出来ればもう少し引っ張りたかったかなとは思うけど、ここがベストだと思う。
後悔はしていない。
数分後、やって来たのはハリー達だった。
「助けられたわね、ありがとう。」
「クレアちゃんは?」
「分からないわジニー。」
ジニーとクレアはちゃん付けで呼びあっている。
話の話題がジニーになると“ジニーちゃんが・・・”と話す。
かなりショックを受けているようにも見える。
次にやって来たのはスネイプ先生だった。
「君は自分の実力を見誤り、生徒が死ぬところだった。後数cmずれていたら、間違えなく亡くなっていたのだ。」
うわー、嫌味たっぷりで言われた。
「私は校長として何の力になれなかった。それは後悔しているし、見誤ったことには違いない。だからこそ校長の座を降りた。これでは足りないのかしら?」
「生徒が死にかけたのだ、それだけでは足りない。後、ダンブルドアから伝言だ。“動けるようになったら、校長室へ来い”だそうだ。」
そう言うとスネイプ先生は部屋を後にした。
○
退院できるようになると私は校長室に訪れた。
「待っておった。」
椅子に優雅に座っていた。
「ダンブルドア先生に話しておかないことがあります。ヴォルデモートの心を読みました。分霊箱なる物を作ったことも、そのおいた場所も・・・」
ピクッと眉が動く。
[おいた場所はどこじゃ?]
「まずはトムリドルの日記、これはハリーが破壊したものです。二つ目がマールヴォロ・ゴーントの指輪、ゴーント家に隠されているらしいです。ダンブルドア先生、それは探し当てていますよね。」
[破壊する予定じゃ、それ以外は何処にあるかの?]
「三つ目がスリザリンのロケット、ヴォルデモートが幼少期に訪れた洞窟にあるみたいです。四つ目がハッフルパフのカップ、ベアトリックスの金庫に保管されているらしいです。五つ目がレイブンクローの髪飾り、必要の部屋にあります。物を隠したいと願えばいいらしいです。六つ目はナギニ、ヴォルデモートが常に連れている蛇。」
そこで一旦言葉をきる。
ここからが私の推測と読み取った所を織り交ぜて話す。
「本来は本体の魂を含めて七つで魔法的に意味ある物ですが、予期もせず赤ん坊の頃に殺し損ねた際、その魂の一部がハリーに宿ったんだと思います。そのため、蛇語を理解したりヴォルデモートの感情を読んだり、夢でヴォルデモートの行動を垣間見たりといった、特殊なつながりが生まれたと考えられます。」
静けさが周りを支配する。
[ハリー達には]
「まだ誰にもいっていません。ヴォルデモートの元に偵察に行っているスネイプ先生にも・・」
[知っておったか。]
「心が読めるので・・・」
ダンブルドアは机の引き出しから紙を取りだした。
そこにはこう書いてある。
“9月に産まれしハーフの女の子は、闇の帝王に気に入られ、今後の世界の運命を握ることだろう。”
?
どういうことだろう。
ハリーが壊してしまったハリーの予告書?
でもハリーは7/31だから違うし、ハーフでも女の子でもないし・・・
「君の予告書じゃ。君の生まれ故郷、日本の魔法省にあったそうじゃ。」
ますますわからない。
私は10月産まれだと聞いているからだ。
「不思議に思って仕方ないようじゃの。」
「はい、どうして・・・」
「それについては私の友達から聞いたらどう?」
紫さんが始めて隙間から全身を出し現れた。
友達?
後ろを見ると・・・
「お母さん。」
「久しぶりね、背が縮んで可愛らしくなったわね。」
頭をナデナデし始めた。
「悪かったわね。」
若干赤くなる顔。
好き好んで小さくなったわけじゃないし。
「ふぉふぉふぉ、梨花の両親じゃったか。わしはアルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア。この学校の校長をしておる。」
「娘がどうも。笠倉家最後の一人、笹倉夏実よ。」
[あいつを除いてだけど]
?
あいつ?
