イルヴァの大地でとりあえず世界一位でも目指しましょうかplus(Overdose) 作:輝く羊モドキ
ジローはようやくこの世界がelonaとはかなり違う世界だということに気付くようです?
結局三日近くシェルターに閉じこもっていた。
まあエーテルの風にしてはかなり早く収まった方だとは思う。
・・・さて、ではエリステアからの任務でもこなしに「なあご主人。」なんだいオートス君?
「今更だがご主人が信仰している神様ってなんだ?」
・・・
「やべえどの神様も信仰してねえ。」「ご主人?!」
* * * * *
何も信仰していない、つまりは無のエイス信仰な訳だがこれはあんまり良くない。
良くないと言うよりは神を信仰することでメリットが有るって言えるな。
この世界では人と神との距離が近く、神は人々に信仰の礼として様々なメリットを与える。
オートスが信仰している『収穫のクミロミ』は信者になれば手先が器用になり、物覚えも良くなるそうだ。オートスが言ってた。
エイス様にメリットはあるのかだって?有るよ、
お水祝福してくれたりだとか……(小声)
私の記憶が正しければイルヴァの地には主な神が7柱いたはずだ。
《地のオパートス》《風のルルウィ》《幸運のエヘカトル》《収穫のクミロミ》
《元素のイツパロトル》《癒しのジュア》《機械のマニ》
そしてここに《無のエイス》が入って8柱。イルヴァに住まう人間はこのいずれかの神を絶対に信仰している。
・・・さて、どうやって信仰するかと言うと、モノには手順というものがある。
「この神様を信仰しまーす」といって信仰できるものでは無い。
まず初めに信仰したい神の祭壇を見つける。
次に祭壇の傍で神に「信仰しまーす」とでも言う。
信仰完了。
簡単ですね(白目)
さて、王都パルミアはとても広い。そして広いからこそ沢山の人がいる。沢山の人がいると当然、信仰をする場所も大きい。そこでとりあえずパルミアの教会に向かってみる事にした。
「改宗・・・ですか?」「ああ。」
「あまりお勧めはしませんよ。神は来る者は拒みませんが去る者には厳しいのです。改宗なんてしてしまったら神の怒りを買いますよ?」「大丈夫です。エイス信仰してたんで。」
無のエイスは非常に寛大なお方である。なんせ改宗しても天罰なんてしない。
・・・信者に興味が無いともいえる。
「そ、そうですか・・・。しかしなんにせよ、此処では改宗は出来ませんよ。」
「なん・・・だと・・・?」
「はい、此処はパルミアの教会。大勢の人が訪れます。当然、信仰している神が違う人だって幾らでもいます。この教会には確かに祭壇こそ置いておりますが、全ての神に対応できるようにどの神の所有物でも無いのです。」
それもそうか。しかし改宗できる場所となるとなぁ。稀にネフィアに祭壇が置いてある場合もあるが、それが狙った神の祭壇かどうかは分からないし・・・。
「ふむ。それでしたら神々の休戦地に行ってみてはいかがです?」
・・・ああ、そういえば其処なら確かに祭壇あるわ。
「神々の休戦地はパルミアの北にあります。道中はとても危険ですが、冒険者である貴方ならば大丈夫でしょう。」
「ええ、まあ大丈夫でしょう。それではそこに行ってみる事にします。
「はい、道中お気をつけて。」
とりあえず信仰を決めてからレシマスに直接向かうとしますか。
* * * * *
そして何事も無く着きました神々の休戦地。
「フハーン?ここが噂に聞いた神々の休戦地か。おお、祭壇がいっぱいあるぞ!」
「・・・乗っ取るなよ?」「誰がするか!」
巨大な神殿の様な建物の中に足を踏み入れたら尻尾が二つに分かれている猫と銀色の狼が出迎えてくれた。
「ようこそ人間と・・・ゴーレム?かな、ここは「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」」
「猫が喋っちゃ悪いか○すぞ。」「あ、ハイ。すみません。」
なんだこの猫口悪い。
よく考えたらelonaだから猫が喋るのは何も可笑しくないな!(洗脳済み)
「おほん。ここは神々の休戦地、ここでは争い事は厳禁だよ。信仰争いなんてもっての外だ。それで?君たちは此処に何をしに来たのかな。」
「ああ、改宗しようと思ってな。此処なら祭壇がいっぱいあるだろ?」
「んん?改宗のために来たと・・・?ふん、まあいいさ。それで君たちはどんな神の信仰を捨て、新しい神に乗り換えるのかな?」
「フハー・・・言い方に悪意があるぞ・・・。」
「はん、信仰対象をコロコロ変えるような奴なんてコレで十分だろう。」
「無のエイスから信仰を替えようと思ってね。」
「・・・あぁ・・・そう・・・。」
「まあ、いい。折角だ。この僕がどの神様にどんなご利益があるか説明してやろう。」
「え、いいです。」「フハーン。別にいらないぞ、私が説明できるからな。」
「まあそういうなよ。久しぶりの客なんだからもっと喋らせろ。」
「要らねえって。」「たまには私の頭の良い所をご主人に見せさせろ。」
「いや、まあまあいいだろう。ちょっと話をするだけだから。」
「そんなに話がしたいなら壁と話してろよ。」「フハー。」
「グズッ。ヒック。ズズッ。」「おおおお泣くな泣くな!」「あぁっ!コレで顔拭いてホラ!」
