カオスな4人衆!?最強のSランク武偵を目指せ‼   作:サバ缶みそ味

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 大分遅れてすいません‼
 
 9周年記念!(大遅刻

 大分時が経過してた‥‥
 あとモチベーションって大事



127話

 どうしてこうなったのか、フレイヤは憤りが止まらなかった。本来ならば豪華客船をジャックし神崎かなえを乗客諸共抹殺、一方で猿楽製薬の私設部隊による地上部隊が制圧しつつ遠山キンジを暗殺と計画通りに進むはずだった。

 

 しかし公安や武偵達が結託し地上部隊は壊滅、豪華客船では菊池サラコを台頭に菊池財閥の者達に人質は奪われ逃げられる始末。計画のなにもかもが破綻してしまった。

 

 それも全てあの何を考えているのかさっぱり分からない、行動もハチャメチャな喧しい4人組のせいだ。フレイヤは豪華客船の唯一かなり広い空間、ダンスホールで部下達を待機して待っていた。恐らく奴等は必ずここへ来るだろう、あの憎ったらしい4人組が現れたら一斉掃射してハチの巣にしてやろう。

 作戦は失敗に終わってもあの4人組の首をとれば今後邪魔する者はいなくなるはずだ。フレイヤは額に青筋を浮かべながら彼らが現れるのを待っていた。

 

 フレイヤの読み通り、奴等は来たようだ。荒々しく扉が開かれ、フレイヤは部下達に一斉に銃口を向けるよう手で指示を出す。

 

 

「カズキ、ケイスケ、ナオト、たっくん!援護するぞ‼」

「フレイヤ!あんたを逮捕するわ!」

 

 入り込んできたのはあの騒がしい4人組‥‥ではなくアリア、キンジ、白雪、理子、ジャンヌとセーラだった。予想外の事態に両者ポカンと呆気に取られて立ち尽し沈黙が流れる。

 

「‥‥‥」

「‥‥‥」

 

 両者互いに辺りを見回す。いくら見渡しても彼らの姿は無いし一向に現れる様子すら窺えなかった。

 

 

「なんであいつ等じゃなくてあんた達なのよ!?」

「なんであのバカ共が先に来てないのよ!?」

 

 フレイヤとアリアはカズキ達が現れなかったこと、彼らが先にフレイヤと接触していないことに怒声を飛ばした。

 

「あいつら迷子か寄り道してるんだろうな‥‥」

「たっくん達だもんねー‥‥」

「まあそんな気がした‥‥」

 

 キンジ、理子、セーラは静かに頭を抱えた。彼らの事だからこんな事になっているのだろうと予想はしていたがまさか本当のことになってしまうとは。

 

 

「でもまあ‥‥抹殺対象が自ら転がり込んできたことは嬉しい誤算だわ、貴方達を殺せば目的が達成するのだから!」

 

「こっちこそあんた達をぶちのめして、ママを殺そうとしたことを一生後悔させてやるんだから!」

 

 フレイヤの合図で黒ずくめの部下達がキンジ達を狙って一斉掃射してくる前にジャンヌが剣を床へ突き立て氷の壁を形成させ銃弾の雨霰を防いだ。

 

「よし、理子頼んだ!」

「くっふふー、任せてっ!」

 

 理子は持っていた鞄から大量のスモークを弧を描くように上へと投げたあちこちに散らばるスモークから大量の白い煙が巻き上がりフレイヤ達の視界を遮っていく。頃合いだとキンジはデザートイーグルをホルスターから引き抜いてリロードする。

 

「今だ、行くぞ!」

 

 フレイヤは黒い剣を引き抜いて辺りを見回しながら慎重に後ろへと下がる。周りからは銃声と部下達の悲鳴、駒を先に始末して敵大将を孤立させるつもりなのだろう。すると白い煙幕の中からジャンヌがフレイヤに向かって飛び出してきた。

 

「フレイヤっ!覚悟‼」

「なめんじゃないわよ、ひよっこが‼」

 

 ジャンヌの剣が振り下ろされる前にフレイヤの黒い剣が速く薙ぐ。ジャンヌは気づくが反応が遅れため防御に間に合わない。横腹に黒い刃が当たる寸前、白い煙幕から白雪が飛び出して刀で受け止めた。刃と刃がぶつかり大きな金属音が響く。

 

「‥‥っ!重い‥‥!」

 

 己の剣よりもフレイヤの剣が力強く強烈な一撃だった。白雪は何とか受け止める事はできたものの重い一撃は腕を痺れさせた。そんな白雪に対しフレイヤは嘲笑う。

 

