造られた4本腕   作:habanero

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少し長くなっちゃいました


臨海学校、そして・・・

今日から臨海学校、学園をバスで出て早2時間

車内から見える海を眺める真吾

 

「「パパ海だよ!海!」」

 

「お兄ちゃん海に行ったら一緒に遊ぶぞ!」

 

妹と娘が大興奮

 

「落ち着きなさい」

 

3人を落ち着かせるため、頭を撫でる。

 

他の生徒も興奮して、車内は賑やかになる。

 

「もうすぐ着くから降りる準備しなさい」

 

3人に言い聞かせると、旅館らしき場所の前に止まり

 

「着いたぞ、降りた者から整列しておけ」

 

織斑先生の指示で、次々とバスから降りていく

 

全員が整列し終えると。

 

「ここが3日間お世話になる花月荘だ、従業員の皆さんに迷惑かけないようにしろよ」

 

「「「「「3日間よろしくおねがいします!」」」」」

 

旅館の女将とその従業員に挨拶をすると、女将と従業員の人達も頭を下げる。

 

すると、女将がこちらを見て

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします…あら、こちらのお二人が…」

 

「ええ…二人共挨拶しろ」

 

「お、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

「山田真吾です。よろしくお願いします、ほらリーナとレーナ挨拶しなさい」

 

頭を下げ、大きな声で挨拶する。

 

「「よろしくおねがいします!」」

 

元気良く挨拶できました。

 

「はい、お願いします。いい子達ですね」

 

「ええ、自慢の可愛い娘達です」

 

「それでは皆さん、お部屋の方へどうぞ。海に行かれる方は別館がありますので、そちらでお着替え下さい。場所が分からなければ従業員にお聞き下さい」

 

そう言い、皆自分の部屋に移動するが

 

「織斑先生、俺達の部屋はどこに?」

 

真吾はしおりを何度も見たが自分達の部屋が書かれてなかった。

 

「俺もです」

 

織斑一夏もらしい

 

「ああ、お前達の部屋はこっちだ」

 

織斑先生に着いていくと、教員室と書かれた張り紙が張ってある部屋の前で止まり

 

「ここだ。織斑は私と同室で、山田達は山田先生と同室だ」

 

「わかりました」

 

「荷物を置いたら自由にしていいぞ」

 

そう言い残し織斑先生と織斑一夏は部屋に入っていった。

 

「じゃあ、荷物を置いて海に行くか」

 

「「うみー!」」

 

扉を開くと荷物を出しているお姉ちゃんがすでにいた。

 

「あ、これから海に行くんだけど」

 

「ん、俺達も荷物置いたら行くよ」

 

「じゃあ一緒に行こうか」

 

真吾達は水着を荷物から出し、別館に向う。

もちろんカメラも忘れない。

 

別館に着くとお姉ちゃんに二人を頼み、男子更衣室に入り着替えを始める。

 

着替え終えた真吾は更衣室を出ると

 

「しー君!やっほー!」

 

束さんがいた

 

「何故ここに…」

 

「そりゃ箒ちゃんと会うためだよ!あと、リーちゃんとレーちゃんの水着姿をカメラで押さえに!」

 

「二人の水着姿は可愛いぞ、元から可愛いがな」

 

「本当に!?」

 

「本当です…そういえば聞きたかったんですが、クラス対抗の時の無人機って束さんでは無いですよね?」

 

「あーあれね、束さんじゃないよ。色々と探しては見たけど分からなかった」

 

「…そうか」

 

「分かったらすぐに連絡するよ」

 

「助かる。でだ、明日何かするつもりか?」

 

明日は篠ノ之箒の誕生日、シスコンの束さんは必ず何かする、そう思った真吾

 

「お、流石しー君!実はね、しー君って最近彼女できたでしょ?それでね…」

 

「ま、待ってくれ。何故束さんがその事を知ってる?」

 

束さんには言っていない筈…もちろんスコール達にも、では何故…

 

「束さんは上からいつも視てるぜぃ!」

 

衛星でした。

 

「衛星があったか…それで?」

 

真吾は額に手を当てながら続きを聞く

 

「真吾君の負担を減らそうとね、箒ちゃんに専用機を渡すの」

 

とんでもない事を言った

 

「ちょっと待ってくれ、それだと余計に敵が増えるんじゃないか?」

 

すると束さんは腰に手を当てニコリと笑った

 

「それなら安心して!箒ちゃんに渡すISは現行機を遥かに超える機体性能なんだよ!それに、高度な操縦支援システムを備えてあるから箒ちゃんでも簡単に扱えるの!」

 

「ま、まあ束さんがそうしたいというのなら良いとは思うが」

 

「後ね、箒ちゃんの護衛もこの臨海学校で終了していいよ!」

 

「それは何故?」

 

