やはり俺の界境防衛機関での物語は間違っている   作:つむじ

3 / 39
少し短いかもしれません


彼は長男が故に我慢する

「悪い、遅れた。」

バイクをとばすこと10分、どうにか間に合った。たく、途中で操がトイレに行きたいなんて言わなければもう少しはやくついたんだが。我慢しろと言っても「便秘は美容の大敵なのよ!」と女子としてかなり残念なことを言ったので渋々だがトイレに立ち寄った。女子が男に堂々と恥ずかしげも無く言えるというところ、さすが操だと改めて感心すると同時に幻滅もした。

「ごめん、八幡がトイレによったから遅れた。」

「嘘ついてんじゃねーよ、お前が言ったんだろうが。俺は今でも我慢してるし。」

ほんとこいつがトイレに行った時に俺もトイレに行けばよかった。まあ、我慢と言っても今日は防衛任務2時間程だからあっという間だろう。

「八兄、我慢は良くないよ。そこの民家でしてきたら?」

「紅覇よ、ここら一体の民家は電気もねぇガスもねぇ水道もねぇところだ。流石に水が流せない便所でする気はねぇよ。」

「あ、あの八幡お兄さん。そこに側溝があるんですけど・・・」

モジモジと恥ずかしそうに言う比企谷隊アタッカーであり俺や操、紅覇にとっては妹の綺凛。よかった。我が家の天使はがさつな女になんなくて。この子のような年頃はスポンジのごとくいろいろ吸収するから操に影響されるかと思ったが大丈夫・・・じゃなかった!思いっ切り俺に外で立ちションを勧めてきやがった。

「大丈夫だ綺凛。なんか分からんが引っ込んだ。」

流石に綺凛にああ言われると出るもんも出なくなる。どこで育て方間違えたんでしょう。兄として一生の不覚。綺凛には清楚な子でいて欲しい。操は手遅れだが・・・。

(ゲート)発生!(ゲート)発生!誤差1.56、1.56』

どうやら(ゲート)が発生したらしい。

「ハロ、数は何体だ。」

『モールモッド6体、バムスター11体』

ふむ、17体か。4で割り切れないな。よし

「紅覇、綺凛、便秘野郎は4体ずつやれ。残りは俺がやる。」

「ちょっと!誰が便秘野郎よ!女子に向かってそれはないじゃない!言うならせめて便所野郎でしょ!」

う〜ん、何が違うんだ?結局トイレにつながってるじゃねーか。それに女子が便所なんて言った日には俺はもうそいつを女子として見れないだろう。え?操を女子としてみたことあるのって?産まれてこの方一度も思ったことない。女子らしい仕草もしてるところ見たことないしな。やはり、幼い頃から戦ってきたからだろうか。まあいい、今更だしな。

「取り敢えずとっとと行ってこい。一番最初にここに戻ってきたやつには何か1つ言うこと聞くから頑張って早く終わらせてこい。」

たかが一回の任務で大げさだと思うかもしれないがトリオン兵のいる場所が警戒区域ぎりぎりなのだ。寧ろゆっくりし過ぎたのだ。さて、俺も自分のお仕事を済ませましょうかね。

「グラスホッパー」

俺の前に半透明な水色の卵のようなものが現れた。それと同時に1枚の水色の板が出てきた。1回踏みまた新しいところに水色の板を出しまたそれを踏み、という作業を3回ほど繰り返しもくてきのばしょにたどりついた。あれ〜、なんででしょうかね〜。モールモッドが6体のうち5体いるんですけど。あらやだ俺モールモッドに人気もの。学校でも同じことが起きればいいのにな〜。いや、起きてるな。あのモールモッド達と同じように・・・敵意を隠そうとしないあのリア充ども。特にくまちゃんと喋ってる時とかモールモッドにも勝てるような鋭い視線。流石に個人総合1位でも視線にはかなわない。ん、てことはあのモールモッド達はリア充ということか。うわーボッチの敵だわー。学校ではリア充に勝てないがここでは目をつぶってでも勝てる。すいません、嘘ですね。俺は目があってこそなのに視界潰したら何の取り柄もないじゃん。まぁとりあえず

「死ねリア充ども。・・・旋空弧月」

俺は目にもとまらぬ速さでリア充(モールモッド)を斬った。近界側のリア充どもよ地球のボッチ舐めるなよ。

「あ、八幡。そっちはもう終わった?」

「ああ、お前も終わったか。ならとっとと帰るぞ。もうちょいで終了だ。」

ようやく終了だ。それ即ち、ようやく便所に行ける。と、1人で歓喜に溢れていると

「お〜い、八兄〜。一番は、綺凛だったよ〜。」

どうやら一番は我が家の末っ子だったようだ。

「良くやったな綺凛。で何が欲しい?」

この年頃の女子は文房具など学校で目立つために色々と持ち物を変える。ソースは中学時代の女子。ほんと流行に敏感なんだよな〜。綺凛は何をしなくても目立つと思うんだが。可愛いし、A級1位部隊の隊員だし、可愛いとこれだけでスクールカースト上位には簡単に入れる。ホントは厳しく育てるべきなんだろうが、どうしても厳しくなれない。

「あ、あのえ〜と家に帰ってからでもいいですか?」

「いいぞ。じゃ、おれもう先にあがるわ。・・・緊急脱出(ベイルアウト)!」

バフッ。俺がベッドに落ちた音だった。それ以外に音はない。静寂な時間が流れ・・・

「おつかれ、おつかれ」

てないようだ。

「おう、おつかれさん。」

さて、とっとと便所に向かうとするか。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。