「あんた達の剣は貧弱よ、貧弱‼」

 

 不敵な笑みを見せるフレイヤは煙の中からキンジとアリアがこちらを狙い撃とうとしているのに気付いた。アリア達が引き金を引く前にフレイヤは舌打ちしてすぐさま白雪を弾き飛ばし、ジャンヌを蹴り飛ばして後ろへと下がる。フレイヤは軽く剣を振ってアリア達が撃った弾丸を全て切り落とした。

 

「全部斬った‥‥!?」

「っ!流石は元イ・ウーNo2『斬撃のレギンレイヴ』という訳ね‥‥」

 

 舌打ちするアリアに対し、フレイヤは肩を竦めて視界を遮る白い煙を蠅を払うような眼差しで見渡す。

 

「いい加減視界の邪魔になるわね‥‥」

 

 フレイヤは黒い剣を強く握って軽く横へと振った。振ったその直後、突風が巻き起こった。フレイヤの周りに巻き上がっていた白い煙が一瞬にして彼方へと吹き飛ばされ辺りが鮮明になる。驚いた表情をしているキンジ達にフレイヤは嘲笑う。

 

「これぐらい朝飯前。それに、たった一薙ぎで貴方達の首を飛ばすのも簡単なのよ?」

 

 嘲笑うフレイヤにアリアはイラッとして睨み返す。自分達を完全になめている事にアリアは苛立った。

 

「言ってくれるじゃない。でも‥‥そんな余裕な面をしているのも今のうちよ?」

「その通りだな。誰かが言ってた、勝ち誇ってるやつは既に負けてるとか」

 

「ふん、言葉だけは達者ね‥‥やれるものならやってみなさいな‼」

 

 キンジとアリアが駆け、フレイヤは迫る二人に向けて不敵な笑みを見せて剣を振ろうとした。

 

 

 その時、フレイヤの後方にある壁が爆発して破壊された。突然の爆発に両者驚いて爆発した方へと視線を向けた。

 

「だから考えも無しにいちいち爆破して壊すな‼」

「しょうがないだろ、タブレット失くしたし何度も扉を開けるの面倒くさいし」

「お前ら!俺の話を無視して勝手に動くなっての‼」

「おーおー‥‥ここはダンスホールかー。あっ、アリアとキンジだー、スポーン!」

 

 壁を壊したのは本来アリア達よりも先に豪華客船彼岸丸に着いていたはずのカズキ達だった。結構呑気してた彼らにアリアはプチンと堪忍袋の緒が切れたのをキンジは悟った。

 

「あんた達‼どこで何をしてたのよ!?」

 

 怒声と飛ばすアリアに対して、タクトがけろっと、スッキリした笑顔を見せた。

 

 

「うんこ‼」

 

「大きな声で答えなくていい‼」

 

 キンジとアリアは先ほどまでのテンションがだだ下がりになってしまった。彼らの話ではフレイヤを探しにあちこち駆け回っていたら食堂に行きついてタクトがつまみ食いしすぎて突然トイレに行きたくなりトイレへと駆けこんでいった。

 そしてその際に持っていた地図が表示されていたタブレットを失くし、カズキの直感のまま探すが道に迷い、タクトをトイレに行かせたままほったからししていたのを思い出してタクトを探し回った。漸く合流したが探すのが面倒になったナオトが手当たり次第壁を爆破して探すという蛮行に乗り出し、カズキが迷子になるというトラブルになりながらもやっとここへと辿り着いたとのことをケイスケが語った。

 

「もう滅茶苦茶‥‥」

 

 話を聞いたセーラは呆れるしかなかったがキンジは話を聞いて胃が痛くなってきた。こんな状況でもブレないのは流石と言うべきか呆れるべきか。

 

「さあ俺達が来たからにはもう大丈夫だ!」

 

「いや別に苦戦はしてないんだけど」

 

 その時、プチンとフレイヤまでもが堪忍袋の緒が切れた。フレイヤは黒い剣を強く握って下斜めに薙いだ。

 振り終わったその直後にタクト達が立っている床が斜めに切り崩された。斜めへスライスされたかのように滑り落ちていく。突然のことにカズキ達は慌てだした。

 

「おわっ!?なんか落ちてるー!?」

「お前ら走れ!」

「おたすけえあれー!?」

 

「早くこっちに!じゃないとそのまま落ちる‼」

 

