物語館   作:むつさん

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どうも、悠樹@夢子です。

小傘との日常を切り取って貼り合わせた
ちょっとした作品です

そう長くはないですね。

ではごゆっくり。


小傘との日々

 

「驚けー!」

 

「うん、ただいま。」

 

「もう、驚いてよぅ…」

 

「いつも出迎えてくれてありがとうな、」

 

「今日も仕事お疲れ様、どうだった?お祭りは」

 

「大盛況だったよ、みんな楽しそうでよかった」

 

「そっか!よかったぁ。」

 

「今日はあなたも混じってきたの?」

 

「ううん、いつも通りだ。」

 

「なんで?お祭り楽しいのになぁ、」

 

「管制塔から見たほうがいろいろ見渡せていいんだ、問題ごとが起きてもすぐ対応できるし。」

 

「仕事熱心だね。楽しまないと。」

 

「いいんだよ。」

 

「ねぇ!また今度、私も連れてってよ!」

 

「あぁ、いいぞ。」

 

「その時は貴方も楽しんでね?」

 

「わかった、」

 

 

 

…………………

 

 

 

「ねぇねぇ、ちょっと見てみてよ。」

 

「ん?なんだ?」

 

「この本。すごく…なんていうか興味があって読んでみたんだけど、なんかすごく面白くてね!」

 

「本?めずらしいな君が本を読むなんて」

 

「でも!ほんと面白いんだよ!」

 

「どんな本なんだ?」

 

「ほんとにいろんな物語があって!」

 

「私達みたいなカップルのお話とか、屋台のお話とか、のんびりしたお話とか、色々あるんだよ!」

 

「そうだな。たまにはこんな本も悪くないな、」

 

「あれ…このお話…」

 

「あぁ…何も言わず読もう。」

 

……

 

「人間…か」

 

「最後には、別れちゃうんだね…」

 

「俺も人間だったら悲しませてたのかもな」

 

「でも貴方は人間じゃないから、長生きできるんだよ?」

 

「そうだな。長生きしてその分幸せになろうな、」

 

「そうだね、いつまでも私を好きでいてね…?」

 

「あぁ、いつまでも愛してるよ。」

 

「うん!私も愛してるよ!」

 

…………………………………………

 

「おかえりなさい!ってあっ!」

「もー!また傘ささないで帰ってきたのね!」

 

「あぁ、そんなに強くなったんだけどな、途中から強くなってきてたから。」

 

「傘持ってるのになんでささないの?」

 

「雨は好きだから」

 

「それでも濡れちゃうよ?」

 

「濡れるのは嫌いじゃない」

 

「だめだよ…風邪引いちゃうよ?」

 

「その時は小傘が治るまで看病してくれるから。」

 

「そ、そうだけど…もう。」

 

「小傘が看病してくれるなら幾らでも風邪引いていいかな。」

 

「だめだよー…そしたら私が風邪引いたときが大変だもの。」

 

「あはは、そうだな。」

 

「だから、雨の日はちゃんと傘をさしてね」

 

「あぁ、わかったよ……ん…くしゅん。」

 

「あー…もう体熱いよ、ほら早くこっち来て休んでね。」

 

「あぁ、いつもありがとうな。」

 

「な!なによいきなり…」

 

「看病、ありがとうな。」

 

「う、うん…だってほっとけないから…」

 

「優しいんだな…」

 

「うぅー…ずるいよぉ…」

 

「なんか、今日の雨はやけに冷たかった。」

 

「まだまだ強くなるみたいだから早めに帰ってきてよかったね、」

 

「その分小傘にも早く会えたしな」

 

「もう…あなたったら…」

 

……………………………

 

「ねぇ、起きてよ」

 

「んー…朝か…」

 

「朝ご飯用意できてるよ。」

 

「あぁ、ありがとな。」

 

「ん…これなんだ?」

 

「唐辛子っていう香辛料を使ってみたんだけど…多かったかな。味見したらなんか辛くて。」

 

「唐辛子はもともと辛いけど…やけに量が…まぁ、食べてみるよ」

 

……

 

「あー…っ…うっ…あーっと…」

 

「うっー。やっぱり…」

 

「ごめん…もう無理…辛すぎる…」

 

「うっー…うぅ…やっぱり辛い…」

 

「香辛料は入れすぎるとこうなるのか…」

 

「けほっけほっ、どう…しよ、これ」

 

「もったいないけど…処分、だな。」

 

「明日は甘い朝ご飯にしたいな…」

 

「頼むから普通の朝ご飯で頼む。」

 

「うん…今日のは辛すぎてびっくりだったよ…」

 

…………………………………

 

ただいまー。

 

あれ?

 

あぁ、寝てるのか。

 

起きろー、

 

疲れてるのか…?

 

まぁ、いいか、

そっとしておこう。

 

さて、と。

 

仕事の書類整理しないとな、

 

「うぅーん…まだなのぉ…?」

 

ん…?

