ハイスクールD×D~地双龍と混血悪魔~   作:木の人

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103話

「初めまして、ユーグリット・ルキフグスです」

 

 

 暗闇で染まっている周囲を輝かせる銀髪の男が俺達の目の前で自らの名前を名乗った。その声、その顔はいくらふざけていようと忘れるわけがない……俺の、いや俺達の逆鱗に触れた馬鹿野郎だからこそ忘れるわけにはいかない。でもおかしい……確か俺の記憶が正しいなら一切の慈悲すら与えず何回もボコっては夜空の回復能力で復活、そして相棒が持つ「苦痛」で徹底的に痛めつけて原型すら残さずぶっ殺したと思うんだがなんで生きてんだ? というよりもなんでリゼちゃんの声を聞いても嫌悪感が無かったのかその理由が今分かったわ! だって偽物なんだからあるわけないですよね! やっぱりスゲェなリゼちゃん……俺にここまで生理的に無理だと思わせるとか悪魔の鏡だわ。流石ルシファー! 今度会ったら褒めてあげようっと。

 

 さてそんなどうでも良いことは置いておいてだ……マジで何で生きてんだコイツ? あーもしかしてリゼちゃんが持って行った聖杯の力かねぇ? あんだけボコボコにしても魂は無事でしたとかちょっと最悪な気がするぞ……! ちっ、これだったらもっと痛めつけて魂の奥底まで俺達の怒りの恐ろしさを教えておけばよかったな。

 

 

「ルキフグス……! お義姉様と同じだなんて……!! いえ、それよりも一つだけ確認するわ――あなたはリゼヴィム・リヴァン・ルシファーに協力するルキフグス家の者なのかしら?」

 

「その問いに対する答えはYESです。こちらはルキフグスの悪魔として生まれました。しかし先ほど名乗ったのに何故確認を……あぁ、そういえばあのお方から現ルシファーに嫁いだルキフグスの者がいると聞かされていましたね。失礼、こう見えても生まれてから一月も経っていませんのでこの世界の情勢には疎いのです」

 

 

 地上で眷属と共に魔法使いと交戦していた先輩が怒りを抑えながら冷静な表情で目の前の男に問いかけると何事も無いかのように答えが返ってきた。そう言えば最強の女王ことグレイフィア様の身内なんだっけか? その辺りは本気でどうでも良いから置いておくとして――今なんて言いやがった? 生まれてから一月も経って無いと言ったよな……? どういうことだ?

 

 その疑問を確かめるように視線を静かに平家に向けると若干あり得ないと言いたそうな表情のまま小さく頷いた。アイツのあの表情、そして頷いたって事はマジで生まれたてのガキってことかよ! 基本的にキチガイで病みやすい性格をしているあの平家がガチで引くってことはかなり特殊な生まれ何だろうな! うん、マジで大丈夫かお前? なんだったら俺の心だけ読んどけよ? それよりもマジでリゼちゃんってば何をしたのか俺様、凄く気になります! あとさぁ……なんで悪魔の癖に龍の気配を感じるんだろうねぇ!!

 

 

「生まれてから一月も経っていない……? 馬鹿にしているのかしら?」

 

「いえ、真実ですよ。あぁ、説明をしなければ分かってもらえなさそうですね? 心を読む覚妖怪がこの場にいると聞いて対峙した瞬間にこちらの存在を知り、既に説明していると思っていました」

 

「はぁ? うちの平家を勝手に説明役なんかにすんじゃねぇよ。確かに言わなくても分かってくれるから俺的には覚妖怪最高! だがテメェの玩具みてぇなことを言うなっての……殺すぞ」

 

「これは失敬。()()と同じ末路にはなりたくありませんのでこちらから説明させてもらいましょう。しかし話をする前に――」

 

 

 パチンと銀髪男が指を鳴らすと地上で逃げ回っていた魔法使い達が一斉に黒い鱗のドラゴンに変異した。理性を失ったように血走った眼で周囲を見渡し、敵と判断したのか犬月達に襲い掛かる……が実力差は歴然ってな。そもそも俺と剣状態のドラゴン大好きすぎて殺したいなチョロインを除けばキマリス眷属最強の四季音姉妹にノワール君依存率ナンバーワンな覚妖怪、基本的に万能で耐性何それ美味しいのな水無瀬、歌って踊って殴りに行く橘、そして鬼の四天王に鍛えられた犬月が相手だから余裕ですね。普通に殴り飛ばしたり首を落とされたりして逆に刈られてます! うわぁ、ヒデェなおい。

 

 周囲がそんな状態のため銀髪男の話を聞くために先輩と一誠、生徒会長と副会長が上空に浮き、他の面々が地上で暴れている邪龍もどきを掃討という流れになった。ところでヴァーリ? お前は何かしないの? なんか腕組んで俺カッコイイなポーズしてるけど少し遊ぶとか何かしないわけ?