 カズキ達は大急ぎでセーラ達の下へと駆けつけた。彼らがいた場所が斜めへと切り崩され滑り落ちるように海へと大きな水飛沫を飛ばして落ちていった。

 

「あんた達のせいで‥‥あんた達のせいで何もかもが滅茶苦茶よ‼もう容赦はしないわ、全員船ごと切り刻んでやるわ‼」

 

 激昂するフレイヤにキンジとアリアは戦慄する。彼女の剣の腕前だけでなく全てを斬る能力とこの船をきれいに切り落として沈める気に焦りを感じていた。

 

 が、タクト達はそんな彼女に平然としていた。

 

「あいつメッチャ怒ってるじゃないか、たっくん後で謝っとけ?」

「めんごめんごー、でも短気は損気っていうぞ☆」

「キレてる奴なら楽に対処できる」

「今なら隙だらけだ、たっくん突撃して自爆だ!」

 

 

「お前ら余計に相手を逆撫でるなよ!?」

 

 相手を恐れないどころか余計に逆撫でいくスタイルの彼らにキンジはツッコミを入れた。だがキンジの言う通り逆撫でられたフレイヤは額にもう一つ青筋を浮かべて黒い剣を振ろうとした。

 

「させるかっ‼」

 

 振り終わる前にジャンヌが剣を振って受け止める。その瞬間に金属音が強く響き渡り震動と風圧が広がっていく。強い衝撃を受けたようでジャンヌの剣と腕が震える。

 

「邪魔‼」

 

 フレイヤは勢いよく剣を振ってジャンヌを剣ごと弾き飛ばす。追い打ちをかけるようにもう一度剣を振ろうとしたが横からナオトが迫ってきた。フレイヤは舌打ちして剣を横へと薙ぐ。驚いたナオトは咄嗟にサバイバルナイフを取り出して受け止めた。

 

「いまだー、ナオトの援護だ!」

「あいつ勝手に行きやがって、強者か?」

 

 チャンスだと判断したタクトとケイスケは腰のホルスターからステアーM9とグロッグ17Lを引き抜いて撃っていった。フレイヤはナオトを蹴とばして撃ってきた弾丸を斬り落とし、彼らの真上の天井に向けて強く剣を何度も振った。タクト達がいる真上の天井が賽の目に斬られ、切り崩されていく瓦礫が落ちてきた。

 

「あぶねぇっ!?あいつつまらぬもの斬り過ぎだろ!?」

 

「というかあんた達なんで拳銃なのよ!背負ってるアサルトライフルとか何で使わないのよ!?」

 

 慌ただしく退避していくカズキ達にアリアがずっと気になっていた事を聞いてきた。いつもならアサルトを持ってドンパチとやらかすのだが今日は珍しく宝の持ち腐れ状態になっている。そんなアリアにカズキはドヤ顔を見せた。

 

「ふっ、弾切れ」

「かっこつけて言う事じゃないでしょ!?」

「手榴弾とか爆弾ならあるぞ?」

「使わんでいい‼」

 

 船を切り崩していく敵がいるというのに爆弾で余計に壊されてはたまらない。そうしている間にフレイヤがまた天井と床を切り崩していった。このままでは全員海に落ちるか船ごと斬られるかのどちらかになってしまう。

 

「ジャンドゥーヤちゃん、大丈夫?」

「ジャンドゥーヤじゃない、ジャンヌだ!私は心配ない、だが奴の剣の一撃は重い‥‥」

 

 剣で受け止めればフレイヤの能力を打ち消すことはできるのだがその一撃は強烈で何度も受け止めることはできない。

 

「私や白雪の剣で受け止めるのがやっと‥‥何かいい手はないか‥‥」

「じゃあ剣貸して?」

「は?」

 

 タクトの突然の申し出にジャンヌは面食らった。一体彼は何を考えているのか見当もつかない。

 

「ば、バカ者!この剣は代々受け継がれた聖剣デュランダルだ!そう簡単に貸せるわけないだろ!?」

「じゃあ白雪ちゃん、刀貸して?」

「ええっ!?い、一応聞くけど、何かいい手が思いついたのかな‥‥?」

 

 白雪の問いにタクトは自信満々に胸を張る。

 

「かっこいいから‼」

「絶対に貸すものかバカ者‼」

 

 絶対に貸してはいけない気がしてきた。貸した瞬間、すぐに全ロスしてしまう気がしてならない。そんな中、セーラがジャンヌに耳打ちしてきた。

 

「ジャンヌ、貸してやって」

「なっ!?そ、そんなわけできるか‥‥!」

「たっくんならフレイヤに意表を突くことができる‥‥」

 

