カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 フレッチャ歩兵戦闘車やチェンタウロ戦闘偵察車は装甲車といいながらもうあれ戦車ですね。どちらも『戦闘車』だし、いいよね?


65話

 フレッチャ歩兵戦闘車のハッチが開き、タクトがドヤ顔をしながら顔を覗かす。

 

「はっはっは‼ヒーロは遅れてやって(ry」

 

「たっくん‼遅せえよ‼もっと早く来いよ‼」

「ていうかお前は何処に行ってたんだよバカが‼」

「…無事なら早く知らせてよ」

 

 タクトの久々のご登場にカズキ達3人は一斉に文句を言う。ものすごい早い手のひら返しにキンジはずっこけた。さんざん言われてもタクトはぶれていないようでニシシと笑う。

 

「そう皆まで言うなって。照れ隠しはよせやい」

 

「うるせーハゲ。んな事いいからさっさと助けろ‼」

 

 ケイスケの怒りが籠った文句にタクトは渋々とフレッチャ歩兵戦闘車のハッチを閉じた。そして後部のハッチが開くとタクトが敵陣に向けてM16を構えて叫びながら突っ走っていく。

 

「そこはフレッチャを使えよ!?」

 

 キンジのツッコミも虚しくタクトは構わず敵陣へとM16を撃ちながら突撃していく。終始無言のモールもクエスも単身突撃していくタクトに呆れ、武装兵に一斉掃射を差し向けた。しかしタクトを守る様に鞭が撓りながら撃とうとした敵兵を次々に倒し、モールに向けて弓矢が何本も飛んできた。

 

「タク坊をやらせはしないぜ‼」

「たっくん、無暗に突撃しすぎ…」

 

「あれは…『跳ね馬』!?なんでキャバッローネファミリーのボスがたっくんといるの!?」

「セーラ‼やっぱお前も来てたか!」

 

 ハッチから出て鞭を撓らせ敵を次々に倒していくディーノの姿に理子はぎょっとし、走るタクトをため息をつきながら止めるセーラを見てカツェは喜んだ。遅れて出てきたロマーリオが無線機を取り出した。

 

「よーし、お前等今だ‼」

 

 ロマーリオの合図とともに先ほどタクトがダイレクトアタックでブチ開けた場所から一斉にスーツを着た男たちが飛び出して来た。それを見たカズキ達も流石にぎょっとする。

 

「た、たっくん!この人達は何なの!?」

「カズキ、この人たちはかーちゃんの知り合い」

「なんだ。またお前のかーちゃんか」

「いやいやいや!?キャバッローネファミリーと知り合いとか、たっくんのお母さんはどうなってるんだい!?」

 

 タクトの説明を聞いてケイスケは呆れながら納得していたが、ワトソンや理子、カツェは驚きを隠せなかった。それよりもなんでイタリアのマフィアと知り合いなのか、タクトの母親のコネはおかしいとツッコミどころ多い。

 

 遅れてフレッチャのハッチから静刃達が出てきた。静刃とアリスベルはキンジに背負われてぐったりとしている鵺とタクトとディーノと対峙しているクエスを見て目を丸くした。

 

「鵺!?大丈夫か!?」

「く、クエスさん!?これは一体どういうことなんですか…!?」

 

「クエス…貴様、私達を騙していたのだな…‼」

 

 この状況から貘は全てを察したようでクエスを睨み付けた。そんな貘に対し、クエスはクスクスと嘲笑う。

 

「運が良かったわねぇ。あのまま大人しく騙されてくれてたらあなた達の魔力を奪えたのに」

「貴様…‼」

 

「『胡蝶の魔女』クエスか…このまま相手になってやろうか?」

「おらー、かかって来い‼胡蝶なだけに絶好調だぜ‼」

 

 鞭を構えいつでも臨戦態勢であるディーノと勢いだけでドヤ顔をするタクトを見たクエスは、無言のまま見渡す。タクトと同様にやる気満々のカズキ達とどういう状況なのか立ち尽しているキンジと理子、そして大勢いるキャバッローネファミリーをじっくり見て肩を竦めながら首を横に振った。