 

 

「失礼。予想していましたが魔法使い達があまりにも弱すぎたので補強させてもらいました。流石に下等な人間だと貴方達を相手にするには力が足りませんでした」

 

「いや普通に考えればムリゲーだろ。お前……このメンツを相手に勝てると思ってたならただの馬鹿だぞ?」

 

「あのお方が魔法使い達だけ引き連れて行けば面白くね☆ と言っていましたのでそれに従っただけですよ」

 

「あー余裕で言いそうだわ。なっ、ヴァーリ」

 

「……悪いがヤツに関する話題を俺に振らないで貰いたいな」

 

 

 うわ、地味にキレてんじゃん……気持ちは分かるけど!

 

 

「さて私という存在についてお教えしましょう。あのお方、リゼヴィム様も許可していますのでね。リアス・グレモリー、貴方が気にしていたであろうグレイフィア・ルキフグスとの関係ですが――血の繋がりだけで言うならば姉弟です。もっとも私は会った事も話した事もありませんが」

 

「……どういう意味かしら?」

 

「先ほども言ったでしょう? こちらは生まれてから一月も経ってはいませんとね。この容姿は先代ユーグリット・ルキフグスとしてのもので間違いありませんが中身というべきものは全くの別人です。何故ならばこちらは()()()()()()()から生まれた存在であり、グレイフィア・ルキフグスの母からは生まれていませんよ」

 

「……全ての母? まさかとは思いますがリリスから生まれたと言っているのであればそれはあり得ません。何故ならリリスは遠い昔に行方が――」

 

「分からないと言いたいのであればご自由に。ソーナ・シトリー、聡明な貴方ならばこちらの言葉が真実であると理解できるはずだ。あぁ、勿論これは貴方達も同じですよ。ノワール・キマリス、ヴァーリ・ルシファー様、兵藤一誠。少なからず察しているのでしょう? こちらから漂っている龍の気をね」

 

『……あぁ、気に食わねぇ匂いがプンプンと匂ってんぜ雑魚ちゃんよぉ!! ゼハハハハハハハハ! 俺様達の逆鱗を前にしてビビった挙句に幼児退行しやがったクソ雑魚が今更何の用だぁ? また殺してほしいんだったら望み通りにしてやるぜ!』

 

「これはこれは影の龍ですか。先代ユーグリットが失礼な事をしまして申し訳ありません。しかしご安心を……何故こちらが生み出されたのかをご説明しますと――先代ユーグリット・ルキフグスの魂があまりにも貴方達、いえ地双龍のお二人に恐怖を抱いていたからです。あのお方曰く、魂の芯まで恐怖を植え付けられ戦う事はおろか地双龍に蹂躙され、何度も殺されては生き返り、そしてまた殺される幻覚を見続けているようです。邪龍達の反乱によって戦力低下を埋めるために冥府の神と交渉したのですが全くの無意味に終わったみたいです」

 

 

 マジかよ。誰だよそんな酷い事をしたのは! きっと最高にイケメンで性格最高! ヤンデレすら許容して腋が大好きな超絶イケメンとこの世界において女神と表現できる超絶美少女にして性格最高! 自由奔放な規格外様なんだろうなぁ! しっかし冥府で俺達をビビってるとか雑魚過ぎるだろ……元はと言えばお前が余計な事をしなかったら殺されなかったってのにさぁ! なんか俺達のせいにされるのって気に入らねぇんだけど! ただあの骸骨神は殺す。リゼちゃんと同じように殺す。絶対に殺す。

 

 先輩達からのマジかって視線をスルーしながら目の前に居る銀髪男を見る。確かに俺の前に居るのはあの時殺した男だ……声も全く同じ。違うとすれば実力ぐらいだろう……なんだコイツ? 夜空にボッコボコにされるってのはまぁ、普通にあり得ることだから良いがそれにしても強くなり過ぎじゃねぇか? 全ての悪魔の母から生まれた……生徒会長と同じく普通に考えるのであればリリスから生まれたって考えるのが自然だ。でも俺も親父からリリスは遠い昔に行方が分からなくなったって聞かされてたんだが実際は違う……あっ、そうだよ。リゼちゃんってルシファーとリリスから生まれてんじゃん! うわぁ、行方ぐらいは知っててもおかしくはねぇよなぁ……!

 

 

「――なるほど。確かにヤツならばリリスの行方を知っていてもおかしくはないか」

 

 

 ヴァーリも気づきやがった。いや当然か……アイツはリゼちゃんと血が繋がってるしなぁ。

 

 

「流石はあのお方の血を引く白龍皇。えぇ、本来であれば隠し続ける事ですが宣言しましょう――我々クリフォトは悪魔の母たるリリスを保有しています! そして母から生まれた()ルキフグスがこちらの正体です。もっとも別の遺伝子も混じっていますがね」

 

 

 銀髪男の手が異形のものへと変わる。赤い鱗をした悪魔ではないもの――ドラゴンの腕だ。ちっ、この龍の気は間違いない……! 一誠と同じ、いやドライグのものだな。あぁ、クソが……アポプス達がリゼちゃんを嫌う理由がなんとなく分かった気がする。確かにこれは従う気が失せるってもんだ。