「箒ちゃんにはスーちゃん達に任せようと思うの…しー君には幸せになって貰いたいからね」

 

先程までのハイテンションとは違い、落ち着いた声で、優しい声で言った。

 

「束さん…」

 

「だからね、後3日間よろしくね?」

 

「わかりました…あ、今リーナとレーナが海に向かいましたよ」

 

すると、束さんは顔を変え

 

「なっ!!じゃあ束さんは茂みに隠れて写真撮ってくる!また明日ねー!」

 

そう言い残し、走り去って行った。

 

真吾はそのまま海に向かい、リーナとレーナを追った。

 

 

 

「「パパー!」」

 

「真吾ちゃーん!こっちだよー!」

砂浜で手をブンブン振っているリーナとレーナ、その後ろにお姉ちゃんも手を振って待ってくれていた。

 

「先に遊んでても良かったのに」

 

するとリーナとレーナが真吾の手を掴み

 

「パパ!海行こ!」

 

「早く!海!海!」

 

「待て待て、行くから慌てないの」

 

「お姉ちゃんもどう?」

 

「私はそこの木陰で見てるから行ってきな?」

 

「ん、わかった」

 

「「お姉ちゃんも後で来てね!」」

 

「うん、わかった」

 

真吾達は海で遊びに行く、その様子をお姉ちゃんは笑顔で見ていた。

 

真吾達が海で遊んでいる様子を他の生徒も見ていた。

 

「わぁ…パパしてる」

 

「あ、山田君笑った!?初めて見た!」

 

「あの子達可愛い…」

 

ファン増加中

 

 

真吾達が砂浜で遊んでいるとラウラが走ってやってきた。

 

「お兄ちゃん!この水着どうだ!」

 

紫色のフリルが付いた黒いビキニの姿を自慢する。

 

「ああ、似合っているぞ。ラウラにぴったりな水着だ」

 

「っ!そ、そうだろう!」

 

「ラウラちゃんこっち来て!」

 

「ラウラちゃん!お城造ろ!」

 

リーナとレーナがラウラを誘うと

 

「ああ!今行くぞ!」

 

ラウラは二人に駆け寄った。

 

「少し休んでくるから何かあったら呼んでな」

 

そう言いお姉ちゃんがいる場所に行った。

 

「真吾ちゃん休憩?」

 

「少しだけね」

 

「あの子達元気だもんね」

 

お姉ちゃんは用意してくれていたのだろうか、飲み物をくれた

 

「ありがとう」

 

「じゃあ、私も遊んでこようかな」

 

「そうしな、俺はここで休んでるから」

 

「うん、行ってくるね!」

 

お姉ちゃんはリーナ達がいる場所に向かい、真吾は木陰で休んでると

 

「あ、やっしーここにいたんだー」

 

本音、谷本、鏡がやって来た。

 

「どうした…って、本音…その格好は」

 

「ん?これー?水着ー!かわいいでしょー」

 

「かわいいけど…暑くないのか?」

 

「大丈夫だよー」

 

「そ、そうか。俺はリーナ達の所に戻るが、どうする?」

 

「行くー!」

 

「私も行くー!」

 

「私も!」

 

本音達を連れて戻ると、小さなお城があった。

 

「「パパ!」」

 

「お兄ちゃん!」

 

「「「つくったよ!」」」

 

「おぉ、凄いな」

 

お姉ちゃんはニコニコしながら3人を見る

 

「真吾ちゃんに早く見せたいって言ってたんだよ」

 

「可愛い子達だ」

 

3人の頭を撫でる、そして首に下げていたカメラを持ち

 

「ほら、3人ともこっち見て」

 

3人はカメラに気付き、笑顔でそれぞれのポーズをとる

 

パシャ

 

撮れた写真を確認する

 

(刀奈に早く見せてやりたいな)

 

「いい顔だ」

 

するとお姉ちゃんが

 

「真吾ちゃん、私が撮ってあげる」

 

「ありがとう」

 

お姉ちゃんにカメラを渡し3人の所に行く

 

「パパ抱っこして!」

 

「私もー!」

 

「お兄ちゃん!私もだ!」

 

3人は真吾に抱っこをねだる。

真吾は後ろの腕も使い抱っこする。

 

「じゃあ撮るよー!はい、ポーズ」

 

パシャ

 

「ふふっ」

 

お姉ちゃんは写真を確認しながら微笑む

 

その後、織斑先生が来てビーチボールやスイカ割りを楽しんだ。

 

 

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ、夕食の時間に

真吾達はリーナとレーナが居るのでテーブルの席をとった。

 

リーナとレーナはおいしそうに食べる。

 

「おいしいな」

 

「「うん!」」

 

「ラウラ口にご飯が付いてるぞ」

 

「ん、本当だ。ありがとうお兄ちゃん」

 

