物語館   作:むつさん

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どうも夢子です

前書き書く暇なかった

許して


ではごゆっくり


あなたといるだけで

幻想郷にある奇妙なことが起きていた、

 

「もう!これで何人目よ!」

 

「来るには来るでいいことなんじゃないですか?」

 

「そりゃそうだけど、でもなんか不気味なのよね…」

 

「まぁ、普通の人間であれば耐えきれずに逃げ出すだろうね。」

 

博麗霊夢。博麗神社の巫女の彼女のもとに沢山の男が求婚をしに来ているのだ。

 

しかも唐突に何の起点もなく一人返すともう一人。

 

「そ、そういうあんたはどうなのよ、」

 

「僕はただの参拝客ですよ。」

 

「そ、そう、良かったわ」

 

そんな問答が終わると。

 

「博麗霊夢さん!」

 

また一人現れた。

 

「はいはい、何用で」

 

「私と結婚し…」

 

「却下!お賽銭入れてすぐ帰って!」

 

現れた男もすぐさま断られまた帰っていった。

 

「お賽銭入れて帰れってすごいこと言いますね、」

 

「まぁ。神社に来たからにはお賽銭入れてもらわないとね。でも顔も見たくないから。さっさと帰ってほしいわ」

 

「散々言うなぁ」

 

「当たり前よ、気持ち悪い。」

 

半分苛つきながらお賽銭箱を覗くと紙幣と硬貨が見てわかるほど沢山入っている。

 

「なんだか…複雑な気分になるわね…」

 

「帰った人間みんなお賽銭入れてますもんね。」

 

「ありえないわ!なんかの異変よ!」

 

「そんな、無茶苦茶な…」

 

そう言いながらも小言を零す

 

「告白断るだけでお賽銭貯まるなら耐えて見るのも面白そうね。」

 

「人の心踏み躙って楽しむつもりなんですかね…」

 

「知らないわよ、私は興味ないの。そんなやつらに結婚してくださいって言われて、はいわかりましたって答えるわけないじゃない」

 

「そりゃ、そうだな。」

 

その後も何人も求婚者が現れたが全員お賽銭を入れて返された。

 

「そういえば、僕はなんともないんです?」

 

「何が?」

 

「簡単な話、霊夢さんに害を為していないとはいえ、ここにずっといますけど」

 

「あんたはいいのよただの参拝客なんだから、私の愚痴でも聞いてくれればいいわ」

 

「そうですか。」

 

「あんたが求婚なんてしてきたらそれこそ逃げ出すわ。」

 

焦って顔を逸して話す。

 

「まず無いんで大丈夫ですよ。」

 

「どういう意味かしら」

 

「お賽銭も僅かしか入れていなければ、僕は恋だ愛だと言うのは疎遠にして来た人間です。今更そういうのは気にしませんよ」

 

「そ。そう、良かったわ」

 

若干の残念感を抱え賽銭箱に手をかけ、一つため息した。

 

馬鹿な人間…

霊夢はそう呟いた

 

 

「なんか言ったか?」

 

人間はかすかな声を聞き取りはできなかったようだ

 

「何でもないわ」

 

平常を保ちながら答える。

 

その日はもう求婚目的に参拝する客はいなかった、

 

「散々だったわ。」

 

「大変でしたね」

 

「あんたは一言でそう言うけどね、私からすればひとり一人断るだけでもむしろそういった奴の顔を見るのも虫唾のものなの。勘弁してほしいわ」

 

まぁ、どれもこれもあんたが…

 

「僕は何も悪くないですよ、ただの傍観者ですから。」

 

「いい身分ねほんと。」

 

「どうせ明日も来るでしょうね」

 

「最悪よ勘弁して、やめて、もう逃げ出してしまおうかしら、」

 

 

「巫女失格みたいなこと言わないでください」

 

「別にはあんたには関係ないじゃない」

 

「楽しみが減るんですよー。」

 

「あんたね…人の不幸も蜜の味ってこのことね…」

 

「さて。僕もそろそろ帰ろうかな。」

 

「そう。また来なさい。」

また小言を呟く

(あんたなら歓迎するわ)

 

「また来ると思う楽しそうだったからね」

 

そう言うと男は里に帰っていた

 

「私ってバカね…弾幕はぶつけれても自分の意思をぶつけれない…」

 

そう呟いて目を閉じて寝入った

 

次の日の昼下がりだ。

 

また男は博麗神社で霊夢が求婚されるのを見て笑っていた。

 

その度霊夢はバツの悪そうな顔をする

そして男を睨みつけまた愚痴を零す

 

「あんたね。そろそろなんとかしようとか思わないわけ?」

 

「昨日言ったじゃないですか、僕はただの参拝客、傍観者ですよって」

 

「全く…人が困ってるのに見てみぬふりするなんてとんだ悪人みたいなことするのね」

 

霊夢がそう言うと男もバツの悪そうな顔をした。

 

「そう言われると何も言い返せませんね」

 

「何か案はないわけ?」

 

男は少しばかり思案すると、

唐突に案を言い出した

 

「そうですね、例えば、あなたが男と付き合っているっていう事実が広がれば求婚で参拝する人はいなくなりませんかね」

 

「悪くないとは思うけど。その仮の男をどうするかになるわよ」

 

「誰でもいいんですよほとぼりが冷めたら別れてしまえば」

 

