カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 カオスな4名様とマイクラのコラボ小説を読み終えた…まさに笑いあり涙ありカオスそのものでした(オイ

 


55話

「ゾンビー‼」

「イエーイ‼ゾンビイ‼」

 

 先頭を突き進んでいたタクトを自重させようと追いかけていたカズキも悪乗りしだしてタクトと並んで突き進んでいた。

 

「弾の無駄遣い…」

「おい‼誰かあのバカ共を止めろー‼」

 

セーラとケイスケが二人を止めようと駆けつけているが追いつくことができず、カズキとタクトはそのまま聖堂へと駆けこんでしまった。

 

「こいつらに連携という言葉はねえのか!?」

「これが俺達の連携だ」

「「やかましいわ‼」」

 

 静刃に指摘されても動じずきりっとしているナオトにすかさずカツェと静刃がツッコミを入れる。その時、開いていた聖堂の扉が閉まり、地面に幾つもの魔法陣が現れた。赤く不気味に光る魔法陣からゾンビの群れが這い出てきた。

 

「思い切りトラップに引っかかってんじゃないか!」

「たっくんとカズキが聖堂に入ったままなんだけど…」

 

 ケイスケが怒声を飛ばしながら怒り、ナオトは肩を竦めながら呆れだす。彼らにとってこれが日常茶飯事なやりとりのようでセーラはまたかとため息をついていた。このまま強引に突き切ろうとするが静刃の瞳に警告信号が表示される。ゾンビの群れから飛んできた弾丸を躱して咄嗟に叫んだ。

 

「気を付けろ‼あっちにスナイパーがいるぞ‼」

「聖堂の屋根に数人…ゾンビがスナイパーってありなの!?」

 

 静刃と同じようにナオトも気づいたようで、スナイパーゾンビがこちらを狙って撃ちだして来る前に木陰へと隠れる。

 

「おおい‼狙撃担当のバカが先に行っちまってるしどうすんだ‼」

「…カズキに代わりにセーラがスナイパーを弓矢で射る。その間に俺と静刃、鵺で突撃、ケイスケとカツェ、アリスベルが支援して」

 

 突然の事態でも冷静に分析して打開策を出す。ナオトの行動力に静刃とアリスベルは感心していたが、ナオトが指示し終えたと同時に単身で駆けだしていった。

 

「合図とかはなしですか!?」

「何言ってんだ、ナオトがそんな考えをすると思ってんのか?」

「ちくしょう、感心した俺がバカだった!」

 

 纏まっているのかバラバラなのか、もう考えるのはやめた。今はなんとかしてついて行くしかないと静刃はナオトに続いて駆け出していく。聖堂の屋根でKar98Kを構えていたスナイパーゾンビ達は聖堂に向かって駆けだしているナオトに狙いを定めようとした。その時を待っていたかのように先に狙いを定めていたセーラの弓矢が放たれ、次々にゾンビの脳天を射抜いていく。

 その間に前衛で駆けるナオト、静刃、鵺の突撃で群がってくるゾンビを次々に倒していき聖堂の扉までたどり着いた。ナオトは押し開けようとするが強く閉ざされており開くことができなかった。その間にどんどんゾンビが沸きだし近づいていく。

 

「ちっ‼いくら撃っても沸いてくると厄介だな!」

「扉が開かない…C4持ってくればよかった」

「ここは私が一掃します…‼」

 

 力強くで扉を開けようとしている間にアリスベルがゾンビの群れの前に立つ。環剱上にビー玉程の光の弾が沸々と生じていた。

 

荷電粒子散弾銃(カナビス)!」

 

 アリスベルはゾンビの群れへと狙いを定めていくつもの小さな荷電粒子砲を放った。それらは金色の尾を引きながらゾンビを次々に貫いていく。貫かれたゾンビは断末魔をあげて黒い霧となって消えていく。それを見ていたケイスケは目を点にしていた。魔剱には能力を無効化にする技があると聞いていたが実際に見てみると凄まじいものだと感じた。

 

「ここにたっくんがいたらすげえ興奮してただろうな…ってかその技すげえな」

「この時代なら通用しますが、元いた時代では子供騙しの技ですよ。それに、荷電粒子砲は式力の消費が大きいのであまり長くは撃てません」

 

 照れながら苦笑いしているアリスベルに謙虚だなとケイスケは感心する様に頷く。その間に鵺が聖堂の扉を蹴り開け中に入れるようになった。聖堂の外で再び沸きだすゾンビの中にマシンガンを撃ってくるゾンビも出現しだした。これ以上カズキとタクトをほっといて外で相手する必要はない、ケイスケ達は急ぎ聖堂の中へと入る。聖堂の中も案の定、ゾンビで沸いていた。ケイスケは嫌そうな顔をして舌打ちをする。

