BLEACH外伝 〜千年後、史上最強と称された集団〜 作:二毛目大庄
この度は私の駄作にアクセス頂き、ありがとうございます。
この作品は、BLEACH連載終了を祝う気持ちと、終わる寂しさと、ファン目線の一抹の怒り()を込めて仕事の合間を縫って書いて行こうと思っている作品です。笑
久保先生にはもっと描いて欲しい場面がたくさん有りました。
そんな場面を、なるべく時系列に沿って、原作と矛盾の無いように、時にはオリジナルキャラも交ぜ、展開して行こうかなと思います。
何分初めて小説を創作するので、誤字・脱字・誤用も多々有るとは思いますが、暖かくお見守りください。
『護廷』の二文字
2人の男が縁側に座り話をしている。
1人は口元にヒゲをたくわえ、額には十字の傷を負っていた。
もう一人は首から巨大な数珠をぶら下げており、頭を剃髪にしていた。
「なぁ和尚よ」
和尚と呼ばれた剃髪の男は、茶を一口啜り「どうした」と返事をした。
「現世で強大な悪霊に対抗する力として我等が統学院を設立して数百年。戦い方を覚えた死神達も数多くでてきた」
十字傷の男が、まだ乾ききっていない、最近十字になったばかりの額の傷を触りながら言う。
「しかし、悪霊共が特に最近、謎の力によって強化され、顕著に力を付けてきた」
「確かに、先日 尸魂界(ソウルソサエティ)に侵入してきたのは予想外だった」
「そこで、だ」
十字傷は立ち上がった。
「儂はこの尸魂界に、新たな組織を作ろうと思う」
「新たな組織?」
「あぁ。このまま行くと、ひょっとすると悪霊共に死神は滅ぼされるかもしれん」
「ほう」
和尚は気の抜けた返事をしたが、十字傷と似た、予感めいた思いを持っていた。
「はっきり言うと、いまの我等死神達は無法者に近い。それを隊の形をとって一つに纏め上げよう」
「一つにって…尸魂界全土にいる死神をか?」
「あぁ」
和尚は十字傷を見上げた。
尸魂界全土の死神を纏めるとなると、途方もない作業となる。
何ヶ月、何年かかるか分からない。
数十年にも及ぶ可能性もある。
しかし、十字傷の眼は決意の力に満ちていた。
「名はあんたが決めてくれ。真名呼和尚と呼ばれるあんたなら、正しい名前が付けれるはずだ」
「その組織の目的はなんだ?」
「現世は勿論、尸魂界や瀞霊廷(せいれいてい)を護る、死神を束ねた組織だ」
「おんしの名前からとって山本重國隊、と言うのはどうだ?」
真名呼和尚はニヤリとし、からかうように言った。
十字傷は、名を山本十字斎重國といった。
やるしかない。
このままではいけない、と思いながらも自分は予感めいた思いで止めていたのを、この男は口に出してその思いを語ってくれた。行動してくれた。
もしこの男が今日この行動をとってくれなければ、行動しないままだったとしたら、急速に力を付けた悪霊達に対抗できず、烏合の衆だった我等は滅ぼされていただろう。
「先ほど隊の形をとる、とおんしは言ったが、隊員はどうやって決める?」
「あぁ、その事だが、儂に考えがある。隊長は複数決め、その隊長達に隊員達を統率させる」
「隊長は複数、か」
「和尚、あんたにもなってもらうつもりだ」
「なっ…」
「当然だろう?あんたは並の死神じゃない。霊圧がズバ抜けている」
尸魂界の危機を感じているのは自分も同じ。真名呼和尚は断れなかった。
「そ、そうか。儂は決まりだな…では他の隊長はどうする?」
「儂に心当たりが十人程居る。今からそやつらに会いに行こうと思うが、和尚も来てくれるか?」
「十字斎が目に付ける程の猛者、確かに見てみたい」
十字斎と和尚は草履を突っ掛け、縁側を離れた。