物語館   作:むつさん

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どうも悠樹です。


前書き?知らない子ですね

ではごゆっくり


運命に変えられた人生

どこか見たことある光景。

 

始めてみたはずなのに。

何故か見たことがある風景

そんな不思議な出来事で

俺の運命は変わったのかもしれない

 

 

 

人里に住む私はある商売をしていた。

 

装飾品…アクセサリを作ることが趣味でそれが売れるのであればと思い。商売を始めた。

 

だが…俺が作るものはどれも人里の雰囲気や見た目などのそれに合わず。

 

物好きぐらいしか買うやつはいない。

 

まぁ、安価で売りに出してはいるのだが…

どうもやはり見た目と合わなければつけない。

つけないのであれば買わない…

 

そうもなれば売上も出ない。

そんなところだ。

 

ただ、大前提、俺が好きで作っているから。

売れなくても何も文句はない。

 

どんなものを作っているかというと。

簡単なものだ

 

ガラスや石、木造のものもある。

 

多種多様。どんなものでも素材にする。

その形が成り立つのであればだが。

 

あるものは勾玉から片翼がついたもの

あるものは陰陽玉のようなもの

あるものは小さな瓢箪

あるものは動物を模した小さな置物

 

どんなものでも造っている

 

置物はよく売れる。

髪飾りやピアスのようなものはあまり売れない。

 

それもまた様々だ

 

名の知れた店ではあるが…

なによりも芸術作品を見に来るだけの人のほうが多い。

 

買う気はない、見に来ただけ。

それでは美術館のようなものだ。

 

そんなこんなでのんびり生きながら趣味に全うしていた。

 

元から少ない客足が減った頃。

珍しいお客様が来た。

 

その姿を見た途端、俺は疑問を浮かばせたが気に留めても仕方ないと、作品の準備を始めた

 

「あら、人里にはこんな達者なお店もあるのね。」

 

その台詞には聞き飽きている。

そう言って人は買わないのだが…

 

「そこのあなたが店主かしら?」

 

話しかけられながらでは集中できないものだから、手は止めて返事をする。

 

「ええ。この店には唯一僕しか店員はいませんよ。」

 

「そう。これ全部あなたが作ったのかしら?」

 

「ええそうです。あのガラスの物も木彫りの物も」

 

「素晴らしいわ。いくつか貰ってもいいかしら。」

 

珍しい客というのはほんとに珍しい。

この店で物を買う客は10日に一人なものだから。

 

「構いませんよ。」

 

「それじゃ、選ばせてもらうわね。」

 

そう言うとその客は付きの者と作品を選び始める。

 

気を遣っているのは話さず喋らずにいるようだ。

ありがたいものだ。

 

ほんの数十分。

 

俺が2つ3つ作品を造り終えた頃。

 

二人で来た客は作品を持って俺のもとに来た。

 

 

「この5つ貰っていくわ、お代はいくらかしら?」

 

統一で硬化二枚。

外で言うなら弐百円のものだ。

 

「あら?こんな高級芸術品をこんな安価なんて。」

 

どうせ仕入れもただなものだから売れたらそれはそれで全部利益。

あまり価値なんてない。

 

「部屋に飾らせていただくわね。」

 

そのほうが造った物も喜ぶだろう。

 

その客達が帰ったあと。

作品を並べていてやはり疑問に思った。

 

人里の住人ではないのは確か。

そして初めて見るのは確かなのだが…

 

どこか懐かしくそして何故か見覚えがあるように感じた。

 

二人の客の内、片方は人ではなかった。

 

背中に蝙蝠の羽…洋風な服

 

付きの者もメイド服。

 

珍しいお客というのはこんなにも珍しいのか

 

そんなことを思いそしてその考えを忘れ。

また作品を造っている。

 

 

それから数日立った頃だろう、

先と同じ客が来た。

 

「相変わらずこのお店は素晴らしいわ。」

 

「お嬢様今日は持ち合わせがありませんが…」

 

「安心なさい。里の者から聞いたわここは全て安価らしいわ」

 

「だといいのですが…」

 

そのとおり、まぁ、欲しければタダでも渡すぐらいだ。

 

過去に聞いた話だが。

俺の作品を競りに出したものもいるらしい。

その時は凄く盛ったらしい

 

高価の紙幣五枚分

外の価格なら拾万円といったところだろう。

 

そんな価格で売れるなら

外の世界でなら俺は大金持ちになっているだろうな。

 

