BLEACH外伝 〜千年後、史上最強と称された集団〜   作:二毛目大庄

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こんにちは、ニケモクです。

かなり久しぶりの投稿になります。
今回の投稿を待ち侘びていたのは、他の誰でもなく僕自身です。笑

内容としては、情景一変して某貴族の屋敷からです。
某貴族が誰なのかは本文を読んでのお楽しみ!


颯変

「で、兄らは何故ここに居る」

 

途轍もなく広い屋敷の縁側に、5人の男が寝そべっていた。

どの男の顔も弛みきっており、緊張感の欠片も無かった。

 

「仕方がなかろう、『五華室(ごかしつ)』が使えんのだ。 朽木邸に集まるしか無いだろう」

「五華室が使えぬのは分かる。 何故そこで我が屋敷に集まる事になるのだ」

 

屋敷の主、朽木彩之丞(くちき さいのじょう)は、横になっている5人の男に目をやり呆れつつ言った。

 

「まぁ良い。 五華室が使えぬのも、兄らがここに集まるのも良いとしよう。 しかし、何故五大貴族でもない貴様がここに居るのだ陣右衛門」

「まぁ良いではないか。 お主にやられた傷がまだ癒えとらんのだ」

 

怒りの矛先が自分に向けられたと悟った狛村陣右衛門(こまむら じんえもん)は身体を起こし、少し大袈裟に傷を撫でつつ弁明した。

陣右衛門は人の姿になっていた。

 

「それに、丿字斎に隊長に任ぜられ召集されたものの、何事も無く暇なんじゃ」

「確かに最近は平和だが、それが良いのだろう」

「面白くもない。かつての『剣八』のような大悪人が現れればのう」

 

『剣八』の名に、その場に居た全員が反応した。

 

「ふん、奴のような悪人はもう二度と現れまいて。 もし奴と同等、或いはそれを上回る敵が現れたなら…その時は我らの総力をもって叩き潰すしかあるまい」

 

五大貴族の1人でもある四楓院夜影(よるかげ)は、縁側に寝転がったままそう呟いた。

 

「ま、心配ないでしょ。 その為に護廷隊が出来つつ有るんだし」

 

志波陸鷹(りくおう)は場の空気を感じ、敢えて軽い口調で言った。

確かに、尸魂界の強豪が山本の元に1つにまとまりつつ有った。

 

「そうだな」

 

皆その意見に同意したのか、陸鷹に反論する者は居なかった。

我らは集結の号令が掛かるのを待つのみ。

再び朽木邸に穏やかな空気が流れようとしていたその時、

 

 

「伝令!」

 

顔の上半分を面で覆った装束の男が、朽木邸の庭に突如現れた。

突然の男の出現に、寝そべっていた者は身体を起こした。

 

「こやつは…裏廷隊(りていたい)!?」

「恐れながら申し上げます。 八剣聖が1人、『元流』開祖・山本重国様が真央地下大監獄へと向かわれた模様」

 

裏廷隊が片膝をつきながら伝令を伝える。

 

「何じゃと!?」

「一体そのような場所へ何故…?」

「目的などは不明。 しかし、門番の1人『髪愧烏(ほっけう)の断十郎』が倒されたとの情報が」

「おいおいおい、断十郎といえば…」

「おうとも。 第七監獄『大炎熱』よ」

「十字斎の奴…」

「噂すれば何とやら、か」

 

山本が大炎熱へ向かったと聞いた夜影は、即座にその目的を察した。

と同時にすぐさま身支度を整えた。

 

「ゆくぞ」

「あぁ。 『滅水丸』、兄達はどうする。」

「以前と同じ質問をするのだな」

 

『滅水丸』と呼ばれた五大貴族の1人は、以前、五華室で山本に付くかどうかの問答をしたのを思い出していた。

 

「共に行こう。 ただし護廷隊としてではない。 瀞霊廷を守る、五大貴族として、だ」

「充分だ」

 

ー 全く、素直ではないな。

朽木は答えを聞いて少し笑みを浮かべた。

 

6人の男は走り出した。


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