物語館   作:むつさん

46 / 100
どうも悠樹@夢子&松K.です

この日この時間なら誰かは察しがつくでしょう

特に何もなく、前書きは書かないスタイル


それではごゆっくり


特別な愛 二人の幸せ

仕事を終えてようやく家に向かう

 

家に帰れば、美味しい飯と至福の時間が待っている。

そう思うと仕事なんてなんともない。

 

「しかし…今日はやけに冷え込むな…」

 

季節的にもう雪が降ってもおかしくない時期ではある。

 

「体が冷える前に早く帰るか…」

 

里から離れた場所に霧の湖があり。

その近くに家がある。

 

家に着き扉を開けると…

 

「やけに暖かいな…」

 

なんか今日は寒暖が激しい。

 

「あぁ…おかえりなさい…いま、ようい。するか、ら」

 

「ちょっ!大丈夫か!」

 

台所に今にも倒れそうな嫁が食事の支度をしていた。

 

「待て待て、お前はもういいから!ちょっと変われ!」

 

「うぅ、うん。」

 

冷えたタオルに氷を包み嫁に持たせておく。

 

「はぁ…冷たいなぁ」

 

「大丈夫か?火を使うときは温度に気をつけろって言ったろ…」

 

「でも。レシピ通りだと…強火じゃないと、」

 

「無理して作るなよ。」

 

「だって…喜んでほしかったから…」

 

気持ちは嬉しいが…

お前が倒れるのが一番悲しくなる。

 

「それは嬉しいが、お前に何かあったらそれこそ意味がなくなってしまうだろ。」

 

「うん…ごめん」

 

「謝ることはない、無事で済んだから。」

 

今日はてんやわんやいろいろなことがあった。

 

でも何よりも嫁が迎えてくれる家だけは格別だ。

 

俺の嫁は人間ではなく。

妖精と言われる種族だ。

とは言ってももう大人な感じがするから【精霊】と言っても過言ではないか。

 

前は氷精だった嫁。

名はチルノという。

 

実は俺も人間ではないのだが…

特徴もなく弾幕が張れるわけでもない

半妖というだけで、人間より長寿といったぐらいだ。

 

能力といえば。

 

多人数の話を聞き分けれる程度だな。

 

外の世界の歴史的人物(実在したかは不明)に俺と同じようなことができる人間もいたとか。

 

そんなこんなで食事の用意ができた。

 

「ちょっと熱いかもしれないが、食べれるか?」

 

「大丈夫、食べ物ならもう平気。」

 

氷の妖精だけあって熱いものや暑さには弱い。

最近になって熱い食べ物や辛い食べ物に耐性がついたようだ。

 

それでも耐えきれないときもあるが、、

 

基本的に彼女は体温が上がると、

意識が朦朧として、熱が出る。酷くなると氷が出せなくなり、寝るように意識を失う。

 

難しいところではあるが…

 

「はぁ…はぁ…」

 

「おいおい…無理して食ってないか?」

 

「だ…大丈夫…」

 

明らかに大丈夫ではないので、彼女の額に手を当てる。するとやはり暖かくはなっている。

 

「ちょっと、待て、もうその辺にしておけ。」

 

「でも、残すと勿体無いよ…」

 

「俺が食うから、いいから。」

 

「うん、そっか。ありがとう」

 

確かに用意した食事は熱かった。

軽く火傷しそうなほどだ

 

よく我慢して食べたな…と思うしかなったが。彼女なりに頑張ったのだろう。

 

なんだか複雑な気分だ。

 

これ以上無理させないため、今夜寝るところまで一緒にいることにした。

 

普段は別々のベットだが、

今夜だけは心配だったので隣で寝ることにする。

 

のだが…やはり、嫁と隣で、と思うとやはりドキドキしてしまう。

 

チルノは、眠気が来ているのか、それとも体が火照るからか、かなりゆったりとしている。

 

そして極めつけの一言を呟いた

 

「貴方と添い寝すると…ちょっとだけ暖かくて…とっても、気持ちいいんだよね…なんだかとっても幸せな感じがするな…」

 

こんなこと言われて顔を真っ赤にしないやつなんて、百人に一人だろう。

かなり嬉しくなってしまって抱きしめてやりたくなったが…

これ以上彼女の体温が上がるとよくないから、流石に控えておいた。

 

