カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 展開は微動だにしていないのでグダグダしてます…色々とすみません…
 言えることがあるとすればワトソンはカワイイ(オイ


33話

「お、お願いだ…だ、誰にも言わないでくれ…!」

 

 涙を流して震えているワトソンはナオトに乞う。ナオトはワトソンが女の子であったこと、見られて狼狽していることに戸惑っていた。相手を油断させて口封じをするかもしれないし、何かしてくるかもしれない。どう返したらいいか悩んでいるとワトソンが更に言い寄る。

 

頼む(プリーズ)頼むよ(プリーズ)!もし…クラスの皆に、アリアに…遠山に女だとバレてしまったら、僕はもうお終いだ…‼」

 

 まるで世界の終わりを見ているかのように怯え、絶望して、震えて泣きじゃくるワトソンを見てこれは嘘偽り無く必死にお願いしている。

 

「日本で言う『土下座』だってする、君の言いなりにもなる!だから、だから…っ‼」

 

 土下座しようとしたワトソンにナオトは無言のままブレザーをワトソンの肩に掛け、タオルを渡した。突然無言のまま渡され、ワトソンはきょとんとして顔を上げてナオトを見つめる。

 

「え…」

「…体を冷やす。後ろは見ないから着替えて」

 

 ナオトはそう言ってワトソンに背を向ける。そんなナオトにワトソンはおどおどしながら見つめ続ける。

 

「き、君は…ど、どういうつもりなんだい…?」

 

 半分戸惑いながら、半分警戒しながら尋ねるワトソンにナオトはため息をついてチラリと視線を向けた。

 

「…俺は人の弱みを握ってどうこうするつもりは無いし、ヤル気もない」

 

 ワトソンは目を丸くしてナオトを見る。頬を赤らめて「うん…」と小さく声を出して頷き着替え始めた。ナオトはしばらく彼女が着替え終わるまで後ろを見ないでぼーっとしていた。

 

「も、もう大丈夫だ…」

 

 声を掛けられてナオトは振り向くと、ワトソンは男子生徒の制服を着替え終わっていた。しかし顔を赤らめ、恥ずかしそうにモジモジしていた。ボーイッシュなワトソンならこの姿であれば中性的な男子生徒に見えるし違和感はないとナオトは納得して頷く。

 

「そ、その…な、ナオト。こ、この事は…」

 

 タオルとブレザーを返そうとしているワトソンは未だにビクビクと震えながらこちらを見ている。受け取ったナオトはにっこりと頷いた。

 

「事情は知らないが、クラスの皆にもアリアやキンジにも言わない」

 

 そのことを聞いたワトソンは驚くが、目を潤わせて微笑んだ。

 

「ナオト…ありがとう…!」

 

 そんな顔を見てワトソンは男装しても、男子として装っても、やはり女の子なのだと納得して頷いた。秘密にしてくれて嬉しいのかワトソンはナオトの手を握り何度も振る。

 

「ナオト、君は命の恩人だ…‼この恩は絶対に忘れないよ…‼」

「そんな大袈裟な…まだ誰にも知られてないんだから普通にry」

 

 ナオトはオーバーにするワトソンを落ち着かせようとするが、他に視線を感じたのでチラリと他の所に視線を向けると、ナオトとワトソンを見てポカーンとしているタクトがいた。

 

 タクトの存在に気づいたワトソンはナオトと一緒にぴしりと固まった。そんな二人にタクトは申し訳なさそうに笑う。

 

「えっと、ワトソンに謝りに来たんだけど…ダメ?」

 

「た、タクト君…き、君はいつからそこにいたの…?」

 

 ワトソンは恐る恐るタクトに尋ねると、タクトはうーんと考え込んだ。どうか「ついさっきだ」という答えを望んでいたが、現実は甘くなかった。タクトはニッコリと笑顔で親指を立てて答えた。

 

「『お、お願いだ…』からだぜ‼大丈夫、着替えてるところは見ないようにしたから‼」

「そういう問題じゃないよぉぉぉっ!?」

 

