カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 今回はすごく短めです
 投稿が遅くなります、申し訳ございません(焼き土下座


132話

 ローマがフィウミチーノ空港にてケイスケ達は荷物を抱え空港内を大急ぎで駆けていた。ケイスケとカズキが必死の形相だがタクトは胃もたれをしているのかやや気分が悪そうな様子だった。

 

「ちょ、まちぇっと‥‥そんなに急がなくてもいいじゃん」

 

「急ぐんだよバカ!?誰のせいでフライトに遅れそうになってると思ってんだ‼」

 

 気分が悪いタクトに対しケイスケは容赦なく叱る。それもそのはず、トリエラやディーノ達と再会でき同窓会がうやむやになったのでディーノのアジトにて盛大にパーティーを開いた。その際にマシュマロを限界まで食べる無限マシュマロや全自動卵かけ御飯やピザ食べ放題や夜遅くまで大騒ぎした結果、寝坊はおろかタクトが胃もたれを起こしてしまった。

 

「イタリアからすぐに香港に飛ばなきゃなんねえってのにお前何呑気にトイレに行ってたんだよ!?」

「しゃあねえだろぉ!うんこは出るもんだぞ!」

 

「わちゃわちゃすんなや‼ディーノさんが急ぎの車用意してくれたからなんとか間に合ったしいいじゃねえか。それにお前らナオトに殆ど荷物を任せすぎだっての!ナオト、お前も文句いったれ」

 

 カズキはやれやれと肩を竦めて後ろについて来ているであろうナオトへと後ろへ振り返る。だが振り返ってみれば行き交う人々の姿が見えるだけでナオトの姿は無かった。

 

「‥‥あ、やべ。ナオトまた迷子だ」

 

「はああああっ!?お前ふざけんなや!ちょっと探すからお前らここで待ってろ!」

「わ、私もナオト様を探してきます!」

 

 ケイスケとリサが慌てながら人混みの中へと駆けこんでいく。沢山の荷物と共に残されたタクトとカズキはポカンとしたまま見つめ合う。

 

「やばい、する事がねえ。たっくん、胃もたれ音頭歌ってもいい?」

「やめてくれ、なんだか余計に胃もたれしそう‥‥あぁ~リサー、ヘルプミー」

 

それなら仕方ないと互いに沈黙したままケイスケ達が戻てくるのを静かに待とうとしたがやはり我慢できない性か、カズキが変顔をしながらタクトを笑わせようとしタクトが吹いたのが始まりで僅か数秒で二人の悪ノリは解禁された。

 

「Yeah!たっくんは!ピザを食べすぎて‼胃もたれだYO‼」

「イエェェェ‼絶賛胃もたれ!」

 

 カズキが変顔をしながら変なラップで歌い始めタクトはカズキの変なラップに合わせてくねくねと変な踊りをしだす。行き交う人々は視線は向けるが関わったらいけないとすぐに見て見ぬふりをしていく。

 

「うっせーばか」

 

 不思議な踊りをする二人をケイスケが背後から拳骨を入れた。拳骨を入れられて頭を抱えている二人だが彼の帰りの早さに驚きを隠せなかった。よくみればケイスケとリサの後ろには眠たそうにしているナオトとディーノとトリエラ、そしてカツェがいた。

 

「ナオトは迷子になってたし、あんた達二人は変な踊りをしてるし、ほんと変なことして楽しそうにしてるんだからまったく」

「どこへ行っても賑やかだな。ほらタク坊、忘れ物だ」

 

 ディーノはタクトにローマから香港への飛行機のチケットを5枚渡した。慌てて出たせいかチケットまで忘れていたことにタクトとカズキは驚きの声をあげ、ケイスケはため息をついて呆れた。

 

「あっぶねー‼まじで忘れてたぜ!」

「ありがとディーノさん‼それで、カツェはどうしてついてきたの?」

 

「あたしはセーラに頼まれたんだ。いわば交代ってやつ?」

 

