造られた4本腕   作:habanero

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真吾君はもしかすると親バカなのでは?


クラス代表決定戦-上-

あの後は、施設に居た時の事を話した。

 

リーナとレーナの事も。

 

お姉ちゃんはよく助けたと褒められた、俺はただただ嬉しかった。

 

制服を着て、お姉ちゃんから寮の鍵を貰ってから応接室を出た。リーナとレーナが気付き、トテトテと走りながら抱き付いてきた。

 

「「だいじょうぶ…だった?」」

 

(心配してくれてたのか…)

 

「あぁ、大丈夫だったよ、お前達のおかげだ」

 

撫でると嬉しそうに笑う

 

「よし、寮の鍵を貰ったから一旦寮の部屋に戻ろうか」

 

娘達を肩に座らせ職員室から出る。

 

少しした所に寮があり、部屋は…1035室だ。

 

部屋に入り、荷物を置く。

 

流石IS学園だな、高級ホテルみたいだ。

 

リーナとレーナは既にベットの中で遊んでいる。

 

夕食を作る。もちろんトマト料理だ。

 

リーナとレーナが匂いに気付き

 

「今日は何?」

「パスタ?」

 

「お、当たりだ。もうすぐ出来るぞ、机の準備してくれ」

 

「「はーい!」」

 

 

リーナとレーナは俺達だけの時だけ口調が戻る。

本人達曰く、人見知りだかららしい。

 

料理を食べ終え、明日に備え早めに寝る。

 

 

 

 

朝起きる。

まだ二人は寝ている。

 

起こさないように顔を洗いに行く。

 

そして、食堂が開く時間になりそうなので、二人を起こす。

 

「おーい、起きろー」

 

まだ眠そうにボーッとする二人

 

「おはよう」

 

「「ぉは…ょう」」

 

「顔洗ってきな、すぐに食堂行くよ」

 

顔を洗いに行かせ、着替えさせる。

 

食堂に行き朝食をとり、少し時間があるので二人に勉強を教えた。

二人は割りと覚えが良いのでスムーズに進む。

 

「よし、今はこれくらいかな、教室行くよ」

 

二人と共に教室に向かう。

 

教室に入ると、ちょうどチャイムが鳴った。

 

 

織斑先生とお姉ちゃんが入ってきた。公私混合はしっかりしてるぞ?

 

「さて、授業を始める…そうだ、まだクラス代表を決めてなかったな。」

 

「自薦、他薦は問わない、誰かいるか?」

 

「はい!私は織斑君がいいと思います!」

 

(ん?あいつ推薦されてる事に気付いてないな?)

 

「…お、俺ぇ!?」

 

どうやら今気付いたようだ。

 

(バカなのか?)

 

その後も織斑一夏を推薦する声が上がった。

 

(俺が推薦されないのはこの身なりだろう、ありがたいけどね)

 

膝の上に乗って寝ている二人を撫でながらその様子を見ている。

 

すると、金髪女子が机を勢いよく叩いて立ち上がった。

 

「納得がいきませんわ!」

 

(これは面倒な事になりそうだ…)

 

そんな事を思いつつ眺める。

 

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえというのですか!?」

 

(セシリア・オルコットって言うのかある意味すごい奴だな)

 

「物珍しいという理由だけで極東の猿にされては困ります!私はこのような島国までIS技術を修めに来たのであって、サーカスをする気など毛ほどもありませんわ!いいですか!?クラス代表者には実力トップがなるべき。そして、それはわたくしですわ!」

 

二人の寝顔を見ながら撫でる俺

 

「大体、文化として後進的な国で暮らさなければならないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で──────」

 

「イギリスだって大したお国自慢はないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

(織斑一夏、余計な事は言うんじゃねーよ…)

 

「あなたねぇ!私の祖国を侮辱しますの!?」

 

「そっちが先に言ったんじゃねぇか!なぁ、真吾!お前からもなんか言ってやれよ!」

 

「…興味無い、うるさい、黙れ」

 

とりあえず黙らすことにした。

 

「なっ!お前馬鹿にされて悔しくないのか!?」

 

(お姉ちゃんが眉をピクピク動かしてる…怒ってるかも?)