 ワトソンは涙目でタクトの服を掴んで何度も揺らした。つまりタクトは最初から聞いて、見てしまったのである。

 

「落ち着けって、男装してるならバレないって」

「男装っていうなぁぁぁっ‼」

 

 ワトソンは泣きじゃくりながらタクトの身体を揺さぶる。ナオトはこれでは埒が明かないとため息をつき、ワトソンにハンカチを渡して宥めさせる。

 

「…たっくん、ワトソンが女の子だっていうのは秘密にしてあげて」

「お願いだ!この事は誰にも言わないで‼」

 

「任せな?誰にも言わないからよ。こう見えて俺はがま口財布のように口が堅いぜ‼」

 

 すぐにでも開きそうな口だなとナオトは心配する。取りあえず秘密にしてくれるそうなのでワトソンはほっと一安心した。時間は既に放課後、この時間ならば誰にも見つかることはないだろうと3人は倉庫から出た。

 

「おー、お前らそこにいたのかよ」

 

 倉庫から出るとすぐ近くにカズキがいた。ワトソンはびくっと反応し慌ててナオトの後ろに隠れた。そんなワトソンの様子にカズキは首を傾げタクトの方を見る。

 

「たっくん、今日の練習はどうするんだ?ケイスケとリサは医務室で待ってるぜ?」

「あー…今日はお休み。これからワトソンとお茶しに行くんだぜー」

 

 カズキは「ぬーん」と羨ましそうに頷いた。ワトソンはナオトの後ろから顔を覗かせ恐る恐るカズキに尋ねた。

 

「か、カズキ君…さっきの話は聞こえてた?」

 

 ビクビクとしているワトソンにカズキは頭にハテナを浮かべさせ首を傾げた。

 

「え?何のこと?チーパーティーのことか?」

「い、いやいいんだ。聞こえてなかったらいいんだ」

 

 カズキにまで話を聞かれていないかと不安になっていたワトソンだったが、カズキが知らないと答えたのでほっとした。そんなワトソンを見てカズキはにこやかに笑う。

 

「いやー、それにしても驚いたぜー。ワトソンが女の子だったなんてな‼」

 

 ワトソンはどこぞの新喜劇のように盛大にずっこけた。

 

「な、な、なんで知っているんだ!?」

「え?先ほどたっくんがメールで送って来た」

「たっくん!?なんでばらしてんだよ!?」

「いやー、見た直後にカズキにメールで送っちゃってさー。メンゴメンゴ☆」

 

 テヘペロしているタクトにワトソンが再び涙目で体を揺らす。ナオトはタクトに呆れながらカズキにお願いをする。

 

「…カズキ、この事は誰にも言うなよ?」

「任せな。この事は秘密にするぜ‼…さっき、ケイスケとリサにもメールしちゃったけどな‼」

 

 ドヤ顔で答えているカズキを見てワトソンは貧血で倒れるかのようにナオトに寄りかかって倒れた。

 

「もうダメだ…お終いだぁ…」

「ちょ、ワトソンしっかりしろ!?」

「やっべ、ワトソンが昭和初期になってる‼ナオト、カズキ!ケイスケの所に運ぶぞ!」

「…どうしてこうなった」

 

___

 

「」

 

 ケイスケは送られてきたメールを見て無言のまま固まっていた。カズキが言うには、ワトソンが実は女の子であると、タクトとナオトがそれを間近で見てしまったことが書かれている。これは絶対にばらしてはいけない奴じゃないのかとケイスケはその不安を頭の中でよぎらせる。

 

「なあケイスケ、どうかしたのか?」

「いや、なんでもねえ。カズキが世迷言を言ってるだけだ」

 

 キンジが不思議そうにこちらを見て尋ねた。ケイスケは即携帯を閉じてぶっきらぼうに返した。多分、キンジがワトソンを嫉妬しているという噂が本当ならば、絶対に此奴に話してはいけないと確信する。

 

「というかケイスケ、俺の相談をちゃんと聞いてんのか?」

 

