物語館   作:むつさん

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どうも夢子です。

前書きは燃え尽きたのだ

ではごゆっくり


永遠を誓って

「おい、起きろ!」

 

嫁のその一声で目は覚めた。

 

「起きろって、飯が冷めるだろ。」

 

その声と同時に布団を剥がされる。

ああ、寒い、身震いをしてしまった

 

「ほら、起きて飯を食うぞ、せっかく作ったんだから、」

 

仕方なくベットから身を起こす。

 

「あぁ…おはよう、今日寒いじゃないか…こんな朝早くからどうした…?」

 

「早くはない、いつも通りだろう…」

 

そんなこんな会話をして食卓につく。

二人着いて食事を済ます。

 

「美味しかったか?」

 

「おいしかったぞ。」

 

わかりやすく簡単な返事で伝わる

 

「そうか、よかった。」

 

嫁が飯を作るのは珍しい方で、

普段は俺が飯を作る。

 

とは言っても嫁も料理が下手な訳ではない。単に俺が作ることが多いだけだ。

 

「今日はどうするんだ、買い出しにはお前が行くのか?」

 

「ついてくるか?」

 

「別に私はどっちでもいい。マフラー編んでる途中だし。それを終わらせるのもあるけど」

 

「またには二人で行くか?」

 

「そうだな。」

 

人里から離れた竹林

迷いの竹林に俺達の家がある。

 

慣れたものだから迷いはしない。

この竹林で迷うのは人里の住人ぐらいだろう。

 

寝着から着替え、家を出る。

買い出しにはよく行くが二人で行くのはたまにしかない。

だから夕食はどちらかの好みで作ることが多い。

 

竹林を歩いていると見知った顔を見かけた。

 

「あっ、月の兎じゃないか、」

 

「あっ、妹紅さん、お久しぶりですね、」

 

「君は確か。レイセンだったかな?」

 

「はい。えっと名前は…」

 

「あれ?会うのは初めてじゃないはずだけど。」

 

「そうでしたっけ?」

 

忘れられてもおかしくはない、もう一年前の話だしな。

 

「輝河だ、覚えておいてやれ」

 

「あー!永遠亭でお会いしましたね!」

 

「あのときは挨拶程度にしか会わなかったからな忘れても無理ないか」

 

「なんかすいませんね、」

 

「いいさ。」

 

「それにしても、お二人揃ってどこに行かれるんですか?」

 

「里まで買い出しだ、たまにはいいかと思ってな。」

 

「普段どっちかが行くからね。」

「そうなんですね、それでは私は八意様のとこに手紙を届けなきゃいけないでこれで!」

 

「ああ、気をつけろよ」

 

「はい、お気をつけて!」

 

レイセンは走って永遠亭まで向かっていった。

俺達も竹林を抜けて里にたどり着いた。

 

丁度今日は里の商店街の盛んな日らしく

出店と屋台とがたくさん並んでいる

何かの祭りだろう。

 

俺等もその雰囲気に溶け込んで楽しもうと思ったがどうも妹紅がその気じゃないようだ

もちろん、そんな雰囲気だから、いろんなやつが集まる。

鬼はもちろん、博麗の巫女も魔法使いも吸血鬼や仙人達も集まっている。

 

 

 

「あら?、こんなところで会えるなんてね。」

 

「ああ、あんたか、」

 

幽霊と半霊すらいる。

 

「幽々子こそ、珍しいな。」

 

「だってお祭りよ?美味しいもの食べ放題じゃない。」

 

「あの…幽々子様…これほんとに全部食べるつもりなんですか…?」

 

妖夢のもつ袋にヤキソバのパックと焼き鳥のパックなど約20ほど詰まっていた。

流石大食いなだけはある

 

「あなたも食べたかったら食べていいのよ?」

 

「私はもうお腹いっぱいですよ…」

 

「相変わらずだな、お前も。」

 

珍しく妹紅が口を開いた。

妹紅は人里だとあまり話さない。

まぁ。以前色々問題があったからだ。

 

「もう…自分で持ってもらいたいです…」

 

「えー、手に持ってたら食べれないじゃない、」

 

「はい…おっしゃるとおりです…」

 

そんなくだりをして幽々子と妖夢は次の屋台まで向かっていった。

 

「何か食いたいものあるか?」

 

妹紅に軽く提案してみた。

 

「お前の手料理」

 

「さいですか、」

 

祭りの屋台の食事は嫌いだろうか。

 

「八百屋向かうか、」

 

祭りの会場をあとにして

里の中央のいつも行く八百屋に向かう。

 

すると、八百屋のおばさんが出迎えてくれた。

 

「待ってたよ、今日はお客さん少なくて暇でね、あんたらは特別、一割引いてあげるよ!」

 

祭りのせいでここらも人が少ないか

値引き非常に嬉しい

 

野菜を一頻り買う。

おばさんにお礼を言って

これまたよく行く肉屋に行く

肉屋と言っても魚も売っているから

肉屋とは言い難いのが本音だ

 

「牛入ってるか?」

 

「生憎少なくてね予約いっぱいなんだ。」

 

「そうか。困ったな」

 

「でもちょっと待ってな。普段の牛よりいい肉があるんだ。」

 

