カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 仕事先をクビにされ、パソコンが壊れ、転職活動をし・・・・と2018年は後半からいろいろとありましたが本当に更新が遅くなりまして申し訳ございません。
 
 いまだに更新がまちまちになると思いますが2019年もこの物語を何卒よろしくお願いいたします


133話

「イヤッフゥゥゥ‼チャイナについちゃいな!」

 

 タクトのくだらないギャグが香港国際空港内に響くが行きかう人々は誰一人見向きもしなかった。それでもなおタクトはテンションを上げてくだらないギャグを叫び続けた。

 そんなクネクネと体を動かしながら変顔でテンションを上げていくタクトを後ろから呆れて見つめていたカツェはわれ関せずな顔でガイドブックを読んでいるカズキ達に止めないのかと目で尋ねた。

 

「無理、たっくんだもの」

「なあなあナオト、これなんて書いてんだ?漢字ばっかでぜんぜんわかんねえ」

「お前がわからないのなら俺もわかんねえよ」

 

「いや普通に止めさせてやれよ!?」

 

 ツッコミを入れたカツェはマイペースすぎる彼らに代わってハイテンションで変な踊りを披露しようとしていたタクトを引き止めた。

 

「なんだよー、早速考えた俺のジェットパックジェットストリームなダンスを披露して会場大歓声になるところだったのによー」

「歓声どころか顰蹙をかうわバカ!いいか?ここは奴ら藍幇の庭なんだぞ」

 

 ここ香港は藍幇のホームグラウンド。すでに監視されているかもしれない、警戒していかなければいけないというのにカズキ達はそんなことをはおろか警戒すらせずお気楽にしていた。

 

「連中は内部の対立でピリピリしてるからきっと警戒している、変なことをしてたら襲撃してくるかもしれねえ。そんな中で会いに行くんだ、見られていることも考えて慎重に行動しろよ?」

 

「たっくん!見ろよ、でっけえ肉まんが売ってる!」

「マジで!?これは食わなきゃ損だぜ!」

「おいまたナオトがいねえじゃねえか!なんであいつは毎度毎度空港で迷子になるんだ!」

「わ、私がナオト様を探して行きます!」

 

 注意しろと言われたものの数秒で早速やらかした自由すぎるカズキ達にカツェは頭を抱えた。どうしてセーラが胃の辺りを痛そうにしていたのかだんだんと分かってきたような気がしてきた。

 

___

 

 肉まんを買い食いしようとするカズキとタクトを止めて迷子になっていたナオトを手分けして探してナオトがお土産屋にいるのを見つけて一件落着かと思いきや度はタクトが迷子になり怒れるケイスケを宥めて探し、香港国際空港から出たのは到着して一時間が経過した頃であった。カツェはくたくたになりながらもガイドブックの街中のマップを広げた。

 

「まずは拠点に行く。場所はあたしら魔女連隊の隠れ家だ。そこを拠点にしてどうやって諸葛静幻に会い、連中を助けるか考えよう」

 

「殴りこみじゃないのか?」

「え!?戦車とかでいかないの!?」

「誰か脅していくんじゃねえのか?」

「…脅迫状は?」

 

「どうしてお前らは物理に全フリなんだ・・・・」

 

 カツェは呆れながらもカズキ達を先導していった。バスや路面電車を使い渋滞に巻き込まれつつもたどり着いたのは半島状になっている九龍より南に浮かぶ香港島、高く聳えるビルが建ち並び人混みが多い区内だった。カズキとタクトは高層ビルや人混みの多さや美味しそうな匂いが漂う店の多さに目を輝かせていた。

 

「うひょおおっ!いうなればエンジョイしないといかんでしょ!」

「まずはうまいもん食わなきゃ!」

 

 いの一番に走り出そうとした二人をカツェが首根っこつかんで止める。また目的を忘れているとジト目で睨んだ。

 

「そんな暇はねえっての。香港中に藍幇の手先がいる、下手に顔を出さないほうがいい」

 

 カツェの説教にカズキとタクトは口を尖らせながらも渋渋と了解した。カツェはため息をつくと静かにケイスケに声をかけた。

 

「・・・・お前らならもう気づいているんじゃねえか?」

 