 

「今『跳ね馬』と戦って得することは無いわ。それに魔力を奪う目的も達成したし長居は無用ね。今のあなた達の力ではもうシディアスを止めることは無理だし、精々足掻く事ね」

 

「お?逃げる気かこのやろー」

「無理とかわかんねえだろ!いってみよーやってみよーだぜ‼」

 

 余計な挑発をするなとキンジはケイスケとカズキにツッコミを入れる。そんなカズキ達の威勢にクエスはクスクスと笑い、彼女たちの前でクロケットマダラの大群がクエスやモールたちを隠す様に舞い飛ぶ。蝶の大群がいなくなった頃には既に蛻の殻となり、クエスやモール率いる武装集団の姿はなかった。

 

「くそ…逃げられたか…‼」

 

 クエスを逃したことにディーノは舌打ちをする。クエスはローマに、バチカンにいるシディアスの下へと向かった。クエスがシディアスに今まで奪った魔力を与えることで【究極魔法・グランドクロス】は起動し、ローマで大規模なテロ、寧ろクーデターが起こる。ローマやバチカンにいる人たちが何百、何千、何万もの犠牲が出る。

 

「今すぐローマに行かなきゃ…‼」

 

「トリエラちゃんの言う通りだぜ‼たっくん、フレッシュに乗せてくれ‼」

「フレッチャな。というか今すぐ行くのかよ!?」

 

 早速行動に移ろうとするカズキ達にキンジは思わず驚く。しかし早くしなければ取り返しのつかない事になるのは実感しているが、動けるのは自分達とタクトとともにやって来たマフィアの人達だけでありこの人数だけで止めれるのか少し不安だった。

 

「貴方達を…行かせはしません…!」

 

 そこへカズキ達を止めようと、メーヤが大剣を杖にして支えながらふらふらとやって来た。クエスに魔力を奪われても、自力で立ち上がるのがやっとでも、意地でも止めようとしていた。

 

「お前…どんだけバカなんだよ‼上に見限られても、仲間に騙されてもまだ神の為だとか抜かして戦うつもりか‼」

 

 止めようとするメーヤにカツェは怒り叫ぶが、メーヤは覚悟を決めているようで力を振り絞って大剣を向ける。

 

「たとえ裏切られようと…見捨てられようとも、私は疑わずただ信じることしかできないのです。上の為に戦うのではありません…‼」

 

 どこまで頭でっかちなのかとカツェは舌打ちする。力ずくでも止めるしかないかとワトソンとカツェが動く前に、メーヤの前にキンジが立った。

 

「メーヤ、もうよそう」

「遠山さん…どいてください。私はもう戦うしかないのです」

 

 さもければ貴方とも戦うことになるとメーヤは告げるが、キンジは臆せず下がろうとはしなかった。

 

「メーヤ、今は師団や眷属の戦いどころじゃない。早くしないとローマで多くの人が死ぬことになる。お前もそれを分かっているんじゃないか?」

 

 キンジの言葉にメーヤは迷った。剣と心の揺れをキンジは逃さず、話を続ける。

 

「この戦いに意味はない。俺達のこのヨーロッパの戦役はシディアスの手の上で転がされていた。今自分が戦っても、たとえ負けても勝っても意味がないということをわかっているはずだ」

「…っ」

 

 握っていた大剣は地面へと落ち、メーヤはへたりと座り込む。わなわなと震え、ほろほろと涙を流していた。

 

「遠山さん…私は、私は一体誰を信じればいいのですか…!」

 

 ずっと信じて戦い続け、最後は信じていたものから見捨てられ、裏切られた。疑う事を知らなかった、できなかった彼女にキンジは真剣な表情で見つめた。

 

「今は主とか神とかじゃなくていい…俺を、俺達を信じてくれ」

 

 

「へー…キンジはアリアのようなタイプの他に年上もいけると」

「たっくん、空気を呼んで黙って」

 