 どういうつもりなのかとジャンヌは迷った。今はキンジ達が拳銃を撃ってフレイヤと攻防を繰り広げている。本当に打開できるのかと迷ったが、止む無しとジャンヌはタクトに聖剣デュランダルを貸した。

 

「絶対に無くすな、絶対に無くすんじゃないぞ‼」

 

「よっしゃあー!今なら何かエクスカリバーとか放てそうな気がする!」

「たっくん、そのままフレイヤに迫って」

「おっけーい‼この伝説の人斬り抜刀斎と呼ばれた暗黒騎士菊池タクトに任せとけぇぇぇぇっ‼」

 

 タクトはおもちゃを貰った子供のようにはしゃいで変な構えのまま走っていった。叫びながらフレイヤめがけて突っ走るタクトに気付いた理子がギョッとする。

 

「ちょ!?たっくんが剣持って無謀に突っ込んでいくよ!?」

 

「よーし、たっくんを囮にして撃つぞー!」

「たっくんごと撃つか」

 

「援護をしなさいよ!?」

 

 タクトを援護するためにアリア達は一斉に撃っていく。邪魔な無駄弾だとフレイヤは舌打ちして斬り落とし、無防備に突っ込んでくるタクトをどうやって両断しようかと狙いを定める。そのまま横に薙いで斬ってやろうと決めて薙ごうとしたその時ナオトがスモークを投げ、セーラが狙って射る。一気に吹き上がる白煙に遮られ、剣が止まる。

 

「っ!?」

 

 一瞬だけ虚をつけられたが真正面から迫る人影が見えたのでこのまま剣を横へと薙ぐ。素人の剣じゃ防ぎきれないだろう、フレイヤは勝ったとほくそ笑んだ。

 

 が、真正面から飛び出して来たのは白雪だった。フレイヤの薙いだ剣は彼女の刀で受け止められた。フレイヤは驚きタクトが何処へ行ったのか急ぎ見回す。

 

「おらああああっ‼フタエノキワミーっ‼」

 

 強風が吹いて煙が吹っ飛んでいくと、タクトが真横から剣を受けから振り下ろそうと迫って来た。隙をつかれたフレイヤは目を見開く。

 

 タクトが振り下ろされた聖剣デュランダルはこのままフレイヤに直撃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 することなくタクトの手からすっぽ抜けていった。

 

「ちょっ、私の聖剣んんんっ!?」

 

 明後日の方向へと飛んでいった聖剣デュランダルをジャンヌは必死の形相で追いかけていく。

 

 予想の遥か斜め下を突き抜けていったタクトの行動にフレイヤは意表を突かれ動くことができなかった。その隙を逃さなかったカズキはベレッタPx4で狙い撃つ。カズキの撃った弾丸はフレイヤの籠手に直撃し、その衝撃でフレイヤは剣を落とした。そしてアリアが迫ってフレイヤの腕を掴み背負い投げで投げ倒し、銃口を向けた。

 

「本当はあんたが私のママを危険な目に遭わせたことに頭に来たから腕の一本でも折ろうかと考えたけど‥‥これで我慢してあげる。観念なさい」

「‥‥っ」

 

 憎悪に満ちたフレイヤの怒りの視線にアリアはものともせず手錠をかけた。アリアは漸く決着がついたとほっと一息つくが後ろで喧しい声が響いたので安堵しきれなかった。

 

 

「へへーっ、どうよ俺のシュナイピョング‼敬意を敬え?」

「噛んでるし意味が違うし台無しだなお前」

「というか俺のおかげでしょ‼この伝説のスーパーウルトラデラックスダイナミックエアスラッシュで勝利を導いたんだからな!」

「たっくん、ジャンヌが鬼の形相で迫って来てる」

 

 ジャンヌがタクトにコブラツイストをかましてタクトの奇声が喧しい程響いた。セーラは相変わらずと呆れてため息を漏らす。そこへキンジが苦笑いして歩み寄って来た。

 

「セーラ‥‥わかっててやったな?」

「当たり前でしょ、たっくんが剣を使えるわけが無い」

「だから隙ができた、か‥‥たっくんらしいけどさ」

 

 二人は肩を竦めて奇声で叫ぶタクトを見つめた。





 エアスラッシュ(空振り

 そういえば緋弾のアリア最新刊はキンちゃんが女装して女子校に潜入してましたね
 そんなキンちゃんにたっくん達と合流してしまったら‥‥(ゲス顔

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