ハリポタで猫と言ったらミネルバかクルックシャンクスだもん。
しょうがない。
目を覚ました。
転生は成功したようだ。
大抵は赤ちゃんになるのが王道。
しかし、すぐに違うと確証する。
ある程度成長しているようだ。
ハイハイをして移動できるようだ。
〔ごめんね。〕
お母さんの声らしきものが聞こえる。
振り向くと、私は固まる。
そこにいたのは猫だ。
と言うことは・・・
私、猫なんですけれど‼︎
ダンブルドアさん⁉︎
どういうこと‼︎
〔私の力が至らないせいで、顔が潰れてしまったの。潰れなかったら美女なんだけれどね。〕
〔いいよ、お母さん。しょうがないことなんだよ。〕
お母さんが泣きそうだったので、慰めてみたけど展開についていけてない。
整理しよう。
まず、転生は成功(?)したとは思う。
それから転生した先が顔が潰れた猫。
・
・・・
・・・・・
ブニャー‼︎
とりあえず落ち着こう。
まずは、姿を確認しよう。
そこにはブサ可愛い猫がいた。
茶色のふさふさの毛、黄色い目、そしてお母さんより潰れてしまった顔。
私はこの猫を知っている。
「ねぇねぇ、この子の名前長くない?クルックシャンクス?だって。」
人の声が聞こえた。
つまり人の言葉がわかるということだ。
私はこの時点でハーマイオニーのペット、クルックシャンクスだということを確信した。
「でもこの子可愛くない。」
それは悪かったですね。
〔年に何度か私たちを買いに来るの。〕
○
暫くするとお母さんは、男の子に買われていった。
ホグワーツで会えたら会おうと言われた。
ホグワーツという単語で、ここがハリー・ポッターの世界なのだと確信を持つ。
一体今はどのあたりだろう。
カレンダーを見たが、私の知っている文字ではなかった。それはそうか。
イギリスだもん。
そう言えばなんで人の言葉がわかるのだろうか?
ダンブルドアさんがやってくれたのかな?
下手したら転生したはいいけれど、ハリーのその後とかだったら嫌だな。
「可愛い。」
考え事をしていると、1人の女の子が私の前で止まった。
髪は赤く、たっぷりとしていて長い。
瞳は
中学に上がっているかどうかだが、かなり美人だと思う。
「ジニー、見るだけよ。貴方にもペットを買ってあげたいんだけれど・・・」
その女の子の母親だろうか?
金髪のロング、ふくよかな体型の女性が現れた。
「わかっているよ、お母さん。私も今年から魔法使いになれるんだもん。あーあ、ハリーに早く会いたいな〜。」
ジニー‼︎
今年からってことは秘密の部屋が開かれる年。
私が買われるまで後1年なのかな?
ハーマイオニーが私を買うシーンがでていないため、確定的ではないが遅くてもその時には買われるだろう。
「じゃーね、猫ちゃん。」
〔ニャー〕
取り得ず返事をしておく。
返事が返ってきたことに驚いたのか、一瞬止まるジニーだったがすぐに動きだす。
さーて、この暇な時間をどうするかな?
○
それから2週間、学校が始まったのであろう。
来る客は大人が多くなった。
それも一人も来ない日がある。
そんなもんだろう。
「もしかしたらお前が年老いても、この店にいるかもしれないな。」
失礼な‼︎
レディに向かってこの言葉はないんじゃない?
〔ニャー〕
抗議するため声をあげる。
「違うってか?」
〔ニャー?〕
首を縦に振る。
「お前、人の言葉がわかるのかな。いや・・・偶然か。」
ここで私は首を傾げておく。
余計に目立ちたくはない。
ハーマイオニー以外に飼われたら面倒になるに違いない。
別の奴に飼われたらハリーのファイアボルトも、シリウスの無実の証明も、ピーターを表舞台に出すこともできないだろう。
それはおいといて、キャットフードがこんなに美味いとは思わなかった。
元人間の私には少し抵抗があったが、食べてみるとその味が好きになった。
中でも小魚の入ったキャットフードは特別だ。
猫になったからこそわかった事実だ。
○
代わり映えのない毎日を送ること2ヶ月。
段々と冬の季節が近づいている。
私以外のペットがどんどん飼われていく。
中でも猫は断トツの人気者で、やはり癒されるとか思っているのだろう。
私も何度か飼われそうな危機があったが、未だ買い手は現れない。
〔ねえねえ、見てよ。あの子ったらまだ飼われてないわよ。〕
〔しー、聞こえちゃうわよ。〕
〔大体は2週間で売れるからね。〕
聞こえてるよ、お前らの悪口。
かなり性格が悪そうなこの2匹も、売れ残っている奴らだ。
私よりここにいるじゃない。貴方達は一生飼われることはないと思うよ。
声に出そうとした言葉を慌てて飲み込む。
「お前ら仲良いな。さあ、第2戦の始まりがもう少しで来るぞ。」
そう、そろそろクリスマスが来るのだ。
○
クリスマスがやってきた。
確か原作通りだと、ハーマイオニーはハリーらと共にポリジュース薬を使い、マルフォイにスリザリンの継承者ではないかと聞く時期だったっけ?
