物語館   作:むつさん

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どうも松K.です。

今回は壊れてみました

かなりグロテスクな表現とシーンが含まれております

気分を悪くされたらすぐにブラウザバックをしてくださいね

私では責任が取れませんのでご了承を

それでは

ゴユックリドウゾ!


内なるもの 壊れた感情

人間は罪を犯せば罰が下される。

ならば…人で無ければどうか?

 

少なからず人の法で裁くことは無理だろう。

それ故に人間は憐れな事で、

穏便に平和的に事を済まそうとして、

 

結局、何もしないままなのだ

 

 

人里に住む私はいつも通り仕事をしていた。

 

人を相手にする仕事。

 

やれ接客だ、面接だなんだかんだと。

色々とする。

 

大体の人は仕事上の付き合いでしかないものだから、幼馴染を亡くしてから、あまり話さなくなった、

そのせいか、いつの間にか

何かを求めるようになっていた。

 

過去の事もあって。

独り暮らしをしている。

 

 

 

 

仕事が終わったある日の夜だ

 

自分ではない誰かの悲鳴が聞こえた。

かなり近いところからだ

 

何処かで何があったのかと探したが、

真夜中だとどうも視界が暗い。

 

 

目を凝らしながら歩くと足元に違和感を感じた。

 

ピチャピチャと音がする。

 

その後何かを踏んだ。

足元のその何かをよく見ると

 

男が倒れていた、

 

首や腹、足、腕、至るところから血が流れ出していた、

 

それを見て何があったのかわかった

 

妖怪か何かに人間が襲われたのだ。

 

そして、私も今、狙われているのかもしれない

 

下手に動けば私もこの死体と同じようになる。

 

自分が出す音以外に耳を傾けて、

足早にその場を立ち去り家に帰った。

 

後日、死体の身元が判明した。

団子屋の息子だそうだ。

親は泣いて悲しんでいるし、

もちろん妖怪等に襲われてこうなったのだというのは明確だ。

 

犯人など探せば逆に身に危険を及ぼす。

 

人間達はただ悲しむことしかしない。

 

だが、それは人の為した所業ではないからだ。

 

人が人を殺めれば。それは罪となり罰がくだされ、裁かれる。

 

だが、人の所業だと判明できないと、

悲しみ憐れみ弔うことしかしない。

 

なぜか、

 

人では妖怪は裁けないのだろうか。

 

確かに力の差がある。恐れるべき存在であり、それを私達人間と同じように扱う事は到底難しい。

 

人間が妖怪を裁くことを諦めているようにも見える。

 

だから人間は妖怪を恐れるのだろう。

 

 

だが…

私は知った。

 

妖怪であれ、何であれ。

 

心の奥底に潜ませる大きな塊を。

終わりのない感情を

 

やがて、その感情は爆発し。

爆発と同時にまた感情が沸く

それを満たすものを糧としてまた更に求めるように感情が沸く

 

そしてそれが人間の所業であっても

恐れてしまうのだと

 

 

ある昼のことだ。

 

広場で騒がしいと思い。

向かった。

 

その後たくさんの悲鳴が聞こえてきた。

 

人里の人間は一気に散り散りに逃げ出し叫び喚き、泣き声が絶えない。

何があったのかと周りを見渡す。

 

目の前の人間達がいなくなると。

 

そこには虹色の羽をもつ少女がいた。

 

少女の足元には腹部を抉るように切りつけられた人間が倒れている

 

そして少女の手は血と肉片で赤く染まっていた。

 

殺人鬼のような少女が目の前にいるという。

その現実を突きつけられれば人間ならば考える隙も無く恐れ逃げ出すだろう。

 

実際周りにいた野次馬のような奴らはもういない。気がつけば動かなくなった死体と私と少女だけになっている。

 

何故か、恐れという感覚はなかった

でも明らかにまともではない。

 

自分もそこに倒れる死体のようになるのかと思うと、それこそ反吐が出るほど嫌な思いだ。

 

だが、足が動かない。

魔法にかけられているのか、

それとも感覚がないせいか。

 

少女はこちらを見て何もしない。

 

ただまじまじと見つめるばかりで。

何かしてくるという様子もない、

 

しばらく沈黙が続く。

 

そして、少女が動き始めた。

私に近寄り。そして、腹に手をかける。

 

嫌な気がする。

私も殺されるのだろうか。

息が荒れて。心臓の鼓動が早くなる。

冷汗が流れ、体が小刻みにゆれる。

 

「ふふふ、私が怖い?」

 

