カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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…江尾ナオト。木箱を開けたら中に女の子が。なんというか少し驚いた。
…しゃべることないし、お腹すいた。夕飯にしよう。


___

*注意

ここでは大いなる原作改変を致しております。原作と読み比べて、おや?と思う所がございます‼  

 本当に申し訳ございません‼


4話

 箱の中身は金髪の女の子だった。しかもぐっすりと気持ち様さそうに寝ている。4人は沈黙のまま目を合わせ頷いたのち静かに蓋を閉じた。

 

「お前、これどうすんだよ!?」

 

 ケイスケの怒声がリビングに響く。カズキは慌てて静かにしろとジェスチャーをする。しかしケイスケの第一声を引き金にドタバタが始まる。

 

「おまえ‼これは言うなれば、古に伝わりし禁断のタツノコの人間型爆弾だ‼ヒャッハー‼ユアショック‼」

 

 タクトが嬉しそうにはしゃぎ突然世紀末救世主伝説の主題歌を歌いだす。どんどんと床を地団駄してリズミカルに動く。そんなタクトにナオトは冷静に止める。

 

「…いやたぶん爆弾じゃない」

「おい、ナオト‼あのクソ神父にすぐに電話しろ!」

「だーから、お前ら静かにしろって‼起きちまうだろ!?」

 

 

 いきなり喚きだして箱の中の少女が起きてしまうかもしれない、カズキはしどろもどろに慌てていた。そんなカズキにケイスケは掴んで何度も揺らす。

 

「知るかボケぇ‼こっちは事情を知りたいんだっつーの‼」

「わ、わかった。わかったからケイスケ、落ち着け!」

「あーついこころ鎖でつないでもー♪ヒャッハー‼」

「たっくん、静かにして‼ナオト、はやく電話してくれー‼」

 

 五月蠅い二人を抑えるのにやっとのカズキは必死にナオトに助けを求めた。そんなナオトはソファーに腰かけて携帯電話で電話をかけた。プルルルと電話につながる音が鳴る。3人はまじまじとジョージ神父が応答するのを待っていた。

 

『おかけになった電話番号は現在使われておりません』

 

 応答が来たのはジョージ神父ではなくよくあるウグイス嬢の声だった。ナオトは電話を切って何度もジョージ神父に電話をかけた。しかし帰ってくるのは現在その電話番号は使われていないという声だけだった。

 

「…繋がんない」

「あんのクソ神父ぅぅぅぅぅっ‼」

「やばい、ケイスケがお怒りだ‼静まりたまえ―‼」

「ヒャッハー‼トキは世紀末だぜー‼」(゚∀゚ )ノシ

 

 近所迷惑になるレベルに喚く3人。怒れるケイスケをカズキが必死に取り押さえ、タクトは誰も止めることなく歌い続け、そんな3人をよそにナオトは静かにほうじ茶を飲んでいた時、ゴトリと物音がした。ピクリと反応し動きを止めた4人は恐る恐る音の鳴る方へ振り向いた。

 木箱の蓋が外され、木箱からゆっくりと金髪の少女が起きて4人と目が合った。とっさに4人は後ろに下がり身構えた。カズキは静かに見ているナオトの後ろに隠れ、タクトは目をキラキラと輝かせて、ケイスケは少女に睨み付けながらグロッグ21を引き抜き銃口を少女に向けた。

 

「…っ!?」

 

 ケイスケが銃を構えているのを見た少女は目を大きく見開いてビクリと震えた。少女はどうしようかわたわたとしているうちに木箱が倒れ、箱から転がる様に出た。カズキは苛立っているケイスケを宥める。

 

「ケイスケ、そう身構えるなって。相手さんビビってるぞ」

「油断すんじゃねえよ。相手は何するかわかねぇんだ」

 

 ケイスケの意見も一理ある。正体不明の相手でもあり、こちらが油断している隙に皆殺し…なんてこともあるかもしれない。しかしカズキは少女からはそんな気はなさそうな感じがした。

 

「ねえねえ、もしかしたら外国の人じゃね?」

「…もしかしたら日本語がわからないのかも」

 

 金髪に白い肌、そして翡翠の瞳。タクトの言う通りヨーロッパかアメリカのどっかの方面の人なんだろう。だとすれば日本語は分からないかもしれない。

 

「よーし、ここは俺に任せろー‼」(`Д´ )

「頼んだぜ、たっくん‼」

 

 突然やる気に満ち溢れたタクトにカズキはわずかながらも期待した。ケイスケもナオトも黙って見ている。3人が機体の眼差しでタクトを見つめていた。するとタクトは両手を広げ、アゴしゃくれさせ所謂変顔をした。

 

「スシー、テンプラー♪スシーテンプラー♪」╰(´◉◞౪◟◉)╯

「」

 

 3人は固まった。タクトは寿司、天ぷらと変顔で変な踊りをしながら周りをまわる。カズキ達だけでなく金髪の少女もポカーンとしていた。

 