 

「やっぱそうだよな…はやくバカ二人を見つけないと」

「…?何か聞こえない?」

 

 何かを聞いたセーラは首を傾げて耳を澄ませる。ゾンビの呻き声の中に誰かの歌か、誰かが喚いている声が聞こえてきた。

 

「ぴ…ぴるぴるちゅーん‼ぴるぴるちゅーん‼」

「うおおおお‼骨骨ロックだー‼」

 

 喚いている声は間違いなくカズキとタクトの声だった。声のする方へ目を凝らして視ると、ゾンビと骸骨の群れの中、祭壇の上でカズキとタクトが群がってくるゾンビと骸骨を必死に蹴っていた。どうやら持っている銃は弾切れを起こしているようでカズキは振り回しながら喚いていた。

 

「ぴるぴるちゅーん!」

「ほーねほねロック‼ホーネホネロック‼」

 

「…カツェ、やるよ」

「ええー…なんかあのバカを助けるのやる気ねぇんだけど」

 

 セーラはため息をついて手をかざし、カツェは焼きる気がなさそうに液体の入った小瓶を取り出す。セーラの周りから風が、カツェの取り出した小瓶から液体が飛び出し周りに大きな水玉を幾つも浮かばせる。

 

竜巻地獄(ヘルウルウインド)…」

爆泡(バオパオ)の水弾だ‼ぶっ飛べ!」

 

 聖堂内に強烈な暴風が吹き荒れ、水弾が飛び出す。爆泡の弾に当たったゾンビは爆発して肉塊を飛び散らせていき、暴風に吹かれたゾンビは飛ばされてミンチよりひどい事になっていた。無論、骸骨は哀れ粉みじんになっていく。水弾と暴風から必死に逃れていたカズキとタクトはポカンとしていた。

 

「…たっくん、これで懲りた?」

「ひゅー‼セーラちゃん、助かったぜ‼」

 

 ニシシと笑うタクトは相変わらず反省していないようでセーラは肩を竦める。カツェは呆れながらカズキの方へ近づく。

 

「お前らホント馬鹿なのかっての…ってかぴるぴるちゅーんってなんだよ」

「俺の魂のお助けコールだ。俺の歌が響いたわけだな!」

 

 タクトと同じように反省の色を見せずドヤ顔するカズキに、んなわけあるかとカツェはため息をつく。どんな状況にもぶれないその精神力だけは見習っておくことにした。ドヤ顔し続けるカズキと反省の色を見せないタクトにケイスケはげんこつを入れる。

 

「このクズ共!だからあれ程突っ走るなって言ってるだろうが‼」

「そう怒るなってケイスケ。俺達はノンストップだろ?」

「時と場合を考えて」

「それでどうだった?俺とたっくんの魂のコール」

 

 カズキの意見はスルーして、ゾンビが最初に沸いた場所、聖堂の地下へと向かうことにした。地下への道はゾンビは一人もおらず、罠ではないかと逆に疑うぐらい静寂だった。静刃達は警戒していたのだが、あの騒がしい4名は全く気にしていないかのように先先と進んでいった。行きついた先、地下聖堂もゾンビも他の気配も全くなかった。タクトは祭壇の上にレッリクのパーツの一つが置かれていることに気付く。

 

「おっ、こんな所に置かれてるなんてラッキィ‼」

「おい、ちょ、待つじょ‼あからさまな罠だじょ‼」

 

 鵺がタクトを止めようとしたが時すでに遅し。タクトがレリックを取ろうとした瞬間に祭壇に魔法陣が展開される。その魔法陣からドイツ軍将校の軍服を着た、髭の付いたゾンビが現れ宙に浮かぶ。赤く光るオーラを纏っておりいかにも他のゾンビよりも違う雰囲気を醸し出していた。

 

「イヤイヤイヤ!?ゾンビが宙に浮かぶとか卑怯だろ!」

「おい。あのゾンビ、なんかヤバそうなんだけど…」

 

 カズキが憤り、カツェが嫌な予感を感じているとおり、そのゾンビは光る両手を下へ振り下ろすと、真下の地面から沢山のゾンビが召喚された。

 

「あのゾンビ、メッチャ召喚してきやがったぞ!?」

「すっげえ‼オカルト将軍だ‼」

 

