物語館   作:むつさん

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どうも悠樹です

ここで少しお詫びを。

前回の投稿でこちらのミスで二重投稿となってしまいました。
もちろんあとに投稿されたぶんは削除させていただきました。

この度は混乱を招くようなことをして申し訳ありませんでした、

今後共よろしくお願いいたします。



今回はゆったりとした話です

ではごゆっくり



暖かい幸せ

「さっさと済ませてくるか。」

 

長い階段をまた登るのかと思うと、気が重くなる

そう思いながらも博麗神社に参拝に向かうことにした

 

仕事もあるので普段は朝に参拝に向かうのだが、

 

今日は朝寝坊しそうになったので、仕事が終わって、夜に向かうことにしたのだ。

 

「結構暗くなってきたな。」

 

日も落ちて星すら見えて来ている。

月明かりがうっすらとかかってきている

 

よく晴れているものだから。少しばかり明るい。とは言っても暗いことには変わりなくランタンを手に持とうとしたときだ、

 

「ねぇ、どこに行くの?」

 

後ろから声が聞こえてくる。

 

「誰だ…?」

 

振り向くと白黒の服の少女がふよふよと浮かんでいた。

 

「あっ、神社に行くんだね。」

 

「なんでわかった?」

 

「毎朝よく見かけるから」

 

毎朝見かける…なるほど、この付近の妖怪かそれに近いものか

 

「そうか、ちょっと急いでるからな、また今度。」

 

そう言って足早に先を急ぐ。

 

「私もついてくよ。」

 

後ろから浮いたままついてくるようだ。

 

「別に構わないが、何もないからな。」

 

「うん、いいよ。」

 

謎だな、少女とはいえ、おそらく妖怪、人を食うのが妖怪と聞くが、

 

まさか食われるとかないよな、

 

「さて…目覚ましの階段だな…」

 

例の長い階段登りきった先には神社。

 

さっさと登るか。

 

中盤に差し掛かるところで。そろそろ疲れを感じてくる。

 

「はぁ…はぁ…相変わらずだ…」

 

「どうしたの?疲れてるの?」

 

「そりゃ、お前と違って、地に足ついてるんだ。疲れもするよ、」

 

「ふーん、そーなのか、」

 

「はぁ…先、行っててくれ、」

 

「ううん、一緒に行くよー。」

 

律儀に待つらしい、

 

俺もいつまでも休憩するわけにはいかないから、しばしば登りを再開する。

 

慣れれば少しはらくになるとはいえ

いくら何でも長い階段というのは肉体的には辛い。

 

息が上がりながらもやっとのことで鳥居まで辿り着いた。

 

「はぁ…はぁ…ついた…」

 

「ついたねー。」

 

風船みたいに浮かんで…

楽で良さそうだよ…

 

「ほら。お参り行こ。」

 

「あぁ…ちょっとまってくれ、」

 

「うん。先に、そこの椅子で休もっか。」

 

少女が指さした先には長椅子があった

言われずとも椅子で休むことにする。

 

水筒の水を勢い良く飲み。深呼吸をする。

 

やっとのことで息が落ち着いてきた。

 

「ねぇ。お参りは?」

 

「あぁ、そうだな、お参りするか。」

 

立ち上がってお賽銭を投げ入れ、

手を合わせる、

 

少女もお賽銭はないが

横で手を合わせている

 

このときだけは地に足をつけるようだ。

 

「お参り終わったね。」

 

「そうだな、終わったな。」

 

振り向いて景色を眺める。

 

「夜だとこんなに綺麗な景色なのか、」

 

「綺麗だねー、」

 

「お前はいつもこの付近にいるのか?」

 

「んー。そんな感じだねー」

 

「そうなのか。」

 

「そーだよー。」

 

そこで会話が途切れた。

 

 

少女も俺も黙って景色を眺めていると後ろから足音が聞こえてきた。

 

「ふぁー…あんた、遅かったじゃない、」

 

「霊夢さん起きたんですね、」

 

「まぁ、妖怪が神社に来てる訳だしおちおち寝てる訳にはいかないからねぇ。」

 

「そーなのかー。」

 

「そーなのかー。じゃないわよ、あんたのせいで私は起きちゃったのよ。」

 

やはり、妖怪だったようだ

 

「やっぱり、こいつ妖怪なのか。」

 

「そう、ルーミアっていうのよ。」

 

「ルーミア?」

 

「そーだよー」

 

「ルーミア…あんた何してるの?、」

 

「特に何もー」

 

目的無かったのか…

 

「さっき会ってからずっとついてきてるんだが」

 

「ねぇ、れーむぅ。」

 

「何かしら」

 

「この人は食べてもいい人間?」

 

唐突に何を言い出すか、

 

「あなたが決めなさい。私は関係ないわ」

 

「そっかー。」

 

ルーミアは俺をしばらく見つめてからしばらくして、階段を降り始めた。

 

「食べないみたいね、」

 