 

「…うるさい、黙れ、」

 

「あ、あなた達!決闘ですわ!」

 

黙らすのは失敗、悪化した。…俺は面倒が嫌いなんだ。

 

「いいぜ、四の五の言うよりわかりやすい」

 

(急に話進めやがった…束さん、多分俺コイツ嫌いです)

 

「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い―――いえ、奴隷にしますわ!」

 

「ハンデはどれ位つける?」

 

(勝手に巻き込まれ、勝手に話しを進められる…)

 

「あら?早速お願いかしら?」

 

「いや、俺がどのくらいハンデを付けたらいいのかなぁっと」

 

すると教室にいる女子(教師・一部生徒以外)が笑い始めた。

 

「織斑君、それ本気で言ってるの?」

 

「男が女より強かったのって、ISが出来る前の話だよ?」

 

「もし、男と女が戦争したら三日持たないって言われてるよ」

 

(へぇー俺が外に居ない間にこんなに世界が変わっていたのか)

 

この時、俺は巻き込まれている事を忘れていた。

 

「……じゃあハンデはいい」

 

「むしろ、わたくしがハンデをつけなくて良いのか迷うくらいですわ。あなたはジョークセンスがおありのようですわね」

 

「織斑君。今からでも遅くないよ?オルコットさんに言ってハンデを貰ったら?」

 

「えー?それは舐めすぎだよー」

 

「それで、黙っているあなたは?」

 

「………」

 

「あら、言葉が通じないのかしら?」

 

(そろそろイラついてきたな…)

 

「…うるさい、雑魚、黙れ、起きるだろうが…」

 

(起きたらどうするんだ…にしてもよく寝ていられるな)

 

「なっ!?いいですわ!あなたは惨めな負け方をさせて貰いますわ!」

 

「話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後、第1アリーナで行う。織斑と山田とオルコットはそれぞれ用意をしておくように。山田、授業が終わった来てくれ。それでは授業を再開する」

 

授業後―――

 

すぐに呼ばれたので、二人を抱っこした状態で向かう

 

「山田…大丈夫なのか?」

 

「なにがですか?」

 

「腕の事だ」

 

「あぁ…別に良いですよ。どうせ多分すぐにバレますから」

 

「そうか…お前の姉も心配してたぞ」

 

「…そこはなんとかします、では失礼します。」

 

 

放課後―――

 

二人が起きたので部屋に帰ると

 

「ごはんにする?お風呂にする?それとも、わ・た・し?」

 

裸エプロンの女が出迎えてくれた。

 

すぐにリーナとレーナの目を手で塞いだ。

 

「…出来れば娘が居る時はやめてくれ。子供に悪影響」

 

「あら?驚かないのね?」

 

「…驚いてる。それより服を着てくれ」

 

「そうね♪」

 

服を着た女は扇子を開く。

そこには『学園最強』と書かれている。

 

(あ、手離すの忘れてた)

 

目から手が離れると二人は?を浮かべて部屋に入っていった。

 

「この学園の生徒会長をしてる更識楯無よ。よろしくね()()()()さん♪」

 

「…どこでそれを?」

 

「秘密よ♪」

 

「…どこまで知ってる」

 

「全部よ」

 

「…証拠は?」

 

「そうね、例えばあなたの背中にある腕の事とか…」

 

「…なるほどな」

 

(隠してもばれてる訳か、ばれてるならいいか)

 

そう思い制服を脱ぐ。

 

「間近で見ると凄いわね…触ってみても良いかしら?」

 

「…どうぞ」

 

「それでは…本当に生えてるのね…服とかどうしてるの?」

 

「タンクトップだけだ…それより何故この部屋に?」

 

