カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 緋弾のアリア26巻‥‥キンちゃん、どこかの半沢〇樹かな?スーツ姿は様になっててカッコイイです。
 中空知さん、バイーンで、しかも意外とお強いという…ヒロインどんどん増えるね!(血涙)
 見た目幼女から大人のお姉さんまで、キンちゃんの広さには驚きです(オイ


98話

そ、そんなことがあったんですね‥‥」

 

 かなめは半ば呆れながら、半ば驚愕しながらドヤ顔をしているカズキとタクトを見ながら頷いた。彼らの事だからこのアメリカの土地に来たら色んな事をやらかすに違いにないと思っていたがまさにその通りであった。

 

「でも、タクト先輩達のおかげで大統領がご無事でよかったです」

 

 彼らの活躍によって大統領が無事であることに安堵し、大統領に一礼した。そんなかなめに大統領であるマイケルは申し訳ない表情で見つめる。

 

「ジーフォース…すまない。私がしっかりしておけばジーサードに無実の罪を着せられることがなかったのに…」

「だ、大統領、頭をあげてください。こればかりは誰も予想だにしなかった事態ですし、仕方ありませんよ」

 

 深く頭を下げた大統領にかなめは慌てながら宥める。かなめは大統領の顔をあげさせ、カズキ達の方を指さした。

 

「それに…多少頼りなさそうですけど、彼らがいればここから逆転ができますよ!」

 

「いやー、俺らってば褒められると照れちまうなー!」

「どちらかというと褒めているのか褒めてねえのかわかんねえけどな」

 

 カズキとタクトは褒めているのか褒めていないのか全く気にしないで照れていたがケイスケは苦笑いをしていた。

 

「まあ、ジーフォースと合流できたのは有難い事だ。ジーサードの部下、所謂ジーサードリーグの連中もいるんだろ?」

 

 カツェは安堵の笑みを見せつつかなめに尋ねた。ジーサードリーグ、かつてはロスアラモス機関から脱走したジーサード及びジーフォースを始末する為に送られた刺客をジーサードが倒して逆に仲間に引き入れてできたチームである。CAGことデルタフォースや陸軍特殊部隊や海軍特殊部隊等々、腕の立つ者ばかりがいると聞く。かなめは笑顔で頷いて答えた。

 

「そうだね、今はサードの指示でタクト先輩達と合流できるまで待機中だったの。これから一先ず今の待機している隠れ家まで案内するね。それに‥‥」

 

 かなめはヤンとフランク、そしてローガンを一瞥し、タクトの方へ驚きを含んだ笑顔で見つめた。

 

「サードの親友に世界最強のジャーナリスト、そして『ウルヴァリン』…どうやって引き入れたのか分からないけどタクト先輩の行動には驚きですよ」

「どうだ!すげーだろ!もっと俺を褒めたたえろ?」

「ええ、スゴイです‼…お兄ちゃんの次にスゴイですよ、タクト先輩‼」

 

 キンジの二の次である事を理解していないタクトは天狗になったようにドヤっと胸を張り続けた。いつまで胸を張っているんだとすぐさまケイスケに小突かれてのたうち回る。

 

「ここに長居してもなんですし、私達の隠れ家へ案内しますよ!」

 

 かなめは早速と言わんばかりに先導して進んでいった。確かにここに長居してはまたジキル博士やネモの『N』の追手だけでなくFBIやCAIの追跡が来てしまう。そうなる前にこの場からいち早く離れるべきであり、事態を整え次の行動へと移らなくてはならない。カズキ達はかなめについて行き一先ず彼女達の隠れ家へと向かった。

 

__

 

 キャンピングカーは無事だったので、キャンピングカーで移動すること数時間、かなめの案内で到着した場所は枯れかけの雑草ばかりが生えている何もない平原だった。辺りを見回しても隠れ家らしき場所は一向に見当たらない。

 

「あれ?何もないぞ?かなめちゃん、ここであってるの?」

「もしかして…基地が移動したってか!基地なだけにキチガイだぜ‼」

「んなわけあるか」

 

 とりあえずカズキのクソギャグはケイスケにしばかれたのでかなめはスルーし、スマートフォンを取り出すと何やら何処かへと電話をしだした。仲間へ連絡しているのだろうと見ていると、何も無かった平原の地面から突如入り口が大きな音を立てながら現れた。

 

「ようこそ、サードの秘密基地へ!」

「「「うおおおおおおっ‼すっげえええええ!」」」

 

「地下基地…!ジーサードの奴、こんなものまで隠してたのか!」

 

 カズキとタクト、そしてナオトまでもが目を輝かせ喜びの声をあげ、フランクは驚きつつも何度もカメラで写真を撮っていた。かなめはエッヘンと胸を張りホテルマンのように部屋へと案内するような仕草をした。