 

 

「ドラゴンの腕……悪魔であり、ドラゴンだというのですか?」

 

「YES。そちらであれば分かるでしょう――赤い龍、ドライグ」

 

『――あぁ、分かるとも。貴様……! 何故俺と同じ龍の気を発している!! 似ているどころか全く同じともなれば話は別だ! 俺が宿る神器が相棒に宿っている限り、同じ気を放つなどあり得ない!』

 

『そうとも! 私の最大の友、ドライグが宿る赤龍帝の籠手は兵藤一誠が保有している! 何故お前はドライグと同じ鱗を! 龍の気を保有している! リゼヴィム・リヴァン・ルシファーが私の友を模倣し、お前に与えたというのであれば容赦はしない!』

 

「……悪いが俺もアルビオンと答えは一緒だ。俺の宿敵である兵藤一誠、そしてアルビオンの最大の友、ドライグを真似たのであれば白龍皇としてお前を殺そう」

 

「あっ、俺は気になったけど心底どーでも良いんで続けてどーぞ」

 

 

 一誠がマジで? って顔をされたが宣言通り割とどうでも良いわけが無い! はい、俺も若干だがキレそうです。だって目の前の男から感じるオーラって寸分の狂いもなく一誠と同じなんだぜ? しかも生み出したのがあのリゼちゃんだって言うなら俺達に対する嫌がらせの一つや二つや三つぐらいは仕込んでてもおかしくはない。あの~そろそろ夜空ちゃん来ません? 二天龍と地双龍でボッコボコにするとか歴史的に残る大事件レベルで面白い状況だと思うんだが登場しても良いんだぜ!

 

 

「……流石は最強の白龍皇、その殺気だけでこちらの闘争心に火が付きそうです。ハハハ、しかし模倣ですか……残念ですがそれとは少し違いますね。何故ならこの身は先代ユーグリット・ルキフグスの遺伝子と赤い龍ドライグの肉体の一部、兵藤一誠の肉体から抽出したドライグの魂のデータで構成されていますからそうですね――ドライグの力を宿した悪魔というのでしょうか?」

 

 

 何言ってんだコイツ?

 

 

「……マジで何言ってんだコイツ。普通におかしくなってねぇか?」

 

『ゼハハハハハハハ! 現実逃避とは珍しいじゃねぇの宿主様! だがよぉ、マジだぜ? あの気配、あの鱗、俺様達と殺し合ってたドライグのものと全く同じだ! クソ雑魚ちゃんがドライグの肉体を使っただぁ? ゼハハハハハハハハハハハハハッ!! 殺されてぇか?』

 

『全くおかしなことを……! 我ら二天龍は聖書の神によって封じられた存在! 肉体など……肉体、など……ドライグ、私達の肉体はどうなったか覚えているか?』

 

『三大勢力によって切り刻まれたことは覚えているが聖書の神によって封じられた後は覚えてはいない。あぁ、そうだ! 俺とアルビオンの肉体がどこにあるかなんて今まで考えもしなかった!! 貴様! 俺の肉体に何をした!!!』

 

 

 一誠の籠手から怒りに満ちた声が響き渡る。気持ちは分かる……なんせ相棒もガチギレ寸前だからなぁ! 誇りあるドラゴンとして戦い、聖書の神に封じられたのはまだ許容できるかもしれない……だが自分の肉体を好き勝手に利用されるのは殺したくなるぐらい嫌なはずだ。あぁ、分かってるさ……もし相棒の肉体を利用したって言うなら確実に殺す! 俺のもう一人の父親とも言える相棒を侮辱するような行いは絶対に許さねぇし許す気すらねぇ! とりあえずリゼちゃんは見つけ次第、殺すかぁ。

 

 

「ドライグがここまで怒るってことはアイツの言ってることはマジなのかよ……! 確かにドラゴンっぽい感じはするけどそんなに似てるのか……? 」

 

「……イッセー、少なくとも私にはあの男が発するドラゴンのオーラはイッセーと同等のものよ。何度も龍の気を吸い取っていたんだもの間違いはしないわ!」

 

 

 一誠は分かっていなさそうだがお前を知っている者なら目の前に居る男から感じるドラゴンの力が全く同じものだって理解するはずだぜ。現に地上にいるグレモリー眷属の面々も銀髪男を警戒してるしな。

 

 

「なるほど。討伐後、行方が分からなかったドライグの肉体を利用したか……ヤツならば面白半分で利用するだろうな。さて、覚悟は良いな? 先ほども言ったが俺は白龍皇として、アルビオンの友としてお前を殺さなければならない。赤龍帝は兵藤一誠ただ一人、その力は二人も必要ない」

 

《その通りだ。ヴァーリ・ルシファー、その男の存在は我らドラゴンにとって許されるものではない》

 

 

 怒りを含んだ声が周囲に響いた。俺達とは別の場所に現れたのは司祭服に身を包んだ男――アポプスだ。あっ、久しぶり! 同窓会以来だが元気だった?