 ケイスケが焦り、ナオトは目を見開いて驚き、タクトは目を輝かせていた。ワラワラと近づいてくるゾンビにカズキ達4人は入り口付近で立てこもるようにして、タクトとナオトが近づくゾンビを撃ち、カズキとケイスケがバールや日本刀で斬っていく。近くでゾンビを迎え撃っている静刃達は二度見してしまった。

 

「いや何そこでこもってんだ!?」

 

 思わずカツェはツッコむが4人はノリノリな様子でドヤ顔をしていた。

 

「これが即席版、刻命館スタイル‼」

「籠城して近づいてくる奴をねちねちと倒していくスタイルだぜ‼」

「一応、相手の分析しようとしてるだけなんだけど」

「おい‼メッチャ沸いて来てるぞ‼」

 

 こういったしょうもなさそうな事には連携しているなとカツェは肩を竦める。しかしオカルト将軍に召喚されたゾンビは数でどんどん押し寄せてくる。カツェは大元のオカルト将軍に向けてルガーP08で狙いを定めて撃った。しかしヘッドショットを決めたものの手応えはなく、それどころかオカルト将軍は再び大量のゾンビを召喚していく。手応えが無かった事に静刃とカツェは舌打ちをする。

 

「ちっ…頭を撃てばどうにかなるんじゃないのか!」

「あれは別の式術で守られているじょ。それを潰せばどうにかなる」

 

「所謂ゾンビバリヤーってヤツだな!」

 

 鵺の説明にタクトは目を輝かせる。間違ってはいないが、一先ずその術式を解くことに集中していく。オカルト将軍の周りに何個もの髑髏が不規則に飛び回っている。あの怪しい光を纏っている髑髏がオカルト将軍を守っているのだろう。

 

「よーし‼あの飛びまわる髑髏を壊せばいいんだな!」

「狙撃なら任せろー」

 

 カズキ達はゾンビから飛び回る髑髏へと狙いをかえて撃ちだす。髑髏の方に集中しているカズキ達に近づいてお襲い掛かろうとしているゾンビをカツェはルガーP08で、鵺は爪で切り裂いていく。

 

「あたしらがカバーしてやる。しっかり狙って撃てよ?」

「任せとけ!このスナイパー哲郎の腕に変えればポコミチミエル」

 

 最後に噛んでしまって締まりがない。それでもカズキは狙い定めてSR25で次々と髑髏を撃ち貫いて壊していく。残り一つを撃ち抜くとオカルト将軍の赤いオーラが消え、ゾンビが召喚されなくなった。タクトはドヤ顔でピースをする。

 

「どうだ!この漆黒の堕天使の撃ち捌き‼」

「たっくん、一個しか当たってなかったよ」

 

「アリスベル!一発撃ちかませ‼」

「いつでもいけますよ‼」

 

 静刃の掛け声に答えるように既に撃てるよう、環剱に光をため込んでいたアリスベルはオカルト将軍の頭を狙って荷電粒子砲を撃った。頭を貫かれたオカルト将軍は断末魔をあげて黒い霧なって消えていった。カズキ達は残りのゾンビを一掃して、地下聖堂に再び静寂が戻った。

 祭壇に近づいたタクトは背負っていたカバンからレリックを取り出し、置かれていたレリックのパーツの近くへ置いた。パーツはまるで磁石の様にレリックに引き寄せられくっついた。

 

「まるで強力磁石だね!家に一台欲しいぜ‼」

「いやいらねえよ」

 

 レリックのパーツの一つを取り戻せてノリノリのタクトにケイスケは疲れたようにバッサリと返す。

 

「…あと一つ」

「あれ?残りのパーツは何処にあるんだ?」

 

 残りのレリックのパーツはあと一つ。それを取り戻せばゾンビは浄化されるが、残りの一つはいったい何処にあるのか手がかりがなかった。そんな時、カズキ達が入って来た道から一羽の大きなカラスが飛んできた。そのカラスはカツェの肩に止まり一声鳴く。

 

「エドガー!お前ここまで来たのか‼」

 

 カツェは嬉しそうにカラスのエドガーを撫でる。撫でていると、エドガーの足に小さな紙の筒が付いていることに気付いたカツェはその紙を取り広げる。カズキは覗き込むが何が書かれているのか読めなかったので分からなかった。それと同時にナオトが持っていた無線からジョージ神父の声が聞こえてきた。

 

『やあナオト。聞こえているかい?』

「神父…地下でレリックの一個を取り戻した。残りの一個を探してるところ」

「つうか、一体どこで何してんだよクソ神父‼」

 

 ナオトが冷静に報告してケイスケが嫌そうな顔をして怒っているとジョージ神父は気にしてもいないようににこやかな笑い声が響く。

 

