それが嫌いな人は見ない方がいいかもしれません。
これって、タグ必要ですかね?
トロッコを降り、しばらく歩くと、こいしの言う通りドラゴンがそこにいた。
〈人間の匂い、侵入者。久しぶりの食事、邪魔なゴブリンもいない。殺す、殺す殺す殺す殺す。そして食べる、食べる食べる食べる食べる。〉
何か凄いことを言っている。
久しぶりの食事?
かなり虐待を受けたような傷も見てとれる。
〈残念だけど、私達はあなたに食べられに来たわけじゃないわ。そこをどいてくれるかしら?〉
〈人間は、食べてもいい。人間は、食べてもいい。人間は、食べてもいい。人間は、食べてもいい。〉
あ、これは話を聞いてくれない奴だ。
「コンスィー、ドラゴンにこの瓶を投げて。中には強力な睡眠効果のある薬よ。(小声)」
「分かった。(小声)」
ドラゴンの意識が、コンスィーに向かわないよう話を続ける。
〈そう、久しぶりの食事なんだ。〉
〈一週間、二週間。それよりもっと?数、数えたことがない。〉
おいおい、人間だったら普通に餓死してしまう期間。
ドラゴンでも、かなりギリギリのような気がする。
〈人間、何故、私と話せる?話せない奴、一杯。〉
〈魔法のお陰よ。ちょっと特殊な・・・ね。〉
コンスィーに合図を送り、瓶を投げさせた。
瓶はドラゴンにあたり、やがて眠りについた。
作戦は成功した。
「コンスィー、急いで取りに行くわよ。」
「分かった、お姉ちゃん。」
金庫の中から、ハッフルパフのカップを見つけるのは簡単だった。
カップはこれしかなかったし、かなり不用心だと思う。
双子の呪いがかかっていたけど、無効化したから問題ない。
さて変装できる残り時間は少ないけど、ドラゴンの治療が優先ね。
30分程をかけ、治療を行ったお陰で完全とは言わないけど回復した。
治療を終わると、ドラゴンは目を覚ました。
もう少し強めの睡眠薬が良かったと、少し後悔した。
〈人間、お前はいい人間。お前、食べるの、辞める。〉
治療したお陰か、食べることを諦めてくれたらしい。
〈そう。銀行(ここ)から逃げ出せるわよ、どうする?〉
〈ダメ。世間に、出てはならないドラゴン。私が出たら、ゴブリン達、ヴォルデモートに皆殺しにあう。〉
確かにやりかねないわね。
いや。
カップが盗まれている時点で、皆殺しにあうかもしれない。
〈そう。私達は帰るべき場所に帰るわ。機会があれば、また会いましょう?〉
〈機会があれば、また会う。〉
私達はそのまま地上を目指した。
コンスィーの能力を上手く使い、辞表を受理してもらって校長室へと赴いた。
『おかえりじゃ、梨花よ。』
日本語で話しかけた為、日本語で返す。
『これで後はハリーと蛇だけになったわね。』
コンスィーは驚きの顔をした。
『おじちゃんも日本語達者になったね。』
「まだまだ難しくて、上手く使いこなせて無いんじゃがな。」
「そんなことは望んでないわよ。所でハリーには?」
「・・・」
ダンブルドアが目をそらした。
いや、そらしたからってこの悟り目は心の中をみれるよ。
「はぁ、学校が始まったら伝えなさいよ。」
「も、もちろんじゃ。」
本当に言うのだろうか?
いや、絶対言わないな。
コンスィーがボソッと呟いた。
「お父さん・・・」
「へ?」
首を横に振るコンスィー。
「ごめんね、お姉ちゃん。何でもないの。でも・・・いやな予感がするの。」
血の繋がった親子だから分かる、危機感値能力かなにかかな?