 

 

「よぉ、アポプス。久しぶり」

 

《久しぶりですね。クロム、ノワール・キマリス。おや? ユニアは来ていないのですか……キマリス領が襲撃されたと聞いてニーズヘッグは人間達の下へ向かい、ユニアも同じように動いたはずですが?》

 

「はぁ? 夜空は兎も角、ニーズヘッグもか?」

 

《ニーズヘッグは貴方に食料を恵んでもらった恩を返すと言っていましたよ。恐らく今も愚かな人間を食料と認識して捕食しているでしょうね》

 

 

 マジかよ……いや確かに同窓会の時に持って行ったお菓子とか食わせたけど恩返しされるようなものじゃないぞ? でもニーズヘッグ、ありがとよ。もしまた会えるんなら美味い飯屋にでも連れてってやるし特別だ! 水無瀬が作った料理も食わせてやる! てか夜空ちゃん!? マジでどこに居るの!? いい加減出てきても良いんだぞ!!

 

 とか思っていると背中に何かがのっかってくる感触があった、この匂い、鎧で分からないがこの重みは! はい夜空ちゃんですね分かってます! お前が来るのを待ってたぜ! というよりも本当にどこに行ってたのか教えてくれませんかねぇ?

 

 

「もうしっつけぇ~! あっ、ノワールじゃん。やっほー! すっげぇ忙しくて来るの遅れたけど許してねぇ~?」

 

「いや怒る気はねぇけど忙しかった……? キマリス領に現れた魔法使いでも殺してたのか?」

 

「んなことするわけねーじゃん。私がやろうとしてたのは魔法使いがいっぱいいるところに行ってぶっ潰すって事だし! まぁ、あらかたぶっ殺したんだけどね。雑魚が私の……に手を出そうとするとか耐えられねぇもん! でさぁ~聞いてよノワール!! 魔法使いを殺してたらいきなり変な女が現れてさぁ~なんか変なこと言ってきてちょーキモかったんよ! でもユニアが逃げろってマジで言うから今の今まで逃げてたんだけどさ……ムカつくけどね」

 

「は?」

 

 

 夜空が、あの夜空が戦いもせずに逃げを選択した? おいおい……マジかよ! ユニアですら逃げろって断言したほどの女が現れたってのか!? いや待って……じゃあ、キマリス領に現れた変な女って誰だ?

 

 

『えぇ、誠に遺憾ではありますが先ほどまで夜空と私は逃げていたのですよ。まさか影の国から外へ出てくるなどとは思っても居ませんでした……!』

 

『おいおいユニア……その口ぶりだとあのクソババアが現れたって聞こえるぜぇ! マジか、おいおいマジかよ!!』

 

『えぇ、マジです。彼女曰く、優秀なドルイドを捕獲して働かせるという理由のようです……いきなり夜空の前に現れて「お前の師匠として鍛えてやる」とルーンを駆使して捕獲しようとして来ました。あぁ、今思い出しても屈辱です……!!』

 

『あんのババア!! とうとうボケやがったか!! 師匠だぁ!! あぁ、クソがぁぁぁ!!!! テメェの脳内では俺様達も弟子って認識かぁ!! 魔術書の件と言い今回の件と言い!! 殺したくなってくる!!』

 

『なんだと……! スカアハが動いたというのか! 冗談はよせユニア! あの女は影の国から外に出る事をかたくなに拒んでいただろう! いや、そもそも現世に興味を示すはずがない!!』

 

『しかしユニアの口ぶりからするとドライグ、事実かもしれん……ヴァーリ、興味を持ったところ悪いがスカアハには関わるな。あれは相手にするだけ無駄だ……下手をするとクロムやユニアよりも頭のネジが狂っている女だからな』

 

 

 天龍と双龍である相棒達ですらこの反応って……マジでどんな女なんだよ? まさかキマリス領に現れた変な女ってスカアハじゃねぇだろうな……? おいおい冗談じゃねぇぞ! なんで影の国の女王様がアポなしで遊びに来てんだよ! いや違うな……夜空の所に現れたんだったらキマリス領に居るわけがない。マジで誰だ……?

 

 

《なるほど。クロウが動かなかった理由も分かりました……確かにあの女王は話が通じませんからね。さて新ユーグリット・ルキフグス、貴方の存在は我らドラゴンに対する侮辱に等しい。リゼヴィム王子に伝えてください――我ら邪龍は黙示録の獣(トラキヘイサ)を討つとね》

 

 

 アポプスの言葉に一番反応したのは先輩の眷属であるヴァルキリーちゃんだ。トラキヘイサ……? おいおいお前らはいったい何しようってんだ? ということで夜空! 説明よろしく! 平家に聞けばアポプスの心を読んで説明してくれるだろうがなんか大量に人が現れてる影響で若干体調悪そうだし休ませて置かねぇとな。あとなんだかんだでお前……アポプス達と連絡とり合ってるだろ? だから除け者にしないで俺にも教えてくださいお願いします! 影の国の女王も気になると言えば気になるがな!