夕食は何の問題も無く終え、部屋に戻る

 

「真吾ちゃん、入浴時間だからリーナちゃんとレーナちゃん連れて行くね?」

 

「うん、お願い。あんまりはしゃいじゃダメだぞ?」

 

「「はーい」」

 

お姉ちゃんが二人を連れて部屋を出る。

 

一人で今日撮った写真を眺め、微笑む

 

 

 

お姉ちゃん達が帰って来て、すぐに真吾もお風呂に入りに行った。

 

戻ると、リーナとレーナは既に寝ていた。

 

「眠そうにしてたから、布団を敷いたらすぐ寝ちゃった」

 

真吾は寝ている二人の頭を撫でた。

 

「今日は沢山遊んだもんな」

 

「そうだね、凄い遊んでたもんね」

 

「少し早いけど寝ようか」

 

「うん、そうだね」

 

電気を消し、その日は終えた。

 

 

2日目は専用機持ちとそうでない者で別れて、ISの装備試験運用とデータ取りをする。

 

専用機持ちが全員揃い織斑先生の指示を待つ

 

「よし揃ったな、これから専用機持ちは専用パーツのテス「ちーーーーーちゃぁぁぁん!」」

 

織斑先生が喋り初めた瞬間、束さんが空からやって来た。

そして織斑先生に抱きつこうとしたがアイアンクローで失敗に終わる。

 

「んもー!ちーちゃんは照れ屋さんなんだからー!」

 

「喧しい」

 

「しー君やっほー!あ、リーちゃんとレーちゃんだ!ぶいぶい!」

 

「「あ!束お姉ちゃんだ!ぶいぶい!」」

 

この3人での挨拶だ。

 

そして、織斑先生の手から離れると妹である篠ノ之箒を視た

 

「やあ!箒ちゃん!こうして会うのは何年ぶりかな!」

 

「は、はぁ…」

 

若干引かれている姉

 

「おい束、少しくらい自己紹介しろ」

 

「えーめんどくさいなー…私が天才開発者の束さんだよーはい終りー」

 

その瞬間、場がざわめく

 

「何で束さんがいるの!?」

 

「え、束って!?」

 

「あのIS開発者の!?」

 

鳳やオルコットなど束さんの姿を見たことない人は驚いていた。

流石に織斑一夏は分かったみたいだ。

 

「束、何故ここに来た」

 

「そりゃあ決まってるじゃん!さあカモン!」

 

空に指さすとコンテナが落ちてきた

 

「さあ御覧あれ!」

 

そこから出てきたのは赤いIS

 

「箒ちゃんの専用機、その名は紅椿!現行機を超える第4世代機だよ!さっ!箒ちゃんすぐに初期化と最適化を行うから乗って!」

 

皆唖然とする中、数分で初期化、最適化は終わった。

 

「じゃあ試運転しみようか!」

 

「わかりました」

 

すると篠ノ之箒は空高く飛び回る。

 

「じゃあ雨月と空裂使ってみて!」

 

束さんはどこから出したかわからないミサイルを撃ち始める。

 

それを難なく斬って破壊する。

 

「やれる…この紅椿なら…!」

 

篠ノ之箒は自分の力を持てた事を喜んだ。

 

だが真吾はそれを心配していた。

 

(慢心しなければいいんだけどな)

 

束さんは真吾に近づいて来て

 

「実はしー君の新しい武装も持って来たんだ!」

 

「それはありがたい」

 

真吾がその武装はどんなのか聞こうとした所でお姉ちゃんがなにやら慌てた様子で走って来た。

織斑先生が何故慌てているのか聞いてみると

 

「じ、実は―――」

 

織斑先生はお姉ちゃんの話しを聞くと目が変わった。

 

そして

 

「わかった、全員注目!」

 

「今日のテスト稼動は中止だ、今からIS学園の教員とお前らは特殊任務に入る。真耶、他の生徒にはISを片付けさせた後、旅館の部屋に待機させておいてくれ。部屋から出た者は拘束してかまわん」

 

「わ、わかりました!」

 

「お姉ちゃん、この子達を頼む」

 

「「…パパ」」

 

リーナとレーナは只ならぬ雰囲気に不安にしていた。

 

「大丈夫だ、すぐに終わる」

 

二人の頭を撫で、お姉ちゃんに預けた

 

「うん、わかった」

 

お姉ちゃんはリーナとレーナを連れ戻っていった。

 

リーナとレーナは最後まで真吾の目を見ていた。

 

(大丈夫だ、ちゃんと帰るから)

 

優しい目で二人を見送る。

 

 

だが、真吾は少し不安を感じていた。

以前の無人機の襲来、そして今回…

 

(嫌な予感だ)

 

 

 

だが、時は止まらない




次回、福音戦です!

新武装も登場です!

誤字脱字感想お待ちしております!

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