 キンジはムスッとして聞いてきた。キンジが医務室にいるのは周りがワトソン押しで、ワトソンがどんどん自分の外堀を埋めてきているのでどうすればいいかと相談してきたのだった。

 

「お前が言うには…ワトソンはアリアの婚約者で、お前を引き離そうとお前を孤立さてきてるんだな?」

「ああ、平賀さんも、武藤もクラスの皆もワトソンの味方になっちまった。頼れるのはお前なんだ」

 

 ケイスケはため息をついて、リサが注いでくれたコーヒーを飲んで答えた。

 

「クズか。早く対策を立てなかったお前が悪い」

「いや、そんなこと言われてよ…」

 

 キンジが困ったように項垂れる。そんな時ピロリンと携帯のメール音が響く。どうやらリサの携帯らしく、リサがメールを見ると驚いたようにケイスケを見た。

 

「ケイスケ様!カズキ様からメールで…やはりワトソン様はおんryむきゅっ!?」

 

 「女の子」というワードが出る前にケイスケは急いでリサの口を塞いで、『言ってはいけない』と目と口パクで合図した。そんな様子を見てキンジが不審がっているので慌ててアドバイスをする。

 

「悪い。ワトソンの奴、たっくんやナオトを味方に入れようとしている。チーム内の分裂を避けたいから俺は手を貸せん。ジャンヌや理子、レキとかお前を信じている奴を味方に付けろ。後は中空知とかか?」

 

「俺を信じている奴か…アドバイス助かったぜ」

 

 キンジはすぐに理子やジャンヌとコンタクト取るとか言ってリサが注いでくれたコーヒーをグイッと飲み医務室から出て行った。適当に言ってやったがあいつなら何とかするだろうとケイスケはため息をつく。その数分後カズキ達が気を失っているワトソンを運んできた。

 

___

 

「どうだ、落ち着いたか?」

 

 ケイスケはコーヒーをワトソンに渡す。ワトソンは意気消沈して項垂れていた。コーヒーを受け取ったワトソンは力なく頷く。

 

「なぁ、どうして男装しているのか話してくれるか?」

 

 取りあえずワトソンがなぜ女の子で、男装しているにのか理由を知りたかった。ワトソンは顔を上げてカズキ達を見て口を開く。

 

貴族の社会的責任(ノーブル・オブリケーション)。英国貴族は名誉のため、表社会における成功だけではなく、誰にも知られる事なく、無償で秘密裏に世の中を救う活動が求められる…リバティー・メイソンはその活動をする気高い秘密結社なんだ」

 

「成程、ワトソンはリハビリ名人だったのか…」

「リバティー・メイソンだろ、クズが。ワトソン、こいつらバカだから気にせず話を続けてくれ」

 

 ケイスケはカズキにアイアンクローをして、戸惑っているワトソンに話を続けてもらった。

 

「でも加盟したワトソン家はこの活動に於いて、30年程前から凋落傾向にあったんだ。ワトソン家は必ず成功させ上位幹部に取り立てられる、でも表社会で成功しても、逆に蔑まされてきた…そこでワトソン家の先々代はこの活動に共鳴していたホームズ家に生まれる後に名探偵、有名な武偵になるであろうアリアとの婚約の密約を結んだんだ」

 

「つまり…どういうことだってばよ」

「…先々代がアリアの誕生を知って、ワトソン家に生まれる子と結婚させて再興させようとしたんだ」

 

 その通りとワトソンはナオトの答えに頷き、話を続ける。

 

「でも生まれたのは僕…女の子だった。ワトソン家は僕が女の子であることをホームズ家に隠し、話を進めた。僕は祖母の決まりによって男の子として生きる事にされ、僕の父は男子として生きるよう厳しく躾けた」

 

 よく少女漫画であるような、男として教育される女の子どころか、お家騒動でお家再興の為厳しく強制させられたドロドロとしたものだとカズキ達は感じた。

 

「もし…女の子だとアリアにバレてしまったら、僕は捨てられるかもしれない…」

 