「私のお母さん、晴海が最後に占った物の一部ね。お婆ちゃんの占いは百発百中の能力もあいまって、外すことがないの。月に1回、多い時には4回しか占わなかった。何故かは私にも不明なのよね。」
一旦間を開ける。
「笠倉家がなくなる日の2日前、魔法省の記憶の間に2つの予言書が置かれたわ。1つが“純血の血が1つ終わるが、その場にいない2人だけが受け継ぐ”。もう1つが“1977年9月に産みれし、日本人とイギリス人のハーフの女の子は、闇の帝王に気に入られ、今後の世界の運命を握ることだろう。闇に行けば世界が地獄とかし、光に行けば闇の帝王と対決するだろう。”」
「それが晴海の最後の予言じゃ。笠倉家という純血が終わりを告げたしの。」
「もう1人の受け継ぐ人って・・・小倉 渚さん?」
「そうよ、よくわかっているわね。貴方は9/21に誕生したの。私達は役所に嘘をついて10/3にしてもらったの、ゆかりんの力も使ってね。」
ふと思ったことを話した。
「過去に戻ったり、未来にいけば・・・」
紫さんが口を開く。
「無理よ。使えば産まれるだろう貴方に、何らかの後遺症が残ってしまう可能性もあるわ。私の呪文もそうよ。」
紫さん、貴方のそれは呪文じゃないです。
しばらく校長とお母さんの話が続いたが、不意にこっちを見た。
「貴方は?」
お母さん?
もしかしてぼけた?
「あぁ、ばれちゃった。流石お姉ちゃんのお母さんだ。」
そう言うと私の肩に乗り(肩車している感じ)、話を聞いていただろうコンスィーの姿が・・・
いつ間に・・・重さを感じなかった。
と言うか、ちゃんと生きていたんだ。
「もしかしてクレアちゃん?大きくなったわね、貴方にも確かに血が流れているのね。無意識を操る能力って言えばいいのかな?」
肩からコンスィーが降りる。
「なんで私がいると思ったの?」
「勘」
そ、そうですか。
「夏実そろそろ時間よ。これ以上ここにいると朝食が作れなくなるわよ。」
「そんなに経っていたの?梨花、プレッシャーになるかもしれないけど頑張りなさいよ。」
そう言って、2人は隙間の中に消えていった。
言われなくても頑張るよ。
(紫視点)
「貴方が来たってことは・・・」
小さく呟く夏実。
「考えていることで合っているわ。」
「そう。」
家に着くと最終調整をするらしいので10分程待つ。
最終調整も終わったと言った後、こっちを見てこう言った。
「また会えるといいわね。」
今にも泣きそうな顔しないでよ。
こっちも泣きそうよ。
「そうね。会えるといいわね。」
そう言って夏実から私に関する記憶と能力を抜き取る。
父親からも魔法関係の記憶を抜き取っておかないと・・・
理想郷へと帰った私は藍に後を任せて、ふて寝することにした。
end
(夏実視点)
?
なんで外にいるのだろう?
寝ぼけているのかしら?
時計は5:30を指している。
弁当を作らないと・・・
?
なんで涙を流しているんだろう?
涙が止まらないよ。
どうしたのかな?
花粉症にでもなったのかしら。
end
ネビル、お見舞いに来なかったな。
そう思ってハリーに聞いたら、ふて寝しているらしい。
どうしたのだろうか?
ハリーにネビルの寝室を聞き訪れる。
「ネビル、どうしたのかしら?ここ数日授業にも来てないみたいじゃない。」
心をよめば一発だけどあえてしない。
「・・・つい先日さ、完成したんだ・・・動物もどきになる呪文。」
「それはいいことじゃない。努力が実ったということじゃない。」
「そう、なんだけどさ・・・」
そう言うとネビルが変化し始めた。
尻尾の長い動物に変化した。
白と黒のリングが重なっているような尻尾と言うことは・・・
「ワオキツネザル、確かマダタスカルに住んでいる猿の一種ね。」
「これで、君と付き合うことが出来なくなった。」
そう言えばそんなことを言っていたわね。
忘れていた。
「そうでもないみたいよ?学名でワオキツネザルはLemur catta Linnaeusって言うの。 cattaはラテン語でネコ(メスネコ)の意味になるわ。」
ここではLemurが、ラテン語で幽霊・亡霊の意味があるlemuresに由来があることは言わない方がいいわね。
「そ、それじゃ。」
「えぇ、いいわよ。」
備考
・予言書
ハリーの予言書を参考に書いてみました。
こんなもんかな?
・ママさん登場
重要なことは本人から聞きましょう。
ということで登場させました。
・紫、ふて寝する
この事が原因で冬眠するようになったとか、ならなかったとか・・・
※報告
もしかしたら、死の秘宝の前に完結しそうになりそう。