 

 

「……なぁ、夜空」

 

「ん? なにさ?」

 

「スカアハ云々はどうでも良いとしてトラキヘイサってなんだ?」

 

「ん~アポプス達が言うにはグレートレッドの対存在らしいよぉ? ほらえーと黙示録って奴ぅ? それに出てくる獣だってさ。そうそう聞いてよノワール!! アイツら馬鹿なんだよ! アポプスもアジ・ダハーカもグレンデルもラードゥンもその獣と殺し合ってみたいからって理由で裏切ったんだよ? 凄くない! 最強の獣だよ! トンでも無いぐらい強いんだってさ! まぁ、興味ねーけど」

 

《馬鹿とは心外ですね。ドラゴンならば抱いて当然の欲望ですよ……グレートレッドと並ぶ獣の頂点、我ら邪龍がどこまで戦えるかを確かめてみたいのです! 既に我らは滅んだ身、戦いの果てに敗れ世界が終わりを迎えたとしても私達には関係ありません。新ユーグリット・ルキフグス、貴方達クリフォトがトラキヘイサを使役し、異世界へ進出するのならば我ら邪龍はトラキヘイサとの戦いを目標としています。アジ・ダハーカ、グレンデル、ラードゥン、八岐大蛇も同意しています》

 

 

 もっともクロウはドラゴンの行く末が見てみたい、ニーズヘッグは世界中の美味しいものが食べたいという欲を優先するみたいですがとアポプスは付け加えるように言ったが……ニーズヘッグ、お前なんか可愛いな。他の奴らが最強の獣と戦いたいとか言ってるのに美味しいもの食べたいとか……もしかして同窓会の時に食ったお菓子が原因か? おいおい、もしそうなら今までどんなもの食ってたんだよ? 仕方ねぇなぁもう! 後でお菓子類大量に持って会いに行くから思う存分食いやがれ!

 

 ニーズヘッグへの好感度が一気に上昇しながらアポプスが言った黙示録の獣について考えてみる。最強の獣……グレートレッドの対存在ねぇ。確かに黙示録って奴には獣の存在が描かれているとか獣の数字がどうたらってのはホラー番組なんかで何度も話題になるから存在はするんだろう。でももしそうなら今の今まで全く話題にすら上がらなかったのはなんでだ……? グレートレッドと渡り合えるほどの存在ならオーフィスと同じように世界中から危険視されてもおかしくは無いんだが……まさか誰も知らなかった? いやだったら黙示録に描かれることはしないはずだ。知っていた奴が居たがあえて周りに教えなかった……ってことは考えられるか。ただ問題はなんで隠そうとしたかだな。いや、これに関してはどうでも良いか。だって俺には関係無いし。

 

 あとすっごくどうでも良いんだが八岐大蛇さん、復活したんですか? えぇ……まさか冗談半分で言った別れた魂を一つにしようぜって奴をマジでやったわけ? おいおいなんでそんな面白いことを黙ってやるんだよ! 呼べよ! 俺だって見てみたかったわ!!

 

 

《この場に現れた理由はクリフォト、及びD×Dに対して宣言をするためです。そしてこの場を借りてクロム、ユニア、ヴリトラ。貴方達に問いかけます――私達に協力してもらえますか?》

 

 

 アポプスの問いにその場にいた全員が俺達の方を向いた。元士郎に関しては地上で戦ってたため攻撃の手をやめることになったがな……まぁ、安心しろ。俺は、俺達は変わらねぇからさ。

 

 

「夜空、一緒に言おうぜ」

 

「ん? べっつに良いけどぉ~せーの!」

 

「協力するわけねぇーだろ」

「協力するわけね―じゃん」

 

 俺と夜空の言葉が重なる。だよな……その言葉しかねぇよな!!

 

 

「アポプス、お前なんか勘違いしてるぞ? 俺はな――夜空と殺し合って、夜空とどうでも良い事を話して、イチャイチャしたいだけなんだよ。最強の獣と戦う? 異世界? ゼハハハハハハハ! 馬鹿じゃねぇの」

 

「そんなのに興味持つわけねーじゃん。まぁ、面白いってのは分かるけどそんな事をするよりノワールと殺し合って、くだらねぇ事を話して、残った人生全部使ってノワールと一緒に居たいだけだし。あはははははははは! ばーかばーか! やりたいなら勝手にすれば? でも先に言っておくけど――私達の邪魔をするなら殺すよ」

 

「俺も同意見だ。アポプス、最強の獣と殺し合うのも異世界行くのもお前達の自由だ。そんなの俺が止める理由にはならねぇ……が! 戦いの果てに世界が滅んでも構わないねぇ? ふざけんな。俺達の楽しみを邪魔する気か? そのセリフは現在(いま)を楽しんでいる俺達に喧嘩を売るって事で良いんだよな」

 

「正直さ、世界を滅ぼすんならノワールと一緒に滅ぼしたいんだよね。私も現在(いま)が楽しい! すっげぇ楽しい! だからそれを邪魔すんなら絶対に殺す」

 

 

 あぁ、そうだ。俺達は何も多くは望まない。覇王になるだとか最上級悪魔になるだとか本当にどうでも良いんだよ……ただ俺は夜空と一緒に現在を楽しみたいだけだ。何でもない日常を、クソつまらない平和を、最高に楽しい殺し合いを、親父達のように仲良く夫婦生活を送りたいだけなんだ……! 毎回毎回それを邪魔しようとしてくる奴らは何なんだよ!! ムカつくんだよ本当にな!