「まぁ、そのほうがありがたいけどな。」

 

後を追うように俺も階段を降りていく、

途中でルーミアは止まって振り向いた

 

「あなたは食べても良い人間?」

 

「人間を食うのが妖怪だ、お前が俺を食うなら抵抗はしても勝てはしないだろう。好きにしろ」

 

「そっかー。」

 

その答えばかり、

一体何を考えているのか、

 

「お前は何故食べてもいいか聞くんだ?」

 

「んー。考えたことないなー、」

 

「そうか、」

 

長い階段を降り終えて。

ルーミアはまたこっちを向いて黙っている。

 

「なんだ?俺になんか付いてるか?」

 

「ううん、何も。」

 

何考えてるか、ほんとにわからない。

とりあえず家に帰ることにした。

 

相変わらず、ふよふよと後ろをついてくる。

 

人里にまでついて来る。

 

人里にはいくつか妖怪もいるがこいつは見かけたことはない。

 

「家はどこなんだ?」

 

「家?家かー。」

 

それからしばらく答えてくれない。

 

そのうち自宅まで着いた。

 

ずっとついてきたこいつだ。

どうせ上がっていくんだろ。

 

「ここがあなたの家なんだねー。」

 

「上がってくか?」

 

「うん。」

 

小さな家だが。

それでも人が住むには十分だ。

 

ふと思うと。なぜ俺は家に妖怪を上げてしまったのか。

 

「お腹空いたな。」

 

「ちょっと待ってろ、いま用意するから。」

 

人間の食事で満足するのだろうか。

 

何にせよルーミアが空腹ということは俺が食われかねない。

 

とりあえず用意はしてみた。

 

「あー。おうどんだ。」

 

「わかるのか。」

 

「よくれーむの神社で食べてた。」

 

「そうか、」

 

「いただきます、」

 

いただきますすら言うのか。

何気に行動は人間に近いんだな。

 

うどんをすすって。

普通に食べる。

 

妖怪とは少し離れすぎている気がする、

どこか微笑ましく感じてきて。でも、それがやはり違和感を感じる。

 

「んー。おいしー!」

 

「そうか、良かった」

 

案外喜んでくれるようだ

 

少女も満面の笑顔でうどんを食べている。

 

これはこれで良かったのかもしれない。

 

「美味しかったなー。」

 

食べるのが早いのは人食い妖怪?だからか?

 

「すまない、おかわりはないんだ。」

 

「ううん、大丈夫ー。」

 

俺を食うからおかわりはいらないか?

 

「おうどん一杯で満足だから。」

 

そうか、そりゃ良かった、

 

食器を洗っていたのだが、夜も遅いものだから眠気が少しばかり来ていた。

 

人食い妖怪が側にいるものだから、

流石に今寝るのはやばいと思ったのだが…

 

「ふぁー…眠くなってきたなぁ…」

 

どうやらルーミアも眠たいらしい。

 

俺もいつまでも眠気と戦ってもいられない。

 

ルーミアが寝るまで待ってみようと思ったのだが、以外にも少女の方から行動に移してきた。

 

俺がベットで寝るふりをしていると。

顔を覗き込むように割り込んできた。

 

「まだ起きてるね」

 

「あぁ、まぁ、食われるかもしれないしな」

 

「食べないよ。だってあなたは優しいもん」

 

優しいから食べない。

以外な理由だな。

 

「これだけ近くにいても逃げないし。おうどんもくれたし。なによりも私を怖がらないし。」

 

まぁ、見た目で判断するものではないが、怖いとは感じなかった。

 

「まぁ、なんていうか。」

 

「あなたって優しいね。」

 

そういうと、ルーミアは抱きついてきた。

 

頭を撫でてみる。

なんというか、暖かい感じがする、

 

食われるという緊張感よりも

少し幸せを感じてきている。

 

「あなたと居ると自然にお腹が一杯になっちゃうなあ。」

 

食わずとも腹が満たされる。

なんて幸せ者なんだろうな

 

でもそれだけ、俺は彼女に、気にいられているようだ。

 

「俺が好きか?」

 

「うん。大好き。」

 

すごく微笑ましく感じる

恋愛的な愛ではなく

まるで家族のような、そんな暖かみを感じる。

 

「ねぇ。しばらくここにいていい?」

 

「あぁ、いいぞ、」

 

「ふふっ、嬉しいなぁ。」

 

小さく喜ぶ少女の顔がとても可愛らしく。

 

俺も少し嬉しく感じる。

 

喜んで抱きついてきているが

気がついたら少女は寝てしまっていた

 

寝る姿すら女の子そのものだ、

こんな少女が人食い妖怪なんて信じられない。

 

そんなふうに思いながらも。

 

少女に寄り添い、俺も寝ることにした。




こんなルーミアいたらいいなと思って書きました。

はい、自己満足ガンガンです

でもこんな感じなのもたまにはいいかな。

また会えたら会いましょう

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