「ほほう。あの遠山ってやつ、少しツナに似てるな」

「え?マグロみたいな目ですか?」

「だからあんた達は空気を読めっての」

 

 タクトはセーラにつねられ、ディーノとカズキは理子にツッコまれる。頼むから雰囲気を読んで欲しいとキンジは心の中で項垂れる。キンジの言葉を聞いたメーヤは目を潤わせ、頷いた。

 

「遠山さん…!ありがとうございます…私は、貴方達の事を信じます。嗚呼、主よ…どうか、彼らにご加護を…」

 

 メーヤはキンジに祈りを入れた。何とか説得できたとキンジはほっと一息入れ、カズキ達の方に振り向く。

 

「さあカズキ、皆。急ごう」

 

「おうよ‼行こうぜキンジ‼40秒で支度しな!」

 

___

 

「クエス、ご苦労であったな…」

 

 サン・ピエトロ大聖堂の一室にてクエスから魔力を受け取ったシディアスは満足そうに低く笑う。クエスはあまり興味ないかのように微笑んだ。

 

「これからテロ紛いなことをするなんて規模が小さいわねぇ」

 

 【究極魔法・グランドクロス】の力をもってすれば富や名声、そして地位すらも欲しいものすべてが手に入れるはず。どうしてこんなクーデター若しくはテロを起こすのか。首を傾げるクエスにシディアスはイスに深く腰を掛ける。

 

「力を示すのだよ…師団や眷属、長く裏の世界に居座る連中を、異能の者共を潰し、下らない戦争ごっこを終わらせ、支配するのだ。隠し続けた国や政府も、そして未だに古い栄光に縋りつく五共和国派の残党も一掃する」

 

「ふーん…五共和国派の残党も捨て駒にするのね」

 

 シディアスは残党も切り捨て皆殺しするつもりだ。その事にもクエスもシディアスもどうでもいいと考えていた。

 

「時代の流れは速い。今はその流れについて行ける者と力を持つ者だけが生き残るのだ」

「そう。で、反乱分子はどうするつもり?」

 

 クエスはカズキ達を殺さず戻ってきた。咎めるつもりもなくシディアスは低く笑う。

 

「小さな不安要素なぞどうでもいいさ。ローマに行こうとも既に武偵共に阻まれ、その先はコーサ・ノストラや五共和国派の残党の武装集団…例えそれらを掻い潜っても、この【究極魔法・グランドクロス】の前には誰も止められんよ」

「慢心するのは構わないけど…気になるところは私が手を貸してあげるわ」

 

 シディアスの慢心よりもクエスは残りの不安分子である静刃とアリスベルを始末しようと考えていた。そしてシディアスはもう一つの不安分子を片付けている気でいるのだろうと思っていたが、彼女自身どうでもよかったので敢えて言わなかった。

 

「ふふふ…それなら後ほど高額な報酬を送ろう」

「そ、ありがと。まあ成功すれば話だけどね」

 

 クエスは金と【究極魔法・グランドクロス】には興味あるがシディアスには全く興味はなく、軽く返して消えていった。静かになった空間にシディアスは置かれいる受話器を取る。

 

「オーダー666を開始せよ」

 

 ただその一言だけを伝え、受話器を戻した。シディアスは再びイスに深く腰を掛けて大きく息を吐く。後はただ待つだけ。各地で爆破テロが起こり、テロリスト達が無差別に殺戮を行い、最後は自分が究極の魔法を放ち、ローマの町を火の海に変えるだけ。後は洗脳や抹殺を図り、教皇の座に就き全てを意のままにするだけ。窓から見えるローマの夜景を眺めシディアスは低く笑う。

 

「…随分と楽しい事があったようですね、シディアス卿」

 

 ふと後ろから声がかかる。いつの間に入ってきたのか、誰が入ってきたのかシディアスは振り向くとそこには愉悦な笑顔をしているジョージ神父がいた。

 

「おや…誰かと思えば神父殿ではないか。いや、マイクロフト・ホームズと呼べばいいかな?」

「どちらともお好きなように」

 