 

 

《なるほど。ではヴリトラ、貴方はどうですか?》

 

「『……嫌だね。悪いけど協力なんてするわけないだろ! お前達に協力したら……このD×D学園で未来に向かって進もうとしている子供達まで消えちまうかもしれない! アポプス……俺は、先生になりたいんだよ。名誉も地位もいらない! ただ、子供達が誇れる先生になりたいだけだ! くだらないなんて言わせねぇ! これは俺の……邪龍としての欲望だ!! 違う言葉でもお前と同じ欲望なんだよ!! それに……会長の夢はまだ始まったばっかりだ。これからも俺は会長の近くで手助けしたいんだよ! それを邪魔するなら――殺すぞ!!!』」

 

 

 纏う鎧から放出された邪炎は周囲の邪龍もどきを一瞬で灰にする。やっぱり最高だな元士郎……! 誰にも文句を言わせない、誰にも邪魔はさせないという強い欲望(おもい)が俺の心にまで響いてくるぜ! それで良いんだよ……! 邪龍なんだ、好き勝手に自分の欲望に忠実で何が悪い! アポプス達の欲望も否定はしない。だけど俺達の邪魔をするなら殺す! 我儘と言われようと、狂っていると言われようと関係ない……! これが俺達なんだからな!

 

 

《そう言うと思っていました。残念です……が同じ邪龍です、自らが抱いた欲望が優先されるのは当然の事。文句は言いません。では今回は此処で失礼します……あとはご自由に、八岐大蛇》

 

 

 アポプスがその名を呼ぶと地上に魔法陣が展開し、紫色の炎が周囲に広がった。燃え滾る業火の中心にいるのは剣を携えた黒髪の男で胸の中心には十字架の形をした炎が灯っている……ゼハハハハハハ! なるほどな! あれが八岐大蛇か! 中々の殺気じゃねぇの! この世の全てを恨んでいるかのような極悪な感じが俺の心にまで響いてきやがる……! アポプスはその男が登場すると同時にこの場から消え去ったが銀髪男は紫炎の炎を放つ男の登場に動じることなく、まるで観察するように距離を取った。流石に警戒ぐらいはするよな……しかも傍に居るリリスを自分の目の前に立たせるほどの警戒っぷりときたもんな。別にダッサとかは言わねぇし、俺も同じ立場だったら同じようにするだろう。

 

 そんな事は置いておいて同窓会で聞いた話だと神滅具の一つ、紫炎祭主による磔台と聖剣だったか何かに八岐大蛇の魂が分けられて復活してたんだっけか? 恐らくそれを一つに統合した結果があの男なんだろうが……なんかヤバい気がする。あの炎を浴びている邪龍もどきがもがき苦しみながら死んでいるところを見るとただの聖なる炎って感じじゃなさそうだ。下手をすると掠っただけでも死に直結するかもしれねぇ……平家、聞こえてるな。

 

 

「うん。皆、あの炎を浴びたら普通に死ぬから気を付けてね。悪魔に大ダメージな聖なる炎に猛毒が付加されてる……ノワールなら苦しみながらも再生して戦えるかもしれないけど私達だったら数分も持たないかも」

 

「……マジデ? 王様レベルじゃないとまともに戦えねぇとかなんなんだよこい、コイツゥ!? あっぶねぇ! 掠るところだった!!」

 

「『犬月! 会長! 皆! 俺の後ろに下がれ! 炎が相手なら俺だったら問題ねぇ!!』」

 

 

 元士郎が叫ぶと全員後退し始める。漆黒の邪炎を男目掛けて放つと応戦するように紫炎の炎を放出し、互いの炎がぶつかり合った。これ、冬だったら暖かいなぁで済むけど夏とかだったら地獄だよな……サウナ以上に熱いし。いやそもそもどっちも触れただけで死に直結する炎だから近づくなって感じだけどさ!

