物語館   作:むつさん

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どうも夢子です。

バレンタインなんて知らない(すっとぼけ)

チョコは貰いましたある人がみんなに配ってたらしいんでそれを、

今回も恋話。
なかなかいいものです

では、ごゆっくり


色付く出会い

 

 

 

幻想郷からかなり離れた所に街があり、外の世界と変わりないくらい発展している。

 

人によってはここが外の世界じゃないかって思う人もいるらしい、

 

そんな街の端の住宅街に私は住んでいる。

 

幻想郷の鬼や神様とこの街の建築家が、私の家を建ててくれたのだが…

それがなかなか良い家になっている。

 

モダンな風勢に暖炉、二階建てに個室多め。

 

一人で過ごすには大きすぎる家だが、まぁ悪くはない。

 

人の暮らしをする半妖の私には贅沢というものだろう。

 

そんなある日に

私の家にある少女が、いや、ある妖怪が棲み着いた。

 

黒いワンピースで背中に赤と青のよくわからないものが付いている。

 

「ここ、あんたの家なの?」

 

「あぁ、そうだ。」

 

ふーん、そっか

 

そう言ってまた暖炉の椅子に座っている。

 

普段なら私がその椅子で読書しているのだが…

 

「君の名前は?」

 

「さぁ?なんだろーねぇ」

 

教えてくれないようだ。

 

多分だが、

この妖怪は幻想郷から来たのだろう

近場というか街でもこの妖怪は見たことがない、

 

この妖怪はほぼ毎日私の家にいる。

 

あるときはカーペットに化け、

あるときは時計に化け、

ある日は2階の扉に化けた、この時は騙されて、顔を壁にぶつけてしまった。

してやられたと思った時にはこの妖怪は私を見てクスクスと笑う。

まあ、そうでなきゃそんなことしないか。

 

椅子に化けた時もあった。

この時も騙されて座ってしまったが

流石に重さに耐えれなかったのかすぐに音を上げていた。

 

「うう…やっぱ椅子になんかなるんじゃなかった…」

 

そう言うなら元から化けるな。

 

この妖怪の少女には、やられてばかりではない。

もちろん、この家にいる以上、私を怒らせては叱る。

 

反省はするようだ。

正直に謝りもするし、素直な心はあるらしい。

もちろん反発もしてくる。

 

ある日のことだ、

 

私がある理由でこの少女を強く叱った。

いや。叱りすぎたというのが正しいだろう。

当然のことだが、この妖怪少女も反発をしたのだが、それも度が過ぎた。

三叉槍のようなものを取り出して投げつけてきたのだ。

 

腕で受けたが。

その事実が効いたのか

この少女は、しまった…という顔をして膝から崩れ泣き始めてしまった

 

「起きてしまったこと、やってしまったことはもう戻らない。泣くな、」

 

「ごめんなさい…」

 

どうやら深く反省をしているようだ。表情からわかる。

というか、泣いてて尚反発するようなら余程な豪気だろう。

 

その後の少女の行動があまりにも驚くものだった

 

恐らく罪悪感に耐えれなかったのだろう、泣きながら家を飛び出してしまった。

 

追いかけるように私も家を飛び出したが…なかなか見つからない。

ひたすら探し回った。

 

そして、近くで少女のものらしい悲鳴が聞こえた。

 

声の場所に行くと

街でも悪名名高い【三馬鹿】と先ほどの妖怪少女がいた。

 

二人に羽交い締めにされ一人は下半身がモロ出しになっている。

 

やばい…このままでは!

 

仮にも半妖だ、人の数倍の力はある。

風を切る勢いで走って、

その場に駆けつけた。

 

「おい!そこの三馬鹿!」

 

ひっ、と三人は一斉に尻もちをつく。

 

身軽になった途端、少女は私の後ろに行き、身を隠した。

 

「い、いつもの馬鹿力の!」

 

一番背の高い小僧の

逃げろ!

という掛け声で烏天狗のような速度で去っていった

 

「大丈夫か。怖かったろ」

 

「うん…うん……」

 

相当怖かったのだろう、まだ小刻みに震えている。

当たり前だろう、あんなことされてまともで居られるわけがない。

 

しばらくは、私の袖を掴んで怯えていた。

家に着くなりいつもの椅子に座って、俯いていた。

 

次の日のことだ、

久々に走ったからか、

ひどく疲れて椅子で居眠りをしたまま寝ていた。

 

扉を叩く音に起こされて。目が覚め、少女もこの音で起きたようだ。

 

扉を開けると見覚えのある顔が5つある

 

「どうしました?」

 

「うちの息子たちがご迷惑を掛けたようで…」

 

寝ぼけていてよくわからなかったから、取り敢えず家に上がって貰った、

それはいいんだが、入るなりいきなり三指ついて土下座をしてくる

 