私は何も感じ取れなかった。
「それは大変じゃ。すぐに高級クィディッチ用品店に向かうのじゃ。わしにつかまりなさい。」
三人は高級クィディッチ用品店へと姿現しをした。
・
・・・
・・・・・
「これはどう言うことじゃ。」
私もそう思った。
店内は誰かによって、荒らされた形跡が見られたからだ。
只事じゃない。
店の中を探したが、ロスベルクはいない様だ。
一体、どこに・・・
「オリバンダーなら、何か知っておるやもしれん。」
私達はダンブルドアの案内で、オリバンダー杖店へ訪れた。
しかし、そこにはオリバンダーはいなく、ロスベルクが倒れていた。
「‼︎お父さん。」
手を握るクレアに気づき、ロスベルクはそちらの方を向く。
「クレア・・・か。生きて・・いたか、よ・・・かった。」
「ロスベルクよ、一体何があったんじゃ。」
「ダンブルドア・・・さん、オリバンダーが・・闇の・帝王に・・連れて行かれました。」
「闇の帝王に?何故、何の為に。」
「闇の・・帝王は、最強の・・杖を・・・作らせる・・つもりだ。」
それは、やばい。
そんなことを許してしまったら、ダンブルドアとて勝てる見込みが減ってしまう。
「クレア、名前を・・変えろ。帝王は・・お前を知らんが、コンスィーと言う・・・名は珍しい。すぐ・・ばれてしまうだろう。」
「それは・・・」
ロスベルクの言葉に戸惑うクレア。
名前を変えることに、抵抗があるのかも知れない。
「一時的でいい、彼奴が倒れたら、戻してもいい。」
「クレアちゃんは私が守ります。」
ふっ、と笑うロスベルク。
「君なら、娘を、任せられるな。」
そう言うとそっと目を閉じた。
多分だが、もう・・・
「お父さん?ねぇ、起きてよ‼︎」
私はダンブルドアを見た。
ダンブルドアは首を横に振った。
私も横に首を振った。
クレアが落ち着くまで待ってあげよう。
・
・・・
・・・・
10分後クレアは泣き止み、ある程度落ち着きを取り戻した。
「ごめんね、もう大丈夫。」
「そう言えば、ロスベルクから手紙を貰っていたの。今から読むわ、覚悟はいいわね?」
「わしも聞いてよいかの?」
「うん。」
私は封筒から手紙を取り出した。
「これが読まれているということは、寿命で死んだか闇の帝王に殺された後だろう。寿命のこともクレアは知っているのかも知れないな。」
クレアが頷いた。
やっぱり知っていたようだ。
「伝えることは三つ。一つ目は死ぬ前に会えていれば、言うかも知れないが名前を奴が倒れるまで変更すること。コンスィーはロンドンに一軒しかない名前だ。万が一の為に変えておいてくれ。変えないまま、人生を過ごしても私は構わない。二つ目はこの店のことだ。正直な話、ついで欲しいとは思っていないが、やりたいのならやればいい。辞めるのなら、同封してあるものを燃やせば受理してくれる。」
中を確認すると、B8くらいの紙がそこにあった。
「最後に、学校について。三年になる前に入院してしまったが、もう一度入り直すためのお金は銀行に保管してある。クレアが働き始める頃には尽きてしまうだろう。これくらいしか残せるものはなくてすまない。」
「お父さん・・・私、店を継ぐ気はあるけど・・・ごめん。」
そう言うと、封筒の中に入っていた紙を燃やした。
「お父さんを思い出す物は記憶だけで十分だもん。」
改めて校長室へと戻る。
その後しばらく話をして、次の分霊箱であるナギニの所へと向かった。
ナギニはすぐに見つかった。
しかし、場所が問題だ。
いつもヴォルデモートの近くにいるのだ。
「お姉ちゃん、名前を決めてよ。」
「いいのかしら?私で?」
「うん。」
さて、どんな名前にしようかな?
英語の名前は浮かばないから、日本の名前でいいかな?
「古明地(こめいじ) こいし。私が昔住んでいた所で多かった名前なの。コンスィーをちょっともじって、こいしにしたけど・・・」
珍しい名前には違いないけれど、咄嗟的に浮かばないよそんなの。
「お姉ちゃんも古明地になるの?」
「そうね、私も古明地 さとりとでも名乗ろうかしら?」
さとりは前に紫に言われた、悟り妖怪から貰った名前だ。
「古明地・・・いい。私今から古明地 こいしって名乗る。」
どうやら気に入ってくれた様だ。
その後、ダンブルドアに名前の変更を報告した。
備考
・ドラゴンも眠る魔法薬
初心者が食らうと三ヶ月間、あの世との境を彷徨うことになるくらい強力。
某探偵が使っているやつとは、大違いだ。
・無効化された双子の呪い(原作変更)
こんな魔法があってもおかしくはないかな〜と思い、作りました。
・・・あったりするのかな?
・ロズベルク死亡
ヴォルデモートにとって、オリバンダーを誘拐するには邪魔な存在でしかなかった為、殺害。
こんな感じかな?
KAIKUN様の意見も捉えつつ、作者なりにエンドを決めました。
次回には大まかではありますが、わかると思います。