 

 

「ヴリトラの炎か……邪魔をしないで貰えないか?」

 

「『ふざけんな! 手当たり次第に炎を広げてる奴がそんな事を言うんじゃねぇよ!』」

 

「周りに虫が飛んでいたから消していただけさ。それと僕の目的は紫藤イリナって女の子を殺すだけだ。それ以外の存在には興味はないよ」

 

「……なんだと!」

 

 

 一誠が一瞬で転生天使ちゃんの近くへ移動して護るように戦闘態勢へと入る。なるほど……殺気だけでどれだけ殺したいかは良く分かる。いったい何をすればここまで恨まれるのかねぇ? もしかして清純そうに見えて実際は極悪だったりする? うわぁ、堕天使化待ったなしですね! まぁ、冗談だが……だって殺すと宣言された本人は何が何だか分からないって感じで戸惑ってるし。

 

 

「あ、あの! も、もしかしてどこかで、会ってたりしますか……?」

 

「……そうだね、キミが小さい時に会った事はあるかな。もっとも僕の顔なんて覚えてはいないだろうけどね。いや良いんだ。キミはここで殺されてくれればそれで十分だ」

 

「悪いがそれはさせねぇよ! イリナに何の恨みがあるか知らないけど俺の幼馴染をはいそうですかって殺させるわけねぇだろ!!」

 

「イッセー君……」

 

「恨みなんて無いさ。その子には何も恨みなんて無い……ただ殺したいだけさ。その子を殺して局長が絶望する姿を見たいだけだ。邪魔をするならキミも死んでもらおう」

 

「上等だ! どっからでも――」

 

 

 やる気十分な一誠を止めたのは元士郎だ。まぁ、デスヨネ。だって見た感じあの男が相手だと一誠じゃ相性が悪い。相棒から聞いたが八岐大蛇には魂を汚染する毒を持ってるらしいから近づいてきたところをはいバーンって感じで燃やして殺す事も可能だろう。だから元士郎の判断は正しい、あれは俺か元士郎のようなタイプが戦うべきだしね。

 

 

「匙! なんで止めるんだよ!!」

 

「『少し頭を冷やせって。さっき炎をぶつけてみて分かった……兵藤、お前だと相性が悪い。多分だけど俺か黒井のようなテクニックタイプじゃないとまともに戦えねぇよ』」

 

「っ!」

 

「『だからさ、アイツは俺に任せてくれ。紫藤は同じD×Dの仲間だ、殺させたりなんてするもんか! だから兵藤……お前はさっきから俺達を見下ろしてるユーグリットって奴を頼む! ヴリトラが教えてくれてるんだ……アイツは俺達ドラゴンの生き様を侮辱してるってな!』」

 

「……悪い、匙!!」

 

 

 ドラゴンの翼を広げた一誠は上空で佇んでいる銀髪男と向かい合うとなんとヴァーリも同じように並び始めた。え? まさかまさかの二天龍共闘ですか? うわぁ、ちょっとワクワクしてきた! よっしゃ! 乗るしかねぇなこの流れに!!

 

 

「なぁ、夜空」

 

「ん~どったん?」

 

「なんか一誠とヴァーリが共闘するっぽいぜ?」

 

「っぽいねぇ。なになに! やっちゃう?」

 

「ゼハハハハハハハハ! やるしかねぇだろ!!」

 

 

 影の翼を広げ、夜空と共に一誠とヴァーリの隣に並ぶ。手を貸してくれるのかって感じで見つめてくるけど勘違いするな……俺達の敵は銀髪男なんかじゃねぇよ! ソイツはお前達が殺すべき相手だ、俺達じゃない……だからさ! お膳立てっぽい事をしてやるよ!

 

 

「一誠、ヴァーリ。その銀髪男はくれてやる。だがリリス……オーフィスのそっくりちゃんは貰うぜ。どんだけ強いのか確かめてぇからな!!」

 

「うんうん! やっぱさぁ~最強だって言うなら倒してみたいじゃん! にへへ~共闘共闘! 曹操のせいでオーフィスが最強じゃなくなったから代わりって奴ぅ? でも面白そうじゃん! 二天龍と地双龍が同じ場所で共闘とかさ!」

 

「リリスとたたかう? リリスはつよいってリゼヴィムがいってた。だからかてない」

 

「ゼハハハハハハ! そんなのやってみねぇと分からねぇだろうが!! 平家、レイチェル! 悪いが今からこの偽龍神様と殺し合うからお前らの指揮をしてる暇はねぇ! まぁ、あれだ……いつも通りって奴な! 精々巻き込まれないように犬月達を頼むぜ!」

 

 

 地上から元気な声で返事をしたレイチェルと静かな声で返事をした平家の言葉が聞こえる。やっぱり良い女達だと思いながら手に持っていたグラムを適当な場所に放り投げると抗議の声とも言える呪いが飛んできた。だって邪魔だし……お前は黙ってその辺に居る邪龍もどきを相手にしてなさい! それから犬月! お前もうわぁって感じで見るな! 戦ってろ! 四季音姉妹に水無瀬に橘もだ! 精々死なないように戦ってろ!

 

 目の前でシュッシュと拳を突き出しているリリスを見た瞬間、ヤダちょっとかわいいと思ってしまったがそれはそれ、これはこれだ! 恐らく癒しを求めてるんだろうな! うん! きっとそうだ!

 

 とまぁ、くっだらない事を思っているといきなり上空にに巨大な魔法陣が展開されて何かが落ちてきた。黒い鱗に巨人のような体……どう見てもグレンデルですありがとうございました! おいおい……何しに来やがった?

