イルヴァの大地でとりあえず世界一位でも目指しましょうかplus(Overdose)   作:輝く羊モドキ

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「給料日だ!」「フハー?給料日?」
冒険者にも給料は出る。なんでかは知らん。

片道5時間くらいかけて我が家(洞窟)に戻る。

「さーてさてさて、中身は何だろうなー。」「フハーハハハ!」


兵糧
332枚の金貨


「…」「…」



駆け出し冒険者ってほんっとに儲からない


運命 → 脈動

「フハァ!町の依頼を専門にこなしていた方が儲かっていたではないか!」

「いや、確かにそうだけど次からは鑑定しなくてもそこそこの値段で売れる物が増えていくんだから長い目で見れば…」

 

 

 *

 

 

兄は蛇とかよく呼ばれてるジローです。最近は一般市民達の間でも兄は蛇であることを聞いたことがある人が多いです。なんでですか…

ここ数日は子犬を助けた洞窟に潜ったりヴェルニースで様々な依頼をこなしてます。

今日はなにかの見習いでぬいぐるみマニアなのが町中に知れ渡っている『ミシェス』の依頼を終わらせたところです。

「スライムを退治してくれてありがとうございます♪これ、役に立つか分からないけど、とっておいてね。」

ミシェスは金貨と小盾と腰当を寄越した。無鑑定じゃねえかこれほんとに役に立つか分かんねーな

 

 

 *

 

 

時に誰かが見えざる手に暗殺され、時に発狂した金持ちからお金を貰い、時に誰かが利用した井戸からモンスターが湧き出て、時に酒場の吟遊詩人が聴衆に殺され(いつも通りだったわ)のある日。

 

「ご主人。レシマスで何かが見つかったらしいぞ!」「レシマス?」

レシマス、レシマス?どこかで聞いたことある様な…

「レシマスってどこだよ?」「フハハ!知らん!」

私は少女を殴った。

 

 

レシマスという単語に気を引かれまくった私はヴェルニースの市民に聞き込みを行った。あっさりその情報を手に入れることが出来た。

「みゃみゃ?レシマスならヴェルニースから南に行ったらみえるよ!るよ!」

「フハハハ!面白い口調だな!フワハハハハ!」

「みゅみゃ!貴女に言われたくないよ!ないよ!」

「どっちもどっちだよ…。」

 

 

* * * * *

 

 

ヴェルニースを出て10時間。ずっと歩き通しだったがようやくついた。おそらく此処がレシマスなのだろう。

レシマスの前に着くと同時に思い出した。此処がelonaでの主軸となるダンジョンだということに。

 

…なんだか変に緊張してきた。レシマスからは運命の鼓動を感じる。

「フハーン?入らないのか?」

…こういう時ばかりはお前の能天気さに救われるな。

「入るさ。そりゃぁな。」

「?フハハ!ならば威勢良く行こうか!」

そうして二人はレシマスの洞窟に飲み込まれていった。

 

 

 

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同刻 ザナンの皇子宿営

 

ある一室に男が三人いた。一人は変哲もない兵士。一人は青い髪の切れ者そうな男。

もう一人は一度目にしたら忘れることはできないであろう白子の男、ザナンの皇子『サイモア』だった。

 

「サイモア様、酒場で不審な男を捕らえたとの報告です。三年前に失踪した≪白き鷹≫であると、ロイター様はおっしゃられるのですが。」兵士が言う。

「確かなのか?」サイモアが返す。

「ハ、それが…確かに昔の面影はあるのですが、風貌も変わり、尋問をしても一言も喋りません。私には別人のように思えますが、ロイター様がおっしゃられるのであれば間違いないかと。」

「変わったか。ふふ…そうだろう、昔のままでいられるわけがない。あの者は捨て置け。手を出してはならぬ。」

「御意。」

兵士は部屋から退室した。

 

 

「皮肉なものだ。ザナンを出て以来行方を探させていたが、今になって見つかるなんて。」

「ザナンの白き鷹…今更あの男に何を期待しておいでで?」

「期待などしてはいない。ただ生きて、これから起こる喜劇の証人になってくれればいい。あの男がいないと、私の物語は完結しないのだから。」

 

 

 

 

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場面戻ってレシマスの洞窟

 

 

「フハーン、中はあの洞窟とあまり変わらないなあ!」

「確かに…。違いを挙げるとすれば先が深くて何階層あるのか全く分からないって所か。」

レシマスの中は意外と普通だった。

モンスターも入り口付近の奴らは全く強そうにも見えない。これならばサクサクと進めそうだ。

 

 

そうしてズンズンと奥へ奥へと進んでいくと生意気にも鍵のかかった扉が行く手を遮っていた。

「フハー、これでは進めないぞ。」

「ふむ…。壊そうにもこれはかなり頑丈そうだ。」素手で壁を掘り起こせる私が言うんだ。間違いない。

 

仕方がないので少し辺りを探索することにする。男が倒れていた。

死体かな?と思って近づいてみると男はまだ息をしていた。

おい、大丈夫か!と声を掛けながら男の元に駆け寄ると、男は行き絶え絶えに、

「…そこの御人…頼み…頼みがある…私はパルミアの斥候…王の命令でレシマスに潜んでいた者だ…」

パルミア?王の命令?疑問を口にする前に男は続ける

「詳しく説明する体力は…私には…もう残っていない…ジャビ王にこの書簡を…届けて頂きたい…二つの大国の衝突を…シエラ・テールの…危機を…防ぐために…」

ゴボォ と血を吐いた。

「…う、うぅ…貴方を…信じる以外にもう希望はない…私の所持品は…自由にして構わない…どうか、この知らせを…パルミアに…」

 

 

ジャビ王への書簡を受け取った。 男は静かに息絶えた…




5種類のアイテムがある。


重症治療のポーション
帰還の魔法書
癒しの杖
1195枚の金貨
3枚のプラチナ硬貨


「使えよ」

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