その言葉にさらに胸が締め付けられる。

 

「あ、あぁ…」

 

かろうじて、掠れた声が出てきた。

 

「あはははは!そうだよね!怖いよね!」

 

少女はくるくると回りながら笑う

 

私はそこでやっと恐ろしい感覚を味わった。

 

だが、すでに手遅れだった。

 

「でも、なんで貴方は逃げないのかなぁ。」

 

確かに、なぜ私は逃げなかったのか。

 

「まぁ、いいや!」

 

しかし、今の私にはただ、その場に立ちすくむことしかできない。

 

「なんか、冷めちゃったし、貴方はまた今度にしよーかな」

 

そう言ってニコッと笑う

まるで無邪気に遊ぶ子供のように…

 

「それじゃあ!またあいましょう!」

 

そう言って虹色の羽を羽ばたかせて、飛んでいった。

 

どうやら、助かったようだ。

その場に座り込み。

しばらく頭が真っ白になった。

 

その一時が終わったものの、

私は少女が忘れられなくなった。

 

あの事件のあとから根強く記憶に残ってしまった。

 

仕事を終えたある夜だ…

 

広場でのお祭りを遠目に眺めていると後ろから子供の笑い声が聞こえてきた。

 

あの少女だ。

 

「ふふふ、また会ったわね!」

 

出来るなら会いたくはなかった。

 

でもなぜか、

恐ろしくなく怖くなく

何か内なるものを感じている。

 

「あら?私が怖くないのかしら?」

 

だが、まともではないのは確かのようだ。

内なるものが次第に大きくなっている…

確かにわかるのは、、

 

「お前のように…俺はなれるのか。」

 

「どういうこと?」

 

人間は罪を犯せば裁かれる

では、人でなければ裁かれない、

それならば、人ならざるために…

 

俺はもう抑えられなくなっていた。

内なるものを。

自分と人間と、存在に対する破壊衝動と…

 

「俺はあのときから…」

 

「そっか!あはははは!貴方も壊したいのね!」

 

少女は離れた場所の眠っている子供を連れてきた。

魔法か何かで眠ってしまっているようだ。

 

「でも、私から先だから、ちょっとまってね!」

 

そう言うと少女は手から爪をむき出し、子供の腹を抉り…そして笑いながらそれを繰り返した。

 

「あはははは!ははははは!!」

 

子供はすぐに息絶えそして腹部からは肉片と血が飛沫を上げていた。

少女は血塗れになりそしてなおそれを悦びとしていた。

 

尋常ではない。狂気そのもの…

でも私はそれを求め始めていた。

 

内なるもの…狂気がこみ上げてくる。

破壊衝動と抑えられない感情と欲求

 

少女の殺戮行為で完全に糸が切れてしまったようだ。

 

ちょうど、異様な音を聞きつけた人間がやってきた。

 

少女は人間を見つけるとすぐさまニヤつき近寄っていく。

 

人間は恐れ、その場に尻餅をついた。

 

しかし…

 

少女が人間に手を出す前に人間はすでに息を失くした。

 

そう…私が…護身用に持っていた小刀で滅茶苦茶に切りつけたのだ…

 

血肉が飛沫を上げ目や口からは血が流れ。

 

肉の切れる感触と血肉が飛び散る音が愛おしく感じた。

何度も何度も刃物を切り付け刺し付け、

抑えられない衝動を満たすためそれを無意識に繰り返した。

 

痙攣を繰り返した人間の体が止まったとき。

そこで物足りなさを感じた。

 

「あはは…アハハハ!もっと!もっとだ!」

 

既に出来上がってしまった。

狂気に身を任せ。殺戮欲求と破壊衝動を満たすため。殺人鬼となってしまっている。

 

少女は笑い、少女も殺人鬼と化していた、

 

私達は広場に向かっている。

 

そして、血を浴びて変わり果てた私達を見て、人間達は恐れを覚え、叫び悲鳴を上げ、逃げ惑い始めた。

 

私と少女は、人間をひとり一人。

見るも無残な姿にしていった。

そう…内なる狂気を満たすために。

 

………………………………………

 

 

日の出。

 

人里には沈黙しかなかった。

しかし次第に狂人の笑い声がきこえてくる

 

そこにはたくさんの人間の最後の姿と、二人の殺人鬼が笑いながら立っていた。




おつかれさまでした。

書いていて正直私もこんな欲求は湧いてきてしまっていました。

いやぁ…やばいやばい…

たまにはこんなシナリオを書いてみるのも悪くないものです


ではまた会えたら会いましょう

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