【本編完結】ハリーポッターと転生した猫   作:響緑

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今回から三つタグを追加しました。
それにあたり、転成を全て転生に変えることにしました。
作者的には転成だと思ったんだけれどな


・・・
・・・・・

いいサブタイトルが思いつかない為、今はこれで行こうと思います。
後々変更予定。


一年の終わり

話を終えると髭に手で触り考えるダンブルドア。

 

「成る程、君が突然現れたのは、もう1つのポートキーがあったからだったのじゃな。」

 

「ハリーから見たらそう思えたかもしれません。もう1つ言わないといけないことが・・・私は笠倉家の末裔とヴォルデモートが言っていました。」

 

動かしていた手をやめ、こちらを見る。

 

「晴海の時代で終わったかと思ったが、まだ続いておったのか。」

 

多分、顔を知らないお婆ちゃんの名だろう。

 

「梨花?」

 

ネビルが目を覚ましたようだ。

ハーマイオニーも目を覚ました。

 

「看護してくれてたのね、ありがとう。」

 

「当たり前よ、友達だもの。」

 

ハーマイオニーは即答したが、ネビルの口は開き固まった。

何か、おかしいことを言ったかな?

暫くしたら、何かを決心したように話し始める。

 

「梨花さん。ぼ、僕と、付き合ってください。」

 

へ?

 

 

(ネビル視点)

 

梨花が例のあの人と対戦を終えて2日後。

猫の姿になることなく医務室にいる。

その理由はポンフリーにも分からないようだ。

僕はハリー達を呼び止め、空き部屋に集まってもらった。

 

「どうした、ネビル。また、マルフォイ達にいじめられたのか?」

 

ロンは初めにそう言ったが、最近ではそんなことはない。

 

「ち、違うよ。ぼ僕、梨花のことを思うと凄く、凄く胸が痛いんだ。ポンフリーに聞いても大丈夫ってしか答えてくれなくて・・・」

 

ハリー達はお互いを見つめ合い、ハリーが代表で言った。

 

「ネビル、それが恋だ。」

 

「こ、恋。」

 

「誰かを思い胸を痛める現象よ。それは貴方が梨花のことを愛している証拠よ。」

 

ハーマイオニーが詳しく教えてくれた。

この気持ちが恋なのか。

始めての感覚だった。

でも、少し恥ずかしかった。

翌日梨花の意識を取り戻した。

お礼を言われた時、僕は心を持っていかれる感覚を味わった。

この人を守りたい。

そう思えた。

 

「梨花さん。ぼ、僕と、付き合ってください。」

 

最初で最後になるかもしれない告白。

梨花はきょとんとしている。

 

「梨花が意識を失った時、僕は胸が凄く痛くなったんだ。その時初めて君に恋をしているって思ったんだ。だから、僕の気持ちを正直に言おうって決めたんだ。」

 

梨花は若干赤くなる。

どうしたのだろう?

 

「ネビル、少しは周りを見なさい。告白は一対一の時に言うべきよ。」

 

ハーマイオニーに言われ、僕は後悔した。

この部屋には先生二人がいたんだった。

周りのことなんて気にしてなかった。

そして赤面する、蒸気が出ているような気がする。

 

「青春じゃの。」

 

「梨花、後2・3日安静にしていなさい。」

 

そう言って2人の先生は部屋から出て行った。

恥ずかしい・・・穴があったら入りたい。

 

end

 

 

ネビルの告白を受け、1日が過ぎた。

意識が戻ったことを知り、沢山の見舞い者が現れた。

フラーやガブリエル、ジニー、ルーナなどが訪れた。

あの後ネビルは返事を聞くことなく、帰ってしまった。

私も直ぐに返答すればよかったのに・・・

そんな時、やって来たのは佐々倉校長。

 

『元気そうでなりよりだ。』

 

少しやつれた感じに見えた。

 

『ダンブルドアから聞いた。ヴォルデモートとあったようじゃな?』

 

『はい。』

 

『わしは梨沙に事実を伝えようと思ったのじゃが、上手いこと言えなかった。そこで、悪いんじゃが君から伝えてはくれんか?』

 

長いこと一緒にいるから、伝えにくかったのだろう。

 

『分かりました。梨沙をここに呼んで下さい。まだ安静にしていないといけないので・・・』

 

『ああ、わかった。・・・すまん。』

 

 

 

梨沙はその日の夜やって来た。

 

『梨沙、貴方に伝えないといけないことがあってここに呼んだわ。最後まで聴く勇気がある?』

 

梨沙は少し迷ったようだが、軽く頷いた。

 

『貴方は貴方自身について何処まで知っているかしら?』

 

『元はイギリス人夫婦の子として産まれて、交通事故で二人が死んだから今のおじさんが育ててくれた。これくらいかしら?』

 

やっぱりほとんど教えていないのか。

一から教える必要がありそうね。

私は話し始めた。

梨沙の両親は事故死じゃなく殺されたこと、殺したのはヴォルデモートであること、2人は優秀な闇祓いだったため目をつけられていたことを話した。

 

『君の両親の名も知らないんでしょ?母はフェニエル・プルウェット、父はトモルテ・ブラック。どちらも純血中の純血よ。ちなみに私の父はエニウル・ブラック、つまり私達は従姉妹同士ってわけ。』

 

梨沙の両親については、校長から聞いた。

それを聞いた梨沙は少し驚きの顔をする。

多分私がお姉さんになるのかな?

