イルヴァの大地でとりあえず世界一位でも目指しましょうかplus(Overdose) 作:輝く羊モドキ
「冒険者さん!また来てねー!」「くぅぅぅん!」
「ありがとうございました。また寄ってくださいね♪」
「冒険者さん、さよ~なら~」
「フハハハハ!また来るからな!」
私達はヴェルニースを出発した。
* * * * *
…雨が降り出したな。土砂降りにならないといいんだが。
と思った矢先に土砂降りになった。
「フ、フハァ!これではマトモに進めんぞ!」
「くっ、しょうがないが止まっている暇はない!足元に気を付けながら進むぞ!」
大雨に降られて全身グショグショになりながら進むが不運は続く。
カッ! ゴロゴロゴロ!
「フハー!雷まで降りだした!」「あ”ぁ~!なんていったぁ!」
「だぁからぁ!!」「あ”あ”!」
「雷までぇ!!」 「あ”あ”!」
「降りだしたなって!!」「んなことわかっとるわ!!!」
雲の僅かな切れ間から覗いていた太陽も沈んでしまい、月と星の輝きは雷雲とバケツをひっくり返したような雨に隠れていた。
一寸先は闇。お互いの顔すら見ることが出来ない暗黒の中、はぐれないように手をつないで王都パルミアまでの道を歩く。
しかしすでに道しるべなんて見える明るさではなく、今歩いている場所は大雨でかなりぬかるんでしまい街道かどうかすら判別がつかない。
ふ、と気が付くと身体に雨粒が当たらなくなった。雨が降り続ける音は聞こえるが…
手を前に突き出すと何か硬い物にあたった。軽く手を動かしてみるとざらざらとした感触がある。
木だ。それもかなり巨大な。
大木が大雨を遮ってくれているのか。
「フハー!ご主人!今日はもう休もう!」
「あぁ。そうするか。」
本当ならまだまだ歩けるだけの体力は残っているが、こんな前すら見えない、自分がどこを歩いているかも分からない状況の中無理に歩き続けていたら、知らぬ間にパルミアから離れていったなんてことになりかねない。
何よりもこんな暗闇の中、次また雨宿りできるポイントが見つかるとも限らない。
体感的には大雨の中でも結構な距離を稼ぐことが出来たと思うし、日数も余裕がまだあるから急ぐ理由もない。
今日はここで野営することにする。
野営といってもそれほど何かする訳でもない。
冒険者カバンから布団を出して敷くだけだ。
…え?地面に直接敷いてもいいのか?だって?いいんだよ!(
びしょびしょになった身体をある程度拭いてから布団を敷く。
布団にはいり、明日はこの雨が止んでくれたらいいのにと思いながら眠りについた。
「フハハハハ。付いて行くぞぉ、夢の中までも。」やめい
* * *
「ん。んー、んー?」
あまりの寝苦しさに目を覚ました。
雨は止んではいなかったがかなりの小雨になっていた。これならば昨日よりははるかに楽だろう。そう思って体を起こ…そうとしたら体が動かなかった。
原因を探したらすぐに見つかった。胸の上にいた。
「フー。 フハー。 フハー。」スヤスヤ
なに人を敷布団扱いしてるんですかねぇ。というか寝息おかしくね?
とりあえず目の前の少女を起こそうと手を動かしたら
「フハハハ。ごしゅじーん。愛してるぞぉ」スヤスヤ
「…」
そんなことわかっとるわ、阿呆め。
でも腹立たしいから叩き起こすことにした。「ぐほぉあ!て、敵襲?!敵襲だ!?フハハハ!」
なんだこいつら気が付いたらイチャイチャしてんなこいつら。
とても危険な爆弾設置しなきゃ(
何時になったらパルミアに行くかって?スグだよぉ!
ラーの翼神龍「もうジャビ王暗殺しに行った方がはやいんじゃないかしら。」
The・一般兵「もうすぐ!もうすぐですから!!」
クソ「もはや悪意しか残ってないな」