「何も解決してねぇじゃねえか」

「たっくん‼英語喋れてないじゃんか!」

「…たっくんに期待した俺達がバカだった」

「これぞボディランゲージ‼」( ・´ー・`)

 

 3人が呆れているのに対ししてやったりとタクトは満足そうにドヤ顔で返す。痺れを切らしたケイスケはタクトをスルーして銃口を再び少女に向けた。

 

「おい、お前は何もんだ?どうして箱の中に入っていたか話せ」

 

 般若のお面をつけたケイスケの威圧にビビったのか、少女はガクガクと身体を震わせ口を開いた。

 

「こ、殺さないで…‼お、お願いです…!」

 

 その少女は流ちょうな日本語で喋りだし土下座をするように上半身を床へと伏せた。今度はカズキ達がポカンと口を開けてしまった。日本語も上手で、身体を震わしながら土下座をしたのだから驚いてしまった。

 

「…ケイスケ、武器は持ってなさそうだ」

 

 ナオトはケイスケに話す。両手を広げ前にだしていることから武器は持っておらず、箱の中にも武器になるものは一切なかった。少女はうるうると涙で潤った瞳でカズキ達を見上げる。ケイスケも少女に敵意はないことを感じ銃を下ろした。

 

「だ、大丈夫さ。俺達は何もしないから、な?お、落ち着こ?」

 

 まずはお前が落ち着けよとケイスケにつっこまれながらもカズキは少女に落ち着くよう宥める。少女はゆっくりと上半身を起こし頷く。

 

「えっと…名前は?あとどこの人?」

「わ、私はリサ。リサ・アヴェ・デュ・アンク。オランダ生まれです」

「リス…阿部で……あんこ…」

「噛み噛みじゃねえか。」

 

 ケイスケは噛んでうまく名前を言えなかったカズキを下げてリサと名乗った少女の前に立つ。まだ般若のお面を付けているケイスケにリサは少し怯えた。

 

「名前はリサだな?次はなんで木箱の中に入ってたんだ?」

 

 ケイスケの質問に対し、リサはピクリと反応し言うべきかどうか躊躇っている様子を見せた。怯えるように上目遣いでケイスケを見る

 

「そ、それは…もし、この事を話せば貴方達にも危険が…」

「もしとか危険が云々とかどうでもいいんだよ‼どういう訳で日本に来たのか、なんでお前が神父の大事な『荷物』なのか知りたいだけだっつーの‼」

 

 躊躇うリサにイラッとしたケイスケは怒声を飛ばす。リサは「ひっ」と短い悲鳴を上げて再び涙目になりビクビクと震えだした。

 

「ケイスケ、そうカッカするなって。ほら、リサちゃん泣いちゃってるだろ!?」

「そうだぞー。カッカするやつは閣下に蝋人形にされちまうぞー」(`Д´ )

 

 カズキとタクトはケイスケを落ち着かせる。ケイスケ自身も何が何だか分からない事態が立て続けに起きているのでイライラしてしまっていることを感じ、少し反省しているようだ。ナオトはリサにハンカチを渡す。

 

「…俺達はジョージ神父に木箱の中身を託されてたんだ。ジョージ神父に事情を聞こうとしたけど聞けれない。話してくれないか?」

「ジョージ神父が…わかりました。…私は『イ・ウー』という組織にいました…」

「ジョン・ウー?」

「…イヌ?」

「ヤ・フー⤴」(。☉౪ ⊙。)

「イ・ウーな。うん、こいつらバカだから気にすんな。イ・ウーってなんだ?」

 

 4人中3人、真面目に話を聞いているのだろうかとケイスケは心配になりながらもリサに質問した。『イ・ウー』なんて聞いたこともないからだ。

 

「『イ・ウー』とは数多くの超人的人材を擁する戦闘集団です。超能力、飛びぬけた戦闘技術、暗殺等々を駆使し世界に暗躍する組織でもあります」

「所謂…世界征服的なやつだな‼」

 

 タクトの冗談交じりで言った答えにリサは黙って頷く。まさかの的中にタクトはマジかよと口をこぼしギャグで言ったつもりがガチになったとしょんぼりした。

 

「ということは、リサもなんか持ってるのか?なんかこう…すごいの」

「私は、リサは…傷の治りが早いのです。無限回復、というわけではありませんが傷跡も残さず人よりも早く治ります」

「すげぇ!?リジェネって言うヤツだな!」(; ・`д・´)

 

 今度こそはうまくいったとタクトは満面の笑みで笑った。そんなタクトを無視してカズキ達は話を続ける。

 

「…傷が早く治る。無茶な戦いをされたのか?」

 

 ナオトの質問を聞いたリサは悲しい顔をして頷いた。

 

「はい…最初の頃は非戦闘員とされてきたのですが…治癒能力があると知られた途端、敵陣の中へ爆弾1つ抱えさせられたり無謀な戦い方をさせられ何度も重傷を負ってきたのです‥」

 

 自爆テロ紛いのことをしても、すぐに傷を癒すことができ何度でも戦いへ使うことができる。いわば捨て駒として使われ来たのだ。それを聞いた4人は沈黙のままリサを見る。リサは涙でうるわせながら話を続けた。