 

『これで話は終わりよ。質問はあるかしら?』

 

『猫なのはなんで?』

 

痛い所ついてくるわね。

転生したらこうなったら・・・って言った所で信じてくれそうになさそうだし・・・

 

『ごめんなさい。それは謎でしか無いわ。振り返ってみると、記憶にあまり残ってなくて・・・。多分18才になっているんだろうけど、実感もなくて・・・』

 

でも思い返すと、幼稚園にいったことがなかったような?

ヴォルデモートから逃げていたから、両親が面倒を見たのかな?

 

『許してあげてね。友蔵さんだって君を思って嘘をついたと思うから。一発ぐらい殴っても許してくれるよ。』

 

『・・・考えておこうかな。』

 

 

 

翌日。

ハーマイオニーに連れられてハリーがやって来た。

 

「よくも置いてきぼりにさせたわね?」

 

「君には謝っても、謝りきれないことをしたって分かっているよ。だから・・・」

 

ハリーがやったのは、ジャパニーズ土下座。

それを見て戸惑ったのは、私自身だ。

そこまでやるとは思っていなかったからだ。

 

「顔をあげてハリー、そこまで責めるつもりはないわ。もしかしたら私も同じことをしたかもしれない。そう思うと責められないし・・・」

 

ホッとするハリー。

 

「それにしても、君がクルックシャンクスだったなんて驚きだよ。」

 

「そうよね。近くでいながら、騙すようなことをしてごめんなさいね。私が猫だってわかったら、柳沢魔法学校の生徒に悪いような気がしてね。」

 

そう言えば薬飲んでいないのに、猫に変わらない。

ヴォルデモートとの対決で受けた麻痺呪文で、麻痺したのかな?

 

 

(???視点)

 

そんな様子を私は遠くから見ている。

この子を探すために、いくつもの世界を渡り歩いた。

そして無事見つけた。

今は人の姿をしているが、このキュリティーピュアピチピチ17才ピーーーーヶ月の目は誤魔化せないわよ☆

猫でありながら、人間のふりをするなんて・・・まるで私達のようね。

 

『ゆ・・・Mrs.Y、調査が終わりました。』

 

『ご苦労様。』

 

『この子は笹倉梨花。生前は猫を愛し、猫を庇い命をなくしました。そして猫に転生をしたと言えますね。何故過去の時代に転生できたかは不明ですが・・・』

 

報告を終えると、黙っていた私の夫が話始める。

 

『お主が気になる子はどんなもんかと思えば、やはり変わり者か。で、彼女をどうする?』

 

『勿論こちら側に来てもらうわ。でも今すぐには無理そうね。(完全に忘れ去られるまで)少なくとも4・5年は必要かしら?』

 

それまでには私の理想が形にしたいものね。

 

end

 

 

私は無事退院でき、ネビルを捜した。

案外早く見つかり、2人きりになることに成功した。

 

「ネビル、あの言葉の返事をするわね。」

 

一旦そこで区切る。

ネビルは生唾を飲む。

 

「猫である私を愛してくれてありがとう。でもごめんなさい。私は猫であって貴方は人間。どうあっても無理なのよ。」

 

ネビルはギュッと手を握り締めた。

 

「ぼ、僕が君に近づくよ。動物もどきになって・・・どんな動物になるかはわからないけれど、猫になれたら僕と付き合えるよね?」

 

猫になれる可能性は0に近いかもしれない。

でも、もしなったら・・・

考えるのをやめよう。

 

「フフフ。その時がきたら答えてあげる。」

 

そう言うと私達は別れた。

動物もどきになるまで保留にしておこう。

そう考える私だった。




備考
・笠倉 晴海
梨花のお婆ちゃん。
後二・三回登場予定。

・ネビルの告白
作者はしたことが無いので、どんな感じなのかはわからない。

・梨沙に事実を伝える
伝えないといけないと、作者的には思ったから。

・Mrs.Y登場
前回言っていた謎の女性の正体が、少しずつ現れてくる感じですね。
さっさと名前を出したいけど、まだその時じゃない。
夫がいる様だけど、一体誰なんでしょうね(笑)

・ネビル、動物もどきになるべく勉強をする
女性のために頑張る男性は、かっこいいと思う。

次回は7/8にあげたいと思っています。

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