物語館   作:むつさん

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どうも悠樹です。

もう、題名が…題名が!

ありきたりだけど許して。


それではごゆっくり


ある日の出来事

「はぁ…さて、どうするか…」

 

竹林で筍を探しに来てたときだ。

 

どうも足元が葉っぱだらけでおかしいなとは思ってたんだが。

 

案の定、地面が抜けて落ちてしまった。

 

それで出口がないかと探しているうちに何故か迷路状の洞窟に迷い込んでしまった。

 

「これは…帰れる保証が無くなってきたな…」

 

歩けば歩くほど分かれ道ばかり、

同じような風景を2度3度見ることがあるから、もしかしたら同じ道を何度か通っているかもしれない。

 

「完璧に迷った…はまりこんだ…」

 

道端にはたまに骨が見える

おそらく迷い込んで帰れなかった虚しい奴等だろう、

 

自分もこうなるのかと思うとぞっとする

 

「ここで終わりだけは勘弁だ…」

 

だが、何処を歩いても出口のような場所は見当たらない、それどころか同じような場所を彷徨ってばかりだ。

 

「…やばいなぁ…」

 

分かれ道ばかりが続きどうも、歩く気が失せてきた。

そんなとき。後ろから足音が聞こえてきた。

 

俺以外にも迷いこんだ人間がいるのかと思うと気の毒だが…

 

「おや…キミは…」

 

「耳が…でかい…?」

 

どうやら…人間じゃないらしい…

ネズミ…?まさか妖怪か?

 

「なんだ、またか…」

 

「あんた、ここがどうなってるのかわかるのか…?」

 

「ここは慣れたからね、道もわかるし出口も知ってる。まさか、竹林の穴から落ちたわけじゃないよね…」

 

「いや、その通りだ」

 

「あぁ…またあの兎どもめ…」

 

何か知ってそうだ

 

「できれば出口まで連れて行ってもらえないか?」

 

「それはいいけど私もここに探しものに来てるから、それまでは我慢してもらえるかな。」

 

「探しもの…?手伝うよ」

 

「いや、いい、下手に人間といると足を引っ張られたら困るからね。」

 

「そんな、足を引っ張るわけないだろう」

 

「竹林の穴に落ちたのはどこの誰だか。」

 

なかなか…強いな…

 

「うっ…まぁ、ここで一人でいるのもなんだからついて行かせてくれ。」

 

「勝手にすればいい、けど、邪魔はしないでくれよ」

 

足早に歩く妖怪についていく。確かに俺が彷徨っていた道とは風景が変わってきている。この少女について行けば確実に出れる気がする。

 

「キミはなんで竹林に。」

 

「永遠亭で料理をするのに筍を使おうと思って。」

 

「はぁ…まぁそんなところだろうとは思ったよ」

 

「何かあるのか…?」

 

「最近、因幡てゐの知り合いにイタズラが過ぎる奴が竹林で悪さしてるんだよ。」

 

「それで、ここが…」

 

「あぁ、あいつここを見つけたからって、人間をここに落として遊んでるんだ」

 

「たまったもんじゃない、こんな所死んでも出れないじゃないか!」

 

「うるさい、そう怒るな。だから私が定期的にここを見て回ってるんだよ」

 

悪質極まりないな…とっ捕まえてやりたい気分だ

 

「だが、あいつはてゐでも手がつけられないほどだからな、飽きるのを待つしかないんだよ。全くだ。」

 

定期的に見て回るなら捜し物に来る必要あったのか…?

 

「それで、捜し物って?」

 

「あぁ。永遠亭の薬師がペンダントを取られたって言ってたからここにないか探してるんだよ。どうもあいつの住処らしき場所はこの前見つけたから、行ってみようと思うんだ。」

 

「住処ねぇ…もしそこに兎がいたらどうする。」

 

「とっ捕まえて永遠亭にたたき出す。」

 

「まぁそうだよな、俺も同じ事考えてた」

 

「居なかったら居なかったで放置、できるだけ関わりたくないし。」

 

できるなら会いたくないな…

 

 

 

その後はしばらく真っ直ぐの道が続いた。

 

「ところで手に持っているその棒は?」

 

「見ての通り、ダウジングロッドだよ。」

 

「ならそれ使えばいいんじゃ、」

 

「最近これ。あてにならなくてね…」

 

「それ、持ってる意味ないよな…」

 

「方角と場所は分かるから、使えなくはないけど。物が合ってるかわからないからね…」

 

「あぁ…そう…」

 

しばらくすると大きな屋敷のような場所に出た。

 

「ここは…人でも住んでるのか…?」

 

「正確には住んで居ただね、」

 

「昔の建物にしては綺麗すぎる…」

 

「どうもここは霊魂が沸くみたいだ。主従関係があったみたいだから、主人を失くした執事使用人の霊魂で溢れてて、それらが屋敷をまだ綺麗に掃除してるんだ。」

 

「なるほど…ってやばいだろ、襲われたらどうする、」

 

「大丈夫だ、むしろ、客人だの何だのって歓迎してくれる。」

 

「そうなのか、」

 

「まぁ、あくまでここは通過点、もう少し先だから、」

 

「そ、そうか。」

 

頭を下げる霊魂に挨拶をしながらも屋敷の裏口の扉から出る、

 

扉をあけてすぐはまた迷路のような通路が続いた。

 