 

「それではタクト先輩御一行、ごあんな~い!」

 

 キャンピングカーで颯爽と地下基地の中へと入っていく。中はかなり広く、駐車場のような場所にはスポーツカーや装甲改造されたリムジンやワゴン、M3ブラッドレー騎兵戦闘車やM1127ストライカーRVといった戦闘車や装甲車があった。展示されている車の多さにローガンは感心しつつ半ば苦笑いして見回す。

 

「随分と集めたもんだな…」

「まあね、全部サードのコレクションなの。他にも銃器とかたっくさんあるよ!」

 

 奥には木箱が積まれており、かなめが言うには中には銃弾等が入っている物もあるようだ。しかし彼女が説明していてもカズキ達4人組は話は聞いておらず地下基地の広さに興味津々のようだ。

 

「——というわけで、中は迷路みたいになってて下手に進むと迷うから気をつけてくださいね?」

 

「すげえよたっくん!地下大迷宮だこれ‼俺らの家もこんな感じに大改造しようぜ!」

「こいつぁ、お宝の匂いがプンプンする‼早速冒険しなきゃな!俺に続け!」

「このスポーツカー欲しいなー‥‥一台貰っても構わねえよな?」

「トイレとかあるの?」

 

「うん、絶対に先輩達は人の話を聞かないと思ってました」

 

 聞く気が全くない4人組にかなめは呆れながら肩を竦める。そんな時、カズキ達の下に大型の電動カートがライトを照らしながらやってきた。運転席には執事の服装をした初老の白人男性が乗っていた。男性は運転席から降りるとかなめに一礼する。かなめは男性ににっこりとしながら手を振った。

 

「ただいま、アンガス。タクト先輩達と大統領を連れてきたよー」

「おかえりなさいませ。レキ様はお先にお戻りになられております」

「OK、じゃあみんなをオペレーションルームへと案内してあげて」

 

 アンガスと呼ばれた男性は「かしこまりました」と言うと運転席へと戻り、かなめはすぐさま後部座席へと乗り込むとカズキ達に乗るように手招きした。 

 カズキ達も乗り込み、電動カートは動き出す。通路には射撃練習場や武器庫、銃の製造場やなにかメカメカしいラボの様な場所もあったりと地下基地はかなり広く、電動カートと仲間の案内がなければ間違いなく迷路の如く迷ってしまいそうだ。フランクは写真を納めつつ、運転しているアンガスに尋ねた。

 

「この基地はいつからあったんだ?」

 

「この基地は私共がサード様の配下になる前からございました。サード様はここエリアだけでなく、各州に同じような地下基地をお持ちですよ」

 

 他にも同じような基地があるのかとフランクは驚きと呆れのため息をついた。アンガスが他にも地下基地の説明をしているが、カズキ達は観光名所を回っているかのようにあれやこれやと騒いでいた。

 

「なあ、これマリオカートできるんじゃね?」

「決めた!俺、ここに住む‼ちょー楽しそうだし‼」

「たっくん、ここに住んだらリサの御飯が食べれなくなるけどいいのか?」

「というかトイレってあるの?」

 

「‥‥サード様が仰っていた通り、愉快でご自由な方々ですな」

「イヤイヤイヤ、自由を通り越してハチャメチャな連中だから」

「でも退屈しないし、楽しいわよ?」

 

 微笑むアンガスに彼らの行動力を知っているカツェは遠い目をし、ヤンは楽しそうにニシシと笑った。そうこうしているうちにこの基地の中心部に到着したらしく、地下基地の殺風景だった空間が一変、どこかの海外ドラマのセットのような大理石の床や高級そうな絨毯やソファーなどがある豪勢で生活感のある場所であった。

 

 そこにはスーツを着て全身に包帯を巻いたような恰好をした黒人男性、軍服を着た逞しい体格の白人男性、赤と青の左右色の違う瞳をした銀髪の少女、狐耳と狐の尻尾を生やした少女、小柄でビル・ゲイツを子供にしたような感じのキノコ頭の小柄な少年、その少年の傍にいる無表情の少女、そしてドラグノフを抱えてソファーに座っているレキがいた。

 

「おっ‼レキレキじゃん!おひさーっ‼」

「はっはー!さてはレキも迷子になっちまった系か!」

 

 久々に出会っておちょくるタクトとカズキにレキはチラリと見るがすぐさま興味がないかのように視線を逸らした。かなめは電動カートから降りると先程と同じようにレキ達に笑顔で手を振った。

 

「たっだいまー!タクト先輩達を連れてきたよー!」

 