「あんたそれこそ人の心踏み躙ってるわよ。」

 

「それもそうですね」

 

そういうとアハハハと笑い出す

 

「そうね、それじゃ…」

 

霊夢はどうしても誰でもないことを願っていた。

 

「あんたが私と付き合いなさい。」

 

「ふむ。いかにして僕なんて選んだんです」

 

「そ、そんなの!何でもいいじゃない!それに。あんたは誰でもいいって言ったわ」

 

「まぁ言いましたけど、僕は傍観者でいたかったんですけど」

 

「別にあんたはそこに座って見るだけよ。私があの男がいるから帰って、っていうだけ。」

 

「それなら良さそうだ」

 

そんな会話をしていると二人ほど同時に求婚者が現れた。

 

「「博麗さん!」」

 

「はいはい、何か」

 

「けっ…」

 

「残念ねお断りするわ、私にはもういるから」

 

「なっ!誰です!どの男です!」

 

「あいつよあいつ」

 

霊夢が指で示す、椅子に座った男は手を振る、すると求婚者たちが必死になった

 

「あんな見て笑うことしかしないやつよりも!絶対に幸せにしますから!」

 

「無理よ、諦めなさい、あんたにはその資格はないしあんたの幸せなんか押し付けられても嬉しくないわ、帰って」

 

男たちはその答えにあっけらかんとしてそして帰ってしまった、、

 

「こ、効果抜群ね。流石だわ」

 

「見てて面白かったですよ。笑いこらえるので精一杯でしたね。」

そういうとまたアハハハと笑った

 

「わ、笑うんじゃないわよ!もう!」

 

霊夢が赤面して軽く男を叩く

 

それで少し静寂が現れると

霊夢は男に言葉を投げた

 

「あんたずっとここにいなさいよ」

 

「それはどういう意味です?」

 

「意味も何もその言葉の通りよ」

 

半分理解し半分理解できなかった男はとりあえず答えた

 

「邪魔者でなければいいですけど」

 

「邪魔なわけないわ。寧ろそこにいて欲しいんだもの。」

 

「まあ、そう言うなら、別にここにいますけど。」

 

その後

 

日に日に霊夢に求婚をする人間は減っていった。

 

付き合っているという嘘が効いているらしく次第に日に一人ほどのペースになっている。

 

そのおかげでどうも霊夢は暇しているらしい

 

「今日も暇だわ。」

 

「たしかに暇そうにしてるね。今日は何人来たんだい」

 

「そうね珍しく今日は二人きたわ」

 

「ふーん。二人だけか、じゃあもう今日は来ないかもな」

 

「邪魔者は来ないでいいわ」

 

「参拝客を邪魔者扱いですか…」

 

「参拝目的じゃないなら参拝客じゃないもの帰ってちょうだいってなるわ。」

 

「それもそうだな。」

 

「ところで、あんたは何しに来たの?」

 

「お賽銭入れに来ただけ、」

 

「あら、ありがとうね。」

 

「さて、今日もゆっくりさせてもらおうかな。」

 

「こっちいらっしゃい。」

 

「ん?なにかあったか?」

 

「いいからこっち来て隣に座るの」

 

霊夢の隣に座り込む男

男が確かに座ったことを確認すると霊夢は距離を詰めていく。

 

「あんたさ、仮で私と付き合ってることになってるじゃない。」

 

「まぁ、そうだね。」

 

「それでなんだけど。」

 

恥ずかしいという感情を押し殺そうと必死に平常を保つ霊夢

それでもあまりにも男が普通なのでやはり耐えきれず顔をそらして話す

 

「あんた、このまま私と付き合いなさいよ。」

 

「それは、本当の意味の付き合いか?」

 

「そ、それ以外何があるのよ。」

 

「もしかして僕のこと好きなんです?」

 

顔を赤面し逸らして言う

 

「そ、そうよ、悪いかしら」

 

「いつ頃から?」

 

「そうね…思うようになったのは求婚騒動があった頃からかしら。」

 

「そうだとすると君は僕のある発言を聞いているね。」

 

思い返す霊夢はすぐに分かった

むしろ、その発言で今まで話を切り出せなかったのでもある

 

「恋愛関係は疎遠…だったかしら?」

 

「そう。でもね。一つ決めていたことがあるんだ」

 

「どんなことかしら。」

 

「もし、僕を愛する人が現れたら。その人を死ぬまで愛するって。つまり…」

 

それを途中まで聞いて霊夢は男の口を塞いた。

 

「わかった、それ以上は言わないで、私が耐えれないから」

 

「だから、さっきの付き合ってほしいの答えには、応えるよ。」

 

「正直に言うわ…ありがとう。」

 

「これからは毎日来るよ。」

 

「うん。来てほしい。」

 

隣々で座る二人

霊夢は男の肩に頭を寄せて

一つ呟いた

 

「あんたと居ると、恥ずかしいときもあるけど。なんか、すごく安心するし落ち着くのよね。」

 

男はそこで初めて気を荒げた

 

「な、何を言ってるんだ。魔法も何も使ってないからな。」

 

「いいのよ…それで…」

 

日に当たって微睡む霊夢

男は霊夢の頭をなでてゆっくりと眠る霊夢に膝枕をして見守っている

 

 

 

 

 

 




後書きはないですぜ兄貴


それではまた会えたら会いましょう

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