 

 

『グハハハハハハハハ! 俺様の登場だ! おいおいテメェら!! なにクソ楽しそうなことしてんだぁ!! 混ぜろや! テメェらだけ楽しそうなことしてんじゃねぇぞぶっ殺すぞ!!』

 

「よぉ、グレンデル。いや楽しそうって言われても返答に困るんだが……てか見てたのかよ?」

 

『おうよ! 八岐大蛇が呼ばれたって聞いてよぉ、アジ・ダハーカの術でさっきから観戦してたってわけだ! もうじきラードゥンも来るぜ? てなわけで俺様も混ざるぜ! グハハハハハハハハハハ! サイラオーグ・バアルってのはどいつだ!!』

 

「……俺だ」

 

 

 威風堂々とした態度で巨大な姿であるグレンデル相手に臆せず前に出たのはサイラオーグだ。やべぇ、カッコイイ!

 

 

『テメェか!! 拳がスゲェってバアルってのは! じゃぁ、殺ろうぜ? 楽しい殺し合いをよぉ!!』

 

「――了解した。目の前の邪龍は俺をご指名らしい。俺の拳を味わってみたいというのであれば加減はしない! 覚悟しろグレンデル!!」

 

『グハハハハハハハハ!! 良い殺気だ! 楽しめそうじゃねぇの!!!』

 

「……グレンデルさん。あまり近くに居ると燃やしますよ? しかし僕はただ紫藤イリナを殺したいだけなんだが……仕方ない。ヴリトラが相手ともなれば油断できそうにない」

 

「『こっちも油断なんかするかよ! 悪いけど俺に燃やされるか帰ってくれるまで止める気はねぇからな!』」

 

「ヴァーリ。悪いが手を貸してくれ!」

 

「構わない。アルビオンもそれを望んでいるからね……それに俺の宿敵は兵藤一誠、キミだ。ドライグの力を持つ者はキミ以外に存在してはならない」

 

「二天龍が共闘、中々の光景です。先代ユーグリットも心を熱くしたでしょう。では、こちらの力を思う存分見せて差し上げよう!」

 

「右見ても左見ても殺し合いとか豪華すぎねぇかおい……まぁ、良いか! ゼハハハハハ! ドラゴン達によるちょっとしたパーティーって思えば良いか! 夜空、楽しめそうか?」

 

「とーぜん! 滅茶苦茶ワクワクするぅ!! つーわけで足引っ張んないでね?」

 

 

  グレンデルと対峙するのはサイラーグ、八岐大蛇と対峙するのは元士郎、銀髪男と対峙するのは一誠とヴァーリ、そして俺と夜空はオーフィスのそっくりちゃんことリリス……自分で言っておいてなんだが滅茶苦茶面白いじゃねぇの!

 

 こうしてドラゴン達による楽しい宴が始まった。




これが私の、いえドライグの力ですよ――全ての悪魔の母より生まれた者、ユーグリット・ルキフグス。

新ルキフグスとして生まれた悪魔は赤い翼を広げ、戦場を舞う。

アルビオン、力を貸してくれ――「赤い龍」ドライグ
構わないさドライグ、お前の友として当然の事だ――「白い龍」アルビオン
俺だって弱いままじゃねぇんだ! だって俺は……皆を護るおっぱいドラゴンだからな!――「赤龍帝」兵藤一誠
お前の存在はドラゴンに対する侮辱だ。だからこそ俺達の手で消えるが良い――「白龍皇」ヴァーリ・ルシファー

最弱だった者と最強である者が手を組み、ドラゴンを侮辱する愚か者へ戦いを挑む。

リリスはつよい、ぜんぜんきかない――無限の力より生まれた少女リリス

お菓子を食べながらも絶対的な力を放ち続ける。

とりあえず全裸にして腋チェックだな――「影龍王」ノワール・キマリス
まーた変態なこと言ってるし。とりあえず死ねよ――「光龍妃」片霧夜空

相思相愛な邪龍夫婦?は普段通りに楽しく殺し合う。

おうおうどうしたぁ!! その程度かよぉ獅子王の拳ってのは!!――「大罪の暴龍」グレンデル
この拳、その鱗を砕いて見せよう! グレンデル殿……今より俺は暴力を纏う!!――「獅子王」サイラオーグ・バアル

拳と拳、男同士による遠慮無しの殴り合いは激しさを増す。

邪魔をするな! 僕は、必ず復讐を果たさなければならない! その果てに破滅が待っていたとしてもだ!!――「霊妙を喰らう狂龍」八岐大蛇
お前の復讐ってのには興味なんかねぇ! でもな……俺のダチに言ったんだよ! 任せろって! だったら引くわけにはいかねぇんだ!――「黒邪の龍王」匙元士郎

復讐と憎悪の聖なる炎と愛する者の夢を叶えたい邪悪な炎がぶつかり合う。

※新年一発目の嘘予告ですので変更される恐れがあります。

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