「おかえり、あの4人組がサード様が言ってた例の4人組ね?色んな意味でインパクトありそうだわ」

 

 包帯を巻いた黒人男性はおかま口調でくねくねしながらカズキ達を笑顔で迎え入れた。おかまだったのかとケイスケはぎょっと驚いていると、黒人男性はウィンクした。

 

「私は元米海軍特殊部隊、コリンズよ、よろしくね?」

「ラ、ライストゥミーツー…」

 

 コリンズは自己紹介すると手を差し伸べてきたのでカズキがおぼつかない英語で返して握手をした。すると今度は軍服姿の白人男性が豪快に笑いながら歩み寄って来た。

 

「君達が空母に輸送機で豪快に突っ込んだというハチャメチャした4人組だね?なかなか豪快じゃないか!私は元陸軍特殊部隊、アトラスだ。よろしく‼」

 

 ケイスケの手を握るとぶんぶんと上下に振った。豪快過ぎてケイスケは振り回されそうになった。そのままかなめがチームの紹介をして行く。

 

「それから狐耳をしているのが妖狐のツクモで、あっちが超能力者のロカだよー」

 

 ツクモと呼ばれた狐耳の少女は少しばかり疑わしい眼差しでカズキ達を見つめた。

 

「ふーむ、この者達がサード様が言ってた連中か?あまり強そうに見えry…ふみゃぁ!?」

「フカフカだ‥‥」

 

 ツクモが体をビクリとさせて驚いた。いつの間にかナオトがツクモの狐耳をフニフニと触っていた。ナオトは興味津々な眼差しで無言でフニフニと触り続けた。

 

「ぶ、無礼者‼か、勝手に触るでない‼」

 

「すげえ…たっくん、これ本物だ」

「え?マジで?おおっ‼フカフカしてる‼」

「や、やーめーろー‼」

 

 プンスカと怒るツクモに怯むことなくナオトはフニフニと触り、タクトも加わりフニフニと触わられ続けた。ツクモの訴えは虚しく響き渡る。

 

「ったく、何やってんだか‥‥って、リサ?何で犬耳生やしてんだ?」

 

 カツェはナオトとタクトの行動に呆れていたが、隣でリサが何故か犬耳を生やしてぴょこぴょこさせていたのに気づいた。

 

「え?あ、う、羨ましいとお、思っていませんよ?」

 

 リサは慌てながらも否定していたが、お尻あたりに尻尾をフリフリさせていたのでバレバレである。カズキ達の様子を見ていた銀髪で左右の瞳の色が違う少女、ロカはジト目で睨んだ。

 

「本当に統一感がない方々ね…よくここまで来れたものだわ」

 

 ロカはため息をつきながらツクモのフカフカな狐耳を触って満足したタクトを見つめた。タクトは頭にハテナを浮かばせながら首を傾げる。

 

「むちゃくちゃな戦い方だけでは私達の足並みに揃っ‥‥っ!?」

「?」

 

 首を傾げるタクトを見つめて話をしていたロカが突然驚愕の表情をしつつ後ずさりした。途中で倒れそうになったのでかなめが慌ててロカを支えた。

 

「ロカ、大丈夫!?」

「…彼、何を考えているの!?広大な宇宙に大量のアルパカとハイビスカスと玉ねぎと緑の毛むくじゃらが飛び交って宇宙戦争してる…って、本当に何を考えてのよあなた!?」

 

 狼狽えて焦っているロカにかなめは納得したかのような顔をしてロカを宥めさせた。どうやらロカは人の考えを読む能力を持っているようだ。

 

「ロカ、言うの忘れてたけど絶対にタクト先輩の頭の中を読まない方がいいよ?武偵校にロカと同じような人の思考を読む力を持ったSSRの三年生の先輩がいたんだけど、タクト先輩の考えを読もうとしたら精神崩壊しかけたって言ってた」

「そ、それを早く言って…私は色んな超能力を持ってるけど、正直天敵すぎよ…」

 

 ロカは疲れたと言わんばかりに大きなため息をついてソファーに深く座った。一体全体どういうことなのかタクト本人は未だに首を傾げていたままであった。

 

「彼らがジーサードが言っていた助っ人か…正直遠山キンジと比べてあまり強くなさそうに見えるのだが?」

 

 キノコ頭の少年がやや呆れた様にわざとお手上げのポーズを取りながらかなめに尋ねた。かなめは笑顔で頷く。

 

「大丈夫、お兄ちゃんの次に強いから心配ないよ?」

「だといいのだけどな‥‥よろしく、ボクは元米国家安全保障局、NASAのマッシュ=ルーズヴェルトだ。気軽にマッシュと呼んでくれ」

 

