BLEACH外伝 〜千年後、史上最強と称された集団〜 作:二毛目大庄
尸魂界某所。
『
夜も更けており、座敷内を照らすのは、点在する蝋燭台の揺らめく炎のみであった。
「これで全員かね」
座敷の
その言葉に、座敷の末席に座る大柄な男が反応した。
「
「遅刻か…。 この大事な時に」.
小柄な男は苛立ちを隠さずにそう言うと、今度は上段の男が口を開いた。
皆が座る座敷より一段高い上段に座るその男は、肘掛けに肘をつき、頬杖をついていた。
「
「別命…?
「いずれ分かる事だ。
上段に座る東元坂と呼ばれた男は、半ば無理矢理に話を議題に戻した。
先程から場を取り仕切っている生熊と呼ばれた小柄な男は、自分の質問に答えられない事に不満そうな顔をしながらも、会合を続けた。
「…4日前、玉輝殿と虚『大帝』による現地調査が行われ、その場で護廷十三隊隊士2名と接触・戦闘した事は諸君らも承知の事とは思うが、その2名の内1名は重傷、1名は玉輝殿同行の虚によって連れ去られ、行方不明となった」
生熊は淡々と事実のみを報告する。
その報告を聞き、末席の大柄な男は率直な疑問を口にした。
「虚が連れ去った…?」
「その辺りについては玉輝殿がこの場に居ない為何とも言えぬが、通常
「殺害されている、か」
生熊の報告を締めくくるように、東元坂は最も考え得る結論を述べた。
自分が言うはずだった言葉を東元坂に言われた生熊は、東元坂を一瞬睨みつつも、報告を続ける。
「内通者によると、護廷十三隊はすでに我々の関与を疑っており、元八剣聖・
「報告御苦労。 議題は以上かね?」
報告を終えた生熊に東元坂が尋ねた。
「…あとは八剣聖の穴埋め、ですな」
「それなら心配に及ばん。 欠けた穴2名の内1名は調整に入っており、もう1名も中央四十六室より推薦を受けておる」
「さすが仕事がお早い」
「諸君らにも直にお目見え出来よう」
「…暫しよろしいか」
議題が落ち着き掛けた時、今まで一言も発さず黙って会合に参加していた男が、挙手と共に声をあげた。
その眼光は冷静な声とは裏腹に、熱を帯びていた。
「
東元坂に龍堂寺と呼ばれた男は、死覇装の上に特別な
「お主ら、一体何を企んでおる」
「はて、何のことですかな?」
「とぼけるな。 五十雨が抜け、山本が抜けてからの初めての会合に、葛貫殿と玉輝殿が不在というは
龍堂寺の鋭い視線が、蝋燭台に灯る炎を揺らがせ、東元坂を射抜く。
東元坂は決して目線をそらす事なく、その視線を悠々と受け止めている。
「お主らの目的は、本当に20年前の再現だけか?」
「それ以外に何が有ると?」
「そうだな、例えば」
「私のやり方に不満かね」
龍堂寺が例を出そうとした瞬間、東元坂がそれを遮った。
「…不満だとすれば
「龍堂寺、20年前の真実を皆が知れば、名門貴族・龍堂寺家はどうなるだろうな。 五大貴族との差を埋めるどころの騒ぎではないぞ?」
「なっ…! まさか…」
東元坂は頬を醜く歪ませた。
異論の1つも挟ませるつもりのない、そんな表情だった。
「安心せい。 お前が裏切らん限り、私の口からは言わんよ。あれは我らの
「貴様…」
「今は深くは知らんでも良い。 ただ動け。 八剣聖の名誉と復権の為にな。 諸君らの各