真・恋姫無双ー最強の軍を作ろう!by劉璋(仮) 作:名無之助
と、言い訳はこのくらいにして、本編です、あと、短いかも
あの日から数週間ほどたち、政務も一段落ついた日、何進様がふと思い立ったように俺に対して呟いた一言が、今の俺の現状、つまり、城門の前でそわそわしながら恋人を待つ青年の図……を作り出していた。
その一言
「時に仁よ、あれから董卓嬢とは出かけたりはしたのかえ?してないのならはよう誘って出掛けるのじゃ」
「は……なぜ?」
「……仁は女心が分かっておらぬ、良いから誘って出掛けるのじゃ、そうじゃな、明日あたりよかろう?」
「は、はあ、まあわかりました。」
という感じで、今日を迎え、いざ待つとなると、緊張する……あと後ろから感じる妙な視線は…気のせいではないな?
(今なんか寒気が…いや、気のせいじゃろう)
(ちょっと、気づかれてないですよね!?)
(大丈夫じゃ、それ賈クよ、来たようじゃぞ)
(!…月に手を出したら許さないから‼︎)
どうしよう、聞こえているんだが……いや、あえて気づかないふりをした方が楽しそうだ。
「お、お待たせしましたか?」
声をかけられ、そちらを向くと、其処には天s……大天使がいた。
いや、小さいから小天使か?
とにかく、天使がいた。
清楚な感じの着物を身につけ、少し化粧をしているようだが、それが無くても紛れもない天使が目の前にいた。
「あ、あの?」
「可愛い……」
「へう!?」ぽん
つい口から出た言葉に、董卓さんは一気に顔を赤くして俯いてしまった。
その仕草のなんと可愛らしいことか。
(あいつ早速月に色目使って‼︎ちょっと文kムグー‼︎)
(落ち着くのじゃ賈クよ!こんな面白…ゲフンゲフン、幸せそうな2人を邪魔するでない!妾達は見守るのに徹するのじゃ‼︎)
(…ぷは!あんた今面白いって言わなかった⁉︎)
おーい、聞こえてるんだけどー。
あと何進様、今回だけは感謝するよ、増やす仕事の量は減らして置くかな?
(な、なんじゃ?今すごく嫌な感じが…)
「それじゃ行きますか、董卓さん」
「は、はい」
董卓さんの手を引いて街へと向かうと、直ぐに小さな子供達に囲まれてしまう。
「あ、劉兄ちゃんだ!」
「あそぼー!」
「その女の子兄ちゃんの奥さん?」
「へう⁉︎…お、奥さん?」ぽん
董卓さんは子供の1人が発した言葉にまた赤くなってしまう。
「まだ奥さんではないよ、その内な?」
「そーなんだー。」
「ねーあそぼー!」
「………ま、まだ…奥さん…その内……へう〜」
あー、完全にオーバヒートしてる董卓さんも可愛い。
(ふむ、董卓嬢は可愛いの)
(ふ、ふん、当たり前よ!でも悔しい!あんな顔僕ですら見た事無いのに‼︎)
(なーなーおばちゃんたち何してんの?ふしんしゃ?)
(な、おばちゃんでは無いわ!)
(それに不審者でも無いわよ‼︎)
(あの警備隊のものですが、不審者がいると、あなた方ですね、ご同行願います。)
(ち、違うのじゃ、妾はおばちゃんでは無いのじゃーーー)
あ、何進様達連行された……まぁあとで迎えに行けば良いか…。
子供達と別れ次に来たのは屋台街
「おう、劉坊、其処の可愛い嬢ちゃんは劉坊のコレか?なら、これ嬢ちゃんに贈ってやんな、今1番人気の首飾りだ。」
おっちゃんが差し出してきたのは、貝殻をあしらったデザインの清楚な感じの首飾りだった。
「え、おっちゃん悪いって!」
「良いから、嬢ちゃんも、劉坊からなら嬉しいだろう?」
「え、あ、あの…はい」
董卓さんは顔を赤くしながら頷いた。
うん、おっちゃんの言葉に甘えよう。
「分かったよ、おっちゃん、董卓さん、これ付けてみてくれるかい?」
「はい」
「うん似合ってるよ、すごく良い!」
「あ、あの、ずっと董卓さんと呼ばれてると、何か距離を置かれているような気がするので、月と、真名で呼んでもらえませんか?」
「…良いの?」
「はい、お願いします」
「じゃあ、月さんも俺の事も、仁と呼んでほしい、俺の真名だから」
「はい、仁さん!」
笑顔で初めて俺の真名を呼んでくれた彼女の顔は、一生忘れないだろう。
それからも、焼き鳥屋のおばちゃん、饅頭屋のおっちゃん、服屋の化けも…ゲフンゲフン、オネエさんに色々サービスされ、気がついたらもう夕方で、董卓さんを家まで送る事にした。
そして、少し歩くと、ガラの悪い2人組が俺と董卓さんの前に現れた。
「おいおい、可愛い嬢ちゃんじゃねーか、ポーズ、嬢ちゃんだけ置いていきな」
「そうするのが身のためだぜ?」
明らかに雑魚だけど、月がいる前で、ボコボコにしたら、月に嫌われたくも無いから、どうしよう。
「あ、あの、や、やめてください…へう」
董卓の攻撃、天使の上目遣い!
「「………ぐは」」
チンピラは倒れた!
「おい?」
「…天使だ………ガク」
うん、まぁ、其処は同意するが…深く突っ込むのはやめておこう。
其処からは何事もなく月さんを家まで送り、俺も帰宅した。
何か忘れているような気もするが…。
その頃 警備隊の詰所の牢屋。
「グス、ヒッグ……わら、妾は不審者でも、おばぢゃんでも無いのじゃー、仁よはよう迎えに来でぼじいのじゃー!」
「月ぇー迎えに来てよぉー、うわーん‼︎」
警備隊隊員はのちにこう語る。
「あれが大将軍?…この国大丈夫ん?」
ちなみに翌日迎えに行くと何進に抱き着かれそうになって躱したら泣かれたとさ…。
え?
賈ク?
………牢屋の隅でブツブツ何か呟いていて怖かったから放置しといた。
次回からは仁は将になってます。