 カツェ曰く、セーラは物凄くくたびれた様子でカツェにカズキ達の同行を後退してくれと頼んできたという。更にはサラコからしばらくローマにいる間、タクトの同行から遠山キンジの護衛をやってくれと頼まれたようで、セーラは『胃痛から解放されるチャンス』とみてカツェに必死に頼み込んできたようだ。

 

「しかも依頼料の70%はくれるみたいなんだぜ?あの銭ゲバのあいつがここまで頼むなんて相当なんだな」

「セーラちゃん、最近疲れてたもんね。何かあったのかな?」

「うーん……わかんね」

 

 彼女の胃痛の原因でもあるタクト達は考えてみたがやっぱり彼女の胃痛の原因はわからなかった。

 

「それに、あたしはちょくちょく任務で藍幇に訪れてるし連中の内部情勢にもあっちの地理にも詳しい。力になれると思うぜ?」

 

 カツェはフンスと自信満々に語って胸を張る。そんなカツェにトリエラがニヤニヤしながら小突いた。

 

「本当は意中の人と一緒に行動できるからウキウキしてるんでしょ?」

「ブッ!?バッ、バッカじゃねえの!?そ、そんなんじゃねーよ!?」

 

 カツェは顔を赤くしてあたふたと慌てふためいているが、カズキは不思議そうに首を傾げていた。

 

「っておい!?急がねぇとフライトに間に合わねえぞ!?」

 

 ケイスケが腕時計で時間を確かめると駆け足で行かなければこの時間に乗る香港行きの飛行機に間に合わなくなる。

 

「タク坊、ローマはキンジや俺達がいるから心置きなく香港ではっちゃけてこい!」

「久しぶりに会えて楽しかったわ!次は何やらかすのか楽しみにしてるからね‼」

 

「ディーノさん、トリエラちゃんありがとねー!次会うときは世界でやべえスーパー武偵になってるかもしれねえから楽しみに待ってて!バーーーイ‼」

 

 タクトは二人に向けて笑顔で手を振りながら荷物を抱えたケイスケに引っ張られて武装職従事者専用のゲートへと急ぎ足で向かっていった。途中、またしてもナオトが反対の方向へと勝手に一人で行きそうになったので大慌てで止めて迷子を未遂で止めていた。

 

____

 

「うおぉ……まじかこれ」

「流石はたっくんの母ちゃんだなこれ」

 

 カズキとケイスケは驚きのあまり言葉が思うように出なかった。サラコから貰った飛行機のチケットで座れる座先はいつものエコノミーでの座席ではなく、またビジネスでもファーストのクラスでもなく、政治家や要人が乗るような完全個室或いはVIP専用のような広い部屋だった。

 

 タクトは大はしゃぎで大きなソファーにダイブし、ナオトは冷蔵庫を漁りジュースを開けて飲もうとしていた。

 

「たっくん、やばいぞ。そこのテレビ、カラオケ機能がついてる」

「ナオトまじか!?よし、景気づけに朝まで歌いまくろうぜ‼」

「お前らそんなことしてる場合じゃないだろ!これから香港に行くっていうんだからよ!」

 

 カラオケを付けようとしたナオトとタクトにカズキがプンスカと怒りながら止めた。やる気にはなっていることにカツェは感心して頷く。

 

「香港に行くんだから……中華料理でも頼もうぜ‼なんかデリバリーできるみたいだしさ!」

 

「うんやっぱりそうだよな!こいつら緊張感ってもんがねえもんな!」

 

 やっぱりこうなったかとカツェはずっこけそうになった。しかしこのままほったらかしにしておくわけにはいかない、カツェは気を取り直してカズキ達を止める。

 

「カズキ、中華を頼みたいのはやまやまなんだが…まずはお前たちに今の藍幇の情勢を知っておく必要がある」

 

 

「ねえ藍幇ってなに?」

 

 タクトはきょとんとしていきなり訪ねてきたことにカツェは揺らぎそうになった。どうして今更こんなことを聞くのか、まさか本気で知らなかったとか。

 

「たっくん、あれだけセーラに言われてもう忘れたのかよ」

「トイレと一緒に流して忘れたんじゃないの?」

 