 

「すぅー。すぅー。」

 

なんだ寝言か、

 

 

「えへへー。かわいいでしょー。すぅー」

 

うん、かわいい。

 

さて、書類に手を付けないと…

 

「もぉー。まだまってよぉー。」

 

起きてるのか…?

 

「とっても。おいしいよー…?…すぅー。」

 

いや、寝言だな。

 

「すぅー、すぅー」

 

寝息が微かに聞こえてくるな。

いかんいかん。

仕事仕事。

 

「えへ。えへへ。恥ずかしいよぉー」

 

えっ。なにが。

 

「もう、あなたってばぁ。」

 

あー。。寝言に頭が行って仕事が…

 

「そんなに言われたら恥ずかしいってば。」

 

何を言われてるんだ。

 

「うふふ、わたしだってそうだよー。」

 

お、おう。そうか。

 

「でもねー。あなたはわたしがー…」

 

わたしが?

 

「すぅー。すぅー」

 

あぁ…気になる

 

「だからぁ。まってってばぁ。」

 

待ってないから

 

「ええー。そんなこと言われてもぉ」

 

……

 

「でもね。わたしはあなたが。」

 

あなたが…?

 

「えへへー、おどろいたぁ?」

 

いや、わからなさすぎておどろけない。

 

「だからぁ。」

 

だから?

 

「愛してるってばぁ。」

 

…!

 

「あなたも一緒なんだぁ!」

 

もちろんだとも。

 

「えへへ。」

 

かわいい。

 

「そんなにくっついたらせまいよぉ。」

かわいいから仕方ないな

 

「うぅー…ん。」

「ふぁー…ぁぁ…」

 

あっ、起きたか?

 

「あぁ、帰ってたのね。」

 

ただいま。

 

「おかえりなさい」

 

 

……………………………………

 

「雨、降ってきたね。」

 

「そうだなぁ、降ってきたな」

 

「そうだ、買い出し行かないと。」

 

「今日の分ぐらいあるだろう。わざわざ雨の日に行かなくても」

 

「雨だからこそ行くんだよ。傘さしてさ」

 

「そうか、なら行こうか」

 

「じゃぁ…相合傘しよっか!」

 

……………………………………

 

「ん…朝か…」

 

「目覚まし止めないと…」

 

 

「今日ゴミ捨ての日だったか?」

 

「そうだったね。」

 

「行ってくるよ。」

 

「あ、うん、ありがとう。」

 

 

……

 

「あっ、多々良さんお早う御座います」

 

「稗田さんに小鈴さんか、お早う」

 

「多々良さん、小傘さんは?一緒じゃないんですか?」

 

「小傘は家で掃除してもらってるんだ。」

 

「それで、ゴミ捨てをしてるんですね。」

 

「そうだ、」

 

「おや、若いお兄さんがいるじゃないか、」

 

「あっ、八百屋のおばさん、」

 

「偉いねぇ。若いのにゴミ捨て手伝うなんて。」

 

「まぁ、そういうもんですよ。」

 

「いやいや、今時若い男なんて遊ぶか仕事に更け混んでるものさ。」

 

「まぁ、仕事してても、生活のことぐらいはしますよ。」

 

「あんたさんみたいな立派な男を婿にできたら幸せだろうねぇ、」

 

「おばさん、彼は既に既婚者ですよ。」

 

「あら、そうなのね、お相手はきっと素敵なお嫁さんだわ。ほんとに幸せそうだわ。」

 

「まぁ、半妖ですから…それに僕の嫁は妖怪ですので。」

 

「妖怪でも人間でも、愛し合うことには違い無いわ。お嫁さんを大切にしなさいな!」

 

「はい。また会いましょう。」

 

「それじゃ私達も失礼しますね。」

 

「ああ、またな、」

 

……

 

「ただいま。」

 

「おかえりなさい!!」

 

「お?幽谷か、どうしたんだ?」

 

「小傘ちゃんの掃除手伝ってたの、」

 

「そうか、ありがとうな。」

 

「おかえりなさい、あなた、」

 

「掃除、終わったか?」

 

「うん、終わったよ。」

 

「そうか、お疲れ様。お土産買ってきたから、食べるか?」

 

「うん、食べる。」

 

「あ、プリンだ、」

 

「でも。2つしかないよ?」

 

「元々小傘と食べようと思ったけど、まぁ、二人が食べてくれればいいよ。」

 

「いいの?」

 

「あぁ、俺はいいよ。」

 

「うん、ありがとう。」

 

「ねぇ、口開けて?」

 

「いいのか?」

 

「うん、いいよ、」

 

「あーん、んっ、」

 

「美味しいでしょ?」

 

「あぁ、美味しいな。」

 

「良かった」

 

「ありがとうな、」

 

「折角買って来てくれたんだから、貴方もね?」

 

「そうだな、また今度は三人で食べようか。」

 

「うん!」

 

……………………………………

 




小傘可愛いですよね。

日常を切り取った作品というのは
こうもほのぼのするものなんですね。

なかなかいいものです。


また会えたら会いましょう。

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