物語館   作:むつさん

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どうも悠樹@夢子です

寒くなってきましたね、私は寒いのは好きですが、みなさんはどうでしょう?

それではごゆっくりと


常なる心

日も雲に隠れたある日のこと

 

ここにもいないとなると、検討もつかないわね。全くどこに居るのやら。

それにしても相変わらずの評判と言ったところかしら。

 

さとりは呆れながら、そうつぶやいて里を出た

 

仕方ないから地底に戻り、素直にこいしの帰りを待つことにした

 

この日は地底での催しものがあり、こいしも参加することになっていたが、どうも姿がなく、また出回っているのではないかと、地上を探していた。

 

無意識っていうのは不思議ね、

 

独り言を言って道を歩いていると。

どこからか心の声が聞こえた

 

いったいどこの誰かしら、私に話しかけてくるなんて

 

横を向くと一人の男が寝そべって空を見ていた。

 

こんなところに地底のものがいるなんて珍しいな

 

人を探してたのよ、別にいいでしょ

 

そりゃ、こいしちゃんの事だな。

あの子ならさっき里で見かけたよ

気づいた時にはいなくなっていたけどな

 

里にいたのね。まぁそろそろ戻る頃でしょうか。

 

さとりはその男の隣に座って話しかけた、

 

あなたは里の人間かしら。

 

いーや、違う

 

なら魔法の森に住まいか

 

それも違う、人間じゃないしな

 

人じゃない。またすごい冗談をいうわね

 

本当だがな。約200は生きてるかな

 

それが本当なら、あなたも相当苦労人でしょうね

 

苦労人ねぇ、まぁ、間違いじゃないかな。

 

ふと男の顔を見ると、話しているように見えたが、口が動いていなかった

 

あら、テレパシーでも使えるのかしら

 

テレパシーねぇ、そうかもな

 

ひとつ質問しようかしら。

 

なにかな。

 

あなたは嫌われてるのかしら

 

嫌われてるかどうかなんて気にしたことないな。

 

あら、そういうのに疎いのかしら

 

嫌われてるかといって自分が変わるわけじゃないしな。俺は俺だ

 

なるほど、面白い回答ね。

 

そりゃどーも

 

二人はそんな会話をしていた、

 

ねぇ、200年も行きているなら、あなたいろんな妖怪のことも知ってるんじゃないかしら。

 

そうだな、紫さんとは長い付き合いではあるな、

 

あらスキマの妖怪とも知り合いとは、なかなかね。

 

他にも山の鬼とか博麗の巫女、それと森の奴らとも仲いいぞ。

 

あら、そこまで顔が広いなんて以外ね、

 

まぁ200年も生きていればな

 

そうね。私はあなたとは初めてじゃないかしら。

 

単に顔合わせしてないだけだ、俺は幾つとあんたを見かけてるしな。

 

あらそう?私は見たことないわ。

 

まぁ、影薄いとよく言われるよ。

 

あなた、なにかあったのかしら

 

ん?なにが?

 

試しに心を読んでみようと思ったのだけど。どうも壁があるみたいね。

 

俺はこいしみたいに心を閉ざしてはないからな。

 

それならなぜかしらね。読めないわ

 

そりゃ、俺が口で会話してないからだろ

 

どういうこと?

 

だから、俺はあんたの能力を知っててこうしてるんだよ、

 

心が読める、それがなにか?

 

わからないかな、俺はあんたと心を使って会話してるんだよ

 

えっと、つまり私は既に心を読んでいたということかしら。

 

そういうこと、だから俺の心は読めないだろ。

 

言ってることがおかしくないかしら、心が読めるとか読めないとか

 

わかりやすく言えば、心の奥底までは読めないだろうな、

 

なるほどね、あなたは心を私は口を使って会話している。そう言いたいのね?それで、あなたの心理を私は知ることはできないと、

 

そういうことだ。心理を覗こうとすれば俺の心の声が邪魔する。だから、あんたは俺の心の奥底にあるも野を読み取ることができない。

 

ひねくれたように言うから戸惑うわ、できるだけ簡単に話してくれないかしら。

 

悪かったよ。ひねくれてるのは昔からだから、どうしょうもない

 

しかし何故、心で会話するのかしら。

 

そりゃ、あんたに心を読まれないためだよ。

 

口が聞けないのかしら。

 

口が聞かないというべきか、

 

またそんな言い方をするのね

 

わかったよ簡単に言うさ

口が使えないんだよ

 

喋れない?なぜ?

 

もう声が出ないんだ、それと喉はとっくに枯れてる。200年も生きれば体の何処もかしこも、廃れるんだよ

 

それは、残念ね…

 

そう、残念でしかない、でもこれでいいと思ってそのままでいる。

 

なんで?人間じゃないならもっと生きていられるのに

 

俺は元人間だからだよ、この方が人としての死に方に近いからな

 

なるほどね、少なからず人としての理を貫きたいと。

 

そうだ。だから声もなくした、ついでに俺はもう足も失ってる

 

まさか、歩けないのかしら?

 

あぁ、腕はまだ動くらしい。ついでに体もな

 

ずっとそうやって苦しみながら生きるのかしら。

 

まぁ、それ以外の方法はない。

いっそあんたが俺を殺してくれるなら話は別だがね。逃げも隠れもできないし

 

そんな無価値なことはしないわ、それにあなたが死にたいと願うのなら、明日でも死ねるとおもうし。

 

まぁ、そうだろうな、いつ死のうかなんて考えてない。気がついたら死んでた、そんなもんでいい、

 

なんだか、長くなってしまったわね

こいしを探しながら帰ろうかしら

 

隣をよく見な

 

あらこいし、いつから居たのかしら

 

さとり様が座った少しあとから。

 

あら結構早い時からいたのね。

気が付かなかったなんて、

無意識って不思議だわ

 

さてと、それじゃ帰りましょうか

 

そう言ってこいしとさとりは歩いて消えていった

 

 

 

久しぶりの会話、心のつながりだったなぁ

 




あなたには心を込めて会話する人が居ますか?
残念ながら私にはいません、もし居るならば大切にしましょ


それではまた会えたら会いましょう

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