 きゅっとワトソンは拳を強く握りしめる。それは焦りと不安、恐怖に震えていた。

 

「それに、この戦役はどうしてもアリアを『眷属』に入れなければならない。アリアを守るために遠山から引き離さなければいけないんだ。あいつにバレたら、きっと僕を蔑むに違いない…」

 

「ほんっとお前も大概だな…」

 

 ケイスケはため息をついてワトソンにデコピンをした。突然デコピンをされたワトソンは慌てだす。

 

「ぼ、僕は真剣に悩んでるんだぞ!?」

「お前は考えすぎだっての。あいつらを見ろ」

 

 ケイスケは指をさす。カズキは真剣に考えてるふりをして頷いており、タクトはポカンとしており、ナオトは眠たそうにしていた。

 

「カズキ、ワトソンの話を聞いてどう思った?」

「ケイスケ…さっぱりわからん」

 

 さっぱりだと即答されてワトソンはずっこけそうになった。真剣に悩んでいるというのに彼らときたら、何を考えているのか分からない。そんなワトソンに対し、タクトはうんと考えながら答える。

 

「やっぱり…ワトソンは考えすぎだよ。難しく考えすぎず、やりたい事をやるべきだよ?」

「僕のやりたい事…?」

 

 ワトソンは深く考え込んだが、カズキ達を見てクスリと苦笑いし吹っ切れた。

 

答えは単純(シンプルイズベスト)、か…何というか君たちらしい答えだ。ありがとう…少し勇気が湧いてきたよ」

 

 すくっと立ち上がって、ワトソンは意を決したように頷いた。何とか気を取り戻したことにケイスケは安心したがふとあることを思い出してワトソンに尋ねる。

 

「というかキンジからアリアを引き離すっていうけど手強いぞ?」

「遠山は強いのかい?見た感じ強そうに見えないのだが…何か知ってるの?」

 

 カズキ達はうーんと考えてこれまでのことを思い出しながら順番に述べた。

 

「あいつは朴念仁の女たらしだ。だが女絡みになると急に強くなるぞ」

「リア充爆発すればいいのに」

「女の子の前で『げへへ』と笑うぜ‼」

「…ラッキースケベマン」

 

「ケイスケ以外まともな情報じゃないね…」

 

 カズキは願望だし、タクトはウソの情報だし、ナオトはただ見た感じのことだし、ろくな情報でないことにワトソンは肩を竦める。

 

「…ワトソン、俺達はこの事は秘密にするし誰にも言わない。危うくなったらフォローする」

「ナオト、皆、ありがとう…君達の事は大したことじゃないと思ってたけど…本当はすごいんだね…」

 

 きゅんと顔を赤くして微笑む姿はやはり女の子だとカズキ達は感じた。そんな時、タクトがふとさりげなくワトソンに尋ねた。

 

 

「ところでさ…戦役とか『眷属』とかリバティー・メイソンとかって何?」

 

 他の3人もタクトと同じように疑問を持った顔をしてみていた。ワトソンは再び盛大にずっこける。彼らは本当に凄いのか、全く理解していないのか、それともふりなのかふりじゃないのか、ワトソンはこの4人組は何を考えているのか、理解できなかった。

 

__

 

 ワトソンは自分のくじ運の悪さに嘆いた。転入生は後から『変装食堂』の衣装を決めるのだが期間は短いので自作を求められずに済む、しかしくじは一度のみで変更もできない。そしてくじを引いた結果は『女子制服(武偵校)』、一番の外れくじであった。

 

「うぅ…」

 

 ワトソンは少し狼狽える。いつもならこの状況を利用してすぐに着替えて装うことはできる。しかし、昨日ナオトに自分の体を見られ、カズキ達にバレてしまっていることで恥ずかしさが増していた。

 女子達は自分の制服を渡そうと我先にとジャージを手にしてトイレへ駆け込み、男子達は目を輝かせており、そして遠山は『ざまあみろ』と内心思っているかのようにこちらを見ていた。

 

「ワトソン、あれだぞ。『GOに入ってGOに従え』っていうしな」

「それを言うなら『郷に入れば郷に従え』だろうが」

 