話はそれたが。

 

結局、客達はまたいくつか買っていった。

 

利益として嬉しい面はあるが、

なによりも造った物が買われて去ることか何か虚しい感じがする。

 

物造りな性格のせいか愛着がそれぞれあるもので、手元から離れるとどこか寂しい感じがしていた。

 

まぁ、仕方のないことか。

 

客が帰った次の日。

 

客のことを思い出し、

特徴を作品にしてみた。

 

蝙蝠の羽と懐中時計。

…とその2つを合わせたもの。

懐中時計と背中から蝙蝠の羽が生えているなんて、かなり変なものだ。

並べるには少し見栄えがよくないものだから。カウンタの下の棚にしまっておく。

 

 

リピーター…というのにはまだ遠いだろうけれど。

 

その客は何度も店に顔を出すようになった、

 

そのたび物を買う。

 

複雑な気持ちではあるが。

 

その客にイメージで作った物を

試しに作った、先のものを見せてみた。

 

「あら。なかなか悪くないわね。」

 

これはあくまで

蝙蝠の羽と懐中時計が別々のもの

の感想というだけで。

 

合わさった物を控えめに見せてみると…

 

「ふふっ。なかなか悪くないわ、面白い発想ね、気に入ったわ」

 

何故か気にいられた。

 

「あなた、名前は?」

 

名前を答えた後

そこで何かが起きた

 

そしていきなり客が目の前から消え

蝙蝠の羽等も消えていた。

 

人でないなら、魔法の類の一つや二つは使えるものだろうと解釈し、気にするのをやめた。

 

次の日のことだ。

 

例の客がこの店に来店したのだが

 

今日は買いに来たわけではないようだ。

しかも今日は付きの者が居ない。

 

「あなた。私の館に来ないかしら」

 

館と聞いて何か感じた

 

「紅魔館のほうが貴方の身に合っていると私は思うのだけれど」

 

何処でも造ることはできる。

どうせ買っていくのはこの客しかいない。

なら別に断る理由はない。

 

その提案に同意し。

俺は店を締め、

 

紅魔館で暮らすこととなった。

 

でも何も変わりはない。

ただ、俺は作品を造っているだけだ

 

そしてそれを部屋に飾り、

たまに館主やメイド、別館図書館の司書も来る。

 

その度造った物を例を言って持っていく。

 

オーダーメイド

 

というのだろうか。

指定されたようなものも造る

 

何も変わりはない。

俺は作るだけで、ほしいやつがものを持っていくのだ。

 

流れ的には何も問題はない。

 

ある日のことだ。

 

館主に呼び出されて久々に外に出た。理由も聞く前から魔法使いの所業で宙に浮かされた。

 

浮いた体のコントロールというものはどうも難しいのかと思ったが、、

普段からイメージしてものを作る私からすればどうということはないようだ。

 

隣で浮く館主が館を指してこういった。

 

その館を見た瞬間その景色が何故か見覚えのある景色に感じた。

当然こんなことは初めてだ

 

「紅魔館を模造したものを造って頂戴」

 

なるほど、そういうことか。

 

そういうことならお安い御用だ。

 

ものを作るのは構わない。

 

何度も確認し何度も手直しをして。

 

その度館主に見せても、

これが違う。これがこうじゃないと。

 

なかなか満足にはいかないらしい

 

こうもなればこちらも本気だと。

作ったいくつもの作品を見比べて。

兼ね合わせたようなものを作る。

 

それでやっと館主を頷かせるものができた。

 

大時計に館、図書館と、庭。

どれも繊細に作った。

それで満足してもらってこそ。

物造りのやりがいがあるってものだ。

 

館主はその後、度々俺の作業場に来ては眺めている。

 

何かするわけもなく、話しかけてくるわけでもない。

 

ただ、私が、休憩を挟むたび

寄り添って話をする。

 

何故かこの感じすら昔あったように感じる…

 

どうも気があるのか。

お茶を出してくるときもある。

 

館主なりのもてなしだろうか。

メイド長にも聞いてみたが。

そういうような事は以前には無かったという。

 

まぁ、なんにしろ私は彼女に受け入れてもらえたということだろう。

 

 

 

これからも仕事を続けていくし。

彼女との付き合いもあるが。

 

なによりも、

夢で見た光景というものが。

現実に、起きるという

その不思議から

私の運命は変わった。

 

 

 

そのことに今は驚いている。

 




後書き?知らない子ですね


ではまた会えたら会いましょう

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