やはり俺の界境防衛機関での物語は間違っている   作:つむじ

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〜比企谷隊パラメータ〜
隊長 比企谷八幡
トリオン:15
攻撃:16
防御・援護:9
機動:10
技術:13
射程:3
指揮:9
特殊戦術:6
合計:81
戦術は東春秋に指導してもらっている。
トリオン量は現在トップ。
得意技は旋空からの中距離攻撃。

アタッカー 巻町 操
トリオン:7
攻撃:10
防御・援護:3
機動:12
技術:5
射程:1
指揮:1
特殊戦術:2
合計:41
機動力ではボーダートップレベル。
指揮をとるのが苦手。
2本の弧月(短刀)による高速戦闘を得意技とする。

アタッカー 練 紅覇
トリオン:6
攻撃:13
防御・援護:6
機動:9
技術:9
射程:2
指揮:2
特殊戦術:3
合計:50
八幡の代わりに指揮を執る事がある。
弧月(大剣)から繰り出される圧倒的な威力を持つ旋空でシールドごと敵を斬ることを得意技としている。


アタッカー 刀藤 綺凛
トリオン:6
攻撃:9
防御・援護:6
機動:10
技術:7
射程:1
指揮:1
特殊戦術:6
合計:46
まだ幼いながらも比企谷隊の中でも1番伸び代がある。
戦うごとに戦い方が変わり相手を翻弄させる。
1本の弧月での連撃を得意技としている。


彼は認知される

戦闘を開始してから既に5分ほど経った。

そろそろトリオン兵が殲滅された頃だろう。

くまちゃんを除いて全員がマスター(クラス)なのだ。

トリオン兵を倒すなど友達付き合いより簡単だろう。

え?友達付き合いを難しく感じてるのは俺だけだろって?

残念ながら俺は難しく感じてない。

何故ならボーダー隊員を除いて俺は友達が1人もいないからな!

あ〜、自分で言っていて悲しくなってきた。

そろそろ学校でも友達が欲しくなってきた。

誰だって友達が欲しいはずだ。

俺だって昔は友達なんて俺の生きていく糧にならないからいらない。

なんて思ってたけど仮にボーダーが無くなったことを考えた時があった。

そしたら俺の周りには友達なんていなくなってしまうだろう。

それは流石に寂しい。

同窓会なんて行く行かない関係なしに声をかけられる事もないだろう。

それで偶然ばったり合ってしまった時には空気が悪くなるだろう。

だから俺は他人に迷惑をかけない様にするために友達が欲しい。

などと他人とはどこかズレた理論を頭の中で唱えている時だった。

『みんなお疲れ。トリオン兵は全部片付いた。後はシールドを解いて屋上に集合ってことで。』

どうやら終わったようだ。

にしても迅さんのサイド・エフェクト便利だな、どのタイミングで何が起こるか分かるなんて。

でも迅さんもサイド・エフェクトには苦労しているのだろう。

これはサイド・エフェクトを持っている全員が今までもこれからも悩み続けることだ。

当然俺も苦労した。

小学生の頃はサイド・エフェクトをうまくコントロール出来ず、人がこそこそと話している際にその口元を見て何を言っているのかを理解出来てしまっていた。

これだけならまだ良かった。

でも、俺は最初から最後まで嫌われ者だった。

当然悪口など頻繁に言われ続けた。

だが言われ続けたと言ってもそれは直接ではなく陰口としてだった。

なら何故俺がその悪口を知っているかって?

