【本編完結】ハリーポッターと転生した猫   作:響緑

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サブタイトルで分かりますね;^_^A
お気に入り180人・UA24000といつも見ても驚きです∑(゚Д゚)


先生になりました

「ハーマイオニー、ロン監督生就任おめでとう。」

 

「ありがとう梨花。」

 

ハリーの無実が決まって数日、ホグワーツで必要な学用品が書かれた手紙が届いた。

その中に監督生バッチが入っていたのだ。

そして私にも手紙が届いた。

誰だろう?

 

“ホグワーツ魔法魔術学校 校長 アルバス・ダンブルドア

マーリン勲章、勲一等、大魔法使い、魔法戦士隊長、最上級独立魔法使い、国際魔法使い連盟会長

 

親愛なる笹倉 梨花殿

 

このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく就職を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。先生同士での会議があるため、8/25にホグワーツ魔法魔術学校へお越しください。

拒否権はないので、悪しからず・・・

 

敬具”

 

拒否権がない?

何かの冗談でしょ‼︎

人権もクソもないな。

あ、追伸。

 

“追伸 君には校医補佐をやってもらうことになる。君なら大丈夫だと考えておる。”

 

校医補佐って・・・

経験も経籍もすごい人がいるじゃないか。

私がやることがないと思うけれど・・・

呼ばれたからにはしょうがない。

ハリー達に別れを告げ、一足早くホグワーツに辿り着いた。

 

 

 

ホグワーツに着き、校長室へ訪れた。

 

「ペロペロキャンディー」

 

このお菓子ってカー○ィが吸い込むやつだよね?

校長室が開くと、全ての先生がこちらを見た。

 

「待っておった。皆に紹介しよう。先生として迎えることになった笹倉 梨花じゃ。」

 

「・・・若過ぎやしませんか?」

 

質問したのは、確かフィルチだったっけ?

ミセス・ノリスの飼い主だったはず。

 

「魔法を習ったのは1年なんでしょ?そんな子が先生として、成り立つのでしょうか?」

 

続けて質問をしたのは、同じ職場になるマダム・ポンフリー。

 

「2人の言いたいことも分かっておる。じゃが、これを見れば納得してくれるじゃろ。」

 

取り出したのは、白い何かが入った瓶。

クラゲのようにもシラタキのようにも見える。

 

「梨花が寝ている間に抜き取った記憶じゃ。」

 

へ?

私の記憶を抜き取った?

どういうこと?

 

 

 

その記憶は、私がお店を持ち始めた頃の記憶だった。

 

『この子達を治してください。』

 

訪れたのは、7才の女の子。

手には貧弱しきった猫が3匹。

聞く所によると、道の端に捨てられていたようだ。

 

『ごめんね、ここは獣医さんでは無いの。』

 

店員が丁寧に受け答えする。

 

『ここの近くに獣医いないじゃん‼︎』

 

その言葉に詰まる店員。

この近くはまだ存在しなかった。

膝を曲げて、女の子の頭を撫でる。

 

『分かった、治してあげる。』

 

『本当⁉︎』

 

『本当よ。お姉さんがこの子達を元気にしてあげる。』

 

私は1匹1匹の様子を見始めた。

全て栄養が足りていないだけのようだ。

これなら治せる。

そこで私はあるものを取り出した。

 

『それな〜に?』

 

『この子達を元気にする魔法の薬よ。』

 

取り出したのは黒茶の液体。

正体はウィザーエンスケの血液で、人によって苦手な味はするが2日飲み続ければ元気になるものだ。

(魔法動物詳細調べ書 著者:小倉 渚より)

猫にも効くかは不明だけれど、やらないよりマシだろう。

2日後。

元気に遊ぶ3匹の子猫。

子猫達はその後、3匹とも彼女が飼っていった。

 

 

 

「ウィザーエンスケって、魔法省が飼うことを禁止している生物で入手困難なものじゃ・・・」

 

「そうじゃ。教科書にも載っていない効果を、梨花は知っておった。わしはこれを見たとき、梨花に校医として迎え入れようと考えたのじゃ。」

 

ミネルバの質問をダンブルドアが正確に答える。

そう言えば、闇の魔法術に対する防術の先生は誰なんでしょう?

 

「次に闇の魔術に対する防衛術を担当するのは、魔法省のドローレス・アンブリッチ先生じゃ。」

 

その言葉を聞いてみんなが校長を見る。

魔法省自ら先生をやるとは・・・

考えられるのは、1つ。

 

ヴォルデモートの復活

 

それをいい続けるハリーと私、ダンブルドアの監視が主な仕事なんだろう。

その後ポンフリーの提案で、私はペットの診察を主にやっていくことが決まった。

人間の相手は自分が忙しい時に頼むそうだ。

仕事・・・あるかな?

 

「梨花の思っていることは、大丈夫じゃ。ハグリッドが帰って来るまでの間、魔法生物飼育学をやって貰おうとも思っちょる。」

 

ハグリッドは巨人族との交渉にいっていたんだったっけ?