彼女が寝入った少しあとに俺も眠気に負けて寝てしまった。

 

その後だが、手に冷たい感覚が僅かにあったから、多分彼女が手を握っていたんだろう。

 

 

 

…………………………………

 

 

 

 

意識が朦朧とするなか。

 

寒気を感じた。

 

「ここはどこだ?」

 

里で仕事をしていたのに。いつの間にか見覚えのない場所に来ていた。

 

意識がはっきりとして。

まわりを見渡す。

目の前にはかなり大きな湖。

 

その周りは紅が主の館と森ばかり。

 

一体何が起きたのか、

さっぱり検討もつかない。

 

そのままでも仕方ないと思い、周りを散策するも、特に何もない。

 

ここに来る前に何があったのかと思い返せば一つだけおかしな事はあった。

 

やけに里に妖怪が多かったなとは感じていた。

 

普段見ない妖怪すらいて。何かと怪しげなやつまでいた。

 

もしかしたら里で何か事件でも起きてるのではないかと、余計心配になってきてしまう。

 

そんなとき声が聞こえた、、

 

無邪気そうに笑う声と綺麗でおとなしい声。

 

湖の近くの森から出てきた二人の妖精。

 

こちらを見るなり青い服の妖精が威張って話しかけてくる。

 

「あんた人間だな!どうしてこんなところにいるのさ!」

 

いや、正直わからん。

まぁ、人間ではないんだが。

 

「さては、あたいたちをとっ捕まえるつもりだな!」

 

「ちょっと待ていきなりそれはないだろう。」

 

「じゃあ。何なのさ」

 

「わからん、なぜか気を失ってて目が覚めたらここだ、何も状況が掴めなくて困ってたとこだ」

 

今度は後ろの翠髪の妖精が話しかけてきた

 

「ねぇ、あなたってもしかして里の人?」

 

「そうだけど。」

 

「それなら、里まで連れて行ってあげるね、ここにいても何もわからないと思うし。」

 

案外優しいものだ

 

妖精達に案内されて無事里に帰ることは出来たが…

 

その時にはやはり里で異変が起きていた。

 

妖怪達が里を荒らしていた。

道端には何人かの人間が血を流して倒れている。

抵抗する妖怪を押さえ込む人間もいるが、手一杯なのは目に見えている、

私もできる限り協力した。

 

里の外に派遣された人間が博麗の巫女と魔法使いを探しに行っているらしい。

 

それまでの辛抱だ。

 

里にいる人間に味方する妖怪も少なくはないが、圧倒的に悪しき妖怪達の方が多い。

 

俺も半妖ではあるから人間の数倍の力はあるが、本物の妖怪に敵うかどうかと聞かれると、あまり首を立てには振れない。

非力ながらも人間の避難を手伝っていると。聞き覚えのある声が聞こえた。

 

それは悲鳴であり明らかに助けを求めていた。

 

現場に向かえば先の妖精達が妖怪に囲まれている。

 

青い服の妖精は何かと強気のようで氷の魔法のようなもので応戦するも、

やはり息切れのようだ

彼女も決して弱い訳ではないようだが。

数には勝てない。

 

すぐさま駆けつけた。

 

残った妖怪は鎌のような物を振り上げて。

そしてそれを力強く振り下げた。

 

鎌は俺の腕を大きく貫通した。

 

その瞬間また翠髪の妖精が小さく声を上げ泣きだしてしまう。

 

青い服の妖精も流石に今のには引いたのか。かなり怯えだしている。

 

俺も状況が読めた頃にかなり焦り始めてきた。

左腕の感覚がない、それだけでも、かなり不利だ。

 

右腕にできる限りの力を込めて。妖怪を殴りつけた。

それでかなり体力を消耗してしまった

まだ腕に鎌が刺さったままで。

次第に全身の力が抜けてくる。

 

妖怪が拳骨で大きくよろめいた途端。

光る何かにぶつかり消え去った、、

 

助かったと思いその場に座り込むと

ついに意識が朦朧として。

そのまま倒れ込んだ。

 

二人の妖精の声が頭に響く。

それも何を言っているのか考えられなくなるほど、もう意識はなかった。

 

 

 

目が覚めるとよく行く宿の一室で寝ていた。

 

右手がひんやり冷たく感じたが

肩の下から左腕の感覚がない

 

それと、両足の太もも付近に重みを感じた。

 