 カツェの問いにケイスケとリサは静かに頷く。

 

「ああ・・・・だいぶ前から俺は気づいてた」

「はい・・・私も気づいておりました」

 

 いったい何に気づいているのかカズキとタクトは不思議そうに首傾げる。カツェは慎重に辺りを見回してこっそりと二人に声をかけた。

 

「いいかカズキ、たっくん。気取られないように気づいていないフリをするんだ」

「え?どゆこと?」

「ケイスケ、どういうことだってばよ」

 

 ケイスケに注目が集まった中、ケイスケは真剣な眼差しで静かに口を開く。

 

「・・・・・ナオトが辺りをキョロキョロしてやがる。あいつ、また勝手にどこかへ行こうとするつもりだ」

 

 ケイスケの視線の先には一人離れて辺りをキョロキョロしてどこか面白そうなお店はないか探しているナオトの姿があった。カズキとタクトは納得して頷く。

 

「なるほど~、流石はケイスケ!」

「こんな人混みが多いところで迷子になられるのはゴメンだからな」

「てかあいつまたお土産屋に行こうとしてるじゃねえか」

 

 

「違う」

 

 納得しあっていたケイスケ達にカツェが頭を抱えて横に振った。そんな3人はキョトンとする。

 

「違う?ナオトが迷子になるのは確定的に明らかじゃねえか」

「あ、もしかしてナオトが向かおうとしてる店が違うんじゃねえの?」

「なるほど~、さっすがカツェちゃん!冴えてるぅー!」

 

「違うそうじゃねえ!!ああもう本当に大丈夫なのかよ!」

 

 カツェはヤッケになりながらも他に聞かれないように小声で話した。

 

「さっきからあたし達の跡をつけている奴がいるんだよ!」

「なんだって?もしや・・・・俺たちのファン!」

「ねえよ!!」

 

 カツェは未だに理解していないタクトにツッコミを入れて相手に気取られないようにカズキ達に指示を出す。

 

「こっから歩みを速める。適当に路地裏まで突き進み曲がり角で曲がって待ち伏せするぞ。一人でも捕らえりゃ藍幇に近づけるつてが手に入れるかもしれねえ」

 

 カツェの指示にカズキ達は頷き、迷子になりかけようとしているナオトを呼び戻して指示通り足を速めた。跡をつけられていると言われたがいつからか、どんな人物が跡をつけているのか、そもそも藍幇の手先なのかもわからない。気になりつつもカズキ達は無言でカツェの後に続いていった。

 人混みに溢れていたビルの繁華街から離れて少し廃れたような裏路地へと突き進んでいく。通りが段々と狭まりデコボコした舗装やコンクリートが剥きだし黒ずんだ壁、人の気がない薄っすらとした通りを駆け、カツェが曲がり角に曲がると歩みを止めた。

 

「よし、ここで待ち伏せをする…」

 

「おっけーい‼ここでビックリさせるんだな?」

 

 後をつけているのは藍幇の刺客かもしれないと身構えているカツェとは反対にタクトはワクワクしながら待ち構える。息をひそめて待っているとこちらに向かってくる足音が聞こえてきた。小さな駆け足の音は段々と近づいてくる。カズキ達は目を合わせて頷き、曲がり角へと迫ってき所を頃合いに4人同時に飛び出した。

 

「きゃっ……!?」

 

 飛び出してきたカズキ達に驚いた少女の声が聞こえた。目の前いたのは白い学生服を着た数珠みたいな形のテールを左右にピョコンと出した変則ツインテールの少女だった。いきなりカズキ達が飛び出してきたことにその少女は驚きしりもちをついていた。

 

「…誰?」

「あれじゃね?俺達のファン!」

「マジか!?やべえよたっくん!サインあげねえと!」

「俺たちのファンじゃねえのは確かだな」

 

 カズキ達がわちゃわちゃしている間に少女は立ち上がりため息をついてジト目で此方を睨んできた。

 

「・・・・キンジと同じ武偵の連中がやってくると聞いていたけど、なんだかもっと間抜けそうな人達ね」

 