 お互い笑みを崩さず微笑み合う。しかしシディアスの目は笑っていなかった。

 

「君は確か、バチカン教会から入国禁止のお咎めを受けていたはずなのだがねぇ」

「確かにそのような事がありましたが…話は変わった」

 

 ジョージ神父はにこやかにしながら机に分厚い書類を置いた。

 

「魔術協会は貴方の持っている【究極魔法・グランドクロス】は危険な物であると判断し、その没収をしに来た」

「ほほう。没収、と…イギリスの君が私を止められるのかな?」

 

「それだけじゃない。シディアス卿、貴方は五共和国派の残党の頭目であること、聖職者の身でありながら数々の賄賂や謀殺、テロリストの首謀者としてイタリア政府は貴方を捕える事を下した」

 

ジョージ神父の言葉を聞いたシディアスは暫く無言のままだったが、にこやかな笑顔が一変し真顔となった。

 

「君はそんな事を言うのかね…政府も何を証拠に(ry」

「元五共和国派の中堅幹部、クリスティアーノ・サヴォナローラ氏が貴方の正体を全て話してくれたよ。『今までどこに隠れていたかと思えば、そんな所にいたのか、パルパティーンよ』と懐かしむかのように話してたね」

 

 にこやかに話す神父とは裏腹にシディアスはわなわなと震えていた。

 

「これから警察や公安が君を捕えにやってくる。武偵局の人間をいいように駒として操っていたようだが、もう君の思うままにはいかないよ」

 

「そうか…それならば、最初から君達はここにいなかったことにすればいい…!」

 

 シディアスは勢いよく右手を前に出す。その右手から紫色の電撃の様なものが放たれた。ジョージ神父は大きく後ろへ下がり電撃を躱す。

 

「そうやって教皇も殺すのかね?あらかじめ教皇殿を避難させておいて正解だったよ」

「どうりで人出が少ないと思ったら貴様の仕業か。だが、もう遅いぞ!」

 

 聖堂内に下がったジョージ神父に向けて両手から電撃を放った。ジョージ神父に当たる寸前、神父の前に炎の壁が現れて電撃を防いだ。炎が消えると、神父の前に白銀の鎧を着て燭台を模した槍を構えた男、ジル・ド・レェが立っていた。

 

「いやー…ないわー。うちの姫を攫うとか、バチカン、マジでないわー」

 

 ジルはぶつぶつと文句をこぼしながら青いドジョウ髭を触る。そんなジルにジョージ神父はにこやかにして宥めさせる。

 

「ジル、今すぐジャンヌを攫った首謀者を懲らしめたいのはわかるが、彼が首に提げている十字架のロザリオ…【究極魔法・グランドクロス】の前では厳しいね」

 

 青白く光る十字架のロザリオを手にシディアスは不敵にほくそ笑む。

 

「もう私を止めることはできんぞ‼このまま葬ってやろうか!」

 

「今は止めることはできないが…君を止めるのは私ではない。ジル、今はジャンヌを探すのが先決だね」

「はっ‥‥ジャァァァァァンヌゥゥゥゥゥッ‼今、このジル・ド・レェがお助けに参りますぞぉぉぉっ‼」

 

 ジルはそう叫ぶとシディアスに向けて炎の壁を発現させ迫らせた。勢いよく燃え盛る炎の壁をシディアスは片手で消し飛ばす。炎の壁が消えるとそこにはジョージ神父とジルの姿は消えていた。

 

「誰が私を止めるというのかね…ふふふ、それならば少しだけ早く手を打とうではないか」

 

___

 

 イタリア武偵校の生徒、ベレッタ=ベレッタはため息をついた。イタリア武偵局から、バチカンの知らせで枢機卿の1人を殺人未遂したという日本の武偵、チーム『イクシオン』の5人がこの道を通ってローマへ向かうと通達が来た。彼らを取り逃していたロゼッタ含め、強襲科の武偵校の生徒達が包囲網を張って待ち構えていた。

 