「お前失礼だな!俺はそう簡単に忘れねえぞ!あれだろ、藍幇って……パンダの名前だろ!」

 

「ちげえよ!?一から説明するから忘れんじゃねえぞ!」

 

 再び気を取り直してカツェは藍幇について説明をした。藍幇は上海を本拠を置く大規模な秘密結社、中国政財界の大物が幹部を務める拝金主義の組織でもあり学校や企業を抱え、非戦闘員を含めると100万を超える人員が存在している。

 

「そんで、藍幇は上海に拠点にした武力派が多い『上海藍幇』と香港を拠点にしている支部で穏便派が多い『香港藍幇』に二分されている。カズキ達が会いに行く諸葛静幻ってのは香港藍幇のまとめ役だ」

 

「ずっと気になってたけどさ、その諸葛うんたらってなんか諸葛亮みたいな名前だよな」

 

「当たり前だ。あいつは正真正銘、諸葛亮孔明の子孫だよ」

 

「マジで!?あの軍師で、『今です』とか言って隠しブロックしかけるあの軍師か!?」

 

 軍師なのは間違いないが隠しブロックとは何ぞやとカツェは不思議そうに首をかしげるが話をつづけた。

 

「大抵の藍幇の戦闘員や幹部は三国志や梁山泊といった中国の歴史上の人物の子孫や末裔が多い。お前たちが会ったココは曹操の末裔、呂布はもうそのまんま呂布の子孫だ」

 

 歴史人物、英雄や武将で有名な人物は必ずと言って程戦闘力が高く厄介な奴が多いがカズキ達はそこまで気にはしないだろうとカツェは苦笑いする。

 

「藍幇は『戦役』で遠山キンジとの戦いで敗れ、眷属から師団へと鞍替えした。その影響もあってかアジアでは藍幇が睨みを利かせて眷属の連中が暴れないように戦役が終るまで抑えていたんだ。だが、問題が起きたのはその後だ」

 

「何かクーデターみたいなものでもあったのか?」

「お腹空いたとか」

 

 

「香港藍幇のまとめ役、諸葛静幻の病が悪化し床に臥せてしまったんだ。もとよりあいつは不治の病に侵されていててな、戦役の時に無理をしたのが仇となってしまったみたいだ」

 

「それが起きた問題なのか?」

 

「いや、厄介なのはその次。諸葛静幻が病に臥せたことを期に後継者争いが勃発したんだ。このまま静幻による持続かまたは彼の意志を継ぐことを望むハト派と上海藍幇が香港藍幇を吸収して香港を確実に支配するタカ派に二分して内部争いに発展しちまっている」

 

 諸葛静幻亡き後、香港の裏事情をどうするか香港藍幇をどうするかで諸葛静幻の意志と香港を守る者と上海藍幇による完全な統括と支配を支持する者で二分してしまった。

 

「上海藍幇は前までは過度な武闘派じゃなかったんだが、幹部である董仲穎が当主補佐に成り上がった途端に上海藍幇は香港藍幇に牙をむくようになった」

 

「そこまで香港藍幇を支配したがるなんて何かあんのか?」

「あそこに誰にも見せたくない恥ずかしい写真とか隠してたとか」

「おいしいメロンパンのレシピ」

「わかった!黒歴史のポエム集だろ!」

 

 そんなわけがあるか。いつの間にかピザのデリバリーを頼み、カラオケをつけて呑気に楽しんでいるカズキ達を見てこけそうになった。

 

「支配したがる理由はあたしも分からないけど、考えたくねえがこの一件にNが絡んでるかもしれねえな。それから気を付けろ、香港はもう内部争いの場になっている。下手に動くと襲われるかもしれないからな」

 

「大丈夫大丈夫!三國無双はやりこんでるから余裕っしょ!」

「最近はOROCHIもやってるから俺たちに死角はねえぜ!」

 

 タクトとカズキはどや顔で語った。どこでまたはそんな理由で自信がどうしてつくのか、カツェは頭を抱えた。





 中国もネタがいっぱい

 三國無双に恋姫にまじ恋にそしてFGO…ごっちゃごちゃになる未来しか見えない(白目

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