 

「リサはもうついていくことができなかった。でも、組織を抜け出したとて行く先もありません…途方に暮れただただ泣いて過ごしすしかなかった。そんな時、私を助けてくれたのがジョージ神父でした」

 

 リサはジョージ神父との出会いを話した。抜け出すこともできず、行く先もない自分に絶望しオランダの教会で泣いていたある日、たまたま旅行をしてたジョージ神父に出くわした。リサはジョージ神父にすべてを打ち明けた。それを聞いたジョージ神父はにこやかに答えたという。

 

「『道に迷える君を助けよう』と言って手を差し伸べてくれました。ジョージ神父の協力で抜け出すことができ、教えられた方法でジョージ神父の元へ日本へ来たのですが…」

 

 気づいた時には見知らぬ家に運ばれていて、ギャーギャーと喚くカズキ達の姿を見てどうすればいいか、もしかして道中に捕まったのかとビクビクしていたという。

 

「あの…ジョージ神父は、一体何処へ…?」

「肝心のクソ神父と連絡が取れねえんだよなぁ」

「だからクソ神父いうなって。リサちゃんを助けてくれたんだぞ!?」

「…あ、忘れてた」

 

 ナオトは神父から木箱の蓋を開けた時に読んでくれと渡された封筒を取り出した。リサという少女、何故リサが中に入っていたのか、ジョージ神父との関連、リサの話を聞いてわかった。ジョージ神父はこうなることを見据えて渡したのだと。

 

「…ジョージ神父から手紙を預ってた」

「はぁ!?おまえそれを早く言え」(`Д´ )

「そんなのあったのなら早く言えよクズが」

 

 知らなかったんだからしょうがないだろ‼とナオトは反論してから封筒を開ける。案の定、中には一通の手紙が入っていた。ナオトはそれを取り出し、読み上げた

 

「『リサへ…残念だが私は君の主にはなれない。手伝えるのはここまでのようだ。後は君の好きなように、自由に生きるんだ byジョージ P.s ナオトたちは武偵憲章は忘れてないよね?』…だってさ」

「そんな…リサは…リサは…どうすれば…」

 

 手紙の内容を聞いたリサはポロポロと涙を流した。どうすればいいか再び途方に暮れてしまい振り出しに戻ってしまったのだ。そんな泣いているリサを見てタクトは3人の方に顔を向けた

 

「なあ、カズキ。リサを俺達の所にしばらくいさせてあげようよ」

「はぁ!?」

 

 タクトの突然の一言にケイスケが驚く。カズキもナオトもタクトのひらめきに少々驚いた。

 

「おま、正気か!?下手したら密入国してるんだぞこいつは‼」

 

 ジョージ神父が手を回しているかもしれないが、そうでなければリサはただの無法入国者。バレてしまったら仲良くお縄についてしまう。

 

「でもさ、このまま野宿にさせるのも追い出すのも、感じよくないよ。」

「たっくんの言う通り、助けてあげないとな。そうじゃなきゃ後味が悪くなるぜ」

「…それ意味が違くないか?それに…武偵憲章1条『仲間を信じ、仲間を助けよ』3条『強くあれ。ただし、その前に正しくあれ』って言うしな」

「お前ら…」

 

 タクトに続き、カズキとナオトもリサを家に迎え入れるようだ。ケイスケは思い悩んだが、戸惑っているリサを見て考えた。

 

「お前…何ができるんだ?」

「…え?」

「だから、お前は治癒能力の他に何ができるんだってんだ‼ただ飯食えると思うんじゃねえぞ‼」

「は、はいっ‼えっと…会計と料理に家事や洗濯…看護や薬剤師も少し…」

 

 ケイスケの怒声にあたふたとリサは答えた。リサのできることを聞いたケイスケはふむ‥と低く唸り考えた。そんなケイスケの様子をリサはビクビクと見ていた。

 

「ったく…変なことをしたら追い出すからな」

「えっ…?」

「やったなリサちゃん‼ケイスケの許可をもらえたのなら、俺達のハウスにいていいだぜ‼」

「イェーイ‼パーティー‼」

「…しばらくは家に居候していい。よかったな」

 

 カズキ達の言葉を聞いてリサは再びポロポロと涙を流した。今度は悲し涙ではなく嬉し涙だった。

 

「そうだ、名前を言ってなかったな。俺は吹雪カズキ、武偵高校の生徒だぜ」

「この俺が、武偵高校の真紅の稲妻で有名な菊池タクトだぜー‼」\(`∀´)/

「天露ケイスケだ。怖がらせて悪かったな」

「…江尾ナオト。よろしくー」

 

 リサはカズキ達に涙をこぼしながら笑顔で何度も頭を下げた。

 

「みなさん…ありがとうございます…!」

 

 




 変更点…リサは戦役から自爆特攻役として酷使されてるところをすでにイ・ウーから酷使されております。

 説明不足で本当に申し訳ございません‼

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