 カズキがにししと笑い、ケイスケがそんなカズキを足蹴してワトソンをフォローした。カズキ達もこれから着替えるところだろうか、段ボール箱を持って廊下へ出て行った。

 

「郷に入れば郷に従え…うん、やるしかないね…!」

 

 ワトソンは勇気をもって女子制服を着ることにした。廊下に出ると見せかけて天井裏に潜み、着替えた後天井から降り立ち、クラスの皆に披露した。女子達も男子達も歓声を上げる、なんとかバレることはなかったが皆に見られて内心少し恥ずかしかった。

 

「あれ…?カズキ達、遅いな…」

 

 ワトソンはふと気づいた。廊下へ出て行ったカズキ達が一向に戻ってこない。着替えに時間が掛かっているのかと気になりだした。

 

「すぽおおおおおん‼皆の者、待たせたなぁ!」

 

 廊下からタクトの喧しい声が響いたと思えばドアを勢いよく開けてタクト達が入って来た。タクト達の衣装を見てキンジもワトソンもクラスの皆も目が点になった。

 

 リサはメンソレータムに描かれているナース服の衣装を着ていて実に可愛らしかった。しかし、問題はカズキ達である。カズキは赤いネクタイに黒のスーツにサングラスと地味で、ケイスケはフルフェイスのヘルメットを被りパワードスーツみたいな物を着ており、ナオトは青のTシャツにジーパンと私服ではないかと思われる衣装を着て、そしてタクトに至っては緑の恐竜みたいな着ぐるみを着ていた。

 

「お前らなんだよそれ!?」

 

 クラスの代表としてキンジがツッコミを入れた。そんなツッコミをされた4人はドヤっとポーズをとる。

 

「それって言われても…くじで引いた奴の衣装だけど?」

「どんな衣装だよ!?ちゃんとくじを引いたのか!?」

 

 カズキはそこまで言うなら見てみろととキンジにくじを見せた。

 

「…『ビップ』?」

 

「どうだ!なんかビップ的な雰囲気をさらけ出しているだろ?」

「それを言うなら醸し出すだろ。いや、うん…地味だな」

 

 クラスの皆も「…地味だな」「…地味ね」とカズキの衣装の感想を言う。キンジは次にさっきからずっと黙っているケイスケの方を見る。ケイスケは引いたくじを荒々しくキンジに押し付ける。

 

「『マスターチーフ』…そんな職業があんのかよ…」

「‥‥‼」

 

 フルフェイスのせいでうまくしゃべれないのか、息で曇ってしまうのか、ケイスケは無言のままキンジに足蹴する。

 

「いてっ‼わ、わかったっての…で、ナオトは?」

「…『スティーブ』」

 

「誰だよ!?」

 

 クラスの皆も一斉にナオトにツッコミを入れた。カズキが「とりあえず林檎でももってけ」とナオトに林檎を渡す。増々誰なのかわからなくなってきた。そしてキンジは無視したかったのだがタクトが目を輝かせているので仕方なしに尋ねるのであった。

 

「その…タクトのはなんだよ…」

「聞いて驚け、見て笑え‼これが俺のソイルだぜ‼」

 

 そういってタクトはドヤ顔でくじを見せるのであった。くじには『でっていう』と汚く書かれていた。

 

「『でっていう』ってなんだよ!?」

「お前、『でっていう』はあれだぞ。食物連鎖の頂点だぞ‼」

「知らねえよ‼というか職業でも何でもねえじゃねえか!」

 

 キンジは項垂れる。なんでこいつらに限って変な衣装になるのか、くじ運がいいのか悪いのか、取りあえず深く考えるのをやめた。

 

「えっと…ぼ、僕はこれでいいのかな…?」

 

 カズキ達のインパクトの強いカオスな衣装のせいで置いてけぼりの雰囲気の中でワトソンは苦笑いをした。




 
 カズキ達の衣装のくじはバンドの練習をしてる間に引いて、衣装を作った感じです。
 

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