*
「さあさあ!まずは片っ端から紹介しようじゃないか!」
「(さっきとだいぶ変わって生き生きしだしたな。)」
「(フハー。まあちょっとくらいは付き合ってやろう。)」
「知っての通り現在のイルヴァで信仰されている主神は8柱。まずはすぐそこにある祭壇の主。《幸運のエヘカトル》を紹介しよう。」
「エヘカトルはその名の通り幸運の女神様だ。エヘカトルを信仰した者は運を味方につける。運も実力のうちと言うだろう?彼女への信仰を深めれば深めるほど、運だけでなく魅力や魔力の限界値まで上がることが分かっている。その他には魔法を使う場合、マナの消費がランダムに増減する。まあ全体で見ればマナの消費は抑えられているらしいよ。捧げ物は魚が好きみたいだ。タラバガニも捧げることが出来るぞ。」
「タラバガニ!」「ご、ご主人?」
なんでもない。言ってみたかっただけだ。
「《地のオパートス》!彼は大地の男神だ。彼の神が居る場所こそが大地であり、彼の神がひとたび空を飛べば大地も彼を追い隆起するだろう。オパートスを信仰した者は、高い防御力と破壊力を身につけ、信仰を極めた者は素手で大地を均し岩盤すら持ち運ぶことが出来るだろう。その他にもあらゆる物理ダメージから守ってくれる大地の甲殻を身にまとえる。捧げ物は大地そのものである鉱石を好むぞ!」
「フハハ!私の口調はオパートス様を真似たのだぞ!」「クミロミ信者なのに?」
「う、五月蠅い!」
「《機械のマニ》は比較的若い神だ。だがその力は他の神にも劣らないぞ?マニは機械仕掛けの神で、魂すら機械の容に入れることが出来る。彼を信仰した者は機械に対する膨大な知識を得ることが出来るぞ。また、研ぎ澄まされた感覚により機械の様な精密な攻撃が出来るようになり、敵の弱点を的確に攻めることが出来るぞ!信仰を深めれば手先が器用になり、銃器の扱いだけでなく宝石細工や工作の技術も上達する!捧げ物は銃器や機械を好んでいる。」
「・・・地味神じゃあ無い?」「フハーン…マニは信者を集める事に頓着していないから。」
はて、もっと残念性能な神様だった気がするのだけども・・・?
「お次は《風のルルウィ》!ルルウィは風を司る女神だ。ルルウィを信仰した者は風の恩恵を受けて素早く動き回ることが出来る!戦いにおいて速さは力。信仰を極めた者ならばクイックリングを捕まえる事だって朝飯前だろう。また、風の恩恵により弓やクロスボウの技術が向上するぞ。さらにはその身にルルウィを憑依させることで瞬間的に高速になる。信仰を深めれば深めるほどにより爆発的な速度になるぞ!捧げ物は弓が良いぞ。」
「フハハ、ルルウィは大体何時も全裸らしいぞ。」「そういえばルミエストにはルルウィ像がいっぱい有るそうだな。」
「《元素のイツパロトル》は元素を司る男神だ。現存する神々の中では最古の存在にあたり、神の中でもトップクラスの力を持っている!イツパロトルを信仰した者は大気からマナを吸収し、元素に対する保護を受けることが出来るぞ!熟練の修行者ならば炎の海を渡っても火傷一つ負わず、極寒の吹雪の中にいても凍傷一つ負わず、雷の直撃を受けても怪我一つ負うことも無い!魔法使いの多くはイツパロトルを信仰しているな。捧げ物は魔道具を好んでいるようだ。」
「・・・キウイ?」「・・・なんでキウイなんだ?」
なんでだろう、なぜか言わなきゃいけない気がして・・・。
「まだまだ行くぞ?《癒しのジュア》!ジュアは癒しの女神だ。ジュアを信仰した者は傷ついた身体を癒すことが出来る。聖なる癒し手ジュアのポーションはかの女神が直接調合した物であると言われている。信仰を深めれば自身の治癒力の強化や魔道具の理解の深まり、また生命に対する扱い方が上手くなり解剖学や料理まで上達するようだ。さらにはスタミナを消費することで自身の体力を回復させることが出来、より死からどんどん離れていくヒーラーになれるだろう。捧げ物は鉱石が好きらしい。」
「フハーン。ジュアはかなり頑張ってキャラ付けしているようだぞ!」
「・・・お前が言うかね。」「フハァ!」
「《収穫のクミロミ》!クミロミは収穫の神だ。クミロミを信仰した者は大地の恵みを収穫、加工する術を知る!信仰すれば自身の感覚や器用さ、物覚えが上昇し、栽培はもちろん錬金術や裁縫など手先の器用さが必要な技術が上昇する。さらには大地から無限の活性力を吸収することで短時間で疲労が回復することが出来るようになるぞ!」
「フハハハ!私の無尽蔵なスタミナはここから来るのだぞ!」「・・・(クミロミのボーナスって植物の種が貰えるものじゃなかったっけか?あ~どうだったか・・・)」「ご主人?」「何でもない。」
「さあさあ!いよいよ最後の神様の紹介だ!」「ほんとテンション高いなお前・・・。」
そもそもそこまでもったいぶって紹介するものでもないだろう無のエイスは・・・。
「最後の神《富のヤカテクト》の紹介だ!」「・・・は?」
やかてくと?
「どうしたご主人?」「ヤカテクトって誰だよ。」「え?」「え?」「・・・え?」
え、何コレもしかして一般常識なん?
さてさて、エロナとプラスの違いがどんどん顕著に出てきました。ジローは16年も前の記憶なんてもう曖昧になってきていますがそれでも覚えている所は覚えています。