物語館   作:むつさん

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どうも夢子でした

前書きはありませんでした


それではごゆっくり


兎の団子屋

喜びながら袋を手に持つ人間。

 

そしてその後ろにはカウンター越しに兎、

 

「毎度ありー!」

 

数分後その兎の元にまた人間が

 

「うさぎさん!団子二本ください!」

 

「ハイハイ二本ね!はいこれ!」

 

「ありがとー!」

 

 

「やっぱり里だとお団子は売れるねぇ」

 

そう言いながら、兎は売り物の団子を頬張った

 

 

 

人里のある通りに団子屋がある。

 

 

店主は鈴瑚という兎。

 

団子好きの兎である。

 

団子屋に一人の男がやってきた

 

 

「鈴瑚さんのお団子、今日も売れてそうだね。」

 

「うどん屋の息子さんじゃないか。仕事はいいのかい」

 

「母さんが団子を食べたいって。お使いに出てるだけさ。」

 

「そう言って、ホントは抜けてきたんだろ?」

 

「半分正解で半分はさっきの通りかな」

 

「して答えとは?」

 

「母さんが父さんにお使いを頼んだから、代わりに俺が来た、仕事をサボれるなら。ってこと。」

 

「うむ。うまい口実。それで何本いる?」

 

「そうだね。妹も両親も、勿論俺も好きだから。八本貰おうかな。」

 

「八本ね。今日は気前がいいじゃないか、はいどうぞ。」

 

「まぁ、美味しいものは食べたくなるものだからね。それじゃ、戻るとするよ」

 

「毎度あり、また今度も頼むよー」

 

そう言うと男はのんびりと帰っていった。

 

「仕事サボりかー。」

 

カウンターに団子並べながら

 

「全く、仕事をサボれるなんて、いい身分だよね。ほんと、」

 

そう呟きながらも。鈴瑚はまた団子を頬張った。

 

数時間経って夜のことだ

 

里では珍しい客がやってきた。

 

「人里に人気の団子屋があると、咲夜から聞いたのだけれど。」

 

「おや、紅魔の吸血鬼さんじゃないか。」

 

「ここで間違いないかしら?」

 

「団子屋ね。多分合ってるんじゃないかな。」

 

「それじゃ、美味しいお団子、を二十本頂こうかしら。」

 

「おぉ…二十本かい。ちょっと用意するから待ってて。」

 

「できるだけ早めにお願いするわ。」

 

鈴瑚は慣れた手つきで売るための団子を用意し始めた。

 

作りながらも。自分用の団子を口に頬張る。

 

「ふぉい、ほれ。」

 

「食べながら渡すなんて失礼ね。」

 

「すまないね。団子を食って力つけてたから、とりあえず、ほら、持ってくだろう。」

 

「ええ、受け取るわ。」

 

「毎度あり。」

 

「感想次第だけど、また来ると思うわ。」

 

「その時のために、たくさん用意しておきますよ、」

 

「ええ、頼むわ、それじゃぁまた今度。」

 

そう言うと、吸血鬼は飛んでいった。

 

 

「紅魔の吸血鬼の耳にまで届くとは…思いもしなかったけど…まぁ、そろそろ他の連中も来る頃かな。」

 

次の日も、兎の団子屋に客は来る。

 

老若男女問わずやってきては団子を買っていく。

 

たまに団子泥棒もいるが。

 

目で見てない限りは見逃している。

 

なぜかと言うと。

 

大体が清蘭の団子屋でも盗みを働こうとして、バレてるからだ。

 

本人も盗まれても、さほど気にしてはいない、

 

むしろ、商品を自分で食べるときがあるほどでもある。

 

盗みが起きるほど、鈴瑚の団子屋は人気でもあるからだ。

 

 

 

「鈴瑚さん、お団子一つ。」

 

「はいよ。」

 

今日も団子は売れる。

 

「兎さんや、お団子一本、頂きたいよ」

 

「本屋の婆さん、喉には気をつけなよ、」

 

「歯は無くともね、ちゃんと食べれるからね。大丈夫だよ。」

 

「そうかい。いつもありがとね。」

 

また売れる。

 

 

「兎のおねぇちゃん!お団子ください!」

 

「ハイハイ、何本かな?」

 

「五本!」

 

「五本かー。おやつにみんなで食べるのかな?」

 

「そー!お友達と食べるんだー!」

 

「楽しそうだね。はいこれ。」

 

「ありがとー!」

 

「うんうん、また来てね。」

 

その次の日だって売れる。

 

たまに鈴瑚目当ての人間もくる。

 

「鈴瑚さん、たまには休みなよ。」

 

「うーん?これでも結構のんびりやってるんだよ?」

 

「へぇ、そうか。ほら、清蘭に任せてさ、たまにはゆっくりしなよ、里には詳しいからさ、案内するって。」

 

「うーん。気持ちはありがたいけどね。里に関しては何度も見て回ってるし。それでここを選んでいるわけだから。」

 

「うんうん、なら尚更散歩してまわろうよ」

 

「いや、いいよ。他にもお客さん来るのに店は空けれないから。」

 

「清蘭に任せてさ、ほら行こうよ。」

 

「あいつもあいつで店構えてるんだから無理に決まってるだろ。」

 

「それじゃ、向こうの団子屋の息子は。あいついつも暇そうじゃん、」

 

「あんたね。私の団子屋に来てナンパとはいい度胸じゃないか」

 

「ナンパなんかしてないよ、まぁいいや、また今度来るなー。」

 

 

「今度は団子買ってってくれよ。」

 

そう言いながらも、本心は

 

(団子買わないなら来るなよ…他のお客さんの迷惑だから…)

 

そう思うばかりだった。

 

実際、先の男が居座っていたせいで三組ほど客が帰っていったのは現実だったりするのだ。

 

 

団子屋に客が来ない日など無く。

鈴瑚は毎日団子を頬張る。

 

「兎さん。お祭り用のお団子って用意してもらえないかな。」

 

「へえー、お祭りか」

 

「そう。近いうちに里でお祭りをするから。お店開くか屋台出すかしてくれるとみんな喜ぶと思うんだ。」

 

「乗った。屋台は用意できそうにないからお店を飾るなり何なりして。便乗させてもらうよ。」

 

「ありがとう。僕もその時は手伝うし、きっとみんなも喜ぶと思う、」

 

「まぁね、みんな毎日買っていってくれるから、参加しないわけにはいかないさ」

 

 

 

お祭り当日

 

ある子供は右手に団子、左手に綿菓子

 

椅子に座る男は両手に団子。

 

見渡す限り。二人に一人は団子を手に持っている

 

お祭り便乗は成功したようで、

 

店の前にたくさんの行列が並んでいる。

 

 

 

鈴瑚の団子屋は里では有名であり

今日も団子はたくさん売れる。




後書きもありませんでした


そまた会えたら会いましょう

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