造られた4本腕   作:habanero

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学年別トーナメント-上-

デュノアに引き続きこのクラスに転入生、ラウラ・ボーデヴィッヒが新たに加わった。最初は問題を起こすのではないかと心配されていたが、特に無かった。それから数日は経った時、問題を起こした。

デュノアと織斑一夏が練習していた時、喧嘩を吹っ掛けたらしい。

 

だが、今はそんな事はどうでもいい

 

「ちょ、ちょっと待て!リーナ!レーナ!」

 

「「ヤダヤダ!パパと一緒に寝る!」」

 

実は、このところ娘達に甘やかしすぎたのでは?と考えていた。なので、少しずつでもいいから甘やかすのをやめようと思った。だが、さっき今日から二人で寝なさいと言ったら…今の状況である。

 

「なんでそんなに俺と寝たいんだ?」

 

「「パパが好きだから!寝たいの!」」

 

泣きながらだだをこねる、流石にキツイ。

 

すると、誰かがドアを叩いた。

 

「ああー誰だクソ今はそれどころじゃないのに。あ、リーナ、レーナちょっと待っててくれな?」

 

そう言い聞かし、ドアに向かい開ける。

 

「…何のようだ」

 

織斑一夏がいた。その後ろにはデュノアもいた。

 

「真吾、実は相談したいことがあるんだけど」

 

「…無理だ、帰れ」

 

早く娘達を慰めてやらないと大変なことになる。だからそのままドアを閉めようとした。その時

 

「た、頼むから!ここでいいから!」

 

(…早めに終わらそう)

 

帰りそうに無いので、部屋のドア前まで入れた。

 

「…内容はなんだ」

 

「あ、ああ実はな、シャルルを助けるのを手伝って欲しいんだ」

 

(面倒ごと持ってきやがった)

 

その後、織斑一夏はデュノアの正体を明かし、何故この学園に入った経緯を聞いた。

 

「…その話し、織斑先生には?」

 

「千冬姉には知られたくないんだ。あまり迷惑をかけたくないし」

 

(俺にはいいのか)

 

「頼む!」

 

織斑一夏は疑うことを知らない。

だからこうも簡単に他人を信じてしまう。

 

「…無理だ」

 

「なんでだよ…!」

 

「…面倒だ、織斑先生の所に行け、帰れ」

 

「お前!よくそんな事が言えるな!友達だろ!?」

 

「…しらん」

 

「真吾ぉ!」

 

織斑一夏は怒鳴り、頬を殴りつけてくる。

口の中が切れるが、すぐに治る。

 

すると真吾の後ろから、泣き声が聞こえた。

 

(今の怒鳴り声で!)

 

真吾は焦った。

 

あの二人が泣き出したら泣き止むまで最低でも1時間以上は掛かる。

 

「生徒手帳の特記事項を見ろ、それで学園に助けを求めろ」

 

それだけを言い、部屋を追い出す。

追い出された二人は呆然としていた。

 

真吾はすぐさまリーナとレーナに駆け寄り

 

「ごめんな!ほら!ジュースだ!」

 

「「…ヒグッ…ヒグッ」」

 

少し泣き止んだ。

 

(あのクソ野郎…ぶちのめしてやる)

 

だが、この後また一緒に寝るか寝ないかで泣き出した。

 

 

 

朝―――

 

結局一緒に寝ました。

 

(無理だ…勝てんよ…)

 

 

 

教室に入るとある話題で盛り上がっている。

 

今月の学年別トーナメントで優勝すると織斑一夏と付き合えるだとか。

もう学園中に広まっているらしいが、本人は知らないらしい。

 

そこで織斑一夏とデュノアが入ってきた。

話題で盛り上がっていた女子は散るように席に戻った。

 

デュノアはあの後学園側に掛け合って、保護して貰えたらしい。

 

すると、教室に入ってきたボーデヴィッヒはそのままこちらに近づいてきた。

 

「貴様」

 

「…なんだ」

 

またも膝に座っている二人は気付かずに絵を描いている。

 

ボーデヴィッヒは真吾の身体、目を見て確信する。

 

こいつは私と同じ造られた存在だと。私と同じだと。

 

「貴様は私と同じだ」

 

だが、真吾はボーデヴィッヒの事を知らないため気付かない。

 

(何のことだろうか?)