短い間で何を教えようか。

 

 

 

私は教職員席に座り、生徒が来るのを待つ。

教職員を見ると1人見慣れない人がいた。

ずんぐりとした体型に加え、顔には締まりがなく、たるんだ瞼からは目がやや飛び出していた。

髪は薄茶色の巻き毛で、黒いビロードの小さな蝶結びを付けて、指にはたくさんの古い指輪をはめ、年齢に似合わぬピンクのカーディガンや花柄のローブを着込んでいた。

マールが言っていたガマガエルって言う奴は、彼女のことなんだろう。

他にそんな奴がいたとしたら、もっと酷い奴なのかな?

新入生を迎える際、組み分け帽子が意味深な事を発言した。

要約すると・・・

危険が迫っている、団結し合え、油断するな、警戒しろ。

かな?

この危険は、ヴォルデモートのこと?

それとも魔法省?

 

「さて、素晴らしいご馳走を皆が消化しているところで、学年度始めのお知らせといこうかの。1年生に注意しておくが、校庭にある禁じられた森は生徒立ち入り禁止じゃ。そして管理人のフィルチさんからの要請で、全生徒に伝えてほしいとのことじゃ。授業と授業の間に廊下で魔法を使ってはならん。その他の禁止事項はフィルチさんの事務所のドアに貼り出してあるので、確かめられるとのことじゃ。」

 

ハリーはロンと顔を見合わせている。

多分だが誰が見に行くかそんなもんとか、思っている。

 

「今年は先生が2人替わった。笹倉 梨花先生、魔法生物飼育学兼ペットの検診をして貰うことになっておる。ドローレス・アンブリッジ先生、闇の魔術に対する防衛術の新任教授じゃ。」

 

軽くアンブリッチの方を見ると、会釈をしているようだ。

ダンブルドア先生は話を続ける。

 

「クィディッチの寮代表選手の選抜の日は・・・」

 

「ェヘン、ェヘン!」

 

次の瞬間、アンブリッジが咳払いと共に立ち上がる。

その様子を見てダンブルドアが、静かにアンブリッジを見下ろした。

そして何かを察したのか、すぐに優雅に腰かけアンブリッジの話を静かに聞く体勢に入った。

 

「校長先生、歓迎のお言葉感謝いたします。」

 

その声を聞いて殆どの生徒が顔を顰める。

なんというか、全員がガラスを釘で引っ掻いた音を聞いたかのような表情をしていた。

 

「さて、ホグワーツに戻ってこれて本当にうれしいですわ。そして皆さんの幸せそうな可愛い顔が私を見上げているのは素敵ですわ!」

 

無いわ〜。

こんな先生嫌だわ〜。

必須単位じゃなけりゃ、受けたくない先生だわ〜。

生徒じゃなくてよかったと、心から思った。

アンブリッチの話は続いていたが、聞き流し続けた。

 

 

 

さあ、初めての魔法生物飼育学の授業がやってきた。

グリフィンドールとスリザリンの生徒が私の部屋に集まってきた。

仲悪いって知っていながら、組ませるのはどうかと思うけれど・・・

 

「皆さんこんにちは、笹倉 梨花です。では、早速。この生物を知っていますか?」

 

私が取り出したのは、ボウトラックルと言って森の守番みたいな妖精。

ハーマイオニーが手を挙げた。

 

「ミス・グレンジャー。」

 

「ボウトラックルです。体長最大20cmの木の守番で、杖になる木に住んでいて、長く鋭い指を持っています。樹皮と小枝から出来ているので、発見するのは困難だと記憶しています。」

 

流石ハーマイオニー。

完璧過ぎる答えだ。

 

「グリフィンドールに10点をあげよう。今日はスケッチをしてください。完成できたら提出してね。」

 

皆思い思いに絵を描いている。

私も描いてみることにした。

 

・・・

・・・・・

 

思っていたより上手くかけたような気がする。

チャイムがなり、全員のスケッチが届いた。

出来なかったものは、2日後までに持ってくるよう催促した。

時間内でできたものの作品を拝見する。

それなりに描けているようだ。

私はマルフォイのスケッチを見て止まった。

 

“後悔したくなければ、よく考えることだ”

 

そんな文章が書かれていたからだ。

ルシウスからの伝言だろう。

しかし肝心のボウトラックルのスケッチはしていない。

これは・・・0点だな。




備考
・教師になる主人公
多分ハリポタの二次創作でも、あまり見ないタイプ。

・ウィザーエンスケの血液
人によっては好き嫌いが出る魔法薬で、飲み続けると元気になる。

・魔法動物詳細調べ書
魔法動物の事を事細かく書いてある本。
以前に卵の孵化温度を調べた本と同じ著者が書いたもの。

次回は10/12予定。
後、活動報告にてアンケート実施中。
できればよろしくお願いします。

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