『あはは、それは申し訳ない。今、僕たちはドイツ政府の軍部と話をしててね。ちょっと伝えに来たんだ』

「伝えに…?貘もそこにいるんだよな?」

 

 静刃は神父はなぜドイツ政府の軍部と話をしていたのか、考えが読めなかった。

 

『地上のゾンビは未だに沸いてベルリンへと近づいてきている。少しの間、()()()にゾンビを足止めしてもらっているが…そこから3時間後、協力者が撤退した後にドイツ軍が爆撃をすることになったんだ』

 

「「「はああっ!?」」」

 

 突然の報告にケイスケと静刃、鵺が驚愕した。というよりもなんてことを伝えに来たんだと驚きが隠せなかった。そんな事に動じてないナオトとタクトは呑気にしていた。

 

「ナオト、まるでダイ・ハードだな!」

「どちらかというとターミネーター?」

 

「ったく…神父はふてえ野郎だぜ」

 

 手紙を読み終えたカツェは苦笑いしていた。一体何が書かれていたのか、カズキは終始首を傾げていたのでカツェは伝えることにした。

 

「そこのジョージ神父、あたしらの宿営地に再び乗り出して、イヴィリタ長官にゾンビの事を話したようだ。軍部はこの一件に目をつぶる代わりに、魔女連隊にゾンビの駆逐を任せるってさ。眷属をパチらせるとか神父、お前何者だよ?」

 

『私はただの物好きな神父さ。ゾンビがベルリンに向かっているということはそこから何処かに残りのレリックがあるはずだ。武運を祈るよ』

 

 ジョージ神父はそのまま通信を切る。しばらく静寂が漂っていたが、ケイスケが鬼の形相で怒りだした。

 

「あのクソ神父ぅぅぅぅっ‼俺達をぶち殺す気かクソ野郎‼」

 

 怒れるケイスケをナオトは必死に宥めようとした。3時間後に爆撃と聞かされ静刃とアリスベルは焦りだす。残りのレリックを探すとしても時間が無さすぎる。

 

「カズキ‼なんか盛り上がってきたな!ワクワクすっぞ」

「うーん、何かよくわからんけどそんな気がしてきたぜ‼」

 

 そこで盛り上がっている場合じゃないとセーラは肩を竦める。一方でカツェは壁の方を探っていた。カズキは気になり尋ねた。

 

「何やってんだ?もしかして隠し通路さがしってか!」

「察しがいいな。ここがナチスの隠れ家ならどっかに通路があるはずだ。チェコとの国境付近だし、過去の大戦ならベルリンへとつながる隠し地下通路なんて山ほどあったって聞く」

 

 それを聞いたカズキはワクワクした気分で壁を探るのを手伝いだす。そこに積極的なカズキにカツェは苦笑いして話を続ける。

 

「それに地上であれだけ進んでもレリックが見つからず、今もゾンビの群れがベルリンへと進んでんなら…後は地下道しかないだろ」

「なるほど!地下で近道ってかー‼」

 

 ドヤ顔して言うカズキの寒いギャグは無視してカツェは探ぐりだす。カズキはションボリして探しているとどかでカチリとスイッチを押したような音がした。するとカズキの前にあった壁が地鳴りしながら横へとスライドしていき大きな通路が開いた。

 

「すっげえ‼カズキ、やるじゃん!」

「うおっ!?マジであったよ‼」

 

 通路の先からかすかに呻き声が響き渡る。この先にゾンビがいて、残りのレリックのパーツがあるに違いない。迫る時間を気にしつつも急がなければならない。

 

「あのクソ神父…無事に戻ってきたら絶対にぶん殴ってやる‼」

「ケイスケ、かなりお冠だ…」

「よっしゃ、第二ラウンド始めっか」

 

 憤慨しているケイスケをナオトは落ち着かせ、カズキはやる気満々で張り切りだす。状況に流されず、マイペースな連中に静刃達は苦笑いする。

 

「こいつらホントぶれねえな」

「…兎に角、進むしかない。たっくん、ここは慎重に(ry」

 

 この先は何があるか分からない。慎重に進もうとセーラはタクトに言い聞かせようとしたが、タクトは既に単身で突き進んでいた。

 

「いくぜ‼俺のソウルがここを進めと轟き叫ぶー‼」





 自爆特攻の神風ゾンビ、マシンガンを撃ちまくるエリートゾンビ、狙撃してくるスナイパーゾンビ、そしてゾンビを召喚してくるオカルト将軍…ゲームでは戦闘すればいいだけですがこう書こうとすると表現といい、戦闘描写も難しいですね(白目

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