造られた4本腕   作:habanero

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プロローグ2

「ククク…クハハハハハハハハハハ!!…お前ら全員…肉片にしてやるよ…!」

 

そう言い放ち、傍にいた研究員を頭から潰す様に拳を振り下ろした。

 

グシャッ

 

不快な音が鳴り響き

研究員達はその光景に恐怖した。

 

「あ…あぁ…あああああああああああああ!!!!逃げろおおおおおおおお!!!!」

 

「うわぁあああああああぁぁあああああああああああ!!!!」

 

4本の腕で次々と研究員を殴り潰す、握り潰す

 

悲鳴、潰れる音、悲鳴、悲鳴、潰れる音、悲鳴、悲鳴、悲鳴

 

殺されまいと必死に出口へと走りだす研究員

 

だが、自称博士だけが動かなかった。

 

そして、俺は目の前に立つ

 

「気分はどうだ?」

 

「う~ん…なんともいえないけど、実験は全て成功した。けどこれは予想外かなぁ~」

 

「そうか…言い残すことはあるか?」

 

そう言うと自称博士がニタァっと笑いながら

 

「残りの人生をお楽しみに」

 

4本の腕で拳と拳をぶつけるような形で殺す。

 

「何がお楽しみにだ…もう俺には、何も残ってない…」

 

そう呟きながら、部屋を出て行く。

 

それからはと言うと、残りの研究員達を全員殺した。

施設の機材など全てを壊した。

 

もう何も壊すのは無いだろうと、外に続く通路を探していると

 

<カランカランッ

 

横の部屋から音が鳴った。

 

(まだ、生き残りがいたか)

 

そう思いながら、部屋に入ると

 

二つの影が見えた。

影の正体を見てみると、まだ幼いのだろう、震えている二人の少女が此方を見ていた。

 

「…」

 

「「…」」フルフル…

 

「…お前らは?」

 

「「ヒッ!」」

 

ちょっと傷ついた。

 

恐らくだが、このISのせいで怖がっているのだろう。

血まみれだし。肉片付いてるし。

 

そう思い解除すると。

 

「「…ヒィ!」」

 

(あれ?さらに怖がってる…)

 

心の中でまた傷つきながら気付く。

 

「あっ…そうか、()()()と、この腕か?」

 

実は、いつの間にか目の色が変わっていたのだ。

黒目は赤色に、白目は黒い色へと。

普通ならビビる。

 

少女達は頷く。

 

「まぁ、気持ちはわかるが、今は気にしないでくれ。」

 

そう言うと片方の少女が幼い声で

 

「あなたは…?」

 

(まだ怯えてる…)

 

「実験体…俺と君達以外は全員いないよ」

 

すると、もう片方の少女も喋りだした。

 

「…なんで?」

 

「俺が殺した」

 

ビクンッ!!!

 

「ま、待て。安心しろ、別にお前らを殺さない!」

 

「「ほ、ほんとぉ…?」」

 

(うっ…その目で見ないでくれ!俺が悪いことしたみたいじゃん!)

 

「本当、本当だから。・・・ところで、なぜ君達はここに?」

 

「わからない…」

 

「今日連れて来られたから…」

 

(この子達もか…でも、良かった。今日来たって事はまだ普通の人間だ)

 

「そうか、怖かっただろ?」

 

コクンッと頷く二人

 

「よし、ここから出るか」

 

二人を撫でながら言うと

 

「「うん!」」

 

笑顔で答えた。

 

二人と共に外に出ると、青空が広がっていた。

 

(何年ぶりだろうか。空を見たのは)

 

「さて、これからは自由だ。家に帰れるぞ?」

 

そう言ってみるが、少女達は俯きながら

 

「帰る…家ない…」

「いつも…二人だった…」

 

そう、少女達は二人だけでこれまで生きてきたのだ。

後に過去の事を聞いてみると、親は分からず、親代わりの親戚らしき人からは虐待を受けて、たった二人で逃げてきたらしい。

たった二人で。

 

「そうか…」

「じゃあ、一緒に暮らすか?」

 

(ほっとけないよなぁ)

 

何故かこの子達だけには甘い

 

「「…いいの?」」

 

「こんな俺でよければ…だけどな」

 

背中に生えた腕を見せながら言うと

 

飛びつくように抱き付いてきた。

 

「おっとと、どうした?」

 

「「あり…がとう…パパ///」」

 

(……パパ?ま、まぁいいか)

 

「よし、とりあえず施設の後片付けをするから二人とも後ろに隠れてろ。」

 

そういいながら、娘?を少し後ろに隠れさせてからISを展開させる。

 

4本の掌にある砲口を施設に向ける

 

このISの情報は全て触れたときから分かっているので、今から使う武器はかなり危ない。

だから隠れさせた。

 

「…これで終わりだ」

 

言葉の終わりと同時に超高密度圧縮熱線を放つ。

 

放たれた先にある施設はあっという間に無くなった。

 

ISを解除して、二人の元による。

 

「よし、終わったぞ。」

 

抱きついてくる二人

 

二人の頭を撫でていると

 

「おや?ここにあった施設はどうしたのかな?」

 

声がした方向を見ると妙にメカチックなウサギ耳を着けた、これまたメルヘンチックな服装の女性が居た。

 

「ねーねー君知らない?」

 

すぐに二人を自分の後ろに隠れさせ、ISを展開した。

 

「お前は誰だ…」

 

普通ならビビるだろうが、こいつは違った。

 

「そっか、君が破壊したんだね!よかったよかった!束さんの手間が省けたよ!」

 

(…束?)

 

「束ってあのIS開発者の束か?」

 

「そうだぜぃー!!あ、そうそう!住む場所が無ければ家くる?」

 

後ろにいる少女達を見ながら

 

「…どうする?」

 

「パパ…と一緒なら…」

「私…も…」

 

「わかった…お願いするよ」

 

「おっけいおっけい!あ、君は私の護衛を頼むことにしたから!じゃあココに来て!また後でね!ばいびー!」

 

地図を俺のISに送ると、瓦礫の下に降りて、すぐに見えなくなった。

 

その地図を見ると

 

「ここから結構かかるな…まあ、行くか」

 

そう言い二人と共に目的地まで歩いた。

 

途中二人とも眠そうにしていたので二人同時に抱っこしてあげたらすぐに寝てしまった。

 

(…本当に父親になった気分だ。ん?まだ名前聞いてなかったな、後で聞くか)

 

少し戸惑い、考え事をしながら歩いていく。

 

歩いてどのくらい経ったか分からないが、目的地に着いた。

 

何も無い地の上に立つ

 

すると、ゴゴゴッと地面が割れる様に開く

 

その音に気付き、二人が起きる。

 

「「着いたの?」」

 

目をゴシゴシ擦りながら喋る。

 

「ああ、着いたぞ。ほら、迎えが来たぞ」

 

地面が開ききったところに束がいた。

 

「ようこそ!吾輩は猫である(名前はまだ無い)へ!軽く自己紹介!!!ISを開発した、篠ノ之束だよ!」

 

すると、二人の少女達も

 

「リーナ…です」

「レーナ…です」

「「これ…から…よろしく…お願いし…ます!」」

 

「リーナにレーナか、いい名前だ。さてと、俺の名前か…えーと、ちょっと待ってくれ」

 

少し考える、長い間名前なんて読んでもらっていなかった。

だが、思い出すことは出来た。

 

「あー…うっし、思い出した。俺の名前は()()真吾だ」




ロリ双子姉妹登場です。

そして、ついに名前が分かりましたね!
そうです!山田です。

誤字脱字感想お待ちしております!

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