値段の張る高級牛肉か入ったらしい、

年に一度の貴重なものらしいが

どうやらくれるらしい、

 

「あんたらは特別、もう10年ものリピーター様だからな!たまにはサービスだ、」

 

お代を払おうにも元々ただでの仕入れだから金はいらないといわれ、素直に受け取った。

 

「今日はみんなやけに気前がいいな。」

 

「祭りの影響もあるからだろう。」

 

「そういうものか?」

 

「多分な」

 

いまいち里に馴染めない妹紅は今日はやけにおとなしかった。それとやけに俺にくっついている。

 

「今日はどうした?なんかいつもと違うが?」

 

「そ、そんなことはない、」

 

「いつもの乱暴さがなくなってる気がするんだよな。」

 

「き、気のせいだ」

 

そうか、まぁ、そうだろうな。

 

帰りに祭りの会場を通るとこれまた珍しい人に会った。

 

「あら、妹紅、今日も幸せそうね。」

 

「輝夜か、祭りを見に来たのか?」

 

「ええ、たまにはいいかと思ってね、それにしても手なんか繋いで、貴方らしくないわね」

 

やはり、らしくないと思う。

 

「私の勝手だ、いいだろう」

 

「俺の意志は無視なのな」

 

「だ、だめなら離す」

 

そう言いながらも強く握る。

 

「嫌じゃないからいいさ、」

 

「お熱いのねえ、」

 

「一応…お前には感謝している…」

 

「あら?貴方が意を表すなんて、ほんと、らしくないわ」

 

どうしたのだろう?

まぁ、ここで聞くのも妹紅の気に触るだろう今は控えておこう

 

「そういや、レイセンが永遠亭に向かっていたが、」

 

「玉兎ちゃんが?」

 

「えーりんとこに手紙を持っていくとかなんとか。」

 

「そう。」

 

軽く流されたが、まぁ輝夜にはどうでもいいことか。

 

輝夜が、屋台に気が引かれたようなので別れた。

妹紅も少しそわそわし始めている。

妙にくっついているし普段より大人しいし、本当にどうしてこうなったのだろう?

 

とりあえず里を離れて家に帰る。

妹紅は家に入るなり椅子に座ってうつむく。

 

丁度昼頃に家についたものだから

妹紅の言うとおり手料理を振舞った。

 

「うまいなぁ…うまい」

 

「そうか、良かった」

 

何も言わずただ黙々と食事を済ます妹紅

人里の屋台のものをつまんていたものだから俺はさほどお腹は空いてはいない。

 

食事を済ますとソファーの俺の隣にくっつくように寄って。

何も話さず、ずっと寝る仕草をしている

 

珍しいというか、らしくないというか、

どうしたのだろうか、

流石に心配になってくる。

 

「寝ようとしてるところ悪いが…ホントに今日はどうした?らしくないぞ、、」

 

「…今日ぐらい甘えてもいいだろ…?」

 

「それは構わないんだが。何かあったか?俺が何かあるんだったらできることなら何かするし。」

 

「お前のことではあるんだが…でも…」

 

「話してくれ。」

 

「わかった…」

 

 

 

妹紅が昨日寝たあと。

夢の話だ。

理由は覚えていないが。

俺と喧嘩をしたらしい

それで、俺が家を飛び出して行方をくらまし。それから会えなくなった

そんな夢を見たという。

 

妹紅からすれば悪夢のようなもので、

それで気分も上がらず、

俺が恋しくなり、

ずっとこんな様子なのだろう、

 

そう思えば妹紅と結婚をしてから

もう11年は経つ

それだけ長く一緒にいるがこんなことは初めてだ。

 

「今、お前といると…すごく落ち着くんだ…」

 

「そうか…」

 

「お前がいなくなったら私は本当に生きる意味をなくすかもしれない。」

 

「俺はお前を捨てたりはしない。だから大丈夫だ。」

 

「お前は…後悔してないんだな…」

 

「薬か?」

 

「普通なら永遠なんて嫌うはずだろ、、」

 

「お前が永遠に生きるなら。俺も永遠に生きるだけだ。」

 

「そうか…ありがとう」

 

妹紅と付き合い始めた頃。

 

妹紅が不死だと知った時、俺は別れようと思っていた。

 

俺が死んだら妹紅は悲しむ

そんな悲しい思いはさせたくなかったからだ、

 

だが、そう思った矢先

輝夜から提案された。

 

「好きなら好きで、そのまま続けなさいよ。」

 

「でも、俺はただの人間だ」

 

「永遠の命があれば、話は変わるのかしら?」

 

「もしあるならな」

 

「なら」

 

そのくだりのあと蓬莱の薬を渡され

不死になるために薬を飲んだ。

 

そして、妹紅と結婚した。

 

出来事としては…まぁ、

妹紅はすごく怒った。

輝夜にそそのかされて薬を飲んだこと

悲しませたくないという理由だけで別れようとしたこと。

他にも色々あるらしいが…

 

でも結局妹紅は、不死になった俺を受けいれてくれた。

 

いや、だからこそなのだろうか。

 

それからはずっと一緒に暮らして一緒に生きている。

 

お互いに永遠を誓って

 

 

 

 




後書きは灰と化したのだ

ではまた会えたら会いましょう

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