どうやら二人の妖精が私の手を握ったまま、寝てしまっているようだ。

 

泣いていたのか頬のあたりに薄い線がある。

 

窓の外を覗くと、壊れた建物もいくつかあるが、平和そうな風景が伺えた。

 

「里は無事みたいだな」

 

博麗の巫女と白黒の魔法使いが話をしているのが見える。

どうやらなんとか間に合ったようだ。

 

大きく息をつくと、青い服の妖精が起きた。

 

「あ…大丈夫?」

 

「あぁ…左腕がまだ感覚がない。」

 

「そうだよね…あんな大きな鎌を…」

 

丁寧な治療のおかげで腕の止血はしっかりと済んでいた、だが、多分傷跡は残るだろう。

 

「あそこで俺が行かなかったらお前らが危なかったからな、腕の一本ぐらいなんてことない。」

 

それを聞いたからか青い服の妖精は、また泣きだした。

 

「あたいがもっと強かったらあんたに怪我なんてさせなかったのに…」

 

「いや、よく頑張ったさ。」

 

「でも…あんなのを受けて死んでないなんて、もしかして人間じゃないの?」

 

なんだかんだ言うタイミングはなかったな

 

「あぁ半妖だな。人間の数倍の力はあるぐらいだ」

 

「そうだったんだね…」

 

「お前らは大丈夫か、」

 

「なんともないよ、あんたのおかげで、」

 

「そうか、よかった。」

 

翠髪の妖精もしばらくして目を覚ました。

 

「そういえば二人の名前を教えてもらえないか」

 

「あたいはチルノっていうんだ、」

 

「私は大妖精です。」

 

「チルノに大妖精か」

 

「あたいはいつも大ちゃんって呼んでるんだ」

 

「大妖精…大ちゃんか、」

 

「あっ、えっと、よろしくお願いします。」

 

「そんな堅苦しくしなくていい。」

 

「えっと…改めて言うけど。助けてくれてありがとう…お返しにあたい達にできることはないかな?」

 

「腕がこんな調子だからな…しばらく一緒にいて、何かと手伝いをしてもらえると助かる。」

 

「わかりました。何かあれば呼んでくださいね。」

 

そういってとりあえず二人は帰っていった。

チルノがおいていった溶けない氷。

この氷を揺らすと俺が呼んでいることチルノに伝わるという、

 

さっき俺が何故かいた湖、二人は霧の湖という場所によくいるらしい。

 

俺があの場所にいた理由はよくわからないままだが…

 

行き来できる道はわかったから、自分からもたまに会いに行くことにした…

 

 

………………………………

 

 

 

 

不意に目が覚めた、

まだ日の登る数時間前だが

どうも眠気が来ない。

 

俺が布団の中で少し動くと、チルノも起きてしまった、いや起こしてしまったか。

 

「うぅん…どうしたの?」

 

「目が覚めちゃってな」

 

「そっか…ちょっとこっちに寄って…」

 

「ん…どうした?」

 

言われたとおりに寄ると、急に抱きついてきた。

 

「どうした、変な夢でも見たか?」

 

「ううん…貴方と初めてあったときのことを思い出してね。それでちょっとだけ恋しくなったの」

 

「そうか。俺はここにいるぞ。」

 

「うん…だからこそね…」

 

「俺も夢を見てな、お前と初めてあったときの夢を」

 

「あの時は…私はまだまだだったな…」

 

「腕の傷跡は今でも残ってるし、あの時の事はよく覚えてるよ。」

 

そう言うとチルノはより強く抱きしめている。

顔を見てないから予測ではあるが、

チルノは泣いている。

 

「私…今でもまだ…あの時の事を…」

 

「もういいんだよ、俺は無事だお前も無事で、今こうやって二人一緒に居るじゃないか。」

 

「うん…うん…守ってくれて…すごく嬉しかった…」

 

「これからも守ってやるさ」

 

「うん…!」

 

愛しさよりも強く何かを感じている。

今彼女を手放してしまえば

何もかもが終わるようなそんな感じがする。

 

だから。という訳ではないけれど

 

 

 

チルノに幸せに生きてほしいと

チルノと幸せに暮らしたいと

 

そう想って

 

チルノからの温かい口付けを素直に受けた

 




この時期は私にとって大切な期間ですね。

理由は様々ありますが・


それではまた会えたら会いましょう

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。