リハビリも兼ねてなのでかなり短いですが、今後ともよろしくお願いします。
「到着まで、後7分強って所か?」
漆黒の闇の中、所々に光る白い光……それ以外に何も無い空間の中を移動する船のような物体と、それに乗る三人の男女。
その中の一人で黒一点である男が目を細めながら呟く。
「ええ。ですが私達の世界とあちら側の世界での時差を考えると、ターゲットと私達の到着時刻には、およそ49時間の誤差が生じますわ。
恐らく、ターゲットは既に篠ノ之束と合流し、準備を整えているでしょう」
「ボク達が到着するまで、向こう側のボク達が何事も無ければいいんだけどね。
折角用意した手土産が無駄になるのも嫌だし」
男に付き従うように続く二人の女。
二人を一瞥し、男は口元に不敵な笑みを浮かべ、自らの向かう世界を見詰め、浄罪の間より逃れた罪人に思いを馳せる。
「罪を悔い改めてさえいれば浄罪の苦痛は和らぎ、ただ静かに転生の時を待つ事も出来ただろうに、結局奴は己が罪を自覚もせず、更に罪を重ねて……何処までも愚かだ。
そんな事をしても罪からは逃れられない。より重くなり、より己を汚し、そして苦しむ……。
そんな当たり前を100年以上経っても解ろうともしない……本当に貴様は愚かだ、嘗ての姉よ。
貴様にはコレまでの100年が極楽と思える罰をくれてやる……!」
口元には不敵かつ残忍な笑みを浮かべ、瞳の奥底には怒りの炎を宿し、三人の破壊神達は静かに到着の時を待つ。
これから起きるであろう戦いに思いを馳せながら……。
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輝針城に現れた千冬と同じ容姿を持つ女・チフユと、彼女の率いる20機もの無人機。
それらが一斉に一夏達目掛けて襲い掛かる。
「死ねェ!一夏ァァッ!!」
「くっ!!」
振り下ろされる刀を紙一重で回避し、一夏は右手に魔力を纏わせながら反撃に移る。
「千冬姉と同じ顔と声で、物騒な台詞言ってんじゃねぇよ!!」
「ぐぁっ!!」
「魔理沙!霊夢!」
「分かってる!マスタースパーク!!」
「夢想封印!!」
チフユの顔面目掛けて叩き込まれる一夏の拳。
更に霊夢と魔理沙がスペルを発動させて追撃を加える。
「デストロイナックル!!」
「ぐ、ガアアァァァッ!!」
更に一夏が魔力レーザーを放ち、3人分の魔力と霊力がチフユに襲い掛かり、チフユは成す術無く集中砲火を浴びてしまうが……
「おのれぇ……オノレェェ!!」
容赦の無い集中砲火に一瞬苦悶の表情を浮かべるチフユだが、爆煙から再び姿を現したその姿は殆ど無傷。
怨嗟の声を吐きながら血走った眼で一夏達を睨みその身体に纏う禍々しい魔力は増大していく。
「何だ!?コイツ、どんどん魔力が上がっていくぞ!?」
「よくモ、ヤってくレたな……ゴミ共がぁぁーーーーっ!!」
チフユの雄叫びに呼応するかの如く、身に纏う紅桜の色がより赤黒く変色していく。
それに共鳴するかのように周囲の
「まずいわね……ISやSW無しでどうにか出来る相手じゃないわよ……」
霊夢が冷や汗を浮かべながら周囲を見渡す。
10体の無人機とチフユに囲まれ、文字通り四面楚歌の状態だ。
「殺してヤル!殺してやるゾ!!一夏ァァーーーーッ!!」
そんな焦りもお構い無しにチフユの纏う紅桜の持つ刀剣は禍々しい赤い光を放ちながら一夏を斬り殺さんと迫りくる。
「うわっ!?」
紙一重で斬撃を回避する一夏。
しかし、僅かに刃が掠めた頬が僅かに裂け、血が流れる。
魔力による防御膜を纏っているにも拘らず、それを素通りするかのようにだ。
(魔力の防御を切り裂いた!?まるで、零落白夜じゃないか!?)
姉の千冬の得意技の名前元にして現役時代の専用機に装備していた刀剣を思わせるその切れ味と威力に一夏は内心冷や汗をかく。
「こんなの直撃したら、真っ二つだぞ……。」
「ああ。それに、この魔力と防御力……とても普通じゃない。専用機無しで勝てる相手じゃないぜ」
「最悪ね……。私の専用機、急いで仕上げさせるべきだったわ」
有効打も無く、取り囲まれて逃げる事も出来ない状況に臍を噛む三人。だが……
「なら、アタイに任せろ!!」
威勢の良い声と共に三人を守るようにある人物がSWを身に纏って割って入った。
「やい、この偽者ヤロー!さっきはよくも不意打ちなんてセコイ真似してくれたな!
お前は最強のアタイの最強の専用機『アブソリュートフリーザー』でカッチカチに凍らせてやる!!」
こんな日の為に河童に頼んで作らせておいた専用SWを引っさげ、チルノはチフユに堂々と啖呵を切った。
「邪魔をするなガキがァっ!!」
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一夏、魔理沙、霊夢がチフユと交戦する中、咲夜を始めとした他のメンバーも、無人機部隊を相手に戦闘を開始していた。
「まずいわね、この無人機……」
「ええ、コレまでの無人機とは違う。明らかに魔力で強化されてます」
無人機部隊を相手取り、咲夜と妖夢はそれぞれ自分達を取り囲む無人機を睨む。
「生身でISと戦えるようになったのは良いけど……」
「こんな形で修行の成果を実感する事になるなんて……」
魔力・霊力の扱いを習得した事で、生身のまま無人機と渡り合うという合宿前には想像も付かなかった程の実力アップ。
本来なら喜ばしい事だが、それをこのような危機的状況で実感するというのは甚だ不本意である。
「一夏達の方も梃子摺ってる以上、無理に戦うのは得策じゃないわ。何とか、隙を突いて撤退した方が良さそうね……」
「なら、殿は……」
「ボク達が引き受けるよ!!」
勇ましさを感じる声と共に前に出たのは箒とシャルロット。
チルノと同じく先日完成したばかりのそれぞれの専用機を展開し、無人機部隊と相対する。
「生まれ変わった私の力、見せてやる!来い、『
「ボクの
それぞれの新たな