 キンジと聞いてカズキ達はキョトンと不思議そうに首を傾げた。そんな4人に少女は更に呆れて肩をすくめてため息をついた。彼の名を知っているということはこの少女は藍幇の者に違いない、カツェは警戒して睨みつけた。

 

「お前、藍幇の手先か?」

「まあ藍幇の者ではあるけども下の下、藍幇の学校の生徒の院美詩(ユアン・メイシー)よ」

 

「お椀?」

「名刺?名刺交換しないといけないのか?」

 

 あって早々人の名前を間違えるタクトとカズキにユアンは無言で睨みつけたがカツェが苦笑いして彼女を宥めた。

 

「うん、こいつらどんな時でもふざけるのが日常茶飯事だからあまり気にしないほうがいい」

「・・・・本当にこの人たちで大丈夫なのかしら・・・・」

 

「というかそのお茶碗がなんで俺達の後をつけてたんだよ」

「だからユアンって言ってるでしょ!?何、こいつら!?これならキンジのほうが百倍もマシでしょ!?」

「俺たちのファンなんだろ?後でサインあげるよ!」

「いらんわ!」

 

 荒れるユアンをカツェが再び苦笑いで宥めて落ち着かせた。とりあえず落ち着いたユアンは一呼吸おいてからg話を始めた。

 

「・・・・まず後をつけたのはいち早く藍幇の内部の現状を伝えること。これは上からの指示よ」

 

「よほどまずい事態なのか?」

 

 カツェの問いにユアンは静かにうなずく。

 

「ええ、諸葛が病に伏せたその数日に上海藍幇の刺客がやってきてあっという間に香港の藍幇城を乗っ取られた。幸い諸葛は別の場所に逃れていたから無事で大きな衝突に至らなかったけれども、連中は血眼で諸葛を探してる。いつ血が流れる争いが勃発するかわからないわ」

 

 更には諸葛静幻が支援している学校や彼の縄張りに土足で侵入し荒らしまわったり、関係者を監禁していたりと香港中を睨みをきかせており、香港藍幇の者やその息にかかっている市民たちは怯えているとユアンは話した。

 

「外部からシャーロックを助け、諸葛を助けようとしている武偵の4人組がやってくると聞いていたからどんな強者かと思ったら・・・・・強者じゃなくてバカモノじゃないのよ」

「まあバカモノだと思うが、あちこちでやらかしてる強者ってのは間違いはないかな・・・・」

 

 カツェとユアンは話の内容はよくわからないけれどもとりあえず褒められていると勘違いしてドヤ顔しているカズキ達を見つめた。

 

「まあ諸葛を助けるのは間違いはねえ、あいつが今どこにいるか教えてくれねえか?」

 

 向こうから協力者が現れたのはありがたい、さっそく彼に会おうとカツェは尋ねたがユアンは申し訳なさそうにして首を横に振った。

 

「悪いけど私は聞かされただけ、あの人が今どこにいるかは私は知らないの。それに・・・・・」

 

 ユアンはあたりを見回してからゆっくりと口を開いた。

 

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彼女の言葉を聞いてカツェは即座にあたりを見回す。彼女は使いかと思っていたがまさかの囮、すぐ近くに刺客がいるかもしれないと懐からルガーP08を取り出そうとした。

 

(ヘイ)!」

 

 どこからともなくアニメ声チックな掛け声が聞こえた。声は上から聞こえ見上げると上から清朝中国衣装を着た玉飾りのついた黒髪ツインテールの少女が飛び降りてきた。少女は着地をするとカズキ達の前で不敵な笑みを見せて中国拳法の構えをした。

 

「キヒッ!まんまと引っかかったネ!間抜けな奴らなアル!」

 

 少女は不敵な笑みを浮かべて語るがカズキ達はキョトンとしたまま見つめていた。4人は「は?誰お前?」みたいな顔をしているがそれにも構わず少女は話を進めた。

 

「京都の時は不戦勝で終わっちゃったけどもう同じようには行かないヨ!」

 

 京都の時と聞いてカズキ達はようやくハッとして思い出した。

 

「お、お前は・・・・・えーっと、なんだっけ・・・・ミスターポポ‼」

「かみさまぁー」

 

 某ドラゴンボールの神様の付き人と間違えられた少女は気が抜けたようにずっこけた。

 