サイド・エフェクトで見てしまっていたからだ。

その時からかもしれない。

学校にもあまり行かずボーダーで戦闘訓練をやり始めたのは。

徐々に学校に行くことも少なくなり、遂には不登校となった。

その頃にはもう小学6年生で大規模侵攻が起こった年だった。

だが俺は1度だけ小学6年生の時、学校に行ったことがあった。

それは卒業式だ。

流石に卒業式には出ろとお袋と忍田本部長が言ってきたので渋々ではあるが了承した。

当然からかわれるのは覚悟していた。

1年間学校にいなかった奴が突然くるのだ。

生徒達からしたら格好の餌食だ。

ピラニアのいる川に裸で飛び込むのと同じだ。

いや、流石にそこまではひどくはないが当時の俺はそのレベルまで覚悟していた。

だが結果は違った。

誰が見たのか、誰が言いふらしたのか分からないが俺がボーダーと言うことが学校の教師や生徒にバレていたのだ。

まるで俺はヒーロー扱いになった。

不登校になっていた理由が理解出来たなど教師たちは口々に揃えて言った。

他のクラスや下の学年の生徒達も俺のことを一目見ようとわざわざ俺のクラスにまで足を運んできたのだ。

1日だけだが俺は学校1の人気者になったのだ。

だがそれを面白く思わない奴らもいた。

そう、俺のことを嫌ってきた奴らだった。

今まで自分より下だと思っていたやつが急に自分たちには手が届かないところにまで高く上がったのだ。

良く思うはずがない。

そいつらが何を思ったか知らないが卒業式が終わると俺を人気のないところ、今の警戒区域の近くに連れていき集団リンチをしようと仕掛けてきたのだ。

だがそいつらはそこから1歩も動こうとしなかった。

それどころか尻餅をつくもの漏らすものまでいた。

俺は何事かと後ろを見た。

そこには(ゲート)が発生していたのだ。

数は4体と少なかったが大規模侵攻という恐怖を味わったばかりの一般人からしたら直ぐにでもここを離脱したいはずだ。

しかし動けない。

頭で理解出来ていても体が言うことを聞かないのだ。

俺はそんな奴らを一度見てトリオン兵の方に向き直った。

は〜、さっきまでの威勢はどこに行ったんだか。

「トリガー起動(オン)

俺はトリガーを起動すると同時に弧月を抜刀し4体のトリオン兵を5秒も経たないうちに全部真っ二つにした。

周りにトリオン兵がいないか確認し俺はトリガーを解除した。

そしてその場をあとにした。

あいつらがその後どうなったか今となっては分からない。

これが俺のサイド・エフェクトで悩み続けてきた小学校生活だ。

今はサイド・エフェクトをコントロールすることが出来、苦労はあまりしていない。

俺が昔を振り返っているといつの間にか全員揃っていた。

「全員ご苦労さまでした。迅さんを除いた全員はこれから自分たちの教室に戻り担任に報告をすること。迅さんは校長達にこのことを報告してください。ではこれで解散とします、お疲れ様でした。」

俺がそう言うと全員屋上から降りていった。

 

 

 

「まさか今日学校に残ってなんて言われるからない事かと思ったけどこういうことだったんだ。ていうか八幡はなんで知ってたのに私達に言わなかったの?」

「たしかに、言ってくれればそれなりの準備してきたのに。」

「くまちゃん、その準備ってトイレに行くの我慢すブベェラッ」

俺が喋っている途中にくまちゃんの強烈な一激がオレの顔面をクリーンヒットした。

「あんた、それ以上言ったら殴るわよ!」

「もう既に殴られまアベシッ!」

また殴られた・・・。

理不尽にも程がある。

「比企谷、いう事は?」

「ず、ずびばぜんでじた〜」

「うわ〜個人総合1位貫禄なーい。」

うるせ、俺に貫禄なんてねーんだよ。

 

 

 

 

 

 

「熊谷さん、巻町さん!二人とも凄かったね!外にいたトリオン兵があっという間に居なくなっててビックリしたよ。」

2人に感激の言葉が降り注いだ。

そう2人に。

俺も頑張ったんだけどな〜。

別に褒められたいとかそういうわけでわないのだが一緒に戦ったのに誰にも認知されないのは結構心にくる。

そう思っている時だった。

「ひ、比企谷君も凄かったね。」

え?さっきのってフラグだったの?

どうやらオレも認知されていたようだ。

それも女子に、もう一度言おう女子にだ。

今日頑張った甲斐があった。

こんなに可愛い女子がモジモジ言ってくれたのだ。

我が人生に一遍の悔いなし!

ベシッ

「何鼻の下伸ばしてるのよ八幡。とっとと帰るわよ。」

操にチョップされた。

いつの間にあの可愛いこと入れ替わってたんだ・・・

「は〜〜〜わかった。」

「何よその溜息は!?私だと何かがっかりすることでもあるの!?」

「ん、全部。」

「なんですって〜!って何私のこと置いてってるのよ、まちなさ〜い!」

は〜いつも騒がしい女だ。

さて、今日の晩飯は何にしよ〜かな〜。

 

 

 

 

 

 


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