 

「…なんのことだ?」

 

「まあいい」

 

そのまま席に戻る。

 

その後は全く絡んでくる気配は無かった。

 

 

放課後ーーー

 

学年別トーナメントの特訓をするためオルコットと鳳は来ていた。

 

二人で模擬戦を始めようとした。乱入者が来るとも知らずに。

 

 

俺達は生徒会室に向かっていた。なにやら仕事がやって貰いたい仕事があるらしい。

 

コンコンッ

 

ガチャ

 

「待ってたわよ」

 

「来ましたけど、仕事って?」

 

「仕事って言うほどでも無いんだけどね、まぁ座って話しましょうか。」

 

「ああ」

 

先にリーナとレーナを座らせると虚さんが紅茶とお菓子を持ってきてくれた。

 

リーナとレーナ、満面の笑み

 

座った俺はその笑みを横目で見てると、楯無は資料を渡してきた。

 

「一応これを見てくれるかしら」

 

そこには、[遺伝子強化試験体]と[失敗作]と書かれていた。

 

そこで今朝言われた事を思い出す。

 

「なるほど、だからか」

 

「信吾君、今月にある学年別トーナメントを知ってるでしょう?」

 

「ええ、知ってますけど。それが?」

 

「彼女と組んで欲しいのよ」

 

「組む?このトーナメントは個人戦じゃ?」

 

「ええ、本当はそうだけど、前回のアクシデントを考慮し2人1組で戦う事になったのよ」

 

「なるほど、それでボーデヴィッヒのストッパーになれと」

 

「そうよ、よろしくね?」

 

話しが終わり、紅茶を一口飲む。

するとドアが開いた。

 

「やっしー達こんな所にいたんだー」

 

「本音入る時はノックしなさいと言っているでしょうが」

 

虚に叱られる本音、いつもの事だ。

 

「で、どうした?」

 

「あーそうそう!実はね―――」

 

本音から聞いた話によると

ボーデヴィッヒがオルコットと鳳の模擬戦に乱入し、2対1で戦った。

オルコットと鳳はボーデヴィッヒに一方的に攻撃されるが、途中で織斑一夏が観客席を守るアリーナのバリアを破って助けに入った。

その際に、ボーデヴィッヒを攻撃しようとしたが織斑一夏の攻撃が固まったように止まった。

そこを攻撃されそうになった所にデュノアがシールドで守った。

さらにまた攻撃しようとしたところで、織斑先生が仲裁に入った。

 

「―――と、こんな感じかなー?」

 

「…頭が痛くなるわね」

 

「…だな」

 

楯無と真吾は額に手を当てながらリーナとレーナを見る

 

虚さんと一緒に絵を書いているようで。

気になった楯無が近づき、何を書いているか聞いてみた。

 

「ねえ、なに書いているの?」

 

「「パパと未来のママ!」」

 

「「え?」」

 

思わず間抜けな声が出る二人。

 

それをふふっと笑いながら見る虚さん。

 

本音は寝てる。

 

「リーナ、レーナ?そのママって?」

 

「「出来た!」」

 

描き終えたのか、二人はバッ!と絵を見せてくる。

そこに描かれているパパと未来のママというのは

 

真吾であろう男性の絵の隣にリーナとレーナの絵、そしてその隣に水色の髪色をした女性がいた。

 

「これ…私?」

 

「「うん!」」

 

満面の笑みである。

 

一方楯無は顔が赤くなっていく。

 

真吾は開いた口が塞がらない。

 

微笑ましい顔で見る虚さん。

 

プリン食べたいと寝言を言って寝てる本音。

 

「ちょちょちょ、ちょっと待って!待って!」

 

あたふたとする楯無だが

 

チラッと真吾の顔を見る、真吾も楯無の顔を見る。

目が合う、互いに顔を背ける。

 

これまで意識していなかった。

 

真吾は楯無の事を面倒見のいい女性と思っていた。

 

楯無は真吾の事を面倒見が良く強い男性と思っていた。

 

 

「「?」」

 

「ま、まあ、ボーデヴィッヒの事は任せておけ」

 

「え?ええ!頼むわよ!今日はこれだけだから帰っても大丈夫よ!」

 

話しを急に変える。

 

「そ、そうか、じゃあ失礼する。リーナ、レーナ帰るよ」

 

「「わかった!」」

 

バタンッ

 

「…虚ちゃん」

 

「なんでしょう、お嬢様」

 

「私の顔どうなってるかしら…」

 

「…真っ赤な顔で少しにやけてます」

 

「ッ!」

 

まさか、にやけているとは思ってもいなかった楯無。

 

 

 

 

学年別トーナメント―――

 

 

トーナメント表には

 

Bブロック

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ

山田真吾

 

 

織斑一夏

シャルル・デュノア

 

待合室で出番を待つ真吾とボーデヴィッヒ。

 

「織斑一夏は私がやる、手を出すな」

 

「…それは無理だ」

 

「邪魔をする気か?」

 

「…そうじゃない、俺にも理由がある」

 

「いいだろう、だが止めは私がとる」

 

「…わかった」

 

『Bブロック第1試合を始めます。選手の皆さんは準備をお願いします』

 

放送を聞いた俺達はアリーナに向かった。




パパは娘に弱い

ママ登場

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