 たかが日本の武偵、しかも成績はCランクと低い。AランクやSランクの武偵の手に取りかかればお手の物。ロゼッタ達はすぐに捕えてみせてやると意気揚々としていた。数日前は取り逃がしたくせにとベレッタは愚痴をこぼす。またBランク、Cランクと同ランク位の武偵の生徒もおり、どうやら捕えれば成績が、ランクが上がると尾ひれがついて広まっているようだ。

 

 この大人数を相手にたった5人で逃れる事はできないだろう。ベレッタも遠山キンジのことと彼の留年の恐れがあることで頭でいっぱいであり、その5人の事はどうでもよかった。双眼鏡で視線の先を覗いた前までは。

 

「‥‥なにあれ」

 

 ベレッタの第一声がそれである。鈍いディーゼルエンジン音が聞こえてきたので何事かと思って双眼鏡で見ればフレッチャ歩兵戦闘車が物凄い勢いでこっちに向かってきていた。フレッチャ歩兵戦闘車がなんでこんな所に?と疑問と驚愕するだけでは終わらなかった。

 

「「「「「うおおおおおおおおっ!!!」」」」

「」

 

 やかましい雄叫びと共にフレッチャ歩兵戦闘車の後ろから何百台もの車やバイクが物凄い勢いでこっちに向かってきていた。その光景にベレッタはあんぐりと口を開けた。ベレッタの他にもその光景を見た武偵の生徒達もぎょっとしており、すぐさま迎撃しようとした。

 

「う゛お゛ぉおおおおおい‼」

 

 やかましい雄叫びの中にひと際五月蠅い叫び声が響いた。何事かと思い目を凝らしてみるとその車の集団の中で1人、物凄い勢いと剣幕で走ってきている人の姿が見えた。

 

「うおらぁ‼跳ね馬ぁ‼久々にドンパチできるって聞いて来てみりゃあなんだあれはぁ‼殺し合いも知らねえガキ共じゃねえか!」

「そんなこと言うなって。これを乗り越えた先で楽しめるから。足止め、頼んだぜ」

「ちっ…‼今回だけはMs.サラコの息子に免じて、てめえの口車に乗ってやらぁ‼おらぁガキ共ぉぉ‼この俺を死ぬ気で止てこねえと死ぬぞぉぉぉっ‼」

 

 

 男は長い銀髪をなびかせ、武偵の生徒達へと飛び掛っていった。ダッシュで車に並走し、カズキ達よりも喧しく叫びながら大暴れする姿にキンジは驚きで口が閉まらなかった。

 

「何なんだよ…あの人。車と並走しるわ、たった一人で大人数の武偵をいとも容易く相手してる」

「キーくん、あれ関わったらすっごいヤバイ人。というかたっくんの知り合いってどうなってんの…」

 

「ははは、世界は広いってことさ。頑張れよ少年!」

 

 たった一人で軽々と倒していく男を理子は知っているようでガクブルと震え、ディーノはそんな二人を見て笑っていた。兎に角、今はローマへと向かいシディアスの企みを阻止しなければならない。

 

「よっしゃ‼もうすぐローマだぜ‼」

「たっくん、もしかしてこのままサン・ピエトロ大聖堂まで行くつもり?」

「そうだけど?」

 

 セーラの質問にタクトは当たり前のように即答する。先ほどフレッチャ歩兵戦闘車で壁にダイレクトアタックしたように、サン・ピエトロ大聖堂にも同じようにダイレクトアタックするつもりのようだ。タクトの運転するフレッチャ歩兵戦闘車に乗っている静刃とアリスベルはそれを聞いて冷や汗を流す。

 

「おい、世界文化遺産を壊すなよ‼絶対に壊すなよ‼」

「というか絶対に壊す未来が見えるんですけど!タクトさん、絶対にやめてくださいよ!」

「えー…どうしようかなー」

 

「というかローマ内にフレッチャ歩兵戦闘車を突っ走ること自体おかしいことなんだけど…」





 長い銀髪の喧しい人…跳ね馬の知り合いという事でもうあの人です。サメさんです
 〇ァリアーの方々も魅力があっていいですよね。


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