「昨日うちの子たちが神谷さんの娘さんにご迷惑を掛けたようです」

 

「「申し訳ありませんでした、」」

 

口を揃えて言う

 

二度寝していた少女が声に驚いて起きて、私の後ろに隠れた。

そうくっつくな何もしてこないさ

 

どうやら、昨日の三馬鹿のことらしい。

そりゃ謝るのもわからなくないが、人間はここまでするのか、

 

「顔を上げてください。起きてしまったことは変えようが無いですから。」

 

そうしてしばらく彼らの謝罪が続いた。

話によれば、あの三馬鹿は少年担当警察ではなく、普通の警察に捕まり、法で裁かれることとなったそうだ。まぁたくさんの悪事と迷惑行為を繰り返していたからな。そうもなる

そのうちの二人は自宅謹慎、もう一人は刑が軽くなったのか謹慎処分にはならなかった、理由としては二人から暴力脅迫等いじめを受けていたから、つまりこいつも一応被害者だ。

まだ署内謹慎で事情聴取されてるらしい。まぁ後に家にきて謝りに来るのだろう

 

親たちが帰ったあと、少女が私にくっついて話しかけてきた。

 

「神谷っていうんだ。」

 

「ん?あぁ、ここでは神谷幸春って呼ばれてる、まぁ、本当の名前は違うけどもう忘れた」

 

親からは名前をつけてもらったことはない。その知り合いからもらった名前は嫌だったから忘れた、

 

心を開いたのか、

少女の方も名前を教えてくれた。

 

「私はぬえ、封獣ぬえ。」

 

命蓮寺にいたと言われるあの妖怪か。

 

「どうしてここに来ようと思ったんだ?」

 

「んー、なんかつまんなかったからさ。」

 

「面白い事はあったか?」

 

つまらなくはなかったかな、

そう言って椅子に座って暖炉を眺めて黙ってしまった。

 

まぁ、私も一人の頃に比べればつまらなくなかった。

むしろ楽しいくらいだ。

 

色があっていい日々だ

しかし、ここにもつまらなくなったらまたどこかにフラフラといなくなってしまうのだろう、そうなれば、また元の生活だ。

 

「しばらくは、ここにいようかな。」

 

少女がそう呟いた。

 

「命蓮寺はいいのか?」

 

「まぁ、遊びに行ってるようなものだし。あそこにいて用事があったわけでもないから」

 

「そうか、」

 

この少女がいて悪い気はしない、

恐らく、ぬえも私と共にいて悪い気はしていないのだろう。

 

なら釣り合いが取れている、

このまま仲良く平和に過ごすのがいいのだろう、

 

「まぁ、あんたのこと少しは好きになったかな。」

 

「少し、なんだな」

 

唐突な告白だ

まぁ、嬉しいものだ。

なにせ人間の下心満載の告白しかされたことがないものだから。

こういう幻想的な場面での告白はいいものだ、

 

まぁ、こういう生活も悪くない。

 

 

次の日のことだ、

 

朝起きるとぬえがいない。

探そうと思ったが、気配を感じないものだから、いないと確信して。

また前のように一人で朝を過ごしていた。

 

起きて一時間程経った頃だろう。

ドアをノックする音が聞こえて、扉をあける。

郵便だった。誰が?恐らく三馬鹿の内の…とまぁ、予想はしていたが。

大きく外れるとは思ってもみなかった。

 

受け取りサインをして、

大きな箱を床に置く。

郵便物を眺めながらコーヒーを飲む。

 

ふと何かを感じた。

 

物々しさでも圧力でもない。

郵便物ではありえない、気配を感じた。

 

テープをカッターではなく指で丁寧に剥がす、

それからある程度距離をとって、中の生き物に話しかける。

 

「もう出てきていいぞ。」

 

箱から出てきたのはぬえだった。

 

「今日あんた誕生日でしょ。」

 

そんなことも知ってたのか、

確かに生まれた日にちぐらいは覚えている、教えたことはないんだが。

恐らくカレンダーを見たのだろう。

 

「誕生日プレゼントは…私!どう!驚いた?」

 

「あぁ、凄くいい誕生日プレゼントだ、もちろん受け取るよ。」

 

驚きはしなかったが。

どちらかといえば誕生日云々のことに驚いたと言っておいた、

 

不服そうな顔が見えたから、頭を撫でて。満足そうな顔が見えるまで可愛がった。

そうか、これが恋愛ってやつなのか

 

なかなか、悪くない。

いや、とても良いものだ。




小説を考えれる程度の能力が付きました

嬉しい限りです。

ちなみに去年は誕生日プレゼントは兄から東方ゲームを買っていただいたのみです。

ではまた会えたら会いましょう

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