程のは
護廷十三隊の最大意志決定機関である隊首会に参加する隊長に、裏挺隊が緊急的に伝令する事の意味。
その場に参加する隊長・副隊長は皆その意味を理解していた。
全員の視線が夜影に注がれる。
「尸魂界四方、瀞霊廷を囲むように虚の大軍が現れた」
「なっ…!」
「さらに、それらを率いているのは…八剣聖との事じゃ」
それは、その場に居たおおよその者が到底想像し得ない報告であった。
"虚"、"大軍"などの単語に加え、それらに囲まれたとあれば、瀞霊廷の守護を担う護廷十三隊の首長らを騒然とさせるのには、十分過ぎる程であった。
「
そのたった一言で場は静まった。
各隊長と比べ、決して大柄とは言えない初老の
「…これぐらいで
その言葉を聞いて夜影は、つくづくこの男が総隊長で良かったと思った。
かつて同じ五大貴族の面々を敵に回してまで進めた山本総隊長
いま、確実に山本の下に護廷十三隊は、名実共にまとまりつつあった。
「総隊長、御命令を」
「護廷十三隊を五方に分け、これに対抗する。 東に八番隊・
山本は、そのように命令を瞬時に変更すると「加えて」と言葉を足し、命令を続けた。
「四番隊・
疑問形ではあるものの、一切の疑問を挟ませない、また挟みようのない
山本は返答が無いのを確認すると、杖状に封印している己の斬魄刀『
「さて諸君、 護廷十三隊の初陣じゃ。 多少廷内が壊れても構わん。 派手に暴れてやれ」
総隊長の命令に「