「かなり歩いたな。まだなのか?」

 

「もう目と鼻の先だ。」

 

「あぁ、あの広場のような場所がそうか。」

 

「そう、だね、着いた。」

 

言葉の通り若干広い場所に出た。

 

そこには瓦礫の山のような風景が溜まっていた。

 

しかし、貴重そうなものは何一つ見当たらない。

 

それもそのはずだろう。

鍵付きの箱があり厳重に鎖で縛ってあるのだから。

 

「どうやらこの宝箱の中みたいだね。」

 

「どうするんだ、これ」

 

「たかが、兎の鍵さ、」

 

そう言うと妖怪ネズミは手に持っていたダウジングロッドを叩きつけて鎖と鍵を壊した、

 

「結構野蛮だな…というか、そんなことをするからあてにならなくなるんじゃないか…」

 

「まぁ…それはそれだから…」

 

「あぁ…そう…」

 

宝箱を開けると。

 

「なんだこれ、貴金属ばかり…」

 

「肝心のペンダントが…ない…?」

 

「いや…あった、これだ。」

 

どうやらペンダントはあったらしい。

 

「これ、どうするんだ…?」

 

「仮に人里でこれだけの貴金属を売れば、一生遊んで暮らせるだろうね。」

 

「いや、いい、持ち帰るのでも一苦労だしな。」

 

「別に私もお金に困ることはないし。そのまま放置でいいだろう。」

 

ペンダントだけを持ち帰ることにした、

 

「あとは、帰るだけだな。」

 

「別に帰るのは苦じゃない。すぐそこだし」

 

「えっ…?」

 

その言葉を聞いて疑いはしているもがついていかないことには帰れないだろつ。

 

来た道とは別の通路に進んだ。

少しした所での曲がり道を迎えたとき。曲った先から何かが走ってきていた。

 

「なんかいるな…」

 

「…多分…」

 

妖怪ネズミが言い切る前に曲がり角から現れ勢い余って俺にぶつかった。

 

「なんだ…兎…?」

 

「あっ、こいつだよ」

 

どうも先程話したイタズラ兎のようだ。

 

「こんなところで会うとはね、」

 

兎は慌てて後ろに下がろうとする。

 

するとその先には竹林によくいる不死がいて、兎の服を掴み捕まえた

 

「あれ、妹紅じゃないか、」

 

「お前なんでこんなところに?」

 

「あぁ。その兎に落とされたんだよ。」

 

「なるほど、被害者か。」

 

「そういうこと。」

 

「それで、その兎はどうするつもり?」

 

「ナズーリンだったか、こいつに用事があるのか?」

 

「まぁ、見かけたら捕まえて永遠亭にでもと思ってたとこだけど。」

 

「奇遇だな、さっき私もこいつに迷惑被ったから、永遠亭に叩き出す所だ。」

 

「丁度いい?なら、早く出るか。」

 

妹紅が兎に拳骨を喰らわせると兎はすぐに気を失った。

 

そして、何故か俺が兎をおぶって行くことになった。

 

「案外軽いな、」

 

「まぁ、兎だし。」

 

「にしても今思うと不思議だよな」

 

「何が?」

 

「ネズミが兎を追うなんて」

 

「この幻想郷だから起きることだよ」

 

「どっかの巫女の言葉の通りか」

 

「なんだっけ?常識に囚われてはいけない。だっけか?」

 

「あぁ、それだ、」

 

「普通、兎がネズミを追う側だよな。」

 

「ていうか、ネズミを追うのは猫だよな」

 

「兎って肉食か?」

 

「そんなことはないと思うが」

 

「幻想郷だと、兎は何を食うんだろうな」

 

「さぁ…肉も食うんじゃないか?」

 

「肉食の兎って…」

 

「ナズーリンはともかく、 お前は兎の餅つき見てなかったのか?」

 

「あぁ…そういえば…」

 

「兎の餅つき、月の模様のあれのこと?」

 

「永遠亭では兎達は餅つきをしてるんだよ。」

 

「そうなのか…」

 

そんな会話をしていると。永遠亭についた。

永遠亭に、入ってすぐ永琳に会えた

 

「あらナズーリン、早かったわね。」

 

「ほら、これ、お願いされてたペンダント。」

 

「そうそう、これ、ありがとう。ところで、あなたは筍は?」

 

「あー…それが…」

 

「こいつのせいだ」

 

「あら、妹紅いたのね。」

 

「何度も目が合ってんのに今言うか」

 

「冗談よ。その兎は、あれね、てゐでも手を焼く例の」

 

「そう。こいつ、落とされたんだよ」

 

「はぁ…わかったわまた今度お願いするわ」

 

「はい、申し訳ない。」

 

その後兎達が餅つきを終えて、妹紅とナズーリンも一緒に夕食をとった。

 

ナズーリンはまた何処かへ行ってしまったが妹紅はどうも例の兎が気になるらしくしばらく様子を見るらしい。

 

 

 

 

 

そして俺だが。

 

相変わらず永琳に良い様に使われている。

 

まぁ、里に居ても暇だからいいのだが…

 

人使いのうまい人だと痛感した。

 

筍取りから薬の実験代、輝夜さんの相手もよくする、

 

でも、なんだかんだこの永遠亭が

自分にあってる気がしている。




久々の恋物語ではない話

たまにはこんなのもいいですね。

次は何かな。


ではまた会えたら会いましょう

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