ということは、この時期に飼われることはないだろう。
そう思い、私は少し寝ることにした。
・
・・・
・・・・・
目を開けたらそこは違う場所でした。
え、え⁉︎
どういうこと⁉︎
落ち着け私、素数を数えて落ち着くんだ。
・・・しまった‼︎
素数がなんなのかわからねぇ。
こういう時は深呼吸。
スー ハー スー ハー
ふう、落ち着いた。
これは夢だ。
そこには、お母さんとお父さんがいた。
私の写真がある仏壇で手をあわせている。
『梨花。貴方を死に追いやった犯人が捕まったんだよ。禁固10年だってさ。おかしいよね、梨花が死んだっていうのにさ。』
お母さんが涙を流す。
お父さんがそんなお母さんを支えている。
『悲しいことばかりは言えないわ。・・・赤ちゃんができたの。お医者さんに聞いたら、2週間だそうよ。名前は梨花が言っていた晴香か、
そう、お母さんに『妹か弟ができたら、名前はなにがいいかな?』と聞かれたことがある。
その時は、小学3年生だったような気がする。
6年の前のことを覚えていたんだ。
本当にこれは夢なのだろうか?
夢にしては凄く現実的だ。
『お前が譲り受けたクルックスだったか、そいつを譲り受けることにした。狭いが一戸建ても買った。第2のお前として、大切に育てやるから心配するな。』
お父さんがそう言うと、猫を見せてくれた。
『無くしたと思っていた財布を見つけてくるし、本当に賢い猫だよ。』
そんなことをしてくれていたんだ。
〔梨花、あの時に救われた命だ。大切にするよ。本当に梨花はーーによく似ている。〕
へ?
今、クルックス何て?
○
目を覚ますと、何時もの場所にいた。
現実的に近い夢はなんだったのだろうか?
夢にはあるメッセージを伝えようとしているらしい。
多分だが、私が願った未来を映してくれたのだろう。
「クルックシャンクスおるかの?」
えっ‼︎
ダンブルドア?
「はい?なんでまたあの猫を?」
「ちょっと話したいことがあっての。」
ダンブルドアが私に近づく。
「こんにちはじゃ、クルックシャンクス。〔今日の夢はどうじゃったかな?わしの力をもってすれば、今現在を映せることも可能じゃ。〕」
夢ではなく現在の様子を、夢で見せたらしい。
〔凄くチートなんですね。〕
〔偉大な魔法使いとして名をあげているからの。〕
自分で偉大とか言っちゃうんだ。
それに猫語を話すダンブルドアは、凄く奇妙だ。
〔そういえば、私との話聞かれない?〕
〔大丈夫じゃ。君とわししか、聞こえなくなる魔法をかけているからの。本題に入るぞ。お主にあることをしてもらうつもりじゃ。〕
〔な、なんでしょ。〕
少し嫌な予感しかしない。
〔シリウス・ブラックをアズカバンから脱獄する手伝いをして欲しいのじゃ。〕
〔エッ⁉︎エエェーー‼︎〕
備考
・母親がいる(オリジナル)
後々この設定は消えるかもしれない。
・クルックシャンクスはメス(原作変更)
クルックシャンクスは原作ではオスですが、ここではメスです。
・ジニーが見に来る(オリジナル)
本当の所どうなんでしょうね。
・キャットフードが美味い
作者は間違って食べた経験が有り、その時美味かった覚えがある。
・ダンブルドア、猫と会話
猫の言葉を覚えたダンブルドア。
周りから見たら、猫にしか心を開かない可哀想な老人。
・シリウスの脱獄の手伝い(原作変更)
やったね、梨花ちゃん。
暇な時間を潰せれるよ。
こんな感じで備考を書こうと思っています。
次は10/6に上げれたらいいなと思っています。
第五木曜日?
知らない子ですな。