「よろしくな、エリンギ‼」

「カズキ、違うぞ。シイタケだろ」

「‥‥トリュフっぽい?」

「こいつキノコマンって名付けようぜ!」

 

「本当に彼らで大丈夫なのか?」

「うん、大丈夫…たぶん…恐らく…」

 

 わざとなのか、本気なのか名前を間違う4人組にマッシュは物凄く心配そうにかなめに尋ねた。かなめも自由すぎるカズキ達にやや心配しながらもマッシュを落ち着かせた。

 

「まあ…大統領を護衛しつつ戦うジャーナリストに、かの英雄『ウルヴァリン』を連れてきた彼らの力は予想以上だから多少は大丈夫、と思ってもいいかな?」

 

 マッシュはちらりとフランクとローガンの方を見つめた。フランクはマッシュの事を知っているのか苦虫を嚙み潰したような面をしてジト目でマッシュとマッシュの傍にいる無表情の少女を睨んだ。

 

「エリア51に忍び込んだ俺をそこのメカチックなお嬢ちゃんを使って追い返したお前さんがジーサードとつるむなんてな」

「好きなだけ言いたまえ、ボクとLOO (ルウ)は遠山キンジとジーサードの勝負に負けて仲間になった。彼らとの勝負は楽しかったが、その後漁夫の利を狙うかのように大統領を誘拐し、ジーサードを捕えた連中が気に食わないんだ」

 

「で?ここで更に面子を増やしたのはいいが、次は何をするんだ?」

 

 ローガンは早速本題に入るかのようにかなめとマッシュに尋ねた。かなめとマッシュは頷くと話を進めた。

 

「連中が狙っている大統領は私達といる。後はサードがいればもっとこちらが有利になるの」

 

 ジーサードがいれば更に連中にとって不利になるし、彼の無実が証明できる。しかし、ジーサードはこの場にはいない。

 

「だがジーサードは今、捕らわれてしまっている」

「ジーサードは今どこにいるのか分かっているのか?」

 

 カツェの質問にマッシュは眼鏡をクイッと動かして当然だと言わんばかりに頷いた。

 

「ジーサードは囚われても尚、自分の居場所をこのビーコンで知らせてくれている…あいつはフロリダ州にあるヒューメイン研究所にいる」

「?場所が分かっているのに何故動かなかったの?」

 

「動ける状況じゃなかったのよ…」

 

 首を傾げるヤンの問いにコリンズが答えた。その様子から動きたくても動けなかった悔しさが見えた。マッシュはため息をついて話を進める。

 

「大統領が安否不明の中、下手に動けばFBIやCIA、軍が一斉に動いて全員お縄になる。折角ジーサードが身を挺してボク達を逃したというのに苦労が水の泡になるだろ?それに…アイアンブリゲイドが起動され手も足も出せなかったんだ」

「アイアンブリゲイド!?バカな…プロダクトキーがなければ起動できなかったはず…‼」

 

 マイケルはアイアンブリゲイドが動かされていることに驚愕を隠せなかった。その事にはマッシュは苦虫を嚙み潰したよう表情で答えた。

 

「『N』の中にジキル博士という厄介者が解読し、動かしたんだ…未完成品だったとはいえ、このボクとLOO (ルウ)を出し抜いたというのは本当に気にくわない。今頃、完成させ大量生産させようとしているところだろう」

 

「ならば‥‥すぐにジーサードを助け出し、そのアイアンブリゲイドを破壊しねえとな」

 

 ローガンは好戦的な笑みをして拳を鳴らす。かなめは頷いてカズキ達の方を見つめた。

 

「タクト先輩達のおかげで大統領が無事で私達の下にいる。これで心置きなくサードを助け出すことが出きる。タクト先輩、私達と一緒にサードを助けに行きましょう!」

 

 今度はかなめとレキを含むジーサード・リーグと共にジーサードを助けに行く。次なる目標が決まったのだが、肝心のカズキ達は話を聞いておらず、Loo(ルウ)と呼ばれた少女を見つめていた。

 

LOoo?(ルー?)?」

 

「何だこの子?ルーしか言わないな?」

「‥‥ルー大柴?」

「ナオト、シャイニング白石がかっこよくね?」

「こいつキノコマンって名付けようぜ‼」

 

LOooo!?(ルーッ!?)

 

 

「なあレキ、かなめ…本当に彼らで大丈夫なのか?ボクはもう不安でしかないのだけれども」

「…諦めてください。あれがカズキさん達ですから」

「うん…こればかりは私もお兄ちゃんも止められないから」

 

 もう既に諦めているレキとかなめにマッシュは頭を抱えた。

 

 

 




 ようやくアメリカ編の折り返しに到達した‥‥ような気がします
 お次はジーサードを助けにヒューメイン研究所へ


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