「ちげえよポポじゃねえよ・・・・キキ、ララみてえな名前だったよな」

「お前ちげえよこのやろうぅ」

「たっくん、それポポじゃなくてボビーになってる」

「で、お前ボビーだっけ?」

 

「違うヨ!?ココ!私の名はココ‼その一人の猛妹ネ!」

 

 乱世の奸雄こと曹操の末裔である四人姉妹の一人猛妹ことココはぷんすかと怒って名乗るがカズキ達は不思議そうに首をかしげており納得していないようだ。

 

「なんかアリアに似てね?」

「妹?」

「いや2Pカラーだな」

「じゃあ今日からお前はルイージだ!よろしくな、ルイージ‼」

 

「お前たち私の話を聞くネ‼」

 

 ユアンに続いてココまでもが怒り荒れる。そんな彼女をカツェは苦笑いして宥めて落ち着かせていく。カズキ達の様子を見ていたユアンはジト目で呆れていた。

 

「本当にこいつらで大丈夫なの?」

「心配すんなって、まじめにふざけているけどやるときはやる4人だから・・・・それでココ、何の目的であたしたちの前に現れた?」

 

 ようやく本題に入れたことにココは咳払いして再び好戦的な笑みを浮かべてカズキ達を見つめた。

 

「率直に言うネ、お前たちココの家来になってココと一緒に香港藍幇を乗っ取るネ!」

 

 単刀直入な頼みごとにカツェは驚く。まさか荒れている内部情勢を利用して乗っ取ろうとしている輩がいるとは思いもしなかった。

 

「お前何考えてんだ!?無茶苦茶だろ!」

「ふふふ、そんなことないネ。上海藍幇との抗争で弱ってル。香港藍幇、今諸葛いない。これ好機アル!ココ達が乗っ取ってキンチにやるネ!私たちの株跳ね上がるヨ!」

「明らかにあたしらを利用する気満々じゃねえか‼」

 

 怒るカツェにココはちっちと指を振る。カズキ達のことを考えているとは思っていないとカツェは不服そうお睨む中ココは話を進めた。

 

「その間にお前たち諸葛助けル、そうすれば諸葛お前たちの仲間ナル。お互いに利益あって大助かりネ!」

「どうみてもあたし達のリスクが大きすぎるだろ・・・・」

「カツェお前に聞いてないアル。お前たち、私達に協力するヨロシ!」

 

 話を聞いてたのか聞いていないのか、明後日の方向を向いていたナオト以外の3人にココは尋ねた。

 

「いいかお前ら、これは明らかにあたし達を利用するつもりだ。むやみに承諾しちゃry」

「いいよ!」

 

 ドヤ顔で即答してサムズアップするタクトにカツェはずっこけた。

 

「なんか楽しそうだし!このホンコンカンフーマスター、東京のジャッキーチェンと呼ばれた菊池タクトにかかればホホイノホイだぜ‼」

「やるのはいいが・・・・俺達に協力を要請するってことは手におえない相手がいるのか?」

 

 ナオトの問いにココはどきりとして視線をそらし口笛を吹く。どうやら一筋縄ではいかない相手がいるようだ。

 

「いるんだろ?あいつのいた香港藍幇城があっという間に乗っ取られるわけがねえんだ」

 

「・・・・・上海藍幇からおっかない奴が来たネ。まさか董卓が左慈を連れてくるなんて思いもしなかったヨ」

 

 左慈という名を聞いてカツェは「マジかよ…」と口をこぼした。左慈は何者なのか、カズキ達は首を傾げた。

 

「サジって誰?匙加減の人?」

「ちげえよ、左慈は藍幇一の仙術士だ。あいつが董卓の味方をするなんてな・・・・結構おっかねえぞ」

「左慈だけじゃないネ。梁山泊とかほかにも刺客を沢山引き連れてきたヨ!」

 

 ココの焦り様からして今の香港藍幇がかなり危うい状況になっていることをカツェは理解したがカズキ達はほんわかしていた。

 

 





 スカイブロックに西部劇にフォールアウト・・・・しばらくできなかった間にめちゃくちゃ進んでておっかなびっくり
 急いで追いつかないと・・・・!

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