「サポートよ」

 

「…訓練ならいらんぞ」

 

「あなたに訓練が必要ないことぐらいわかってるわよ。あの子達のことよ」

 

「…どういうことだ?」

 

「織斑先生から頼まれたのよ、これから授業でISの実習があるでしょ?その時に一時的に生徒会が預かるわ。まぁそれだけじゃないけどね」

 

「それはありがたい、実際悩んでいたところだったのだ。楯無といったな」

 

「ええ、でもいきなり口調が変わったわね」

 

「お前なら信頼できるからだ、その目を見れば俺にはわかる」

 

「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。それとその代わりなんだけど生徒会に入ってくれないかしら?」

 

「別にいいが」

 

「あら、意外とすんなり通ってお姉さんびっくり」

 

「話しはそれだけか?もう夕食を作らないといけないのだが」

 

「あら、それは失礼、それじゃあ詳しくは模擬戦が終わってからね」

 

そう言いながら部屋を出た。

 

「パパーおなかすいたー」

「今日はなにー」

 

「ああ、今から作るから待ってろよー」

 

 

 

鶏肉のトマト煮リゾットを作った。

 

 

 

 

模擬戦当日―――

 

IS待機室

 

 

「……箒」

 

「……なんだ一夏」

 

「ISの事を教えてくれるのはどうなったんだ?」

 

「……」

 

「目を逸らすな!」

 

どうやら織斑一夏は篠ノ之箒に教えて貰っていた?訓練して貰ったようだ。

 

「し、仕方がないだろう。お前のISが今日まで届かなかったのだし……」

 

「それでもISに関する知識とか技術とか教えられる事はあったじゃないか!」

 

どうやら織斑一夏には専用機が与えられるようだ。

 

(俺にはそんな話し来てないがな…もう持ってるからいらんけど)

 

すると

 

「織斑くん!織斑くん!織斑くんの専用機が届きました!」

 

お姉ちゃんが織斑一夏の専用機の到着を知らせに来た。

 

(どうやら俺が先に行く事になりそうだな…)

 

「山田、すまないが先に出れるか?」

 

「大丈夫です」

 

すると織斑一夏が何かに気付いた

 

「おい、真吾なんでISスーツ来てないんだ?」

 

(名前で気安く呼ぶなよ…)

 

「…」

 

「貴様ぁ!一夏が話しかけているのに何故無視する!」

 

(…まじですか、あいつに惚れてるのかよ。適当に返すか)

 

「…必要ないからだ」

 

いつもなら傍に娘達が居るのだが今は生徒会に預けている。ちょっと心配だ。

 

お姉ちゃんが寄ってきた。

 

「真吾…大丈夫?」

 

「うん、大丈夫。これ持ってて」

 

「え?」

 

制服をお姉ちゃんに渡し、タンクトップ姿になる。

 

その場に居た全員が驚愕した。

 

その姿に織斑一夏と篠ノ之箒は

 

「真吾…その身体…なんだよ…」

 

「…ば、化け物…!」

 

まるで別の生き物を見るかのような目をしていた。

 

「驚かれるのにはもう慣れた。…これが俺だ、悪いか?」

 

「ちょっと真吾ちゃん!?どうして!?」

 

「遅かれ早かれ知られる事になる。それが早まるってだけだよ、大丈夫だよ、俺は姉ちゃんの弟だからさ。」

 

そう笑顔で言うと

 

「本当に強くなったね…立場上どちらかを応援するのは駄目だけど…頑張って!」

 

目から涙を浮かべて笑顔で答えてくれた。

 

「うん、倒してくる…」そう言って俺はヴィヒターを展開し、カタパルトの上に立った。

 

 

 

「行くぞ…ヴィヒター!」




楯無登場ですね。

ヒロインを考えていませんでした。

そして次回戦闘回です!

あぁー不安なんじゃ~

誤字脱字感想お待ちしております。

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